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2020年1月25日更新
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資本業務提携とは?資本業務提携のメリット・デメリットをわかりやすく解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

資本業務提携は、業務提携よりも強力な関係が構築でき、経営資源の補填も叶えられる手法です。しかし、経営の自由度が低下するなどのデメリットもあるため注意が必要です。この記事では、資本業務提携のメリットやデメリット・株価への影響などをわかりやすく解説します。

目次
  1. 資本業務提携
  2. 資本業務提携とは
  3. 資本業務提携のメリット
  4. 資本業務提携のデメリット
  5. 資本業務提携と株価の関係
  6. 資本業務提携を締結するプロセス
  7. まとめ

資本業務提携

最近は企業どうしが協力して、経営戦略を遂行する事例が増加中です。企業が協力するM&A手法のひとつである資本業務提携も、様々なシチュエーションで活用されています。資本業務提携はお互いの経営資源を補填しつつスピーディーな目標達成が目指せるといった、様々なメリットがある手法です。

その一方で資本業務提携には、経営の自由度が低下するといったデメリットもあるため事前に把握しておくことが大切です。この記事では、資本業務提携に関する基本的な知識をわかりやすく解説します。

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資本業務提携とは

資本業務提携(英語:Capital and business alliance)とは、資本提携と業務提携をあわせて実施することです。資本提携とはお互いの企業が株式を持ち合う形で出資する手法であり、一般的には経営権にほとんど影響を及ぼさない10%程度の株式を相互に保有します。

また業務提携とはお互いに経営資本を出し合って業務を遂行する手法であり、提携が実施される分野は生産・販売など様々です。業務提携は、アライアンスやコラボレーションとも呼ばれています。したがって資本業務提携は、お互いに出資して株式を持ち合いつつ、業務面でも密な連携を図る手法といえます。

最近ではシナジー効果の獲得やスピーディーな研究開発などを目的として、大企業を中心に資本業務提携の活用事例が増えています。

資本業務提携と買収の違い

資本業務提携は、広義の意味ではM&A(買収)手法のひとつです。しかし資本業務提携と買収には、相違点もあります。資本業務提携と買収にある大きな相違点は、「経営権が移転するかどうか」です。資本業務提携は契約に基づく関係であって、お互いの会社の経営権を独立しています。

たとえばお互いに10%程度の株式を保有することで、経営権を保持したまま提携できます。これに対して買収は相手企業を経営権ごと買収する行為で、一般的には全株式買収が目指されます。自社に相手企業を完全に取り込む形を取るので、協業というよりも支配下に置くニュアンスが強い手法です。

また買収では相手企業の全株式を買収する必要があるため、莫大な資金が必要です。たとえ買収に成功したとしても、期待した利益が得られなければ、買収資金は水の泡となります。その一方で資本業務提携であれば、提携関係を解消してしまえば損失を最小限に留めることが可能です。

ところが買収では相手企業の経営権を掌握できるため、資本業務提携よりも相手企業の経営資源を有効活用でき、効率的に目標を達成できます。「相手企業から充分な協力を得られない」「情報漏洩やスキルが外部に漏れる」などのリスクを抑制できる点では、買収の方が優れているのです。

資本業務提携よりも買収の方が最適なケースもある

以上のことから経営目標の達成を最優先に狙うのであれば、資本業務提携よりも買収の方が有利といえます。もしも買収を成功させたいのであれば、条件の合う売り手を確実に見つけることが重要です。自社に最適な買収先企業をお探しでしたら、M&A総合研究所にお任せください。

