M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2021年4月26日更新資金調達
ベンチャー企業の資金調達
ベンチャー企業向けの資金調達方法が多様化しており、経営者が選べる選択の幅は広がっています。しかし、安直な資金調達はリスクをはらんでいるものです。会社の成長段階や事業計画、社内の実情を踏まえたうえでより有効的な資金調達方法を選びましょう。
ベンチャー企業の資金調達とは
どのような企業にとっても、悩みの種は「資金調達」です。会社の経営を円滑にしていくうえで、安定的な資金調達は必須といっても過言ではありませんが、安定的な資金調達は簡単なことではありません。
ましてや、ベンチャー企業のような会社であると資金調達を安定化させることが難しく課題になってしまうことも多くあるでしょう。今回はベンチャー企業の資金調達方法はどういったものがあるのか、お伝えしていきます。
ベンチャー企業の資金調達の現状
資金調達とは、会社の成長ステージごとに切り替えるべきものであり、ベンチャー企業であるならば、ベンチャー企業に合わせた資金調達方法を選択すべきです。
自分の会社に合った形の資金調達を実行することで安定して資金を調達することが可能となり、会社の成長につなげられます。もともとベンチャー企業は設立したての会社ということもあり、会社自体が未成熟で、ビジネスを推進する資金が不足がちになる傾向があります。
調達元からするとリスクもあり、加えてベンチャー企業は実績に乏しく、社会的な信頼度も低いことも事実です。そのため、一般的な金融機関に頼んでも融資を断られてしまう可能性が高くなり、ベンチャー企業の資金調達は難しいものというイメージがあるでしょう。
創立したてのベンチャーは、経営者自身が用意した資金、友人、家族から提供された資金で経営していくパターンが多いようです。
しかし、最近はベンチャー企業に向けのベンチャーキャピタル、融資、また国から支給される助成金やエンジェル投資もあるため、昔と比べるとベンチャー企業が資金調達のめどを立てやすい時代になっています。
こういった制度はベンチャー企業のウリである新しいアイディアやビジネス、イノベーションを起こそうとする情熱、テクノロジー、チームを評価したうえで成り立ちます。
その意味では、昨今においては、創立したてのベンチャー企業にとってはチャンスであり、資金調達しやすい環境にあると言っても過言ではありません。
最初は自己資金、エンジェル投資などで資金調達し、ある程度会社が成長し、実績も出てくるようになったタイミングでベンチャーキャピタルや一般的な金融機関からの投資を得ていくことが、最近のベンチャー企業の資金調達の主流となっています。
資金調達の種類・方法
ベンチャー企業に向けた資金調達もその種類は豊富であり、方法も全く違うものが多いです。最近のベンチャー企業はいずれの資金調達の方法に限定せず、複数の方法を組み合わせ、資金調達をより確実なものにしていくケースが多いようです。
ここでは、ベンチャー企業向けの資金調達の方法をお伝えしていきます。
①ベンチャーキャピタル
ベンチャー企業にとって最もなじみ深く、資金調達実績も多い資金調達方法が、ベンチャーキャピタルの活用です。ベンチャーキャピタルは、その名の通りベンチャー企業を専門とした投資ファンド(あるいは投資会社)です。
最近は、コンサルティング会社がベンチャーキャピタル事業を行うケースも増えています。ベンチャーキャピタルは、クライアントであるベンチャー企業が株式公開をした際、取得している株式を売却・譲渡することによってキャピタルゲインを得ることが目的です。
そのため、クライアントであるベンチャー企業が株式公開するまで積極的に投資し、必要があればコンサルティングも行っていきます。最近では、IPOではなく、M&Aを目的にしたベンチャーキャピタルも出てきています。
ベンチャーキャピタル活用のメリット
ただ投資を受けられるだけでなく、事業推進のためのコンサルティングを受けられることがベンチャーキャピタルの最大の魅力といえるでしょう。
ベンチャーキャピタルであれば、経営に役立つコンサルティングを受けられるため、会社の経営状態が良くなる可能性が高くなり、加えて事業提携先を紹介してくれることもあるので会社の成長にも貢献してくれます。
