M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2021年4月22日更新事業承継
商工会議所を活用するメリット
商工会議所の会員になれば、経営サポートが受けられたりスキルアップが図れるなどのメリットがあります。しかし親睦会や交流会に参加せず経営相談もしない場合、商工会議所の加入は不要な固定費の流出となるため、会員登録を検討している場合はよく確認しておきましょう。
商工会議所とは
自分の力のみで会社・事業を運営していくことは簡単ではありません。そんな会社・事業運営をサポートするために、商工会議所があります。商工会議所は、対象とする市や区などの地域に根ざし、管轄内で事業を実施する法人・事業主を支援することで、地域活性化や改善に取り組む公益経済団体です。
商工会議所への加入率は地方であるほど高く、50%を超えている区域も多いです。地域により商工会議所の事業内容に大きな差異はなく、地方ではコミュニティの1つとして重要視されています。一方で都心では、商工会議所の存在自体を知らない事業者も少なくありません。
地方と都心では事業者の母数が圧倒的に違うことが、加入率に差異が生じている原因です。商工会議所の会費については、法人と個人事業主で異なります。商工会議所では入会金と年会費を徴収していて、入会金の額はそれぞれの商工会議所ごとに多種多様です。
年会費については、法人が15,000円以上、個人事業主では10,000円です。商工会議所が設立されている地域内で引き続き6ヶ月以上、事務所・店舗・工場などを有している事業者であれば入会可能です。日本では商工会議所の加入は任意であり、未入会であっても様々なメリットを享受できます。
商工会とは
商工会議所と商工会の事業内容に差異はなく、対象となる規模が異なるのみです。つまり商工会議所の対象地域は市や区単位であるのに対して商工会の対象地域は町村となっており、商工会議所は、商工会に比べて対象規模が大きくなっています。
※関連記事
商工会議所を活用するメリット①(事業へのサポート)
事業へのサポート面において、商工会議所を活用するメリットは、以下の2つです。
- 企業経営へのサポートが受けられる
- 従業員など個人のスキルアップが図れる
それぞれのメリットを順番に見ていきます。
(1)企業経営へのサポートが受けられる
前述のとおり会社・事業を経営していると、1人では解決できない問題や疑問が発生するケースが多いです。商工会議所では、こうした経営トラブルに関するサポートを実施しています。具体的には、「融資・福利厚生・税務」といった事柄を相談することが可能です。
融資の相談
商工会議所には、マル経という融資制度があります。マル経とは、国の政府系金融機関である日本政策金融公庫が資金を融資する制度です。正式名称は「小規模事業者経営改善資金」と呼ばれます。消費者金融や銀行からの借り入れと比べて、マル経は圧倒的に金利が低い融資です。
さらに無担保かつ無保証で利用できる上に、政府系金融機関の融資であることから信頼度が高いことも特徴的です。マル経についての相談は、商工会議所へ加入せずとも乗ってもらえます。商工会議所や商工会が窓口となり、必要条件を満たしていれば日本政策金融公庫に推薦してもらえます。
低金利かつ無担保・無保証と魅力的な制度なので、消費者金融や銀行からの借り入れを利用する前に検討すると良いです。融資の審査には条件があるため、まずは商工会議所の担当者に相談することをおすすめします。
福利厚生の相談
商工会議所では、福利厚生についての相談や共済加入の手続きも請け負っています。具体的には、生命共済制度や、退職後の生活安定をサポートする小規模企業共済への加入などについて相談可能です。通常の保険制度と同様に、福利厚生による割引や特典があるため、積極的に加入を検討すると良いです。
福利厚生に不安を感じる事業者は、商工会議所に加入した上で相談を持ちかけることをおすすめします。
税務関連の相談
税務管理は、事業者が抱える大きな悩みの1つです。商工会議所では、自身の事業がどの区分に該当するのか、税率はどれくらいなのかなど、税金に関する幅広い相談に乗ってもらえます。それ以外にも、経理や法律に関する相談も可能です。
弁護士・税理士などの専門家に対して、無料で相談できるのは大きなメリットです。またM&Aの実施を検討している場合には、協力してくれるケースもあります。ただし商工会議所で実施しているのは、M&A専門家の紹介サポートのみです。
具体的にM&A実務のサポートを受けたい場合には、M&A仲介会社に相談することをおすすめします。
(2)従業員など個人のスキルアップが図れる
商工会議所では、資格検定やセミナーを運営することで、事業者や従業員のスキルアップを図っています。それぞれを利用することで得られるメリットについて、順番に見ていきます。
資格検定の受験
商工会議所に加入すれば、簿記・販売士・日商PC・日商ビジネス英語・そろばん・電子会計実務・DCプランナー・キータッチ2000・ビジネスキーボード・日商マスターといった幅広いビジネス関係の検定を受けられます。会社を運営していて新事業を始めるときなどには、資格が必要となる場合があります。
そんなとき商工会議所が実施する資格検定を受験すると良いです。地域特有の検定も存在しており、自身が会社運営する地域に関して知る機会にもなるので、積極的に活用することをおすすめします。
各種セミナーのへ参加
