2022年6月6日更新会社・事業を売る

事業拡大とは?施策や戦略、成功事例・失敗事例を解説

事業の拡大とは、既存または新規の分野で、事業を大きくする経営戦略です。事業を拡大すると、利益の獲得、認知度の向上、柔軟な市場対応力の獲得などのメリットが得られます。この記事では、事業拡大について、施策や戦略、成功事例・失敗事例を解説します。

目次
  1. 事業拡大
  2. 事業拡大とは?事業拡大の施策と戦略
  3. 事業拡大の手順
  4. 事業拡大の方法
  5. 新規事業への参入にはM&Aが効率的
  6. 事業を拡大するメリット
  7. 事業を拡大するデメリット
  8. 事業拡大のリスク
  9. 事業拡大の成功事例・失敗事例
  10. 事業拡大の成功を目指すための対策
  11. まとめ

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事業拡大

会社を経営する上で、最重要となるのが利益の維持・向上です。

いかなる理由で会社を設立しても、最終的には利益の確保を目指します。 会社の利益をより効率的に獲得するためには、事業の拡大が必須です。

具体的には、今ある商品やサービスに加えて、新しいものを開発して市場に売り出します。 しかし、利益を獲得するための事業拡大は簡単に成功しません。

経営者と従業員が試行錯誤し、何度も会議を重ねてようやく実行に移せます。また、M&Aなどの手法を用いて事業の拡大に着手できたとしても、必ずしも成功するとは限りません。

しかし、リスクはあるものの経営者にとって事業の拡大は重要な課題です。 今回は、そんな事業の拡大について紹介します。


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事業拡大とは?事業拡大の施策と戦略

事業の拡大とは、企業が既存もしくは新規の分野で、事業をさらに大きくする経営手法です。その方法は、大きく「既存事業の拡大」と「新規事業への進出」に分けられます。  

既存事業の拡大では、既にある事業を深掘りし、さらに利益を追求します。一方で、新規事業への進出では、これまで実施していなかった事業を新規に始めます。  

2つの方法は全く別の方法に見えるかもしれません。しかし、方向性が異なるだけで、本質的に「新しい何かを始める」といった目的では一致しています。  

事業拡大が実行されるタイミングは経営が著しく好調な時と、経営が著しく不安定な時が一般的です。

業績が好調で資金に余裕がある場合、すぐさま新しい事業を始め、市場シェアの拡大を狙います。一方で、経営が著しく不安定な時には、既存の事業を諦めて、思い切って新規の事業を始めます。  

当然ですが、後者の方が資金的にも苦しく、一世一代の賭けです。 どちらが成功しやすいかとは言えません。市場の状況を知るリサーチ力や、時代背景に乗れる運によって、成功率は左右されます。また、後述するM&Aをいかにうまくできるかも重要でしょう。

ただ、M&Aは煩雑なスキームが必要であるため、専門家にサポートを依頼するのがおすすめです。

M&Aによる事業の拡大をご検討の際は、ぜひ一度M&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所では経験豊富なアドバイザーが専任につき、クロージングまで丁寧にサポートいたします。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)

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事業拡大の手順

「既存事業の拡大」、「新規事業への進出」のどちらもベースとなる手順は同じです。ただし、3段階目の手順のみ異なるので、それぞれ詳しく紹介します。

⑴市場調査

まずは自社が置かれている市場について理解する必要があります。

市場ではどのようなモノが流通され、どの商品やサービスが衰退しているのか、理解していなくてはいけません。需要を把握したら、新しく求められている商品やサービスを開発します。

⑵新製品開発

市場の需要にあわせて、実際に新製品を開発します。  

既存事業の拡大であれば、これまでの自社製品の法則やノウハウを活用できます。しかし、新規市場に参入する場合、比較的時間がかかるので、会社の中に新しい開発部門を設立する方が良いです。 

⑶各経営戦略の実施

これまでは「既存事業の拡大」と「新規事業の拡大」に違いはありません。しかし、ここから実施すべき戦略が異なるので、以下の2項目に分けて紹介します。 
 

  1. 新市場の開拓(既存事業の拡大)
  2. 多角化戦略(新規事業の拡大)