将来的に事業をより大きく成長させたい、上場企業になりたいと考えているベンチャー企業の経営者は、ベンチャーキャピタルが強い味方になり得ます。
ベンチャーキャピタル活用のデメリット
ベンチャーキャピタルはビジネスとして投資を行っている以上、基本的にはハイリターンを狙って動きます。そのため、具体的な事業計画を持たないベンチャー企業であると資金調達は難しいです。
またベンチャーキャピタルは、投資ファンドを形成し投資を行いますが、出資者の意向を重視する傾向があり、経営者の意向がおざなりにされてしまうこともあります。
さらに、ベンチャーキャピタルの支援を得て上場の準備を行うとかえって間接費用がかってしまうケースがあるようです。
そのため、会社の事業方向性が定まっていないタイミングでベンチャーキャピタルに依頼することは控えたほうがよいでしょう。
②エンジェル投資家
エンジェル投資家と呼ばれる投資家から投資を受けることも、ベンチャー企業にとって有益な資金調達方法といえます。
エンジェル投資家とは事業を応援してくれる個人投資家を指す言葉であり、もともとは実業家や起業家でM&Aや事業成功によってエンジェル投資家になるケースが多いです。
エンジェル投資家による投資のメリット
投資額こそベンチャーキャピタルや融資より少額ですが、エンジェル投資家は純粋に経営者の熱意や面白いアイディア、ユニークなビジネスプランに積極的に協力してくれる傾向があります。
それにビジネスとして投資している会社と違い、善意でベンチャー企業への投資を行っているエンジェル投資家が多く、中には経営に対してアドバイスをくれたり、新たな人脈を紹介してくれたりする投資家もいます。
また、最近はエンジェル投資家向けにエンジェル税制が実施されており、ベンチャー企業への投資が促進されています。そのため、エンジェル投資家からの積極的な投資活動も増えています。
エンジェル投資家による投資のデメリット
エンジェル投資家の中には経営に必要以上に介入する人もいるため、経営者との相性によっては経営の停滞のリスクもあります。
加えて、エンジェル投資家が所有する株式比率が高いと、経営者の経営権が脅かされてしまう事態も想定されるため、株式の比率はよく考えておく必要があります。
③日本政策金融公庫の新創業融資
ベンチャー企業が使える融資は少ないといわれていますが、日本政策金融公庫という政府系の金融機関であればベンチャー企業向けの「新創業融資」という融資が使えます。
新創業融資は無担保・無保証で利用できる融資であり、審査が順調であれば最短で2週間だけで融資を受けることもできます。
新創業融資はその名の通り事業を始めたばかりの経営者向けの融資であり、融資上限額は3,000万円、実際には1件あたり平均300万円の融資をしてくれます。
新創業融資は普通の融資と比べると借りるハードルが低くなっていますが、それでも条件は設定されており、審査は存在しています。実際に使用する際は、最低限の準備をしておく必要があります。
とりわけ創業計画書の作成は綿密に行わなければならず、一定の自己資金も必要になるので、この点は注意しておきましょう。
④助成金と補助金
政府や自治体、商工会議所などが提供している助成金や補助金を利用して資金調達を実践するという方法もあります。助成金や補助金は融資と違い、返済の必要がないため、資金に苦しいベンチャー企業でも利用しやすいメリットがあります。
また、最近は中小企業やベンチャー企業、特定分野の企業に特化した助成金・補助金があるため、以前より制度を使いやすいという点もあります。
ただ、助成金や補助金は申請する書類の準備が大変で、申請できる時期が限られているうえに、審査自体が非常に厳しため、確実性という観点から資金調達の要とするのは難しいでしょう。
⑤クラウドファンディング
新しい資金調達方法ともいえるのが、一般の人からインターネット経由で資金調達を行うクラウドファンディングです。
最近ではさまざまな事業を実施するために積極的にクラウドファンディングを行う事例は多いですし、クラウドファンディングのおかげで資金調達が成功し、事業が実現したケースも少なくありません。