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資本業務提携のメリット

資本業務提携を実施すれば、自社のみの経営では得られない様々なメリットを享受できます。資本業務提携を実施することで獲得できるメリットは、以下のとおりです。
 

  1. 業務提携より強力な関係を構築できる
  2. 経営資源をまとめて補填できる
  3. 敵対的買収を阻止できる

それぞれのメリットを順番に見ていきます。

①業務提携より強力な関係を構築できる

資本業務提携では資本提携と業務提携をあわせた形で提携を結ぶため、業務提携より強力な関係を築くことが可能です。業務提携は契約に基づく緩やかな関係であり、お互いの貢献が充分に働かないおそれがあります。契約そのものが曖昧な内容となるケースも多く、責任の所在が不明瞭となりやすいです。

つまり業務提携の関係は結びつきが弱く、経営目標を充分に達成できないリスクが高まります。その一方で資本業務提携は、業務提携のみならずお互いに出資しあうため、より強力な関係を構築可能です。出資相手企業の業績向上は自社にもメリットがあるので、目標達成へのインセンティブが充分に働きます。

このようにインセンティブ向上を期待できる点は、資本業務提携の持つ大きなメリットだといえます。

成長スピードの加速化につながる

資本業務提携による強力な関係の構築は、事業の成長スピードを加速化させることにもつながります。事業をはじめから成長させていくのは、多くの手間や時間がかかります。しかし資本業務提携を活用すれば、相手企業が有している営業基盤や経営資源などを自社事業の成長に役立てることが可能です。

これにより事業をスピーディーに軌道に乗せられるので、事業の成長にかかる手間や時間を削減することができます。

②経営資源をまとめて補填できる

資本業務提携ではお互いの企業が経営資源を出しあうため、自社に足りていなかった経営資源をまとめて補填することができます。資本業務提携によって補填が期待できる経営資源は、以下のとおりです。
 

  • 技術資源=技術・ノウハウ・特許など
  • 生産資源=施設(工場や事業所)・設備・生産システムなど
  • 販売資源=販路・店舗・倉庫・ブランドなど
  • 人材資源=研究者・技術者・従業員など

シナジー効果の獲得につながる

こうした経営資源の補填は、シナジー効果の獲得にもつながります。シナジー効果とは、組織・企業・人などが共同してひとつになって相乗効果を生み出すことです。資本業務提携によって獲得できるシナジー効果には、以下のようなものがあります。
 

  • 売上シナジー=販路の活用など
  • コストシナジー=物流コストの削減など
  • 研究開発シナジー=技術力・ノウハウの活用など
  • 財務シナジー=資本調達コストの削減など


たとえば、優れた技術力を保有する会社(A社)と幅広い販路を保有する会社(B社)が資本業務提携を結ぶことで、A社ではB社が持つ販路の活用による売上シナジー獲得が期待でき、対するB社ではA社が持つ技術力・ノウハウの活用による研究開発シナジー獲得が期待できます。

このような仕組みによって、資本業務提携を活用すればお互いの会社がシナジー効果を獲得可能です。

③敵対的買収を阻止できる

資本業務提携には、敵対的買収の阻止につながるメリットも存在します。敵対的買収とは経営陣の合意を得ずに買収を仕掛ける行為であり、敵対的買収に縁のない企業はありません。そこで資本業務提携を活用すればお互いが安定株主となるため、自社に不利益な第三者からの敵対的買収を回避できます。

以上が資本業務提携のメリット3つです。企業どうしの密接な結び付きに特徴がある資本業務提携では、業務提携と比較して多くのメリットが期待できます。

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資本業務提携のデメリット

これまでに様々なメリットを紹介しましたが、資本業務提携にはデメリットも存在します。そのためデメリットも考慮した上で、資本業務提携の実施を決定しなければなりません。資本業務提携によって生じるデメリットは、以下のとおりです。
 

  1. 経営の自由度が低下してしまう
  2. もともとの独立関係に戻ることが難しくなる
  3. 株式の買取を要求されるリスクがある

それぞれのデメリットを順番に見ていきます。

①経営の自由度が低下してしまう

資本業務提携にある最大のデメリットは、経営の自由度が低下してしまう点にあります。単なる業務提携であれば、お互いが完全に独立性を保った上で協力関係を築けるため、引き続き自社の裁量で経営していくことがが可能です。