これら2項目をそれぞれ押さえておけば、両タイプの事業拡大をスムーズに実施することに繋がります。それでは、それぞれの項目を順番に見ていきましょう。

①新市場の開拓(既存事業の拡大)

これまで既に実施してきた商品やサービスで、別の市場への参入を目指します。

例えば、本来乳児のための粉ミルクを製造していた会社が、新たに大人向け粉ミルクの製造販売を実施するケースが当てはまります。乳児用粉ミルク市場で培ったノウハウや技術があるので、新市場の開拓は成功しやすいです。

②の方法よりも、低リスクで事業拡大を目指せる点がメリットです。

②多角化戦略(新規事業の拡大)

これまで自社では製造・提供してこなかった商品やサービスを1からスタートする戦略です。例えば、以下のケースが事業拡大の具体例となります。
 

  • 自動車を専門に扱ってきた会社が、新しくバイクの製造を開始 
  • 写真の現像を専門に実施してきた会社が、新しく女性用の化粧品製造を開始  


この多角的戦略は、非常に高リスクである反面、成功すれば安定した利益を獲得できるメリットがあります。多角化戦略を活用した事業拡大には、時代の流れに伴う需要変化への柔軟な対応が可能です。

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事業拡大の方法

事業拡大の方法はどのようなものがあるのでしょうか?

事業拡大は、大きく「自社で実施する」と「M&Aを行う」という2つの方法に分けることができます。

前者は自社でゼロベースから新しい事業を立ち上げていく、後者はM&Aによって進出したい事業分野の会社や事業を買収することで拡大していくというものです。

M&Aに関しては後で詳しくお伝えしますが、自分の会社の内情に合わせて、いずれかの方法を適切に採択する必要があります。


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新規事業への参入にはM&Aが効率的

新規事業への事業拡大には、さまざまな手続きが必要です。  

具体的には市場調査・商品やサービスの開発・営業等を新しく始めることになりますが、自社のみで事業拡大を目指せば莫大な資金と時間と手間が必要です。  

市場環境が変化しやすい現代において、時間と労力をかけて新規事業拡大を目指すのは高いリスクが伴います。そのため、M&Aの活用が新規事業への拡大には有効です。

なぜなら新規参入したい事業分野を既に実施している会社とM&Aを実施すれば、圧倒的に時間を短縮できます。これはM&Aを利用すれば、市場に対する知識・ノウハウ・技術等をまとめて獲得できるためです。

買収を活用すれば、部分的に買収を実施したとしても、その分野に必要な要素が手に入ります。また合併を実施した場合、会社ごと引き継ぐので、人的資源も手に入ります。  

当然、資金と時間が必要となるものの、M&Aでは新規参入に要する時間や費用を削減できます。さらに、M&Aで買収対象となる会社が既にターゲット市場で知名度が高く看板商品を持っていれば、その高い認知度も同時に獲得できます。  

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事業を拡大するメリット

事業を拡大すると、様々なメリットを得ることができます。事業拡大から得られる各メリットは、以下のとおりです。
 

  1. 大きな利益の獲得
  2. 認知度の向上
  3. 市場対応力の向上

これら3つのメリットを押さえておけば、自社において事業拡大を目指す利点が確認できます。それでは、それぞれのメリットを順番に見ていきましょう。

⑴大きな利益の獲得

新しいサービスや商品を提供すると、これまで獲得していなかった利益が手に入る可能性があります。また、市場シェア率が上がると共に、更に大きな利益を獲得できる可能性も高いです。

⑵認知度の向上

大手企業であれば、新規事業を始めた際、テレビや雑誌等のメディアで紹介される場合もあります。中小企業でも、「新規で◯◯を始めた会社」として名が知れ渡るケースもあります。  

