2021年4月25日更新資金調達

資金繰りの悪化

会社を経営するうえでは、資金繰りについて考えることは非常に重要です。 資金繰りの悪化の要因を把握し、その要因に応じた対応策をとる必要があります。 この記事では、資金繰りの悪化要因や要因別に資金調達などの効果的な対応策についてご紹介します。

目次
  1. 資金繰りの重要性
  2. 資金繰りの悪化とは?
  3. 資金繰りの悪化の要因とは?
  4. 売上の変動による資金繰りの悪化と対応策
  5. 在庫増加や収支バランス悪化による資金繰りの悪化と対応策
  6. 手元流動性などの資金減少による資金繰りの悪化と改善方法
  7. まとめ
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資金繰りの重要性

資金繰りの重要性

会社を経営するうえで重視すべき要素とは何でしょう?良い商品・サービスを世に出し、売り上げ向上に注力する事でしょうか?確かに良い商品・サービスを作り、売り上げを伸ばすことは重要です。

しかし、売り上げが向上しても資金繰りが悪化し、経営が悪化する企業は少なくありません。そこで、経営においては資金繰りが非常に重要で、資金繰りの悪化には意外な要因が多くその要因に応じた対策が必要です。

経営者にとって資金繰りを安定させることは、会社を経営するうえで欠かせないスキルです。今回は資金繰りが悪化する要因と、要因別の対応策をご紹介します。

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資金繰りの悪化とは?

資金繰りの悪化とは?

そもそも資金繰り悪化とは、どのような状況を指すのでしょうか?いくつか定義がありますが、一般的には、資金繰りとは資金不足が間近に迫っている状況を指します。具体的には事業運営に必要な資金を3ヶ月分賄えるかどうかで判断します。

現段階で運営資金が3ヶ月分ない場合は、資金繰りが悪化しているといえます。

そして、資金繰りが悪化するタイミングですが、実際には資金繰りが悪化している事実がいきなり表面化するケースがほとんどで、それも深刻化してから表面化します。なぜなら、多くの企業が商品開発や営業に力を入れる一方で、資金繰りを軽視しがちであるからです。

仕入れ先や金融機関に対して支払う費用が足りなくなって初めて気づくケースが多いですが、そうなってからでは資金繰りの改善は難しくなります。

手遅れにならないよう、あらかじめ資金繰りの悪化の要因がどんなものがあるのか、どのような方法をとるべきかを知っておきましょう。

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資金繰りの悪化の要因とは?

資金繰りの悪化の要因とは?

資金繰りの悪化の要因にはさまざまなものがありますが、資金繰りが悪化する発端としては、業績悪化、意図しない資産の拡大、所要運転資金の増大および突発的な損失の発生など多岐にわたります。

その中でも、資金繰りの悪化の代表的な要因として以下のものがあります。

  1. 売上の変動
  2. 在庫増加や収支バランス悪化
  3. 手元流動性などの資金減少

次に、上記のそれぞれの要因別にその対応策を説明します。

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売上の変動による資金繰りの悪化と対応策

売上の変動による資金繰りの悪化と対応策

まずは、売上の変動による資金繰りの悪化について説明します。売上の変動により資金繰りの悪化する場合の要因として、主に以下の3つがあります。

  1. 赤字経営の継続
  2. 急激な売り上げ増加
  3. 急激な売り上げ減少
上記の各要因による資金繰りの悪化とその対応策について、以下で説明します。

①赤字経営の継続

資金繰り悪化の要因として、最も代表的なものが「赤字経営の継続」です。設備投資による短期的な赤字であれば問題ないですが、赤字経営の継続は資金繰りを悪化させます。

例えば、現状1,000万円の余剰資金がある状況を想定してみましょう。1ヵ月のみ300万円の赤字になったとしても、その後黒字に転換すれば問題ありません。当たり前のことかもしれませんが、毎月100万円ずつ赤字が続いたらどうなるでしょうか?