ところが、資本業務提携では1割程度の株式を相手企業に保有させるため、どうしても経営の自由度は下がります。たとえ1割に満たない持ち株比率であっても、取締役の解任など一定の権利(少数株主権)を相手企業に与えてしまいます。

なお少数株主権の有無を問わず、相手企業は株価上昇を期待するため、経営に口を出してくるおそれもあります。つまり資本業務提携にある強固な関係を築けるメリットは、裏を返せば経営の自由度低下というデメリットを生じさせます。

資本業務提携を検討する場合には、経営にある程度の制限がかかる点に留意しておくと良いです。

②もともとの独立関係に戻ることが難しくなる

資本業務提携を実施した企業をもともとの独立した関係に戻すことは、困難とされています。資本業務提携が持つ「強力な企業関係の構築」という特徴ゆえに、いったん構築した資本提携や設立した合弁会社などを解消するのは簡単ではありません。

業務提携を解消する場合、契約で定めた解約手続きを実施を実施すれば良いです。しかし業務提携を解消したとしても、資本提携は依然として継続しています。資本提携を解消するときは、株式との関係性を考慮しなければならず、業務提携の解消よりも困難かつ複雑な手続きが求められます。

資本業務提携の解消を検討したら、プロセスを含めて専門家に相談することが大切です。このように資本提携は、業務提携と比較して柔軟性に欠ける点に大きなデメリットがあります。

③株式の買取を要求されるリスクがある

資本業務提携を検討する場合、株式買取請求権を行使されるリスクが伴う点も忘れてはいけません。いつ相手企業が資本業務提携を解消しようとして株式買取請求権を行使してくるのか、そのタイミングをあらかじめ予測することはできません。

ほとんどのケースで時価よりも高額な価格での株式買取を要求してくるため、価格交渉や買収資金の準備などに多くの手間がかかる点もデメリットとして挙げられます。

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資本業務提携と株価の関係

ここでは資本業務提携による株価への影響について、以下の2項目に分けて解説します。
 

  1. 株価の変動要因とは
  2. 資本業務提携による株価への影響

それぞれの項目を順番に見ていきます。

①株価の変動要因とは

資本業務提携による株価への影響を理解するために、まずは株価が変動する要因について解説します。市場に流通する株式の場合、その企業の将来性や収益性を考慮した投資家の総意によって株価が決定されます。つまり投資家の期待値が高ければ株価は上昇して、低ければ株価は下落する仕組みです。

このような期待値だけでなく、企業価値が上昇することでも株価は上昇します。業績が良くなれば企業価値が増加し、結果的に株価が吊り上がるということです。

②資本業務提携による株価への影響

上場企業どうしが資本業務提携を結ぶことで、投資家の期待値が変化するため株価にも影響が及ぶことになります。つまり、資本業務提携によって業績や収益性が上昇すると判断されれば株価が上昇し、逆に悪化すると判断されれば株価が下落するのです。

基本的には資本業務提携により株価は上昇するケースが多いですが、とくに時価総額の小さい企業ほど、資本業務提携によって株価が上昇する傾向があるとされています。

資本業務提携は小規模企業ほど株価を上昇させやすい

小規模企業ほど資本業務提携によって株価が上昇する理由は、事業分野の範囲の狭さが関係しています。まず時価総額の大きい企業ほど、複数の事業分野に裾野を広げているケースが多いです。事業分野の範囲が広いと、ひとつの分野で資本業務提携を実施しても、影響はその分野のみに留まります。

そのため事前の期待も小さく実際の効果も限定されるので、株価の上昇幅は比較的小さいです。これに対して時価総額の小さな企業では、事業範囲が狭く単一分野のケースも少なくありません。事業範囲が狭いと、資本業務提携の影響が直接的に発生することになります。

