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2019年12月2日更新
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休眠会社売買の方法とは?売買のメリットやM&Aの活用を解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

休眠会社は、会社法で「株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。」と定義されます。 最後の登記から12年を経過すると、長期間事業活動をしていないと判断され、休眠会社として扱われるという点が特徴です。また、法務省による休眠会社の整理作業の中で、みなし解散という仕組みもあります。

目次
  1. 休眠会社とは
  2. 休眠会社の特徴
  3. みなし解散とは何か?
  4. 休眠会社とM&A
  5. 休眠会社売買の方法
  6. 休眠会社売買のメリット
  7. 休眠会社売買の注意点(特に買収側)
  8. ペーパーカンパニーとの違い
  9. 休眠会社売買を専門家に相談する場合
  10. 休眠会社売買の方法まとめ

休眠会社とは

休眠会社とは、長期間事業活動をしていない株式会社のことを指します。

会社法では、休眠会社は「株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。」と規定されています。

つまり、最後の登記から12年を経過すると、長期間事業活動をしていないと判断され、休眠会社として扱われることになります。

休眠会社の特徴

休眠会社の正確な定義である「株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。」(会社法第472条第1項)をもとに、休眠会社の特徴を整理しておきましょう。

休眠会社はM&Aの事例でも登場するので、定義と特徴を知っておくと、事例の分析などに役立ちます。

ポイントは、株式会社であることと、最後の登記から12年を経過するという部分です。

・株式会社であること

休眠会社は、基本的に株式会社の仕組みとなります。一般財団法人や一般社団法人でも「休眠一般財団法人」「休眠一般社団法人」という仕組みがありますが、「休眠会社」と表現すると、基本的には株式会社に限った話になります。

(一般財団法人と一般社団法人は、最後の登記から5年を経過したら、それぞれ休眠一般財団法人、休眠一般社団法人になります。休眠会社より期間が短くなっています。)

また、会社法上の「会社」には、株式会社のほかに持分会社があります。しかし、持分会社には休眠会社の仕組みがありません。休眠会社の規定には「株式会社であって…」と規定されており、持分会社が含まれていないからです。

持分会社には合名会社、合資会社、合同会社の3つがありますが、いずれも休眠会社の仕組みがないことになります。

さらに、特例有限会社には会社法第472条が適用されないため、こちらも休眠会社の仕組みがありません。

・最後の登記から12年を経過すること

登記された株式会社でも、最後に登記があった日から12年を経過したら、休眠会社となります。これは、長期間にわたって事業活動が行われていないことを意味します。

株式会社が通常の事業展開を行う場合、一定期間内に登記すべきタイミングが発生します。例えば株式会社には取締役がいますが、取締役には任期があります。任期満了に伴い、他の取締役が選任される場合など、その都度変更登記をしなくてはなりません。

もし、このような変更登記が行われない場合、会社が事業活動を行っていないと判断されることになります。

そして、最後に登記があった日から12年を経過したら、休眠会社として扱われるという仕組みです。

みなし解散とは何か?

次に、休眠会社のみなし解散について整理しておきます。登場人物は、法務大臣、登記所、そして休眠会社です。

法務大臣が「事業を廃止していない旨の届出を、2ヶ月以内に登記所にするように」との公告をすると、その旨の通知が登記所から休眠会社に届きます。ここで、休眠会社がその届出をしないと、2ヶ月の期間満了時に解散したものとみなされてしまいます。

ただし、その期間内に、休眠会社に関する何かしらの登記をすれば、解散したものとはみなされません。

また、一度みなし解散になっても、3年以内に株主総会の特別決議で継続を決めれば、解散前の株式会社として継続できます。

休眠会社とM&A

休眠会社を買収する事例も見られます。休眠会社の買収は、「会社の新規設立のような資本金を用意する必要がない」「許認可の手間やコストの節約」といったメリットがあります。