SNSなどインターネットメディアの活用は、前述したエンジェル投資家との出会いにもつながりますし、何より会社を認知してもらうきっかけにもなりますので、クラウドファンディングの活用はベンチャー企業の資金調達における新たな選択肢として非常に有効的といえるでしょう。
一方で、一般の人から資金を募る以上、クラウドファンディングは集められる資金には限界があり、その事業が成功しなければ会社に対するイメージが急降下する恐れがあります。
その意味では、顧客や消費者の対応がダイレクトに反映されやすい資金調達方法といえるものです。そういった面を考えると、クラウドファンディングを資金調達の主軸に据えるのはまだまだ難しいといえるでしょう。
⑥M&A
M&Aを行い、大手の企業に買収してもらうことで資金調達をするという手法もあります。これを行うと会社の独立性こそ失われる可能性はありますが、大手の企業の資本の傘下に入れば経営基盤を強化することができ、資金問題を解決できます。
M&Aというと「会社を売り払う」というネガティブなイメージを持っている経営者も少なくありませんが、欧米のベンチャー企業でははじめからM&Aありきで創業することも珍しくありません。
むしろ、Googleのようにベンチャー企業を中心的にM&Aで買収する大企業もあるなど、一般的な手法といえるでしょう。ただ、M&Aは成功する可能性が高くない手法であり、失敗することも少なくありません。
M&Aをご検討中でしたら、多数の成約実績を有するM&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所には、M&Aに関する専門的な知識や経験が豊富な専門家が多数在籍しており、M&Aプロセスをフルサポートいたします。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談をお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせください。
資金調達を成功させるために
資金調達は経営者の能力によって左右されるものですが、何より肝心なのは「どれだけ綿密な事業計画を立てているか」です。事業計画は資金調達をするうえでのプランニングに役立ち、何より信頼度を高める際にも欠かせないものです。
事業計画の綿密さと信頼度は比例するといっても過言ではなく、融資の際の審査やエンジェル投資家の投資判断基準として、事業計画の緻密さは資金調達の結果の成否に関わってきます。何より経営者の熱意や資質を示すうえでも、事業計画は重要な指針になります。
事業計画を見て、融資担当者、エンジェル投資家はその会社を判断します。そのため、事業計画は決して手が抜けないものです。
事業計画を作成する際、経営者の実績や経験、事業内容や市場の詳細な分析、競合分析、会社および経営者の課題の正確な分析といった観点を踏まえることで、事業計画のクオリティは上がっていきます。綿密に妥協せずに事業計画を作成しましょう。
事業計画の策定は、経営者の経営プランや理念に沿って行うものが一般的ですが、最近では事業計画の作成を支援してくれるコンサルティング会社も多いため、より確実性の高い経営計画を作成できる可能性が高くなります。
資金調達のメリット・デメリット
ベンチャー企業の資金調達は一見メリットしかないように見えますが、実はデメリットも存在しています。そのため、やみくもに資金調達を進めていくとかえって会社に悪影響をもたらしてしまうリスクもあります。
ここでは、ベンチャー企業が資金調達を行ううえで発生し得るメリット・デメリットについてお伝えしていきます。
①資金調達のメリット
ベンチャー企業の資金調達の最大のメリットは、会社の成長、事業の拡大につながるという点です。往々にしてベンチャー企業は新しいアイディアに基づいて事業を展開するものですが、一定以上の規模で事業を展開するとなると、どうしても資金が必要になってきます。
資金不足でせっかくのアイディアが実行できないという展開になれば、その段階で会社の成長が止まってしまい、何より社会的に価値あるアイディアが発揮される場を失ってしまうことになりかねません。
