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会社・法人の清算とは?清算の登記手続きと清算人

会社・法人の清算とは?清算の登記手続きと清算人

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

目次

    清算

    清算は会社の解散を行ううえで必要不可欠なプロセスです。

    清算は決して単純なプロセスではなく、決められた期間の内に然るべき人材を清算人にして行う厳格なものです。

    そのため清算に関する正しい知識や手続きの流れを理解しておかなければ、ミスをしてしまう可能性が高くなってしまうでしょう。

    今回は会社の清算を行う際に必要な基本的な知識や登記などの手続きの流れ、確定申告や配当といった清算に関する様々な情報をお伝えします。

    清算とは?清算の意味

    会社の清算は解散と共に行われるプロセスであり、会社を解散するために会社が設立してから現在にいたるまでの債権・債務を整理し、残っている会社財産を全て換価処分するために行われます。

    清算を行う際、その会社はいくつかの制限が課せられます。

    その制限は以下の通りです。

    • 売掛金の回収を除く営業活動。
    • 資金調達活動
    • 無償で取得するなどといったケースを除く自己株式の取得
    • 貸借対照表上の資本金の額などといった計数の変更 
    • 配当のような剰余金の分配
    • 吸収合併や吸収分割といった組織再編を行い、吸収合併における存続会社、あるいは吸収分割における承継会社になること
    • 株式交換、あるいは株式移転

    また清算は「通常清算」「任意清算」「特別清算」の3種類があり、会社の状況によっていずれかの種類を選ぶことになります。

    通常清算は清算の中でも最もスタンダートなものであり、取締役に代わって清算人(詳しくは後述します)が清算を行うというものです。

    任意清算は定款の定めや会社の従業員の同意をもとにして会社財産を自由に処分するというものであり、こちらは合資会社や合名会社といった会社にしか認められていないというものです。

    そして特別清算は会社ではなく、裁判所に監督されながら行う清算です。

    これは、清算を行う会社の債権や債務に何かしらの争いなどがあり、それが清算の遂行に支障をきたすような事情を抱えている場合や債務超過のような状況に陥っているために債権者の保護が必要な場合に行われます。

    清算の登記とは?清算結了の登記手続き

    清算の手続きの過程で意識しておきたいものは登記です。

    清算は債権や債務の整理や会社財産の換価処分といったプロセスが決了した際、その手続きの締めくくりとして清算決了の登記を行わなければなりません。

    清算決了の登記に関して意識しておきたい事柄は以下の通りです。

    ①清算決了の登記で必要な書類

    清算決了の登記ではいくつかの書類を用意・作成しておく必要があります。

    登記の際に必要な書類は以下の通りです。

    • 株式会社清算結了登記申請書
    • 株主リスト
    • 委任状(司法書士に代理人を委任している場合)
    • 株主総会議事録

    株主総会の開催日時と場所、経過と結果、出席した役員の氏名、議長の氏名、議事録を作成した取締役の氏名などを記載しておかなければなりません。

    • 清算事務報告書(決算報告書)