ただし、休眠会社は事業内容などが不明瞭な場合も多く、買収の際には十分に注意する必要があります。

また、先ほども見たように、休眠会社はみなし解散の仕組みがあります。これは、法務省による休眠会社の整理作業を意味します。法務大臣の公告により、事業を廃止していない旨の届出をさせ、届出がなければ解散とみなすという流れの中で、会社として実態があるのかどうか整理しているからです。

休眠会社は法務省の整理作業の対象となるため、買収する際には公告のタイミングなども考慮しなくてはなりません。

休眠会社の買収のメリット・デメリットについて、詳しくは後述します。

休眠会社売買の方法

次に、休眠会社の売買について整理しておきましょう。M&A事例として休眠会社が登場するケースもあるので、M&Aに関する知識として知っておくと便利です。

まず、休眠会社の売買の方法からご紹介します。

休眠会社の買収は、基本的には通常の企業の買収と同じです。休眠会社といっても、みなし解散にさえならなければ、通常の企業と構造が同じだからです。

一方で、売却する側の休眠会社にとっては、売却の方法として独特のポイントがあります。以下、整理してみましょう。

・債務を明確にしておくこと

売り手を取り込む立場となる買い手は、一般的にはリスクが高くなります。特に、事業内容などが不明瞭な休眠会社の場合、買い手はより慎重にならざるを得ません。

売り手となる休眠会社としては、買い手が感じる不安要素をなくしておく必要があるのです。特に債務は明確にしなければなりません。

売り手の債務状況は、買い手としては不安に感じる部分です。休眠会社が債務を隠しているのではないかと不安に感じることもあるでしょう。ここで、休眠会社が債務を明確に公表していれば、買い手の信頼を得やすくなります。

休眠会社としては、不利な側面は公表したくない場合もあるでしょう。

しかし、会社の売買においては、公表すべき点を公表しないわけにはいきません。必要事項を公表しないことは、後のトラブルに発展するからです。

売買が不成立になるだけでなく、契約違反として違約金を請求されるおそれもあります。このような状態にならないためにも、休眠会社は債務を明確にしなければなりません。

・許認可の獲得

先ほど少し触れましたが、休眠会社の買収は、買い手にとって許認可の手間やコストの節約というメリットもあります。

例えば、買い手側の企業が、許認可が必要な事業の開始を検討しているとします。自社だけで事業を開始する場合、必要な許認可を得なくてはなりません。一方で、すでに許認可を得ている休眠会社を買収すれば、新たに許認可を得ることなく、その事業に参入できるのです。

休眠会社の場合、長期間事業活動を行っていないので、事業面や収益での魅力がないことになります。一方で、何か許認可を獲得していれば、それが魅力になります。

・繰越欠損金

もう一つ、売り手の繰越欠損金(赤字が出た場合に翌期以降の黒字と相殺できるルールのこと)についても触れておきます。繰越欠損金目当てで休眠会社の買収を考える企業もあるからです。

繰越欠損金は、税金の軽減につながります。将来の黒字と欠損金を相殺することは、法人税の軽減につながるからです。

簡単に言うと、ある年度の赤字を翌年度に繰り越すことで、その赤字分が翌年度の黒字から差し引かれ、それによって課税所得が減り、法人税が安くなるという仕組みです。

繰越欠損金を持つ会社を買収すれば、買収企業の黒字と相殺することで、税金の軽減を図ることもできます。ただし、これは休眠会社の事業をそのまま継続する場合のみで、新事業の場合は繰越欠損金が使えません。

このように、必ずしも税金の軽減につながるわけではありませんが、繰越欠損金を持っていることは、買い手にとって魅力になる場合もあります。

休眠会社売買のメリット

ここまでの話の中でも少し触れましたが、休眠会社の売買のメリットについて整理しておきます。

許認可の獲得

飲食店、自動車関連など、許認可が必要な業種は多く見られます。もし休眠会社がこれらの許認可を持っていれば、買い手にとって許認可の手間やコストを削減できます。

資金面でのメリット

現在は資本金が1円でも会社の設立ができますが、実際には数百万円以上の資本金で会社を設立するケースが多いです。このように考えると、休眠会社の買収は、新規設立よりも安価です。新規設立ほどの資金はかからないので、安価で新規事業をスムーズに開始できます。