1年も経たずに資金が不足し、資金繰りが立ち行かなくなります。継続的に赤字が続くことは資金繰りに直結するため、できるだけ早く解決策を講じましょう。赤字経営の継続による資金繰りの悪化への対応策として、主に以下の2つの方法があります。

  • 売上高を上げる
  • 費用(支出)を減らす

売上高を上げるためには、新商品・サービスを発売、新規で販路開拓する必要があります。

しかし、これは即効性がなく短期間での資金繰り改善には不向きな方法です。ただ、長期的な観点で見ると、売上高の向上は資金繰りの改善に大きな影響を与えます。

一方、「費用の削減」は、資金繰りの改善方法として即効性があります。もちろん両方実現させることが理想です。現在資金繰りに苦しんでいる赤字企業は、まずは「費用の削減」に取り組みましょう。

②急激な売り上げ増加

売り上げが増加したとしても、資金繰りがかえって悪化するケースもあります。それは「急激な売り上げ増加」です。売り上げが増加する際、ほぼ必ず仕入れ(増員による人件費)の費用も増加します。一般的に、売掛け金の回収日より、仕入れ代金の支払い日が先に訪れます。

つまり、売上高の増加によって現金を手に入れる前に、急増した仕入れ代金を支払わなくてはいけません。そうなると、資金繰りは立ち行かなくなります。会社内に資金がない場合には、仕入れ代金が支払えずに倒産するおそれもあります。

そこで、急激な売り上げ増加による資金繰りの悪化を改善する方法として、以下の3つがあります。

  • 売り上げ代金の回収を早める
  • 仕入れ代金の支払いを延ばす
  • 資金調達を行う

上記のうち、最も望ましい方法は、売り上げ代金の早期回収です。顧客に対して、早期代金の支払いを依頼しましょう。それが厳しい場合は、代金支払いの猶予を仕入れ先に依頼しましょう。売り上げがしっかり立つ旨を伝えることで、少しでも延期できる可能性が高くなります。

それでも難しい場合は資金調達も視野に入れなくてはいけません。売掛け金を担保にすれば、低金利で融資を受けられる場合もあります。

③急激な売り上げ減少

言うまでもなく、売り上げが急激に減少することで資金繰りは悪化します。売り上げが減少しても、事業運営に必要な費用をすぐにおさえることは難しいからです。

徐々に売り上げが減少する場合、並行して設備費用の固定費を削減することができますが、売り上げが急激に減少した場合、費用を減らそうにもなかなかすぐには減らせません。売り上げの減少は利益の減少につながります。利益がマイナスになると、たちまち資金繰りは困難となります。

そこで、急激な売り上げ減少による資金繰りの悪化への対応策として、以下の2つがあります。

  • 今すぐ削減可能な費用を洗い出す
  • 同時に販路開拓の手法により売上高の増加を図る

とはいえ、資金繰りが悪化している状況では、売上高の増加を図るのは難しい場合もあるため、必要に応じて、資金調達を実行することをおすすめします。

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在庫増加や収支バランス悪化による資金繰りの悪化と対応策

在庫増加や収支バランス悪化による資金繰りの悪化と対応策

次に、在庫増加や収支バランス悪化による資金繰りの悪化について説明します。在庫増加や収支バランス悪化により資金繰りが悪化する場合の要因として、主に以下の3つがあります。

  1. 在庫の増加
  2. 多額の借り入れ
  3. 支出と収入のタイミングが悪い
上記の各要因による資金繰りの悪化とその対応策について、以下で説明します。

①在庫の増加

「在庫の増加」も資金繰りの悪化の主な要因の1つです。仕入れた商品が売れ残ることが原因の場合が多いです。つまり、在庫が増加することは、支出が増加する一方で売り上げが減少する状況を意味します。よって、在庫が増加は資金繰りの悪化につながります。

加えて、在庫品の維持には、倉庫代の費用もかかる場合があります。在庫品が増加するほど、維持費用もかさんでしまい、資金繰りの悪化にさらに拍車をかけるという悪循環に陥ります。

