2020年3月26日更新事業承継

事業承継の課題と解決方法

事業承継の実施時には、深刻な課題に悩まされる経営者が多いです。円滑な事業承継を実現するには、さまざまな課題を着実に解決していくことが求められます。この記事では、事業承継の現状を紹介しつつ、事業承継の手法ごとに課題・解決方法を解説します。

目次
  1. 事業承継の課題
  2. 事業承継の課題と現状
  3. 事業承継の課題(親族内承継)
  4. 事業承継の課題(親族外承継)
  5. 事業承継の課題(M&Aによる第三者承継)
  6. 事業承継の課題解決を目指す相談先
  7. まとめ
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事業承継の課題

団塊世代の高齢化は、全国各地の中小企業を悩ませています。数多くの中小企業では経営者の高齢化が進行しており、事業承継を実施する必要性に迫られているのです。しかし、事業承継の実施に課題を抱える中小企業も少なくありません。

昨今の日本では、課題を解決できないままに事業承継を断念する企業が後を絶ちません。円滑な事業承継を実現するにはさまざまな課題を着実に解決していく必要がありますが、前提として事業承継にまつわる課題の全容を把握しておかなければなりません。

この記事では、事業承継の課題についてわかりやすく解説します。課題の解決策についても紹介しますので、事業承継を成功させたい経営者は必見です。

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事業承継の課題と現状

はじめに、事業承継の課題と現状を確認します。事業承継の現状を確認すると、さまざまな課題が見えてきます。中小企業庁の資料によると、経営者(60歳以上)の半数以上が廃業を予定していると回答しました。

その中でも個人事業者の廃業予定割合は、7割程度にまで及んでいます。ここからは、経営者が廃業を予定する理由や、事業承継の実施割合に関する現状を紹介します。

廃業を予定する理由

中小企業庁の資料によると、38.2%の経営者が「当初から自身の代で廃業するつもりであった」と回答しています。また、27.9%の経営者は事業に将来性がないことを廃業理由に挙げているほか、後継者不足を理由とする廃業は合計で28.6%にも及んでいるのです。

参考URL:中小企業庁「事業承継に関する現状と課題について 」(平成28年11月28日)

事業承継の実施割合(手法別)

そもそも事業承継には、3種類の手法が存在します。具体的には、子供などの親族に引き継ぐ親族内承継、従業員・役員・外部から招へいした人物などに引き継ぐ親族外承継、M&Aによる第三者承継に分けられます。

2019年版「中小企業白書・小規模企業白書」によると、昨今の中小企業では、35.6%の割合で「従業員承継」もしくは「社外の人物への承継」が実施されています。その一方で、親族内承継の件数は55.4%まで減少している状況です。

現状を見るとM&Aを用いた事業承継件数は、従業員承継の実施件数よりも少ないです。ただし、件数自体は増加傾向にあるため、今後もM&Aによる事業承継の需要が増加すると予想されています。

参考URL:中小企業庁「2019年版 中小企業白書・小規模企業白書 概要 」(平成31年4月)

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事業承継の課題(親族内承継)

事業承継の中でも親族内承継で発生する課題は、以下のとおりです。

  1. 後継者の資質・能力不足
  2. 相続税・贈与税の負担
  3. 経営権の分散
  4. 後継者不足
それぞれの課題を解決方法とともに見ていきます。

①後継者の資質・能力不足

後継者の資質・能力不足は、親族内承継で最も深刻な課題です。この課題を解決するには、早い段階から後継者育成を実施する必要があります。後継者育成には最低10年程度の期間がかかるため、経営者の体調が悪化してから着手していては事業承継に間に合いません。

経営者の体調が万全な頃から後継者育成を開始して、余裕を持って経営に必要な知識やスキルを伝授することが大切です。後継者育成に多くの時間を確保すれば、経営者の価値観・経営理念なども十分に伝えられます。

②相続税・贈与税の負担

親族内承継では後継者に自社株式を引き継ぎますが、ここでは相続税や贈与税が課されます。事業承継では通常の贈与・相続よりも多額の税金が課される傾向があり、中小企業において深刻な課題となっています。

事業承継後の資金繰りを安定させるためにも、上記の課題は最優先で解決しなければなりません、税負担の課題解決には、節税対策が効果的です。節税対策の1つに、株価の引き下げが挙げられます。株価が低下したタイミングで事業承継すれば、税負担を軽減可能です。

株価を引き下げるには、生命保険・役員退職金などの活用が有効策です。合わせて、事業承継税制を活用して納税猶予の措置を受ける選択肢を検討するのも良いです。

③経営権の分散

特に親族内承継や親族外承継では、あらかじめ後継者に自社株式を集中させておかないと、将来的に深刻な問題が発生するリスクがあります。例えば、少数株主から株式買取を要求されるほか、経営者・役員に対して株主代表訴訟を起こされるおそれがあります。

そもそも株式の所有割合が高いほど、経営権が安定します。その一方で、他の人間に株式が渡れば、後継者が経営者に就任したときに立場が不安定になりやすいです。株式を手にした人間が経営者・後継者にとって都合の悪い人物であった場合には、深刻なトラブルを招きかねません。