商工会議所では、経理や確定申告などについて説明してもらえる指導タイプのセミナーや、地域発展のための企画概要について説明してもらえるセミナーなどが開催されています。とくに前者のセミナーは、経営にとって必要不可欠な事項です。
一方で、後者のセミナーに参加して吸収した知識を活用すれば、その地域の需要を把握することにつながります。こうしたセミナーでは参加費を負担する必要があるものの、セミナー会社が独自に主催しているものと比較すると手頃な価格です。
また商工会議所が運営していることもあって、セミナーの担当者は著名で実績のある講師が多いです。経営に役立つセミナーを受講できるのも、商工会議所を活用するメリットといえます。
商工会議所では、経営面やスキル面で幅広くサポートを実施していますが、M&A実務に関しては、M&A仲介会社に直接相談したほうがスピーディーな対応を受けられることも多いです。
M&Aをご検討の際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所では、M&A知識と経験を豊富に持つ専門スタッフがM&Aをフルサポートいたします。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。相談料は無料となっておりますので、M&Aを検討している場合には、お気軽にM&A総合研究所へご相談ください。
※関連記事
商工会議所の融資の審査、相談はどうする?開業やマル経融資についても解説
商工会議所を活用するメリット②(企業間・人材間の交流)
交流面において、商工会議所の会員になるメリットは、以下の2つです。
- 信頼の獲得・知名度の向上
- 人脈の形成
それぞれのメリットを順番に見ていきます。
(1)信頼の獲得・知名度の向上
商工会議所に入会する大きなメリットの1つに、地域からの信頼獲得が挙げられます。商工会議所の加入者は商工名鑑に記載されるため、自社の知名度向上に直結します。そのため地方部では、商工会議所への加入が1種のステータスとも捉えられているのです。
法的なバックアップを持つ商工会議所への加入は、信頼度が高い企業であるという証明にもなります。信頼できる会社であると証明できるのは、会社経営する上で様々なメリットをもたらします。
(2)人脈の形成
商工会議所では加入者を対象として、定期的に親睦会・視察会・異業種交流会などが開催されています。会員同士で交流を深めることで、経営に資する人脈を獲得できます。会社を運営するにあたり、人間関係の形成は必須といえます。
親睦会や視察会などに参加すれば、自身と類似する不安を持っている人同士で交流を深めることができ、人脈をの構築につながります。また異業種交流会に参加することで、横のつながりを形成でき、仕事の幅が広がる可能性も高いです。
たとえば横のつながりがある事業者から、講師として社員を指導してほしいという依頼が舞い込むケースもあります。それ以外にも、新規の客先を紹介してもらえるなどのメリットが期待できるのです。
※関連記事
商工会議所を活用するデメリット
ここまで商工会議所を活用するメリットを解説しましたが、デメリットも存在します。デメリットは、商工会議所を活用する頻度が深く関係するものです。つまり会費のみを支払って親睦会や交流会に参加せず、経営相談もしないとなると、商工会議所の会費ばかりがかさむことになります。
参加の積極性を問わず、商工会議所の会員は同じ会費を支払うことになります。商工会議所への加入を決めたら最大限活用することが、メリットを獲得する上では大切です。
商工会議所を活用する方法
融資(マル経)に関する経営相談は、商工会議所の会員以外でも利用可能です。しかしこの他のサービスを利用したい場合には、基本的に商工会議所への加入が必要となります。商工会議所への加入方法は、とても簡単です。
具体的な加入手続きとしては、管轄の商工会議所を訪れて申し込み用紙を提出します。郵送での申込が可能なケースもありますが、詳細なサービス内容を確認するためにもいちど訪れておくことがおすすめです。手続きには、法人印(個人事業主は認印)と銀行印が求められるので準備しておく必要があります。
会員になると、商工会議所から各種のお知らせが届くようになります。融資や補助金に関する新しい制度や、制度の変更点(たとえば以前のマル経融資の限度額は1,000万円でしたが、2020年1月現在は2,000万円に増額されています)などを知らせてくれるのです。
専門家への相談日程の案内なども届くようになるので、融資や経営を取りまく環境について最新情報を手に入れておきたいなら、商工会議所への加入をおすすめします。
※関連記事
まとめ
商工会議所をいかに活用するかは、事業者次第です。活用方法次第では、多くのメリットを享受できます。「存分に活用したいけれど、商工会議所の活用方法がわからない」といった、よもやま相談にも快く乗ってくれます。
一私企業ではなかなか提供し得ない質のサービスを持つ商工会議所を大いに活用することは、そのメリットの特徴から、事業を運営する上で大きな助けになることもあります。この記事の要点をまとめると、以下のとおりです。
- 商工会議所=管轄内で事業を実施している法人や事業主を支援する団体
- 加入メリット=経営サポート・スキルアップ・信頼の獲得・人脈の形成
- 加入デメリット=活用頻度が低いと会費ばかりがかさむ
M&A・事業承継のご相談なら24時間対応のM&A総合研究所
M&A・事業承継のご相談は成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴
- 譲渡企業様完全成功報酬!
