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預金は相続税の対象になる?相続における預金の注意点と手続きの流れ

預金は相続税の対象になる?相続における預金の注意点と手続きの流れ

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

目次

    預金は相続税の対象?

    相続はいずれ誰もが経験するものですが、相続の際の相続財産をどう扱うかを知らない人は少なくありません。

    相続の際に受け継ぐ対象になる財産といえば預金だと思います。

    預金を相続することは簡単なことではありません。

    それを知らないまま相続を迎えた結果、思わぬ手間がかかって大変だったという人も少なくありません。

    今回は預金を相続する際の手続きの流れや必要な書類など、相続の際に役立つ情報をお伝えします。

    預金に相続税はかかるのか?

    預金に相続税はかかるのでしょうか?

    先に答えを言ってしまうなら、「相続税の対象にはなるが支払わなくてもよいケースがある」です。

    基本的に銀行の預金口座に入っている預金は相続財産に含まれるため、相続税の対象になります。

    そのため相続税の税率をかけて算定された分が相続税になります。

    ただ、相続税には基礎控除が設けられており、その控除の範囲内であれば相続税を申告する必要はありません。

    その基礎控除は以下の範囲になっています。

    • 相続税の基礎控除

    3000万円+(法廷相続人の人数×600万円)

    また相続人が配偶者の場合は配偶者控除が発生し、上記の基礎控除に更に1億6000万円の控除が追加されることになります。

    相続財産の合計額がこれらの範囲を超えていたら相続税の申告を行い、支払わなければなりませんが、一般家庭での相続でこの控除額の範囲を超えることは考えにくいでしょう。

    ただ相続財産は預金だけでなく、家や土地のような不動産、骨とう品や美術品のような一部の動産なども含まれるため、これらを合計すると控除額の範囲を超えてしまう恐れがあります。