    清算事務報告書は以下の事項を記載しておく必要があります。

    「債権の取立てや資産の処分などといった行為によって得た収入の額」

    「債務の弁済や清算にかかった費用の支払などの行為による費用の額」

    「残余財産の額」

    「一株当たりの分配額」

    「残余財産の分配を完了した日」

    「残余財産の全て、あるいは一部が金銭以外の財産であった場合は当該財産の種類と価額」

    ②清算決了の登記の費用

    清算決了の登記を行う際には一定の費用が発生することを念頭に置いておきましょう。

    基本的に清算決了の登記を行った際には登録免許税として2000円がかかります。

    また、清算する会社に支店があった場合はそれぞれの清算決了登記を行う必要があるため、1か所につき登録免許税と2000円と手数料100円がかかります。

    もし司法書士に登記の代理を依頼していた場合は依頼した際の報酬が別途で発生します。

    ③清算決了の登記の期間

    清算決了の登記を行う際には期間が設けられていることに注意してください。

    基本的に清算決了の登記は株主総会で清算事務報告、つまり清算決了の決議を得てから「2週間以内」に行う必要があります。

    2週間を超えるまでに法務局に登記の申請をしておくようにしましょう。

    また清算を行う会社に支店がある場合、その支店所在地では3週間以内に登記の申請を行わなければなりません。

    ちなみに清算決了の登記は清算を開始した段階で行うことはできません。

    清算は清算人が官報公告で2ヶ月以上の掲載などを行う必要があります。

    そのため清算決了の登記は清算人が就任してから2ヶ月が経過してからできるようになります。

    清算人の選任と業務

    清算は会社が任命した清算人によって行われることになりますが、その清算人の選任と業務は厳密に決められています。

    とりわけ業務に関しては、清算人が業務を怠ったり、何かしらの違反行為をするようなことがあれば賠償責任が問われることもあるので注意しておきましょう。

    清算人の選任と業務の具体的な内容に関してはそれぞれ以下の通りです。

    ①清算人の選任

    清算人は基本的にその会社の取締役の中から1名以上を株主総会の決議を経て選任します。

    清算人は業務上の都合で取締役から選任されるケースがほとんどですが、取締役以外の従業員を清算人として選任することも可能です。

    中には定款にあらかじめ清算人となる人物を定めておく会社もあります。

    また監査役会が設置されている場合は清算人を3名以上選任する必要があり、清算人会を設置しなければなりません。

    選任された清算人、あるいは清算人会は清算する会社を代表する立ち位置になります。

    もし株主総会の決議で選任された者、あるいは定款で定める清算人がいない場合は従前の取締役が「法定清算人」という形で清算人となります。

    この場合は株主総会の決議などといった手続きを行う必要がありません。

    法定清算人は代表取締役であれば必然的に選任されることになります。

    ②清算人の業務

    清算人の業務は大きく分けて「現務の決了」「債権の取り立てまたは債務の弁済」「残余財産の分配」の3つがあります。

    「現務の決了」はその名の通り、会社の解散に際してまだ完了していない残務(在庫の売却、契約の履行など)を全て終了させることです。

    「債権の取り立てまたは債務の弁済」は会社財産を換価したうえで、債権に関しては債務者から履行を受け、債務については弁済することです。

    債権に関しては債権者へ随時弁済するようなことはできなくなっており、債権者へあらかじめ公告と催告機関を経過したうえで弁済しなければならないので注意してください。

    「残余財産の分配」は「債権の取り立てまたは債務の弁済」を行った後にまだ残余財産があった場合、それらを株主に分配していきます。

    この分配はそれぞれの株主が所有している株式数に応じて行われます。

    会社・法人の清算

    会社・法人の清算は主に以下のような手続きで行われます。

    • 解散日の決定
    • 株主総会で清算人の選任
    • 解散・清算人の登記
    • 解散に関する官報公告
    • (公告期間の間に)会社財産の換価、債権・債務の整理
    • 解散確定申告・納付
    • 残余財産の確定・分配
    • 清算決了の登記
    • 清算確定申告・納付

    清算の種類によっては手続きの流れが変わりますが、通常清算であればおおむね上記の流れで実行されます。

    会社の清算において、上記の手続きを全て完了させるには最低でも2ヶ月以上は有します。

    そのため清算を行う際には余裕をもって行うようにしましょう。

    ただご覧になって頂いたように会社の清算の手続きはやるべきプロセスが多く、円滑に進めるためには専門的な知識が必要になるケースもあります。

    中小企業であれば経営者だけで清算の手続きを行わなければならないようなシチュエーションも充分に考えられるため、実際に清算を行う際には弁護士や税理士のような専門的な知識を持ったプロフェッショナルに依頼しておくことがおすすめです。

    清算は何かしらのコストがかかるものですし、ある程度の時間も要するプロセスであるため、弁護士や税理士といったプロフェッショナルがサポートしてくれるなら無駄な出費や手間を省略できるようになります。