- 最短49日、平均6.6ヶ月のスピード成約(2022年9月期実績)
- 上場の信頼感と豊富な実績
- 譲受企業専門部署による強いマッチング力
M&A総合研究所は、M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。
あなたにおすすめの記事
M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
近年はM&Aが経営戦略として注目されており、実施件数も年々増加しています。M&Aの特徴はそれぞれ異なるため、自社の目的にあった手法を選択することが重要です。この記事では、M&am...
買収とは?用語の意味やメリット・デメリット、M&A手法、買収防衛策も解説
買収には、友好的買収と敵対的買収とがあります。また、買収に用いられるM&Aスキーム(手法)は実にさまざまです。本記事では、買収の意味や行われる目的、メリット・デメリット、買収のプロセスや...
現在価値とは?計算方法や割引率、キャッシュフローとの関係をわかりやすく解説
M&Aや投資の意思決定するうえでは、今後得られる利益の現時点での価値を表す指標「現在価値」についての理解が必要です。今の記事では、現在価値とはどのようなものか、計算方法や割引率、キャッシ...
株価算定方法とは?非上場企業の活用場面、必要費用、手続きの流れを解説
株価算定方法は多くの種類があり、それぞれ活用する場面や特徴が異なります。この記事では、マーケットアプローチ、インカムアプローチ、コストアプローチといった株価算定方法の種類、株価算定のプロセス、株...
赤字になったら会社はつぶれる?赤字経営のメリット・デメリット、赤字決算について解説
法人税を節税するために、赤字経営をわざと行う会社も存在します。しかし、会社は赤字だからといって、必ず倒産する訳ではありません。逆に黒字でも倒産するリスクがあります。赤字経営のメリット・デメリット...
関連する記事
会社分割すると従業員の契約はどうなる?労働契約承継法や保護制度を徹底解説!
多くの企業が会社分割を検討しておりますが、トラブルに発展しないように従業員への対応に配慮する必要があります。今回は会社分割を検討している企業に向けて、会社分割における従業員の契約や手続きの流れな...
M&AにおけるITデューデリジェンス(ITDD)を解説!目的や調査項目は?
ITデューデリジェンス(ITDD)はM&Aにおいて欠かせず、明確な目的を踏まえた対応が求められます。今回はM&Aを検討している企業に向けて、ITデューデリジェンス(ITDD)につ...
人事デューデリジェンス(人事DD)とは?目的から調査項目まで徹底解説!
M&Aを実施する際に人事デューデリジェンス(人事DD)は重要です。丁寧に手続きを進めないとM&Aで高い効果は得られません。今回はM&Aを検討している企業に向けて、人事デュ...
二段階買収の手続き方法を徹底チェック!目的やメリット・注意点は?
二段階買収(Two-Tier Takeover Strategy)は、買収側が売却側の少数株主から株式を買い集める際に有益な手法です。当記事では、実施目的や手法、メリットやデメリット、過去事例や...
事業承継の相談先はどこがいい?選び方から注意点まで徹底チェック!
近年は中小企業の経営者の高齢化に伴い、積極的に事業承継を行って生き残りを図る企業が増えています。 事業承継には複雑な手続きが多いため、信頼できる相談先の選択が重要です。そこで本記事では事業...
M&A後の退職金や給与はどうなる?節税方法や注意点まで徹底チェック!
M&Aで退職金を活用すると、節税効果が得られます。当記事では、退職金を利用したM&Aの節税方法やメリット、注意点を交えながら、退職金の扱い方や税務について解説します。従業員や役員...
M&Aにおける人事DDの目的や調査範囲を徹底チェック!費用・注意点は?
人事DD(デューデリジェンス)は、買収側がM&Aの実施後に受ける損失を最小限に抑えるために必要な調査です。当記事では、調査が行われる目的や調査範囲、かかる費用や注意点を踏まえながら、人事...
100日プランとは?PMIの概要・重要性・策定のポイントまで徹底解説!
M&Aを実施する際にはPMIの工程が重要となり、100日プランはPMIの成功に大きな役割を果たします。今回はM&Aを検討している企業に向けて、100日プランの概要・重要性・策定の...
管工事会社の事業承継の動向や事例を徹底解説!メリットや費用相場・注意点は?
管工事会社業界は将来的な需要増加が見込める半面、人材不足や後継者不在といった問題が深刻です。当記事では、過去の事例を取り上げながら、管工事会社(管工事業界)の事業承継について解説します。事業承継...
株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。