2021年4月22日更新会社・事業を売る

次期社長の教育と選出方法

次期社長には様々な教育を受けさせる必要がありますが、なかでも3つの目(鳥の目・魚の目・虫の目)を最優先に身につけさせることが大切です。また教育には長い期間が必要であるため、円滑に事業承継できるよう早いタイミングで次期社長を選出する必要があります。

目次
  1. 次期社長の教育と選出方法
  2. 次期社長とは
  3. 次期社長の教育で大切な視点
  4. 次期社長の選出方法
  5. 次期社長の教育方法について学べる本・書籍
  6. まとめ

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次期社長の教育と選出方法

会社の現社長が引退を検討する場合、次期社長となる後継者を選出しなければなりません。ところが社長に求められる業務は一朝一夕で遂行できるようになるものではなく、地道な積み重ねが大切です。

したがって現社長は、教育期間を充分に確保するために早いタイミングで次期社長を選出する必要があります。

つまり会社経営と同時進行しながら、資質・境遇・仕事に対する姿勢などを総合的に鑑みた上で次期社長を選んで育てていくのも、事業承継の時期を迎えた現社長の大切な仕事です。そこで今回は、次期社長の教育方法や選出方法について解説していきます。

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次期社長とは

次期社長とは、会社の後継者となる人物です。そんな次期社長には、現社長の親族や勤続年数が長く優秀な従業員などが就任するのが一般的です。しかし次期社長が歩む道のりは必ずしも順風満帆だとは限らず、なかには生まれた瞬間から次期社長としての人生を強制されるケースもあります。

なお親族が次期社長となる場合、社長としての素質が充分に身につくまでには入社してから最低でも10年以上の期間が必要です。ところが新卒社会人として入社し自社に長い間在籍したとしても、業界の現状を把握できない社長になってしまうおそれがあります。

そのため、まずは同業界の他社に就職させてから将来的に後継者として自社に戻って来させるケースを取るのが一般的です。このように後継者が次期社長が社長として相応しい人材に成長するまでには、長い期間をかけて様々な経験をさせる必要があるのです。

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次期社長の教育で大切な視点

次期社長は、生まれながらにして社長の素質を持っているわけではありません。そのため、現社長や周囲の人間たちの手によって次期社長を育てていく必要があります。しかし社長に求められる能力は、業界や会社ごとに多種多様です。

とはいえどのような会社であっても共通して大切なのは、以下の視点を身につけることです。

  1. 鳥の目
  2. 魚の目
  3. 虫の目
それぞれの視点を順番に見ていきます。

①鳥の目

次期社長に必要な視点の1つ目は、鳥の目です。次期社長が決まったら、まずは全体を俯瞰できる鳥の目を育てることが最優先となります。鳥は上空からすべてを見下ろしますが、会社においてトップに立つ社長も常に会社全体を俯瞰する必要があります。

そもそも人間は、自分が経験した仕事や得意分野にどうしても重点を置く傾向があります。ところが社長には自分が経験していない事業にもしっかりと目を向けて、特定部分のみではなく会社全体を動かす力が求められているのです。とはいえ実際に自分が経験していない分野に目を向けるのは困難です。

そこで人間の偏った思考を変えるためには、数値の活用がおすすめです。つまり売上・仕入れの数・事業分野の競争力などは数値で表すことができるため、賃借対照表やキャッシュフロー計算書などに目を通す習慣を付けさせると良いです。

さらには会社全体の組織図も把握させて、自社の利益を生み出す人員配置を理解させることが大切です。

②魚の目

次期社長の視点として次に求められるのは、魚の目です。魚の目とは、会社内の個の動きが会社全体の利益に与える影響を見極めることのできる視点です。もちろん会社の小さな影響を全て社長が把握するのは、現実的には難しいことです。

しかしここで重要となるのは、「どの個が全体に影響を与えているのか」を見極めることです。これを見極める力を習得するには、実際に次期社長として会社を回すことで得られる経験も必要となります。ちなみに会社で起こる影響には、少なからず時間軸が関係しています。

いうなれば物事の影響には短期的な要因と長期的な要因があるため、これを見極めるには物事を多角的に考察する能力が必要です。

③虫の目

次期社長に欠かせない最後の視点は、当事者としての虫の目です。つまり社長としての意識や自覚のことであり、同業他社の業績はもちろん仕入れ先の利益・従業員の家族・さらには海外にも目を向けられる能力のことをいいます。

また経営は必ずしも常に順調に行くとは限らず、むしろ経営上の危機が押し寄せるおそれがあります。このとき対処に関する最終的な判断を下すのは社長であるため、経営危機についての対処法を日頃からシミュレーションしておくことが大切です。

いうなれば社長は売り上げが低下しても逃げ出せず、最後まで戦わなければならない立場の存在です。したがって次期社長は、早い段階から社長になる自覚と覚悟を持っておく必要があります。以上、次期社長に必要な視点を紹介しましたが、これらはあくまでも社長に不可欠な能力の一部でしかありません。

しかし様々な能力のなかでもとくに大切であるため、まずは3つの視点から育てていくと良いです。

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次期社長の選出方法

前述のとおり後継者教育には時間がかかるため、現社長が現役を引退してから次期社長を決定していては間に合わないケースが多いです。以上のことから現社長は、前もって次期社長を決定しておく必要があります。そこで次期社長の選出方法は、以下のとおりです。