    相続人が把握していない被相続人の預金口座や土地などが見つかると、相続財産全体が大きくなるため、控除額の範囲を超えてしまう可能性があります。

    そういった事態を避けるためにも被相続人の相続財産は確定させておくようにしましょう。

    できることなら被相続人の生前から準備しておくと相続税の節税対策ができます。

    事業承継を相続で行う経営者の場合も、今回お伝えする相続税の節税対策も知っておいて損はないでしょう。

    ただ、近年増加しているM&Aによる事業承継の場合はM&A総合研究所にご相談ください。

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    預金を相続する際の注意点

    相続財産として一番多いのが預金ですが、これを相続する際にはいくつかの注意点を踏まえておく必要があります。

    ここでは預金を相続する際の注意点をお伝えします。

    ①預金口座の凍結

    預金の相続においておそらく一番厄介なことが、預金口座が凍結されるということです。

    預金口座の名義人が亡くなると預金口座は凍結されるようになっており、預金が引き落とせなくなります。

    預金口座の名義人、つまりは被相続人が死亡したことを金融機関が知ることで凍結されます。

    当然ながら凍結されている間は預金口座からの引き落としはできないため、早急に預金を相続したいと思ってもできなくなります。

    また光熱費や水道代などの引き落としも止まってしまうため注意してください。

    一見この預金口座の凍結はデメリットしかないように見えますが、実際は相続人が勝手に預金を引き落としないようにするために行われるものです。

    ②被相続人に負債がある場合、勝手に引き落とさない方がよい

    預金口座の凍結は後述する手続きを行えば解除されますが、もし被相続人に負債がある場合は引き落としをしないようにしておきましょう。

    被相続人が持つ負債は相続財産の一部として扱われるものであり、他の相続財産を引き継ぐなら負債も一緒に受け継がなければなりません。

    ただ、負債を引き継ぎたくない場合、相続人は相続放棄をすることによって負債ごと相続財産を引き継がないようにすることができます。

    しかし預金を引き落としてしまうと相続放棄はできなくなってしまいます。

    そのため被相続人に負債があることがわかっているのなら、凍結を解除したからといってすぐに預金を引き出すことは避けた方がいいでしょう。

    ③他の預金口座がないか注意する

    相続の際には被相続人の預金口座が他にもないか注意しましょう。

    社会人であれば預金口座を複数持っていることは珍しくないことですし、やりくりが上手な人であれば家族にも教えていない預金口座を持っている可能性も充分にあります。

    加えて最近ではネットバンクのように気軽に預金口座が開設できるため、見落としてしまうというケースも少なくありません。

    被相続人が生きている間に確認しておくことがおすすめです。

    もし被相続人の預金口座を見落としたまま相続税を申告してしまうと、後日発覚した際に延滞税が発生してしまう恐れがあります。

    また気づかないまま預金口座を放置してしまい、最後の取引から10年以上経過すると休眠口座になります。

    そうなると通常の手続きでは引き落としができなくなるため注意してください。

    預金を相続する際の手続きの流れ

    預金の相続をする場合、その手続きには「預金の払い戻し」と「預金口座の名義変更」の二通りがあります。

    預金の払い戻しは預金の相続人が複数いる場合、預金口座の名義変更は相続人が1人だけの場合に使われます。

    それぞれ手続きは以下の通りです。

    ①預金の払い戻しの手続きの流れ

    • 預金口座の凍結と必要書類の受け取り

    被相続人が死亡したら、まず預金口座の凍結を行います。

    次に、金融機関に通帳、死亡の記載がある被相続人の戸籍謄本、法定相続人を証明する戸籍謄本、実印、印鑑証明を提出して残高証明書を発行してもらいます。

    さらに預金の払い戻しに必要な「相続手続きの依頼書(金融機関によって名称が変わります)」を受け取ります。

    • 遺言の有無の確認、なければ遺産分割協議

    相続を行う際には、まず被相続人の遺言の有無を確認します。

    基本的に相続は被相続人の遺言に沿って行うものであり、預金もそれに従います。

    ただ被相続人の遺言がなく、相続財産の分配の意向がわからないようであれば、遺産分割協議を行います。

    遺産分割協議は相続人全員で行い、納得できる結果ができたら遺産分割協議書を作成します。

    • 必要種類を提出して預金を払い戻してもらう

    相続手続きの依頼書に必要事項を記入し、そのほかの必要書類の用意(次の章でお伝えします)ができたら金融機関に提出します。

    書類の提出が完了したら1~2週間程度で預金は払い戻されます。

    ②預金口座の名義変更の手続きの流れ

    • 預金口座の凍結と必要書類の受け取り

    このプロセスはさきほどお伝えしたものとほぼ同じです。

    ただ、預金口座の名義変更の場合は相続手続きの依頼書は必要ないため、残高証明書だけを受け取ることになります。

    • 遺言の有無の確認、なければ遺産分割協議

    こちら前述のものと同じになります。

    • 預金口座の名義変更の手続き

    預金口座の相続人が決まったら、金融機関で預金口座の名義変更の手続きを行います。

    預金口座の名義変更の手続きは金融機関によって異なっています。

    被相続人の預金口座が複数の金融機関にある場合は手間がかかるので注意してください。

    預金の相続手続きを行う際に必要な書類

    預金の相続手続きの際にいくつか必要な書類があります。

    預金の相続は預金の払い戻しか預金口座の名義変更のどちらかの方法で行いますが、基本的にそれぞれの手続きを行う際に必要な書類にそこまで違いはありません。

    預金の相続手続きを行う際に必要な書類は以下の通りです。

    • 被相続人の出生から死亡が記載されている戸籍謄本
    • 相続人全員の戸籍謄本
    • 相続人全員の印鑑証明書
    • 預金通帳やキャッシュカード
    • 遺産分割協議(遺言がなかった場合)
    • 遺言執行者選任審判所(遺言執行者が遺言で選任されていなかった場合)

    タンス預金は相続税の対象になるのか?

    預金は預金でも、高齢者の方がやっていることが多いタンス預金は相続税の対象になるのでしょうか?