    登記に関しても必要書類の作成や用意が面倒なものであるため、司法書士に担当してもらうことは有効的な方法だといえるでしょう。

    ちなみに、あまり多いパターンとはいえませんが、もし清算の過程で債務超過の疑いなどがあった場合は通常清算から特別清算に切り替えなければならないことになっています。

    特別清算は清算を行う会社が裁判所の監督を受けたうえで、債権者集会を開かなければならず、その債権者集会に参加した債権者の多数決によって会社を清算することになります。

    もし特別清算を行った際、債権者集会で債権者の同意が得られなかった場合や、特別清算を行うことが債権者の利益に反すると判断されたような場合は会社を解散すること自体がとりやめになり、代わりに破産をする手続きになることがあります。

    同じ「会社をたたむ」行為でも、破産は解散とはニュアンスがかなり変わるので注意しておきましょう。

    ちなみに「会社をたたむ」代わりにM&Aを行うケースもあります。

    この場合はM&Aを行うことで会社の存続を図ることが目的です。

    もしM&Aを選択肢に含めるのであれば、M&A総合研究所にご相談ください。

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    清算の確定申告と配当

    先程お伝えした会社・法人の生産の手続きの中にもありましたが、清算の過程では解散確定申告と清算確定申告が行われています。

    解散確定申告は解散の翌日から2ヶ月以内に行わなければならないものであり、決算月で解散した場合を除いで12ヶ月未満の事業年度の中で通常の確定申告と同じように消費税や法人税、地方税といったものを納付します。

    この際、減価償却資産の償却については月換算しなえればならないので注意してください。

    清算確定申告は残余財産確定から1ヶ月以内に行わなければならないものであり、所得があれば納税しなければなりません。

    また一つ注意しておきたいことが、残余財産の分配は「みなし配当」として扱われます。

    そのため清算する会社の株主はみなし配当として残余財産の分配を受けた際には「配当等とみなす金額に関する支払調書」を受け取ることになり、そして確定申告をしなければなりません。

    受け取った残余財産が10万円以上だった場合は20%の源泉徴収を受けたうえで他の所得と一緒に総合課税という形で確定申告をすることになります。

    もしこのケースで確定申告を行った場合は配当控除が発生します。

    ただ、受け取った残余財産が10万円以下の場合は確定申告をする必要はありません。

    しかし株式で損失を被っていた場合や配当金(残余財産)以外の所得がない場合はみなし配当として確定申告を行った方が税務上有利になることがあります。

    清算貸借対照表

    ここでは清算貸借対照表についてお伝えしていきます。

    そもそも清算貸借対照表とは会社が解散するなどして清算が必要となった場合に作成される貸借対照表のことです。

    清算貸借対照表は株主総会で解散決議が取られ、その会社の清算が決定した際に清算人が財産目録と一緒作るものであり、解散日現在のものにしておく必要があります。

    清算貸借対照表は清算をする会社が絶対に作成しなければならない計算書類であるため、解散や清算が決まった際にはただちに作成するようにしておきましょう。

    清算貸借対照表は財産目録をベースに作成されるものであり、清算を行う会社の財産構成を示した重要なデータとなります。

    この際、財産目録は売却時価に基づいて計算されているので、清算貸借対照表において資産の評価は財産目録と同様に売却時価に合わせたものになります。

    また会社が解散・清算するため、これ以上業務を行わないことから資本金と剰余金を綿密にわけておく必要はありません。

    清算貸借対照表は資産・負債・純資産という3つの区分を設けて作成されるものであり、資産と負債に関しては細分化して表示するようにしておかなければなりません。

    ただ純資産に関してはそれ以上区分する必要はありません。

    このように清算貸借対照表は通常の貸借対照表とは仕様が違う点が多いため、実際に作成する際には会計士などに協力を依頼しておくことがおすすめです。

    まとめ

    会社の清算の手続きは一定以上の期間を要するものであり、それぞれのプロセスも間違いがないように行っていく必要があります。

    会社によっては清算を数か月以上かけて行うこともあり、会社の状態によっては特別清算という形に移行するケースもあります。

    なるべく専門家と協力して行うことがおすすめです。

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