そこで、在庫の増加による資金繰りの悪化への対応策として、以下の4つがあります。

  • 在庫管理の徹底
  • 在庫回転率を上げる
  • 商品ラインアップを再検討する
  • 在庫を持たない

POSシステムの活用により、在庫管理の徹底や商品ラインアップの再検討、在庫回転率の向上を実現できます。売れ筋商品を必要なぶんだけ保管しておけば資金繰りの改善に直結します。また、在庫を持たない業態への業務転換も有効な方法の1つです。

②多額の借り入れ

借り入れている負債額が多いほど資金繰りは悪化します。1年間で返済可能な額は、税引後の営業利益に減価償却費を足した額となります。その額を1年間で返済すべき額が上回っている場合、資金繰りは立ち行かなくなります。

つまり、年間返済額>税引後の営業利益+減価償却費の状況に陥ると資金繰りはどんどん悪化します。この状況では、会社に残るキャッシュだけでは返済義務を果たせません。余裕資金が全くない場合、急激に資金繰りが悪化します。

そこで、多額の借り入れによる資金繰りの悪化への対応策として、以下の3つがあります。

  • 返済金利の引き下げ
  • 借り換え
  • リスケジュール(返済期間の延長)

1つ目は、銀行や金融機関に対し、借入金利の引き下げを交渉しましょう。仮に交渉が成功すれば、1回あたりの返済額を減らせます。その結果、支出が減るため、資金繰りの悪化は改善されます。

2つ目の借り換えの実行も有効的です。借り換えとは、現在よりも低金利で借りられる金融機関に乗り換えることです。また、3つ目のリスケジュール(返済期間の延長)によって、1年あたりの返済額が減少します。

③支出と収入のタイミングが悪い

「支出と収入のタイミングの悪さ」も資金繰りの悪化の要因となります。どんなに売り上げが増加しても、その入金が遅くては意味がありません。収入が入る前に支出のタイミングが訪れると、資金不足に陥ります。

例えば、売掛金の回収が150日間隔であるのに対して、仕入れ先への支払いが50日間隔であると、資金繰りの悪化は進行します。売り上げ増加に目が行きがちで、この点は見落としがちなので注意しましょう。

そこで、多額の借り入れによる資金繰りの悪化への対応策として、支出・収入のタイミングの見直しがあります。具体的には、売り上げ回収までの期間を短くし、費用支払いまでの期間を長くしましょう。これにより、短期的に資金繰りの悪化を改善できます。

ただし、この方法を用いる場合には相手企業との交渉が不可欠です。交渉次第では、相手企業との関係が悪化するおそれもあります。そうなると、かえって長期的な資金繰りの悪化につながります。そのため、相手企業との交渉は慎重に行いましょう。

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手元流動性などの資金減少による資金繰りの悪化と改善方法

手元流動性などの資金減少による資金繰りの悪化と改善方法

最後に、手元流動性などの資金減少による資金繰りの悪化について説明します。手元流動性などの資金減少による資金繰りが悪化する場合の要因として、主に以下の3つがあります。

  1. 余裕資金がない
  2. 投資の失敗
  3. 貸倒れの発生
上記の各要因による資金繰りの悪化とその対応策について、以下で説明します。

①余裕資金がない

どんな会社でも、毎月収入と支出は変動します。支出が収入を大幅に上回った月に余裕資金がなければ、資金繰りは一気に悪化します。設備の修繕費用や税金の支払いにより、ある月に支出が集中する場合もあります。余裕資金が少ないと、支出増加に対応できません。

それまでは資金繰りがうまくいっていたとしても、急な支出増加によって急激に悪化するケースもあります。企業を経営している以上、不測の事態への対応は常に考えておくべきです。

そこで、余裕資金がないことによる資金繰りの悪化への対応策として、いざという時に使える余裕資金を蓄えておく必要があります。特に、近年は市場環境の不確実性が高まっています。いつどんな場面で資金が必要となるかは、誰にも予測できません。