    タンス預金は俗にいう「ヘソクリ」のことであり、金融機関に預けずに個人の家で保管している現金のことを指します。

    一見タンス預金は非公式な現金であるため、相続税の対象にならないようなイメージがあります。

    しかしタンス預金を相続するとなった際、そのタンス預金も相続税の対象になります。

    相続財産の範囲には現金も含まれているからです。

    よく相続税の節税対策の一環としてタンス預金を行っているという人がいますが、タンス預金に相続税の節税は期待できないものなので注意してください。

    またタンス預金なら税務署などの公的機関に気づかれる恐れがないから、タンス預金の分の相続税は申告しなくてもいいと考える人もいますが、注意しましょう。

    相続税の申告を受ける税務署は死亡した被相続人の資産を計算することで、どれだけの相続財産があるかを把握することができます。

    そのため申告された相続税が被相続人の資産と合わない場合、税務署は被相続人の過去の入出金などを調べるなど、強い調査権限を行使して税務調査を行います。

    その結果、タンス預金のような未申告の相続財産が見つかるとペナルティとして本来支払うべき相続税に加えて、その税額の40%分の重加算税を支払わなければなりません。

    未申告の税額があまりに大きいと検察に告発をされて有罪判決を受ける可能性もでてきます。

    そのためタンス預金といえでも、相続税の対象となる相続財産を隠しておくことはおすすめできません。

    タンス預金が見つかった際は相続財産に加味したうえ、控除額を越えるようであれば相続税の申告を行うようにしておきましょう。

    名義預金の相続の方法

    相続の際に起こりやすいことの一つが、名義預金が見つかることです。

    名義預金とは被相続人が開設したものでありながら、口座の名義は別人になっている預金です。

    名義預金は被相続人ではない人の名義で開設されているため、一見すると相続税の対象にはならない印象があります。

    ただ、他の人の名義であっても、その預金口座が被相続人の預金だと判断されることがあります。

    確かに名義預金の名義は被相続人ではありませんが、「名義人が名義預金の存在を知らない」、「名義人が名義預金を管理していない」、「名義預金の現金は被相続人が手に入れてきたもの」というようなパターンに該当すると被相続人の預金として扱われることになる可能性が高いです。

    つまり名義人が把握していない、管理していないような預金口座であれば、それは被相続人の預金口座だと認定され、相続財産に含まれてしまいます。

    もし税務署に名義預金だと判定されれば相続税の課税対象になると考えた方がいいでしょう。

    例えば夫に生活費を振り込んでもらっている妻の預金口座や孫に内緒で作った孫の預金口座といったものは被相続人の名義預金として判定され、相続税が課せられることになります。

    名義預金が相続税の課税対象になるということは意外と知られておらず、相続税の申告の際に未申告になっているというケースは多いです。

    トラブルを避けるためにも、被相続人が作った名義預金も全て把握しておいた方がいいでしょう。

    また名義預金を名義預金でなくす方法もあります。

    名義預金を作成した段階で名義人となる人と贈与契約を交わすという方法です。

    こうしておけば名義預金の現金は贈与されたものとして扱われるため、相続税の課税対象から外すことができます。

    ただ、贈与は贈与で贈与税がかかるため、贈与税の対策も立てておく必要があるため注意しましょう。

    まとめ

    今回の記事をまとめると以下のようになります。

    • 預金を相続する際には預金口座が凍結されるなど、様々な注意点がある。
    • 預金を相続する際の手続きは預金の払い戻しを行うか、預金口座の名義変更を行うかで異なってくる。
    • ただ、預金の相続手続きを行う際に必要な書類にそこまで違いはない。
    • 預金に相続税はかかるが、基礎控除の範囲内であれば支払うことはない。
    • タンス預金は相続税の対象になり、相続税の節税対策にはならないので注意。
    • 名義預金は被相続人の預金として扱われることが多く、そうなれば相続税の対象となる。

    預金は相続の際に必要な書類や手続きがあるため、あらかじめ把握しておくことがおすすめです。

    またタンス預金や名義預金のような、一見相続とは関係ないものも相続財産として扱われるパターンが多いので注が必要です。

    もし相続税の基礎控除を越えているのに、必要な相続税を支払わなければペナルティが課せられるうえに社会的信頼も失います。

    万が一がないように被相続人の預金など相続財産の扱いはしっかりしておくようにしましょう。

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