認知度が高まれば高まるほど、さらなる利益獲得が見込めるのです。また、認知度が高まると、優秀な人材をスカウト出来る可能性も高まります。 

⑶市場対応力の向上

既存事業と新規事業の両方を持っていると、今後訪れる可能性がある市場の縮小や人口の減少に対しての対策となるのです。

また、リスク分散のメリットもあります。既存事業が失敗しても、新規事業が成功していれば、会社全体としての損失を打ち消すことが可能です。 

事業を拡大するデメリット

事業を拡大することにはメリットのみならずデメリットも伴います。事業を拡大する際のデメリットは以下の通りです。
 

  1. 固定費が大きくなる
  2. マネジメントが難しくなる
  3. 先行投資が重要になる

これら3つのようなデメリットも存在するため、事業拡大は慎重に検討することが大切です。それでは、それぞれのデメリットを順番に見ていきましょう。

⑴固定費が大きくなる

事業拡大をした場合、当然ながら全ての事業を維持するための人件費、維持費、賃料など固定費がかさむようになります。

固定費が大きくなることは常時発生する支出が増えることでもあり、売り上げが減れば利益が減少しやすくなります。もし売り上げが低迷すれば赤字に転落する可能性も上がるため、売り上げ確保が重要です。

また、税金が増えることも考えられるため、税務に関してもより気を使う必要があります。

⑵マネジメントが難しくなる

事業拡大は従業員を増やすことであり、また組織を大きくすることでもあります。

そのため「従業員同士のトラブルが発生しやすくなる」、「従業員の質がまばらになる」、「小回りがきかなくなる」などといった問題が発生しやすくなります。

事業を拡大するとこれらの問題を未然に防ぐ、あるいは対処するためのマネジメントが重要になります。また、事業を拡大すれば意思決定の速度も低下します。

事業を拡大して組織を大きくした分、スピーディーな意思決定が難しくなるため、意思決定がスムーズになる体制を事業の拡大と同時に進めておくことがおすすめです。

⑶先行投資が重要になる

事業拡大は、常に時代の先を読み、適切に事業を成長させる必要があります。

そのため先行投資が重要になっていきます。先行投資はリターンを得られるまでにインターバルがあり、また売り上げの一部を使用するため、資金繰りにも影響をおよぼします。

いかに有効的な先行投資をできるかは、経営者の手腕次第といってもいいでしょう。当然、先行投資を誤れば会社が一気に転覆することもあり得ます。


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事業拡大のリスク

「事業を拡大するデメリット」でもお伝えしましたが、事業拡大はリスクを伴うものです。

当然ながら事業拡大のリスクを踏まえておかないと、会社全体の成長が実現できなくなり、赤字に転落してしまう恐れがあります。事業拡大は経営者が取り得る選択肢の一つであり、必ずしも行うべきものではありません。

さきほどお伝えしたデメリットを踏まえるなら、事業拡大をあえてやらないということも立派な戦略です。事業拡大は会社の規模を拡大する分、それだけリソースを必要とするものです。

そのため経営者にかかる責任が格段に重くなります。経営者がいかに会社の方針や市場の動向を適切に見定め、限られた資金や従業員などのリソースを上手く配分するかが、事業拡大を成功させる鍵だといえます。

また事業拡大をするにつれて肥大化する組織をいかにまとめていくかも重要です。そして、事業拡大をするうえで念頭におかなければならないのが「一度拡大すると後に退けなくなる」という点です。

事業拡大をしている過程で「やっぱりやめよう」と方針転換することは安易にできなくなります。中途半端な状態で事業拡大をやめてしまうと、かえって会社に損害を与えてしまうおそれがあります。

ただ、事業が軌道に乗らなかった際の引き際は慎重に見極める必要があります。再建の見込みがない事業を維持することも、会社の負担になるからです。撤退するのであれば、タイミングを見て行うようにしましょう。


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事業拡大の成功事例・失敗事例

ここでは事業拡大の成功事例・失敗事例について、以下の2件をお伝えしていきます。
 

  1. 事業拡大の成功事例:楽天
  2. 事業拡大の失敗事例:ライザップ

これら2件の事業拡大事例のポイントを押さえておけば、自社の事業拡大戦略の参考とすることができます。それでは、それぞれの事例を順番に見ていきましょう。

⑴事業拡大の成功事例:楽天

楽天はM&Aによる積極的な事業拡大を通じて「経済圏」を構築してきました。

楽天は通販サイトを基軸に金融、保険、旅行などユーザーの生活に関わる様々な事業を打ち出すことで、ユーザーのニーズを全て自分のグループ傘下の事業で完結できるようにしています。

