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非上場企業の買収とは?買収事例や非上場企業の買収方法、流れ、買収案件の探し方を解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

非上場企業は、株式市場に株式を公開していない企業のことを指します。市場に株式を売買できない状態にしておくため、敵対的な買収を防ぐなどのメリットがあります。 一方で、買収は敵対的なものだけではないので、経営上の問題解決やシナジー効果の創出などを目的に買収されることを狙うケースもあります。

目次
  1. 非上場企業とは
  2. 非上場企業の買収方法
  3. 非上場企業の買収事例
  4. 非上場企業の買収の流れ
  5. 非上場企業の買収案件の探し方
  6. まとめ

非上場企業とは

国内のM&A事例を見ると、非上場企業の買収が頻繁に行われていることがわかります。 そのため、非上場企業の買収方法や流れを知っておくと、あらゆる業界のM&A動向を把握するためにも大いに役立ちます。 さて、このような非上場企業の買収ですが、その手法や流れを確認するにあたり、まずは非上場企業の定義や特徴からおさえておきましょう。

非上場企業とは何か?

上場企業や非上場企業で使用される「上場」というのは、株式を証券取引所における売買取引の対象とすることを表します。 簡単にいえば、上場すれば証券取引所で株式を自由に売買できることになります。 そして、上場した企業を「上場企業」、そうでない企業を「非上場企業」と表現します。 上場企業は証券取引所で株式を公開する形となり、投資家が自由に株式を売買できます。 一方で、非上場企業は証券取引所で株式が公開されないため、証券取引所で株式を売買することはできません。

非上場企業の特色

非上場企業は、「株式市場」に株式を公開していない企業のことをいいます。 この意味について整理しておきましょう。 上場企業の場合、「東証一部上場」などと表現されます。 これは、東京証券取引所(東証)の株式市場である「東証一部」に上場したことを意味します。 東京証券取引所を例に挙げると、「東証一部」のほかに「東証二部」「マザーズ」「JASDAQ」という株式市場があります。 それぞれの株式市場によって審査基準は異なり、上場した場合は株式市場ごとに「東証一部上場」「東証二部上場」などと表現されます。 一方で、非上場企業は証券取引所で株式の売買ができないので、このような株式市場で株式を売買することもできません。 「非上場企業は株式市場に株式を公開していない」「非上場企業は株式市場で株式の取引ができない」などと表現されるのは、こうした仕組みによるものです。

非上場企業のメリット・デメリット

上場企業と比較し、非上場企業のメリット・デメリットも整理しておきます。 上場企業は株式を市場に公開しているので、資金調達しやすいというメリットがあります。 投資家が株式を購入できる環境が整っているので、それだけ多くの投資家から資金を集めやすいのです。 ただ、株式を公開しているために、敵対的な株主が登場するリスクもあります。 そのため、株式の買占めによって敵対的な買収が行われるケースも想定されます。 一方で、非上場企業は株式を公開していないので、敵対的な買収のリスクはありません。 非上場企業の場合、「気がついたら株式を買い占められていた」などの事態が発生しないからです。 ただ、株式を公開していない以上、上場企業のような形で多くの投資家から資金を集めることはできません。 投資家は非上場企業の株式を市場で購入できないので、出資ができず、非上場企業としては資金を集めにくいというデメリットが発生します。

非上場企業が買収されるケース

上記でご紹介したようなメリット・デメリットのある非上場企業ですが、メリットを活かす形で非上場企業のままで事業展開を進める企業もあります。 例えば、創業者や関連会社のみが株式を保有し、外部の株主に干渉されたくないと考えている企業であれば、買収リスクが低い非上場企業のままでいることに大きなメリットがあるわけです。 ただ、買収されるというのは、何も敵対的な買収だけではありません。 むしろ、国内のM&A事例においては、買収されることで飛躍的に成長したケースも多いです。 例えば、後継者不足などによって事業継続が難しい企業であれば、他社から買収されることで、その企業の傘下として事業を継続できます。 これは、買収されることで後継者不足問題が解決し、事業が継続できたというケースです。 このような事例もあるため、買収は売り手にとってもメリットと捉えることができるのです。 そのため、買収リスクを低くするために非上場のままでいた企業が、事業戦略の一環として買収されることを検討する場合も十分に考えられます。 特に近年は後継者不足などの経営上の問題が様々な企業で深刻化しているので、こうした問題解決のために買収されることを狙う非上場企業も、今後は増加する可能性があります。

