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資金調達コスト

資金調達コスト

目次

    資金調達コスト

    会社を経営する上で、資金調達が必要となる場面は多いです。

    ビジネスを拡大させるため、経営を継続していく中で資金調達は不可欠です。

    そんな資金調達にどの程度コストがかかっているか、知っていますでしょうか?

    資金調達には、借り入れ、増資、様々な方法があります。

    各資金調達手法によって、調達コストは異なります。

    正確な資金調達コストを把握する為には、ファイナンス、会計に関する知識が必要となります。

    そこで今回、資金調達コストに関して分かりやすくご紹介します。

    企業ファイナンスの基礎となるため、経営者の方は必見です。

    資金調達コストとは

    まず初めに、資金調達コストの基礎知識をご紹介します。

    ⑴資金調達コストの概要

    資金調達コストとは、名前の通り「資金調達する際に要するコスト」です。

    世の中には、様々な資金調達の手段が存在します。

    借り入れや増資など、方法は多様です。

    健全な経営を続ける為には、資金調達コストを正確に把握しておく必要があります。

    ⑵資金調達コストの構成要素

    資金調達コストは、「株主資本コスト」と「負債コスト」で構成されています。

    株主資本コストとは、株主からの資金調達コストです。

    一方で負債コストは、銀行や金融機関(債権者)からの資金調達コストになります。

    一般的な会社は、株主もしくは債権者から資金調達を実施します。

    ビジネスの現場では、両方のコストを考慮します。

    一般的に資金調達コストには、WACC(加重平均資本コスト)が用いられます。

    ※関連記事

    中小企業が資金調達を成功させる方法とは?現状や課題を解説

    株主資本コストと負債コスト

    ここでは、資金調達コストの基礎となる二つのコストを解説します。

    ⑴株主資本コスト

    ①株主資本コストとは

    株主資本コストとは、株主からの資金調達に要するコストを指します。

    具体的には、増資による資金調達のコストです。

    ここで言う「コスト」とは、一体何でしょうか?

    株主は、リターン(配当金) を期待し、投資を実施します。

    よって最低でも、期待されている収益率を株主に分配する必要があります。

    会社にとって株主に支払う分配は、資金調達に要するコストと考えられます。

    つまり株主資本コストとは、株主が要求するリターン(要求収益率)と同義です。

    ただし一般的な中小企業の場合、株主資本コストは考慮しなくても大丈夫です。

    何故なら、株主と経営陣が一致しているからです。

    経営陣が株主である場合、殆どの中小企業では配当金を配りません。

    ②株主資本コストの計算方法

    後述する負債とは違い、株主資本コストに明確な数値は存在しません。

    何故なら、株主ごとに要求する収益率は異なるからです。

    そこでビジネスの現場では、CAPMと呼ばれるモデルが活用されています。

    CAPMは、株主資本コストを計算するモデルとして、非常にポピュラーです。

    詳しく説明すると、専門的となるので割愛します。

    CAPMでは、下記の計算式によって株主資本コストを計算できます。

    • 株主資本コスト=リスクフリーレート+β×市場リスクプレミアム

    リスクフリレートとは、投資する際のリスクがほぼ0の資産から得られる収益率です。

    具体的には、銀行預金や長期国債の収益率が該当します。

    βは、その資産が市場の動きに対して、どの程度変動するかを表す数値です。

    ベータが大きいほど、リスクが大きいと言われています。

    リスクプレミアムとは、ある資産の期待リターンから、無リスクで得られる収益率(リスクフリーレート)を差し引いた残りです。

    リスクプレミアムは、一定のリスクを負って得られる収益率とも言えます。

    以上の通り、株主資本コストの算出は難しいです。

    ですが中小企業の場合、基本的には株主資本コストは0です。

    よって、無理して理解する必要はありません。

    ⑵負債コスト

    ①負債コストとは

    負債コストとは、銀行から借り入れする際に生じるコストです。

    負債による資金調達では、ほぼ必ず利子の支払いが発生します。

    負債コストは、負債の利子率(支払利息の利率)となります。

    株主資本コストと比べて、非常に簡単に算出可能です。

    多くの中小企業では、負債による資金調達を実施しています。

    よって中小企業では、「資金調達コスト=負債コスト」となるのが一般的です。

    ②負債コストの計算方法

    負債コストは、下記計算式によって計算できます。

    • 負債コスト=支払利息の利率×(1−法人税率)

    ここで注意して頂きたいのが、(1−法人税率)の部分です。

    負債の利子支払い分は、損金算入できます。

    詳しくは後述しますが、負債コストの計算では差し引きます。

    有利子負債=悪とは限らない

    資金調達コスト(WACC)とは

    ここでは、資金調達コスト(WACC)の概要や計算方法を解説します。

    フリーキャッシュフローの計算にとって、非常に欠かせない概念です。

    経営者の方ならば、知っておいて損はありません。

    ⑴資金調達コスト(WACC)