資金繰りの悪化を予防するうえで、多めに運転資金を保有しておくのは重要です。

②投資の失敗

企業経営においては将来を見込んでさまざまな投資を実施します。特にM&A、設備投資では、大きなリターンを狙い、多額の資金を投入します。仮に失敗した場合、深刻な資金繰りの悪化を招く可能性が高くなります。投資が失敗した結果、減損処理が必要となるリスクもあります。

減損処理とは、資産の収益性低下により投資額の回収が困難となった際、帳簿価格を減額する処理を指します。減損処理を実行すると、多額の費用が発生します。そうなると、一気に資金繰りが悪化してしまい、経営続行が困難になりかねません。

このようにM&Aや設備投資の失敗は、深刻な資金繰りの悪化につながります。そこで、投資の失敗による資金繰りの悪化への対応策として、以下の3つがあります。

  • 損失を最小限におさえる(収益性が低い資産の早期売却など)
  • M&Aや設備投資は利益獲得できるタイミングで行う
  • 投資はできる限り自己資金で行う

M&Aには専門知識を要するため、M&A仲介会社などの専門家にサポートを依頼することをおすすめします。

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③貸倒れの発生

貸倒れが発生した結果、資金繰りが悪化するケースもあります。貸倒れとは、相手企業の倒産などの理由により、売掛債権の回収が不能となることです。得られるはずの収入が得られなくなるため、当然資金繰りは悪化します。

少額かつ発生件数が少ない場合、資金繰りの悪化にはつながらない可能性が高いです。しかし、貸倒れが重なり、多額の貸倒れが発生すると、資金繰りは悪化します。場合によっては、経営に支障をきたすほどに資金繰りが悪化するケースもあります。

そこで、貸倒れの発生による資金繰りの悪化への対応策として、以下の2つがあります。

  • 相手企業の支払い能力の審査を徹底する
  • セーフティネット貸付制度など国の制度を活用する
1つ目は、審査により支払い能力が低い企業と判明した場合には、業務の依頼を断ったほうが良いでしょう。大丈夫だと思っていても、貸倒れが発生するケースは十分あります。

2つ目は、貸倒れが発生した場合は、国の機関が実施している融資制度の活用を視野に入れましょう。

例えば、「セーフティネット貸付制度」を活用すれば、通常よりも有利な条件で融資を受けられます。一時的に融資を受ければ、資金繰りの悪化を防ぐことができます。加えて、外部要因による経営の悪化も防止できます。

「セーフティネット貸付制度」は、政府の政策金融機関である日本政策金融公庫が運営しています。中小企業・小規模事業者であれば、ほとんどの業種の企業が対象となり、個人事業主も利用することができます。また、運転資金や設備資金など、幅広い目的で使うことができます。

※参考リンク:日本政策金融公庫「経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)」
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/07_keieisien_m.html

※関連記事
減損処理とは?メリット・デメリットや計算方法をわかりやすく解説
中小企業向けの融資制度

まとめ

まとめ

資金繰り悪化の要因はさまざまですが、まずは自社の資金繰りが悪化している要因を特定し、その要因に応じた対応策をとることが重要です。今回の要点をまとめると下記になります。

・資金繰りの悪化の主な要因
→①売上の変動:赤字経営の継続、急激な売り上げ増加・減少
 ②在庫増加や収支バランス悪化:在庫の増加、多額の借り入れ、支出と収入のタイミングが悪い
 ③手元流動性などの資金減少:余裕資金がない、投資の失敗、貸倒れの発生

・上記の各要因に対する対応策
→①売上の変動:売上高を上げる、費用(支出)を減らすなど
 ②在庫増加や収支バランス悪化:在庫管理の徹底、在庫回転率を上げるなど
 ③手元流動性などの資金減少:余裕資金を備える、セーフティネット貸付制度の活用など

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