非上場企業の買収方法

買収の種類

買収の種類には、株式取得(株式譲渡・新株引受・株式交換・株式移転)、事業譲渡(全部譲渡・一部譲渡)があります。 上場企業の買収であればTOB(株式公開買付け)による株式譲渡が多く見られますが、非上場企業の買収では他の手法も考えられます。 一般的には株式譲渡によるものが多いですが、他の手法についても以下で整理しておきます。

株式譲渡

株式譲渡というのは、株主が保有する株式を第三者に譲渡することをいいます。 株式の売買であれば、売り手が株式を売却し、買い手が売り手に対価を支払う形になります。 ただし、非上場企業は市場に株式を公開していないので、市場での買い付けはできません。 そのため、当事者同士が交渉して株式を譲り受けるという方法になります。 株式の取得は、取得割合によっては経営権の取得にもつながります。 議決権の過半数があれば株主総会の普通決議を議決することができるので、議決権のある株式の過半数を有することは、基本的には会社の経営権を有することを意味するのです。 また、第三者に拒否権を持たせないようにするには、議決権の3分の2以上を確保しておく必要があります。 このように、株式の取得は経営権に深く関係するものです。 そして、買収においては、株式の100%を譲渡して経営権を完全に移転させる事例も多いです。

新株引受

さて、株式の取得と経営権の関係は、株式譲渡のほか新株引受、株式交換、株式移転においてももちろん同じです。 そのため、新株引受、株式交換、株式移転については、それぞれの特徴と仕組みのみご紹介します。 まずは新株引受からです。 新株引受(第三者割当増資)は、第三者に向けて新たに株式を発行することを意味します。 この場合、もともと株式を保有している株主と、新たな株式を取得した株主が、共同で経営を行う形になります。 株式の100%譲渡のように経営権が全て移転するわけではありません。 例えば、A社が新しく株式を発行し、B社がこれを引き受けるとします。 この場合、B社がA社の株式を全て引き受けるわけではありません。 結果として、A社とB社が共同で経営を進めるという形になるわけです。

株式交換

株式交換は、ある会社が発行する株式の全部を、他の会社(株式会社または合同会社)に取得させることをいいます。 株式を取得した会社は完全親会社となるので、他社を完全子会社化するための手法としてしばしば使用されます。

株式移転

株式移転とは、1または2以上の株式会社が、発行する株式の全部を新たに設立する株式会社に取得させることをいいます。 株式交換と同様、こちらも株式の全てを取得させる方法となり、完全親会社と完全子会社の関係が生まれます。

事業譲渡

次に、事業譲渡(全部譲渡・一部譲渡)についても整理しておきます。 事業譲渡とは、ある会社の事業の全部または一部を譲渡することを表します。 株式取得のように株式が移転するのではなく、全部または一部の事業が移転するという形に特徴があります。 株式取得の場合は、株式の取得割合によって会社の経営権が変わってきますが、事業譲渡は譲渡会社の株式が動かないので、株式の比率は基本的に問題になりません。 また、事業譲渡は特定の事業だけを譲渡できるので、残しておきたい事業は譲渡しないという方法も可能です。 もちろん、譲渡先の会社の経営権が及ぶのは、譲渡された事業のみです。 譲渡しない事業は譲渡会社に残るため、譲渡先の会社の経営権は及ばず、引き続き譲渡会社が経営を進めることができます。

非上場企業の買収事例

TOBとは?

まず、TOB(株式公開買付け)の意味から確認しておきましょう。 TOBとは、株式の買付数、買付価格、買付期間などを提示し、不特定多数の株主から市場外で株式を買い付ける方法を表します。 特に短期間で大量の発行済株式を購入したい場合に効果的な手法で、経営権の取得を目的とした上場企業の買収などでしばしば活用されます。 一方で、非上場企業の買収でTOBが活用されることもあります。 金融商品取引法では、有価証券報告書を提出しなければならない株式会社の株券を、発行者以外の者が市場外で一定数以上買い付ける場合、原則として公開買付け(TOB)によらなければならないという規定があります。(金融商品取引法第27条の2) そして、この有価証券報告書を提出しなければならない株式会社に、一定の基準に該当する非上場企業が含まれることもあります。 この場合、非上場企業の株券を市場外で一定数以上買い付ける際に、TOBを活用しなければならないケースが発生します。