    資金調達コストを考える際、株主資本コストと負債コストの双方を考慮することが重要です。

    そこでビジネスの現場では、WACCと呼ばれる指標が用いられます。

    WACCとは、株主資本コストと負債コストの加重平均を意味します。

    つまりWACCは、各コストの重みを考慮した資金調達コストとなります。

    設備投資やM&A、様々な場面で資金調達コストが活用されています。

    資金調達のコストを下げる為には、WACCを下げる必要があります。

    その為には、負債の割合を増やすのがベストです。

    ただしその分、倒産リスクが高まる点には注意しなくてはいけません。

    もしくは、株主に対する情報伝達を工夫するのも効果的です。

    投資するリスクが高いと判断されれば、株主資本コストも高まります。

    安心して投資できる会社だと証明できれば、資金調達コストを下げられる可能性があります。

    ⑵資金調達コストの計算方法

    資金調達コスト(WACC)は、下記の通り計算できます。

    • 資金調達コスト(WACC)={E×rE+D×rD×(1−t)}÷E+D

    ※参考

    • E→時価株主資本総額
    • D→有利子負債総額
    • rE→株主資本コスト
    • rD→負債コスト
    • t→法人税率

    株主資本総額とは、株主の持ち分である財産部分です。

    簡単に計算する際は、株式の総数と株価を掛け合わせた値を用います。

    また有利子負債総額は、利子の支払いが必要な負債の総額となります。

    ここで注目して頂きたいのが、負債の方には(1−t)が掛けられている点です。

    前述の通り、支払利息は税務上損金算入できます。

    損金算入する為、その分税金の支払いが減少します。

    つまり利子の支払い分だけ、節税の効果が生じます。

    資金調達コストを考える際は、節税効果を考慮する必要があります。

    以上が、資金調達コスト(WACC)の計算方法となります。

    ※関連記事

    資本コスト

    資金調達コストが最も安くなる調達方法

    最後に、資金調達コストが最も安くなる資金調達方法をご紹介します。

    ⑴増資

    増資とは、新株発行によって資金調達する方法です。

    増資だけを行った場合、株主資本コストが資金調達コストとなります。

    つまり、株主の要求収益率の分だけコストがかかります。

    ⑵内部留保

    内部留保とは、会社内に貯めてある利益、つまり会社の貯金になります。

    利益から法人税等の税金を支払い、その後の残りが内部留保となります。

    つまり法人税等の税金が、内部留保に要する資金調達コストと考えられます。

    法人税等によって、2~3割の利益が失われるため、内部留保による資金調達に頼ることは、合理的ではありません。

    ⑶負債の借り入れ

    最後に、負債の借り入れによる資金調達コストを考えて見ましょう。

    負債の借り入れのみ考えると、負債コスト(支払利息の利率)が資金調達コストとなります。

    負債コストを計算する際は、利息支払いで生じる節税効果分を差し引きます。

    その為、負債コストは低くなる傾向があります。

    仮に同じ金額を資金調達する場合、増資よりも借り入れの方が、資金調達コストは安く済みます。

    一般的には、負債の借り入れにはマイナスなイメージが持たれていますが、資金調達コストを考えると、最も有利な資金調達の方法なのです。

    しかし、全ての資金調達を借り入れで済ませることは当然よくありません。

    借り入れを増やすほど、倒産リスクも高まります。

    支払利息が払えないと、資金繰りは悪化します。

    その結果、経営継続が困難となる可能性もあります。

    よって様々な資金調達の方法を併用し、リスク・リターン面のバランスとりましょう。

    ※関連記事

    資金調達方法について解説します

    まとめ

    今回は、資金調達コストに関して説明しました。

    資金調達コスト、株主資本コストと負債コストがあります。

    双方を考慮する際、WACC(加重平均資本コスト)を資金調達コストとして用いるのが一般的です。

    WACCを計算する事で、設備投資やM&Aの意思決定に役立てられます。

    経営者の方ならば、WACCの知識を持っておくと便利です。

    資金調達には様々な方法があります。

    理論上は、負債による資金調達を行うことが最も資金調達コストを抑えられますが、負債のみに頼ると資金繰りが苦しくなる恐れがあるため、会社を経営していく上では様々な資金調達方法を併用することをおすすめします。

    要点をまとめると下記になります。

    • 資金調達コストとは

    →資金調達する際に要するコスト

    • 資金調達コストの中身

    →「株主資本コスト」と「負債コスト」から構成される

    • 株主資本コストとは

    →株主からの資金調達に要するコスト

    • 負債コストとは

    →銀行等から借り入れする際に生じるコスト

    • WACCの概要

    →株主資本コストと負債コストの加重平均。資金調達コストとして一般的に用いられている。

    • 資金調達が最も安くなるのは

    →負債による資金調達が一番安くなるのが一般的

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