2020年5月15日更新会社・事業を売る

吸収分割とは?メリット・デメリットや手続き、税務について解説

吸収分割とは、会社の中から事業の一部または全部を切り出し、新しく設立する会社に承継し、既存の他社に承継するM&A手法です。吸収分割のメリット・デメリット、目的、種類や登記について解説します。

目次
  1. 吸収分割
  2. 吸収分割とは?意味と種類
  3. 吸収分割の目的
  4. 吸収分割のメリット・デメリット
  5. 吸収分割の手続き
  6. 吸収分割の税務
  7. 吸収分割による登記
  8. まとめ
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吸収分割

吸収分割

吸収分割とは、会社の中から事業の一部または全部を切り出し、新設会社に承継し、既存会社に承継するM&Aの手法です。

また、事業承継時に承継会社が現金や株などの対価を、分割会社と株主のどちらが受け取るのかによって、分社型分割と分割型分割に分類できます。

実際に会社分割を行う際には自分の会社の実情を踏まえ、様々な選択肢を考慮する必要があります。

その際にはM&A総合研究所にご相談ください。

M&A総合研究所は全国のM&A案件の取り扱いをしており、中小企業のM&Aも実現させる仲介会社です。

規模の小さい企業がM&Aを実施することが考えられますが、そのような案件にも対応しています。

通常のM&A取引では交渉から成立まで半年から1年程度かかる場合もありますが、M&A総合研究所は早いクロージングを目指し、平均して3ヶ月から6ヶ月でクロージングを行います。

それを可能にしているのは、M&Aプラットフォームを利用した独自のAIシステムによって早期にマッチングを行っているからです。

また、以下の記事では会社分割についてさらに詳しく解説しているので、気になる人はご確認ください。

【関連】会社分割とは?手続きやメリット・デメリット、事業譲渡との違いを解説

吸収分割とは?意味と種類

吸収分割とは?意味と種類

吸収分割は会社の中から事業を一部、または全部を切り出し、既存の他社に承継するM&Aの手法です。

新しく会社を設立して事業を承継させる新設分割とは、承継させる相手が既存の他社という点で違っています。

また吸収分割を行う当事者の会社同士の関係や規模によって略式吸収分割や簡易吸収分割といったものがあります。

吸収分割は様々な形式があり、4つの種類があります。

①直接承継の形の吸収分割

最もスタンダードな吸収分割は会社Aが事業を分割し、会社Bに直接承継させるという方法です。

シンプルに会社の事業を会社Bに承継させ、会社Bは会社Aに対価を支払います。

②新設分割との組み合わせた吸収分割

これは会社を新しく設立する、新設分割のやり方を組み合わせた方法です。

会社Aの事業を承継する時に会社Bが新しく会社C(完全子会社の関係)を設立し、その会社Cに事業を承継させます

この方法だと、対価は現金となります。

③完全親会社と完全子会社間での吸収分割

これは完全親会社と完全子会社の間で行われる吸収分割です。

完全親会社の会社Aが事業を完全子会社の会社Bに承継させるという流れで行われます。

この場合、すでに会社Aが会社Bの株式を全て所有していることになるため、対価としての株式や現金は不要になります。

このような吸収分割は無対価会社分割とも呼ばれます。

④無対価会社分割

これは吸収分割に近いものです。

会社Aの完全子会社である会社Bの事業を同じ完全子会社の会社Cに承継させるという方法です。

こちらも会社Bと会社Cの完全親会社が全ての株式を所有していることが多いため(ホールディングス)、無対価会社分割で行われます。

吸収分割の目的

吸収分割の目的

吸収分割とは、会社分割の中でも切り出した事業を既存の他社に承継させる方法をいいます。

吸収分割を用いる目的としては、グループ内再編や経営統合、事業譲渡と同じ効果を得るためなどがありますので、一つ一つ見ていきましょう。

①事業譲渡と同じ効果を得るため

一部の事業を切り離し、他社(グループ外の会社)に譲渡した場合には、事業譲渡と同じ効果を得ることができます

事業譲渡との違いとして、吸収分割では、M&Aの対価を現金のみならず株式でも支払うことが可能という点です。

また、従業員や取引先との雇用契約の引き継ぎに関して、個別に承諾を得る必要がないという点にあります。

②グループ内再編

親会社が一部事業を切り離し、完全子会社に承継させるケース

親会社が重点事業を切り離し、グループ内の既存の子会社に承継させることによって、経営管理のスリム化や、持株会社制度の実現により親会社が全社的な経営戦略に集中できるメリットがあります。

また、親会社が子会社の株式を100%保有している吸収分割の場合、対価(株や現金)の支払いが行われないケース(無対価会社分割)も多いです。

グループ内の子会社から他の子会社に事業を移管させるケース

グループ内の子会社同士で事業を切り出し、移管することにより、グループ内での経営資源の再配分を行うことができます。  

また、親会社が双方の子会社の株式をそれぞれ100%保有している吸収分割の場合では、対価(株や現金)の支払いが行われないケース(無対価会社分割)が多いです。

経営統合

事業を分割して、他社の事業と共に受け皿となる会社に吸収させれば、経営統合の手段としても利用できます。  

株式移転による経営統合と同様の効果を得ることができます。

違いとしては、株式移転の場合とは違って吸収分割の場合には個別の事業単位で移転させることが可能であるということです。

吸収分割のメリット・デメリット

吸収分割のメリット・デメリット

こちらでは、吸収分割のメリット・デメリットについて解説します。

①吸収分割のメリット

吸収分割のメリットは以下の2つです。

会社の一部のみを切り離して分割することができる

先ほども紹介しましたが、会社の重要な事業の一部分のみを切り出し分割することで、グループ内再編や経営統合を実施し、事業譲渡と同じ効果を得ることができます

資金がなくても分割を実施できる

吸収分割を実施する際に、承継会社は対価として現金、株式両方のどちらでも支払うことができるため、手元に多額の現金がなくても株を交付し、事業譲渡と同じ効果を得ることが可能です。