近年は携帯電話事業への参入を公表するなど、新たな市場拡大に乗り出しており、この勢いはしばらく続くでしょう。

⑵事業拡大の失敗事例:ライザップ

2018年に赤字転落を公表したライザップですが、これは無闇なM&Aによる事業拡大が失敗だといえるでしょう。

ライザップは業績不振で安い資本金の会社をM&Aを買収して、グループ全体の利益が上がっているように演出していました。

しかし買収した会社の再建にことごとく失敗し、結果的に赤字に転落してしまいました。これは買収した会社を再建するノウハウが欠けていたことや、事業拡大の見通しが甘かったことが原因だといえます。


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事業拡大の成功を目指すための対策

事業拡大を少しでも成功に近づけるには、対策方法を押さえておく必要があります。事業拡大の成功を目指すための対策方法は、以下のとおりです。
 

  1. 現在抱えている人材を主軸とする
  2. 事前の分析を怠らないようにする
  3. 売り上げに繋がる方法を確立させる
  4. 信頼できるM&A仲介会社に依頼する

これら4つの対策方法を押さえて実践すれば、自社における事業拡大戦略の成功確率を高めることができます。それでは、それぞれの対策方法を順番に見ていきましょう。

(1)現在抱えている人材を主軸とする

優秀な人材を獲得するために事業拡大を検討する企業は多いですが、やみくもに人材を増やすことは控えてください。なぜなら、人材は登用してすぐに十分な役割が発揮できるわけではないためです。

新たな人材を投入しすぎて利益が挙げられなくなり、大きな赤字を出してしまうケースは少なくありません。安定して利益を出したいなら、現在抱えている人材を主軸とした戦略を練りましょう。

すでにいる従業員は、既存事業のことをよく知っており、必要に応じてチームワークを発揮させられます。また社内での信用や人脈を築いているため、スムーズに業務を遂行可能です。

そのため、新たに人材を増やすとしても、まずは現在いる従業員を軸にして事業拡大を図ると良いでしょう。

(2)事前の分析を怠らないようにする

分析なしで事業拡大で結果を出そうとしても、決して成功しません。とにもかくにも、事前に分析を繰り返しデータとして可視化できるようにしておくことが、事業拡大を成功させる大きなカギとなります。

具体的には、以下のような項目について分析を徹底させましょう。
 

  1. 自社製品において消費者の需要はどこにあるか?
  2. 他社製品が持つ強みはなにか?
  3. どんな宣伝をすれば需要を維持できるか?

これらの項目を中心に分析することで、自社の欠点や仮想敵(ライバル)の設定を明確にできます。これにより事業拡大の方向性を円滑で的確に進めることが可能です。

(3)売り上げに繋がる方法を確立させる

たとえ、少ない利益であっても良いので、確実に売り上げが出せる工夫を講じましょう。

なぜなら、売り上げに直結させれば、社員のモチベーションを高められるためです。これにより新規事業開拓に対する熱量をグッと強められます。

このように小さな成功体験を積み重ねることで、新規事業が軌道に乗るための道筋が見えてくるようになるのです。

はじめから大きすぎる目標に集中しすぎず、現実的かつ確実な方法で売り上げを作り出すことが、結果的に事業拡大における大きな成功を手にすることに繋がります。


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(4)信頼できるM&A仲介会社に依頼する

少しでもM&Aによる事業拡大の成功確率を上げるなら、信頼できるM&A仲介会社に依頼することをおすすめします。

なぜなら、M&Aには複雑なスキームが求められるからです。もしもスムーズに手続きを完了できなかった場合、期待した効果を獲得できないおそれがあります。

M&A総合研究所では、M&Aの専門知識に長けたM&Aアドバイザーがサポートいたします。通常半年〜1年の期間を要するM&Aも成約まで最短3ヶ月の実績があるなど、機動力も当社の強みです。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)M&Aを活用した事業拡大をご検討される際には気軽にご相談ください。

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まとめ

事業拡大の手順やメリットを紹介しましたが、いかがだったでしょうか? 

ここで解説した事業拡大の手順やメリットはあくまでも一例です。事業拡大を狙ったために、倒産や経営破綻を余儀なくされる可能性もあるので注意が必要です。  

事業の拡大はハイリスクですが、成功すれば大きな利益と市場シェアを獲得できます。加えて、さらなる会社の拡大・発展にも繋がります。つまり、事業の拡大は、ハイリスクハイリターンの経営戦略です。 

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