資金調達はある意味ではベンチャー企業、ひいてはその会社の経営者の理念やアイディア、知識を守るうえで有効的な手段といえます。
また、ベンチャー企業のように設立したての若い企業である場合、創設期のステージでどれだけライバルとの競争に勝てるかが重要になります。創設期のステージでライバルに負けるようなことになれば、会社の成長に歯止めがかかってしまう恐れがあります。
ライバルとの競合に勝利するうえにおいて、資金面の差は致命的ともいえるものです。創設期で競合に負けないためにも、資金調達にいち早くめどをつけておくことは非常に重要といえるでしょう。
資金調達のデメリット
資金調達のデメリットは、ある意味「会社が成長してしまうこと」といえます。確かに資金調達が安定するようになれば、会社を大きく発展させるきっかけになりますし、新しい事業を打ち出せるようになります。
ただし、ベンチャー企業が成長し、会社として新たな段階に入れば会社の特性も急速に変化していきます。そもそもベンチャー企業は、小規模であることが強みといえる一面があります。
ベンチャー企業は小規模だからこそ意思決定プロセスが短くなり、会社全体でスピーディーに新しい物事に取り組めるようになっているものです。しかし資金調達が成功し、会社が急成長すると人員が増え、その分身動きが利かなくなる可能性があります。
そのため、会社内の意志決定が遅れるようになり、もともと会社に在籍していた社員と新しく参入した社員の間で対立が発生する可能性も高まります。
つまり大所帯になるからこそ、ベンチャー企業本来のスピーディーさが失われ、価値観が多様化することによって会社内の意思統一が難しくなるわけです。
管理体制を整えるタイミングが遅れれば、人員が増えた影響はますます大きくなるでしょう。また、資金調達の方法の中には、その性質上、外部の人間が経営に介入したり、出資者の意向に沿って経営を行わなければならなくなったりする場合があります。
そういった状態になると嫌でも経営者の意向が変わらざるを得なくなるかもしれませんし、中には会社の方向性自体が大きく転換してしまう場合も考えられます。良くも悪くも外部から資金調達と行うと、外部からの視線を無視できなくなるというわけです。
ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家を活用する場合、外部の人間をどれだけ介入させるか、経営理念の何を守っていくかは事前に検討しておいたほうがいいでしょう。
まとめ
ベンチャー企業向けの資金調達方法が多様化しており、経営者が選べる選択の幅は広がっているといえるでしょう。しかし、資金調達はかえって会社の首を絞めてしまうリスクをはらんでいます。
そのため、会社の成長段階や事業計画、社内の実情を踏まえたうえで、より有効的な資金調達方法を選ぶことが大切です。
今回の記事をまとめると、以下のようになります。
・ベンチャー企業の資金調達
→会社の成長段階に合わせて行う
・ベンチャー企業の資金調達の種類・方法
→多様化しており、中には国が支援してくれるケースもある
・資金調達を成功させるには
→いかに緻密な事業計画が作成されているかが重要
・資金調達のメリット
→会社の成長や新事業の展開に寄与するという点
・資金調達のデメリット
→会社の規模が大きくなり、意思統一が難しくなったり、外部の意向を無視できなくなる点
M&A・事業承継のご相談なら24時間対応のM&A総合研究所
M&A・事業承継のご相談は成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴
- 譲渡企業様完全成功報酬!
- 最短49日、平均6.6ヶ月のスピード成約(2022年9月期実績)
- 上場の信頼感と豊富な実績
- 譲受企業専門部署による強いマッチング力
M&A総合研究所は、M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。
銀行系M&A仲介・アドバイザリー会社にて、上場企業から中小企業まで業種問わず20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、不動産業、建設・設備工事業、運送業を始め、幅広い業種のM&A・事業承継に対応。