2020年12月23日更新事業承継

会社解散の手続き

会社解散には一定以上の時間と手間、コストがかかります。会社解散の種類には任意解散、強制解散、みなし解散があり、煩雑であるため、手続きを熟知した専門家の助けを借りることも重要です。そこで今回は、会社解散について詳しく解説します。

目次
  1. 会社解散とは
  2. 会社解散の種類
  3. 会社清算の種類
  4. 会社解散の事由
  5. 会社解散の手続きのプロセス
  6. 会社解散には専門家の助けが必要
  7. 会社解散とM&A
  8. まとめ
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会社解散とは

経営者の方であれば、何らかの形で会社解散を経験する可能性が高いでしょう。会社解散は、文字通り会社を解散させることによって法人格を消滅させる手続きのことです。後述する会社の資産や債券、債務を整理する清算というプロセスを完了させてはじめて法人格の消滅が完了します。

そのため、会社解散の手続きは決して簡単なものではありません。会社を解散するだけでもさまざまな手続きが必要であり、膨大な時間や手間、コストがかかります。

そのため、会社解散の手続きについては理解を深めたうえで実行する必要があります。今回は、会社解散の概要や会社解散のための手続きについてお伝えしていきます。

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会社解散とは?解散から清算までの流れ、費用、スムーズに終わらせる方法を解説

会社解散の種類

会社解散には、大きくわけて以下の3種類があります。

  1. 任意解散
  2. 強制解散
  3. みなし解散

ちなみに会社解散は倒産と同じようなイメージだと思われがちですが、実際は異なります。倒産とは、法的には破産と呼ばれるものであり、会社更生法や民事再生法などを適用して破産状態に入ったことをさします。

つまり、倒産は、会社解散と違い、倒産したからとって会社そのものが消滅するわけではありません。確かに倒産は実質的に会社の経営が破綻しているため、会社解散を選択する事例は多いですが、倒産しても会社そのものを残して再建するケースもあります。

つまり、会社解散をしなければ倒産しても会社は消滅しないことになります。会社が倒産していても解散していないケースもある一方で、会社の経営が黒字であっても会社解散を実施するケースがあります。

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黒字倒産とは?原因と対策

会社清算の種類

また会社解散とともに行う会社の清算にも以下の3種類があります。

  1. 任意清算
  2. 法定清算
  3. 特別清算

任意清算とは、合資会社や合名会社のみが使える清算方法をさします。また、法定清算は、清算人が清算を進めていく一般的な方法です。さらに、特別清算は債務超過の疑いがある、あるいは債務超過になっている会社が裁判所の指導を受けながら清算を進める破産に近い清算方法をさします。

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会社解散の事由

会社解散の事由は会社解散の種類によって異なります。ここでは、任意解散、強制解散、みなし解散におけるそれぞれの法律に定められている事由についてお伝えします。

①任意解散の事由

任意解散の事由には以下のようなものが挙げられます。

  • 株主総会で決議される
  • 定款で定められている会社の存続期間が終了する
  • 定款で定められている会社解散の事由が発生する
  • 合併によって当該会社が消滅会社となって消滅する

②強制解散の事由

強制解散の事由には以下のようなものが挙げられます。

  • 休眠会社をみなし解散する
  • 破産手続きの開始を決定する
  • 裁判所から解散を命ずる判決が下される
  • 銀行法や保険業法などといった特別法に基づいた解散事由が発生する

③みなし解散の事由

みなし解散は以下の通りです。

  • 最後に登記した日から12年を経過している休眠会社

基本的に上記の事由に該当した場合はいずれかの形式の会社解散を行うことになります。本来、会社解散といえば、会社の経営が悪化し、回復が難しいと判断された際に行われるものです。

会社の経営が悪化した状態であれば、会社の取引先や顧客にも迷惑がかかる恐れがあるうえに、回復の見込みがないまま無理に会社を経営しても、さらなる悪化を招いて債務超過に陥ればさらに負担がかかります。

そのため、経営者であれば、そのような事態を避けるためにも、会社解散を選択肢の一つとして考えておく必要があります。

一方、昨今では、会社の経営が悪化したという理由以外で会社解散を行うケースが増えています。代表例としては、中小企業に多い後継者不在の状況に陥り、事業承継が難しいと判断された際に会社解散を行うケースです。このような場合は、会社が黒字であっても会社解散を実施するケースがあります。