  1. 親族内承継
  2. 従業員承継
  3. M&Aによる第三者への承継
それぞれの選出方法を順番に見ていきます。

①親族内承継

親族内承継とは、現社長の子供・甥・娘婿といった親族を次期社長に選出する方法です。かつて1980年代よりも前の時代では、この親族内承継で次期社長を選出するケースが9割程度を占めていました。ところが現在では、半数に満たない程度と低下傾向にあります。

親族内承継は他の方法と比べると、次期社長としてのポジションを早い段階で決定できるメリットがあります。そのため親族内承継を活用すれば、次期社長として教育する期間を充分に確保することが可能です。とはいえ現社長の親族であっても、社長としての素質が備わっているとは限りません。

いうなれば、次期社長のポテンシャルについて不確実である点がデメリットだといえます。

②従業員承継

従業員承継とは、社長としての素質を持っていて今後の経営を任せるのに相応しい従業員を次期社長に選出する方法です。この方法では役員や長年務めあげた従業員が次期社長となるケースが一般的であり、たとえ親族内に社長に相応しい人材がいない場合であっても事業承継できます。

また従業員承継には、すでにノウハウが備わっている人材を次期社長に任命できるメリットもあります。しかし次期社長が強く承継を希望していても、従業員から断られてしまい承継に至らないケースもあるほか、親族内承継に比べると金融機関の信用が得にくいという点もデメリットです。

③M&Aによる第三者への承継

ここまで紹介した親族内承継と従業員承継の他にも、M&Aによる第三者への事業承継も次期社長を選出する方法として挙げられます。とはいえM&Aでは現社長が次期社長を選出する必要がなくなり、代わりに会社ごと第三者に承継することになります。

M&Aを活用すれば、たとえ親族内にも従業員にも次期社長に相応しい人材がいなくても事業承継を済ませることが可能です。これにより後継者不足の問題を解消することができ、従業員の雇用維持や取引先との関係維持などが叶います。

またM&Aでは会社をまるごと売却するため、売却利益を獲得することも可能です、そのため、M&Aによる売却利益を引退後の生活資金などに充てられるメリットもあります。

M&Aによる事業承継を成功させるなら専門家の協力が必要不可欠

これまで様々なメリットを紹介しましたが、M&Aによる事業承継にはデメリットも存在します。なかでも最も深刻なデメリットは、M&Aの成功確率は決して高くない点です。一般的にM&Aの成功確率は3割程度とされており、失敗してしまうケースも多く存在します。

なぜならM&Aには相手探しや交渉など複雑なプロセスが多く求められる上に、これらのプロセスのうちひとつでも疎かにしてしまうとM&Aの失敗に直結しかねないためです。

M&Aによる事業承継をご検討の際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所には、専門的な知識や経験が豊富な専門家が多数在籍しており、これまでに培ってきたノウハウを活かしてM&Aによる事業承継をフルサポートいたします。

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次期社長の教育方法について学べる本・書籍

次期社長の教育方法について詳しく学びたいときには、本を活用すると便利です。次期社長の教育方法について学べる代表的な本・書籍は、以下のとおりです。

  1. 『たった半年で次期社長を育てる方法』(和田 哲幸 著/幻冬舎)
  2. 『「親族内」次期社長のための失敗しない事業承継ガイド』(大磯 毅・中山 昌則 著/幻冬舎)
それぞれの本・書籍を順番に見ていきます。

①『たった半年で次期社長を育てる方法』(和田 哲幸 著/幻冬舎)

はじめに紹介するのは、『たった半年で次期社長を育てる方法』です。この本では開業支援やコンサルティング業務を手掛ける著者によって、次期社長の資質になるべく影響されずに事業承継を円滑に実施する方法が紹介されています。

具体的には、事業承継を実施する上で現社長に求められる覚悟や、事業承継における実践的なコツや発生しやすい悩みなどが具体例も交えて解説されているのが大きな特徴です。これから次期社長の選出や教育などの準備を開始するという現社長にとっておすすめしたい1冊となります。

②『「親族内」次期社長のための失敗しない事業承継ガイド』(大磯 毅・中山 昌則 著/幻冬舎)

つぎに紹介するのは、『「親族内」次期社長のための失敗しない事業承継ガイド』です。この本では中小企業300件の事業承継を成功させてきた実績を持つ会計士によって、親族内承継における後継者候補が相応しい人材となるために求められる知識が解説されています。

このほかにも同族経営に起こりがちなトラブルの対策法や、事業承継後も継続して会社を発展させていくために必要なテクニックなどが事例とともに紹介されています。とくに親族内承継を検討していて、承継後の経営も視野に入れて事業承継を成功させたいという現社長に最適な1冊です。

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まとめ

次期社長として選ばれた人物は、会社の内外に関する幅広い知識や経験を身につける必要があります。つまり後継者が次期社長として相応しい人材にまで成長するには、相当な期間と努力が必要です。とはいえ次期社長を育成するときは、この記事で解説した3つの視点から養うと良いです。

そして事業承継を円滑に進めるためにも、次期社長の選出は早めに実施することをおすすめします。要点をまとめると、以下のとおりです。

・次期社長とは
→会社の後継者となる人物

・次期社長の教育で大切な視点
→3つの目(鳥の目・魚の目・虫の目)を身につけさせる

・次期社長の選出方法
→親族内承継・従業員承継・M&Aによる第三者への承継

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