野村ホールディングスとカーライルがオリオンビールをTOBによって共同買収

2019年1月23日、野村ホールディングスとアメリカ投資ファンドのカーライルは、オリオンビールをTOBによって共同買収することを発表しました。 このオリオンビールは非上場企業となり、TOBによる非上場企業の買収事例として注目されています。 同年3月23日、オリオンビールに対するTOBの成立が発表され、直接買い取った株式も含めて約92%の取得が行われました。 また、今後は残りの株式の取得によって完全子会社化される形となり、買収額は570億円程度とされています。 ビールシェア国内5位のオリオンビールは、野村ホールディングスとカーライルの支援を受ける形で海外展開を本格化させることになります。

非上場企業の買収の流れ

M&A戦略の策定

買収の際には、当たり前の話ですが目的がはっきりしていなければなりません。 目的が曖昧なまま企業を買収しても、それが自社の成長につながるわけではありません。 むしろリスクを抱え込み、かえって損失が発生する可能性もあります。 こうした事態を防ぐためにも、買収の目的やスキームをきちんと整理し、あらかじめ具体的なM&A戦略を策定することが大切です。 また、戦略が具体的であれば自社にとって最適なスキームを検討することができ、その後のM&Aがスムーズに進みます。

売り手を探す

M&A戦略をもとに対象企業(売り手)を探します。 自社だけで探すと時間や手間がかかるので、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなどの専門家とも相談しつつ、適切な対象企業を見つけましょう。

条件交渉と基本合意書の締結

対象会社が決まって買収価格などの具体的な交渉を進め、交渉がまとまったら基本合意書を締結します。

デューデリジェンス

基本合意書の締結後には、売り手に対する詳細な調査・検証(デューデリジェンス)を行います。 デューデリジェンスによって法務、財務、税務分野などの専門的な調査・検証を進め、問題点の洗い出しを行い、リスク回避につなげます。 また、法務などの専門的な調査が必要になるため、デューデリジェンスは弁護士や会計士などの専門家が行います。

契約

デューデリジェンスや交渉がまとまれば、最終的な合意によって契約となります。 契約締結後、M&A業務における最終的な手続き(クロージング)によって取引が実行され、経営権が移転することになります。 例えば株式の取得であれば、株券の引き渡しと対価の支払いがクロージングに該当します。

非上場企業の買収案件の探し方

非上場企業の買収案件は、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなどの専門家と相談しつつ探しましょう。 なるべく非上場企業の案件にも強みがあるM&A仲介会社・M&Aアドバイザリーに相談することが好ましいです。 M&A総合研究所なら、M&Aや会計分野に精通した会計士が、非上場企業の動向なども踏まえて相談・サポートをしてくれます。 M&A実務の経験豊富な会計士がサポートをするため、デューデリジェンスや交渉など、M&Aの一連の流れをスムーズに進めることも可能です。 そのため、平均3~6ヶ月でのクロージングを実現し、一般的なM&A仲介会社よりも迅速なサポートを提供しています。 また、成果報酬のみの報酬体系となり、着手金や月額報酬は発生しません。 報酬金額も、通常のレーマン方式より1%低い業界最安値の成果報酬となります。

まとめ

非上場企業は、株式市場に株式を公開していない企業のことを指します。 市場に株式を売買できない状態にしておくため、敵対的な買収を防ぐなどのメリットがあります。 一方で、買収は敵対的なものだけではないので、経営上の問題解決やシナジー効果の創出などを目的に買収されることを狙うケースもあります。 近年、非上場企業の買収事例は多く、国内の様々なM&Aでしばしば見られます。 買収方法としては株式譲渡や事業譲渡などがあり、特に株式譲渡は経営権の取得にも深く関係しています。 一方で、場合によってはTOBによって非上場企業を買収することもあります。 非上場企業の数は多く、近年のM&Aの活性化に伴い、今後は非上場企業の買収事例がさらに増加する可能性もあります。 このような非上場企業の買収を考える際には、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなどの専門家のサポートを受けつつ、様々な事例やスキームを検討することが大切です。

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