また、ハッピーリタイアメントの一環として会社解散を行うケースもあります。経営者の中には、50代のうちに会社解散して、早い段階で老後に備えるという人もおり、最近の経営者のライフプランの変化を如実に表している例だといえます。

会社解散の手続きのプロセス

会社解散の手続きはいくつかのプロセスに分かれており、すべてを完了するためには、ある程度の期間を必要とします。ここでは会社解散の手続きの際に実施する以下のプロセスについてお伝えしていきます。

  1. 株主総会による特別決議
  2. 解散・清算人選任の登記と解散の届け出
  3. 財産目録・貸借対照表の作成
  4. 官報公告
  5. 清算、清算終了後の残余財産の確定と分配
  6. 清算決了の登記・届け出

①株主総会による特別決議

会社解散を決定する際は、はじめに株主総会を開催する必要があります。その際の株主総会は、普通決議ではなく特別決議を実施します。また、株主総会で決定する主な事項は解散日についてですが、定款に定めがない場合は清算を実施する清算人の選任も当時に行います。

特別決議では、会社の株式の過半数を持つ株主が出席し、株主が有する議決権の3分の2以上の賛同が得られることで会社解散が承認されます。また、株主総会で定められた解散日には、事業活動がすべて終了します。

②解散・清算人選任の登記と解散の届け出

解散日を過ぎると2週間以内に解散・清算人の登記を実施し、2カ月以内に各種機関への解散の届け出を行う必要があります

まず、解散・清算人選任の登記は、会社の管轄区内法務局で実施します。解散・清算人の登記は、定款や株主総会議事録などといった書類が必要であり、登録免許税(会社解散の登記が30,000円、清算人選任の登記が9,000円)を支払わなければなりません。。

さらに、解散の届け出は税務署、ハローワーク、都道府県税事務所、市区町村役場、社会保険事務所、労働基準監督署などといった機関に届け出る必要があります。届け出る機関が多いため注意が必要です。

③財産目録・貸借対照表の作成

清算人は選任されてからすぐに財産目録や貸借対照表を作成します。作成した財産目録や貸借対照表は、株主総会の承認を得る必要があり、承認を得て初めて清算をスタートできます。その際、承認を得た財産目録などは会社で保管します。

④官報公告

会社解散を行う際には、官報で解散公告を行います。官報公告は、最低2カ月間の公告期間を終了しなければ債務の弁済が不可能であるため、注意が必要です

また、官報公告自体は債権者の有無に関わらず行わなければなりません。ただし、会社が帳簿などで把握している債権者がいる場合は、官報公告とは別に個別で催告を出しておく必要があります。

⑤清算、清算終了後の残余財産の確定と分配

清算人は、公告期間が終了したらただちに清算をはじめます。債権があれば債権を取り立て、未払いの債務があれば支払っていきます。そして、清算が終了した際に残余財産があれば、残余財産を確定させ、株主に分配していきます

さらに、清算が終了した際には、決算報告書を作成し、株主総会を開催したうえで清算事務報告の承認を得る必要があります。ちなみに、このプロセスの過程で、会社に債務超過の疑いが発生した場合は、法定清算が特別清算に切り替わることがあります。

⑥清算決了の登記・届け出

すべての清算が終了し、株主総会で決算報告書の承認を得られたのであれば、清算決了の登記・届け出を各機関に実施します。清算決了の登記は、解散・清算人選任の登記の際と同じ法務局で実施しますが、ここでもやはり登録免許税(この場合は2,000円)が発生するため注意しましょう。

また、清算決了の登記は、清算事務報告の承認を得てから2週間以内に行う必要があり、株主総会議事録も必要であるため注意が必要です

さらに、清算決了の届け出については、税務署や都道府県税事務所、市区町村役場などに提出します。このように、登記や届け出を終えて清算は完了、会社解散を行った会社の法人格は完全に消滅します。