廃業コストがかからない

これは売り手側のメリットです。

会社の廃業手続きはコストや手間がかかります。一方で、廃業せずに休眠会社のままにしておき、さらに売却できれば、コストがかからないだけでなく売却益を得ることもできます。

休眠会社売買の注意点(特に買収側)

繰越欠損金のように、節税として休眠会社の売買が行われる場合もあります。ただ、先ほども見たように、一定の条件で繰越欠損金が使用できない場合もあるので、注意が必要です。

「休眠会社にあまり魅力を感じなくても、繰越欠損金目当てで買収を考える」といったケースもあるでしょう。ただし、条件によっては結局節税ができないこともあります。

また、休眠会社の債務など、不必要なリスクを抱え込むおそれもあります。もし買収を実行する場合には、節税効果について事前にきちんと検討しなくてはなりません。

休眠会社の債務についても、特に注意しなくてはなりません。買収の際には、対象企業の調査・検証(デューデリジェンス)を行いますが、全ての債務について問題点を洗い出せない場合もあります。

もし後になって知らない債務が見つかれば、それだけリスクは高まるのです。

休眠会社の最大の特徴は、現在の事業の状況が不明瞭であるという点です。必然的に債務状況も不明確となります。

売却に意欲的な休眠会社であれば、信頼を得るために債務をはっきり示すでしょう。

一方で、節税効果などの目的で、意欲的でない休眠会社を買収するというケースもあります。この場合、どうしてもリスクが高まるという点には注意するべきです。

ペーパーカンパニーとの違い

ペーパーカンパニーとは、設立登記はされていても、実体のない名目だけの会社のことをいいます。意味だけを見ると休眠会社と似ていますが、言葉として実際に使用する場合、両者には違いがあります。

休眠会社というのは、あくまで会社法で規定された表現です。先ほども見たように、株式会社の仕組みの一つとして、会社法で明確に示されています。

一方で、ペーパーカンパニーの場合、法律上の明確な定義があるわけではありません。

また、ペーパーカンパニーという表現は、悪い意味で使用されることもあります。例えば、税金逃れや債務の移し替えのために設立される会社として表現されることもあるのです。これは、ペーパーカンパニーが休眠会社のような法律上の表現ではないことも原因と言えるでしょう。

法律上の表現でないため、悪い意味で使用されるケースも多いと考えられます。

休眠会社売買を専門家に相談する場合

休眠会社の売買はリスクが高い場合もあるので、きちんと専門家に相談する必要があります。一番イメージしやすい専門家は、税理士、弁護士、M&Aアドバイザリーと言えるでしょう。

例えば、節税効果も踏まえて休眠会社の買収を考える場合、税務上どのような扱いになるのか、節税効果はあるのかを税理士に相談し、休眠会社の債務については弁護士に相談できます。また、これらの専門家は、デューデリジェンスの際にももちろん大きな力を発揮します。

買収したい休眠会社の財務状況、法律的な問題、税務上の問題など、詳しく調査し、検証しなくてはなりません。企業の経営者が単独でできる分野ではないので、それぞれの分野の専門家に依頼する必要があります。

また、買収である以上、M&Aアドバイザリーの一体的なサービスは様々なメリットがあります。買収候補の検討から、買収後の統合段階に至るまで、様々な段階で手厚いサポートを受けることができます。

不安要素を一つ一つ解決してくれるので、当事者としては心強い存在と言えます。

休眠会社売買の方法まとめ

休眠会社は、会社法で「株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。」と定義されます。

最後の登記から12年を経過すると、長期間事業活動をしていないと判断され、休眠会社として扱われるという点が特徴です。また、法務省による休眠会社の整理作業の中で、みなし解散という仕組みもあります。

休眠会社は売買事例もあるため、M&Aに関連する知識としても重要です。休眠会社の売買にはメリットもありますが、注意点もあります。

メリットを最大限に活かすためにも、事前に注意点を整理し、検討を重ねておきましょう。また、専門家のサポートを受けることも重要です。

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