つまり小規模企業は事業範囲が狭いため、資本業務提携によって大きな影響を受けやすいのです。したがって小規模企業ほど、資本業務提携によって株価が上昇しやすいということがいえます。

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資本業務提携を締結するプロセス

資本業務提携を締結するときは、資本提携と業務提携をあわせて締結しなければなりません。最後に資本業務提携を締結するプロセスを、以下の項目に分けて紹介します。
 

  1. 資本提携契約の締結
  2. 業務提携契約の締結

それぞれのプロセスを順番に見ていきます。

①資本提携契約の締結

資本提携契約を締結するときは、お互いの会社で株式を持ち合う必要があります。株式の持ち合いを実施するときに取られる代表的な手法は、以下の2種類です。
 

  1. 株式譲渡の手続き
  2. 第三者割当増資の手続き

それぞれの手続きを順番に見ていきます。

株式譲渡の手続き

株式譲渡とは、売り手側が第三者(資本業務提携の相手企業)に株式を譲渡する手続きです。これにより相手企業に自社の株式を保有させられるので、資本提携契約を締結できます。株式譲渡を実施するときは株主総会の承認が不要であるため、手続きを迅速に進行できます。

株式を譲渡する相手も決まっているため、スピーディーに手続きを完了することが可能です。基本的な手続きの流れとしては、トップ面談やデューデリジェンスなどの手続きを経た上で、売り手と買い手の双方による合意のもと、株式譲渡契約書の作成手続きを実施します。

株式譲渡契約の締結後は、株券を発行している企業であれば株券を交付し、株券を発行していない企業であれば株主名簿の書き換え手続きを実施することで、株式譲渡の手続きが完了します。

第三者割当増資の手続き

第三者割当増資とは、新株を発行して特定の第三者(資本業務提携の相手企業)に買い取ってもらう手続きです。株式譲渡と同様、相手企業に自社の株式を保有させられるので、資本提携契約を締結できます。第三者割当増資の手続きは、以下の流れで実施するのが基本的です。
 

  • 新株主募集の条件決定
  • 募集事項の通知と株式の申し込み
  • 株式の割当に関する決議
  • 新株主による出資の履行
  • 登記申請


最後は法務所に登記変更の申請手続きをすることで、第三者割当増資の手続きが完了となります。

②業務提携契約の締結

つぎに資本業務提携のなかでも、業務提携を結ぶプロセスについて紹介します。業務提携を結ぶときは、お互いの会社の協力関係をはっきりさせる目的で、基本的に業務提携契約を締結します。業務提携契約において基本的に設けられる条項は、以下のとおりです。
 

  • 定義
  • 実施許諾
  • 制約条件
  • 対価
  • 保証と補償
  • 終結


なお業務提携の種類としては、生産提携・販売提携・技術提携の3つがあります。締結する業務提携の種類によって、契約書に盛り込まれる条項も多少変化します。

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まとめ

この記事では、資本業務提携について解説しました。資本業務提携に対する投資家の期待は大きい傾向があり、一般的には株価が上昇します。資本業務提携後に業績を伸ばすことで、さらに株価の上昇を期待できます。

買収と比べると目標達成の確実性の面では劣るものの、失敗時のリスク・独立性維持の面では優れています。とはいえ資本業務提携を実施するときは、他の手法も比較検討しておくことも大切です。要点をまとめると、以下のとおりです。

・資本業務提携とは
資本提携と業務提携を同時に実施すること

・資本提携とは
お互いが相手企業の株式を持ち合う形で出資する手法

・業務提携とは
お互いに経営資本を出し合って業務を遂行する手法

・資本業務提携のメリット
業務提携より強力な関係構築・経営資源の補填・敵対的買収の阻止

・資本業務提携のデメリット
経営の自由度低下・株式の買取を要求されるリスク

・資本業務提携による株価への影響
時価総額が小さい企業ほどプラスの影響

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