②吸収分割のデメリット

吸収分割のデメリットは以下の2つです。

不要な資産や簿外債務などを引き継ぐリスク

会社の一部がそっくりそのまま他の会社に移転するため、事業譲渡とは違い、簿外債務や不要な資産を引き継いでしまうリスクがあります

このようなリスクを避けるのであれば、M&A総合研究所のM&Aプラットフォームを活用し、理想的な売り手を見つけることがおすすめです。

M&A総合研究所のM&Aプラットフォームは豊富な案件があり、買収ニーズを登録するだけで独自のAIを駆使することにより、買収ニーズを登録するだけで理想的な案件のマッチングを受けられます。

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事務的なコストの負担が大きい

合併を実施する場合と同じく、ある一定規模以上の吸収分割の場合に、債権者に対して異議申し立ての機会を与え、仮に異議の申し立てがあれば弁済する手続きが必要となります。  

原則として株主総会の特別決議も必要とされるため、事務的なコストの負担が大きい手法です。

【関連】新設分割とは?メリット・デメリット、手続きやM&Aでの活用について解説

吸収分割の手続き

吸収分割の手続き

吸収分割の手続きは、大まかにまとめると以下のようになっています。

  • 吸収分割契約を締結
  • 吸収分割の内容を記した書面の据置
  • 株主総会の承認
  • 反対株主の株式買取請求、債権者保護手続き
  • 会社分割登記
  • 書面の事後据置

略式吸収分割や簡易吸収分割だった場合、株主総会の承認は不要になります。

一般的な吸収分割だった場合、全てのプロセスが完了するまで、3ヶ月前後はかかります。

登記のように、吸収分割契約の効力発生日の2週間以内に行わなければならないなど、時間的な制限があるものもあるので注意してください。

また新しく会社を設立して吸収分割を行うなら、新しく設立した会社の登記等、行う作業が変わることがあります。

吸収分割の税務

吸収分割の税務

吸収分割の税務は分社型分割と分割型分割によって変わります。

分社型分割は吸収分割の対価が承継する会社に渡される、分割型分割は吸収分割の対価が承継する会社の株主に渡されるという違いがあります。

そのため、法人税や所得税が課税される対象が、分社型分割なら会社、分割型分割なら株主になります。

ただ、吸収分割には適格要件があり、それを満たすことで適格吸収分割として扱われます。

適格吸収分割なら税務の負担を減らすことができます。

適格要件は吸収分割を行う当事者の会社同士の関係性によって変わるもので、支配関係が強いほど要件は少なく、支配関係が弱いほど要件は多くなっていきます。

吸収分割を行う時に、負担を減らしたいのなら、適格要件を満たしておくことがおすすめです。

吸収分割による登記

吸収分割による登記

吸収分割の手続きについてお伝えした時にも出てきましたが、吸収分割では登記をすることになります。

吸収分割の登記は、法務局で進めることになりますが、この時添付書類が必要になります。

添付書類はこれらのようなものがあります。

  • 吸収分割契約書
  • 株主総会議事録
  • 債権者に異議申述の公告や催告をしたことを証する書面
  • 異議を述べた債権者がいた場合、その者に弁済、担保の提供、または信託会社に信託したことを証する書面
  • 官報だけでなく定款の規定した公告方法によって公告した場合、格別の催告書に代えてその公告をしたことを証する書面
  • 会社分割をして異義を述べた債権者に損害を与えるおそれが無い場合、そのおそれがないことを証する書面
  • 分割会社が新株予約権にかかる新株予約権証券を発行している場合、新株予約権証券提出公告をしたことを証する書面。発行していないなら発行していないことを証する書面。
  • 事業を承継する会社と分割会社の本店所在地を管轄する登記所が一緒じゃない場合、登記事項証明書
  • 資本の額が会社法の規定によって計上されたことを証する書面
  • 簡易吸収分割の場合、簡易吸収分割の要件を満たしていることを証する書面
  • 代理人が申請している場合、委任状

添付書類は吸収分割をどのようにしているかによって、その内容が変わるので、事前に調べておくことがおすすめです。

また、登記では登録免許税が課税されます。

登録免許税は登記する会社の資本金に1000分の1.5をかけたものが税額です。

この計算をして3万円未満になるようであれば、登録免許税は全て3万円となります。

このように、添付書類の用意や作成、登記の手続きは色々手間がかかるので、実際に登記をする時は、司法書士等の専門家に頼んでおくといいでしょう。

また、以下の記事では合併を行う際の登記に関して紹介していますので、気になる人は目を通してみてください。

【関連】合併を行う際の登記とは?合併の登記書類、登記手続き、登録免許税を解説します

まとめ

吸収分割の目的として、グループ内再編や経営統合があります。

会社分割の活用には、メリット・デメリットがあるため理解を深め活用しましょう。

また、登記手続きや税務は複雑なため専門家に相談することをおすすめします。

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