ただし、清算人は清算の際の帳簿や清算に関係する重要な書類を、今後10年間保存しければならないため気をつけてください。

※関連記事
会社の解散に伴う解散決議
会社・法人の清算とは?清算の登記手続きと清算人

会社解散には専門家の助けが必要

会社解散を行う際には、専門家の助けを得る必要があります。

なぜなら、会社解散には、さまざまな書類の用意や、多くの機関への登記や手続き、さらに会社の債務・債権などの清算など、重要なプロセスが多く存在します。そのため、中小企業のように規模が小さく、人員も限られる会社にとって、独力で会社解散の手続きを完遂することは非常に困難です。

したがって、会社解散の際には、会社解散の手続きを熟知しており、税務や会計の知識に明るい専門家の助けを借りておくことをおすすめします。

会社解散の専門家とは?

会社解散の場合は、行政書士や会計士、税理士といった専門家の助けを得る必要があります。もちろん依頼をすれば報酬が発生するためめ、予算に見合った報酬を提示している事務所に助けを依頼することをおすすめします。

また、最近では、行政書士や会計士、税理士の資格を持っているスタッフが常在しているコンサルティング会社もあり、会社解散を検討している会社であってもサポートをしてくれる例があります。そういったコンサルティング会社に依頼することも、会社解散をスムーズに進めるうえで役に立つでしょう。

会社解散とM&A

会社解散は、あくまで選択肢の一つです。先述したように、会社解散はさまざまな理由で実施されています。確かに会社の経営が悪化したり、後継者不在によって会社の存続が難しいと判断された際には、会社解散は有効な手段になり得るものだといえます。

ただし、会社解散を実施する場合、さまざまな書類の作成、株主総会の開催など、煩雑なプロセスを要するうえ、官報公告期間などを踏まえると一定以上の期間が必要な作業です。

また、会社解散は必ずしも有効な手段とは限りません。最近では、経営の悪化や後継者不在という状況に対し、M&Aで行うことで解決を図るというケースが増えています

M&Aを実施するメリット

M&Aは主に会社売却や合併などを実行するパターンが多く、成功率は決して高くはありません。ただし、M&Aが成功すれば、会社が存続できるだけでなく、経営者に譲渡益が入ってくるため、金銭的にも大きなメリットがあります

会社解散とは、会社の存続を絶つものです。清算を行ってもM&Aが成功した際と同等のお金は入ってきません。

加えて、中小企業の経営者の方にとっては、中小企業の経営支援や事業承継をサポートする公的機関や制度ができているため、M&Aが成功すれば大きなメリットが得られます。

最近では、国が中小企業を重視し、会社解散をせずに会社が存続できるように手厚くサポートする施策を打ちだしています。そのため、会社解散よりもM&Aを選択した方が経営者の方や株主にとってメリットがあるケースが増えているのです。

例えば、M&A総合研究所には日本全国から多種多様な業界・業種のM&A案件が集まっており、年間M&A相談実績3,600件、M&A成約率70%と高い実績があります。経験が豊富なアドバイザーがフルサポートいたしますので、お気軽にお問合せください。

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※関連記事
M&Aとは?M&Aの意味から手続きまでをわかりやすく解説!

まとめ

会社解散とは、ただ会社を解散させるだけでなく、さまざまなプロセスがあり、手間も時間もコストもかかるものです。そのため、会社解散を実施すると決めた際には、しっかりとスケジュールを組み、長期的なプロセスであることを踏まえたうえで臨んでおく必要があります。

そのため、会社解散を経営陣だけ実施することが難しいと判断した場合は、専門家の助けを借りることをおすすめします。専門家の助けが得られれば、煩雑な手続きが多い会社解散をスムーズに完了できるでしょう。

要点をまとめると下記の通りです。

・会社解散とは
 →会社の法人格を消滅させる手続きであり、清算も同時に行うケースが多い

・会社解散の事由
 →法律で定められており、任意解散、強制解散、みなし解散で異なる

・会社解散の手続きのプロセス
 →会社解散の手続きはいくつかのプロセスに分かれており、すべてを完了するためには、ある程度の期間を必要とする

・会社解散をスムーズに完了するためには
 →専門家の助けを借りておく

・会社解散とM&A
 →会社解散はあくまで選択肢の一つであり、最近ではM&Aで会社を存続させるケースも増えている

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