事前に自社株式の分散防止策を講じておくことで、後継者に株式を集中させやすくなります。経営権を集中させるためには、さまざまな方法があります。具体的には、自社株式の生前贈与・安定株主の導入・遺言の作成などが有効策です。

④後継者不足

中小企業では、後継者不足の課題も深刻化しています。かつては子供が家業を継ぐケースが当然であると捉えられていましたが、現代は子供の自由な職業選択が尊重されています。そのため、子供に事業承継を引き受けてもらえないケースも多いです。

この課題の根本的な解決方法はないため、事業承継では親族外承継やM&Aによる第三者承継の選択肢も検討する必要があります。

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事業承継の課題(親族外承継)

次に、事業承継の中でも親族外承継で発生する課題は、以下のとおりです。

  1. 個人保証の引き継ぎ
  2. 自社株買い取りのための資金不足
  3. 後継者候補からの引き継ぎ拒否
それぞれの課題を解決方法とともに見ていきます。

①個人保証の引き継ぎ

個人保証の引き継ぎは、親族外承継で最も深刻な課題です。比較的規模の大きい中小企業では、この課題が大きな障壁となりやすいです。個人保証とは、資金調達時に経営者自身が保証人となることです。事業承継の後継者は、経営者の個人保証を引き継ぐのが一般的です。

経営者に個人保証が存在していると、従業員・役員が事業承継を引き受けないトラブルが発生しかねません。特に債務超過企業では、個人保証が大きなリスクとなり得ます。

個人保証に関する課題を解決するには、金融機関と交渉したうえで後継者に引き継ぐ個人保証をなるべく減らすことが大切です。個人保証が残ってしまう場合には、リスクに応じた対価を後継者に付与すると良いです。

②自社株買い取りのための資金不足

親族外承継では後継者に株式を買い取ってもらうケースが一般的ですが、たとえ役員であっても自社株式のすべてを自己資金で買い取ることは困難です。後継者の資金力不足を解決するには、経営者が買取資金の一部を補助すると良いです。

上記のほか、経営者の利益獲得が不可能となりますが、株式を無償で譲渡する選択肢も採用可能です。

③後継者候補からの引き継ぎ拒否

親族内承継と同様に、役員・従業員などの後継者候補から事業承継を引き受けてもらえないケースがあります。そもそも会社経営には倒産・廃業のリスクが存在しており、リスクを背負ってまで事業承継を希望する人は決して多くありません。

親族内承継・親族外承継が困難である場合、M&Aによる第三者承継の実施で課題解決を図れます。

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事業承継の課題(M&Aによる第三者承継)

最後に、事業承継の中でもM&Aによる第三者承継で発生する課題は、以下のとおりです。

  1. 買い手探し
  2. M&Aの費用負担
  3. 従業員の雇用維持
  4. 価格交渉
それぞれの課題を解決方法とともに見ていきます。

①買い手探し

M&Aによる事業承継では後継者不足の課題を解決できる反面、買い手探しが困難というデメリットもあります。利益・将来性ともに優良な企業であれば、比較的スムーズに買い手が見つかります。とはいえ、多くの中小企業では、自力での買い手探しが困難な状況です。

買い手探しは、M&Aによる事業承継ではじめに障壁となる課題です。この課題を解決するには、M&Aの仲介業務を手掛ける会社に相手探しを依頼すると良いです。近年では事業承継型のM&Aに強い仲介会社が増加しており、依頼することで希望にかなう買い手を全国規模で探せます。

そのほか、公的機関の事業引継ぎ支援センターでもM&Aのマッチング事業が運営されているため、積極的に利用するのも有効策です。

②M&Aの費用負担

親族内承継・親族外承継と比較すると、M&Aによる第三者承継では、事業承継で発生する費用負担が非常に大きいです。M&Aの専門家に支払う手数料のみで、数百万円〜数千万円程度の費用が発生する場合もあります。

最終的に売却利益の獲得が期待できるならば、短期的に融資を受けるのも効果的です。ただし、M&Aが成立しない場合は、大きな損失につながりかねません。そこでおすすめなのが、事業承継補助金の活用です。事業承継補助金には、M&Aを想定した資金援助もあります。

補助金であるため、返済の心配なく資金調達が可能です。

③従業員の雇用維持

中小企業にとって、従業員の雇用維持は非常に重要な課題です。M&Aによる第三者承継であっても基本的に従業員の雇用は引き継がれますが、M&A取引時は従業員雇用に関する契約事項を念入りに確認すると良いです。

④価格交渉

M&Aによる価格交渉は、雇用維持と同様に重要な課題です。事業承継時になるべく高い価格で売却するには、会社の磨き上げが必要不可欠です。会社の磨き上げとは、自社の企業価値を高める戦略です。具体的には、ノウハウ・技術力など無形資産価値の向上が目指されます。

さらには余分な在庫・資産などの処分も、企業価値向上につながる施策です。

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事業承継の課題解決を目指す相談先

事業承継にまつわる課題のスムーズな解決を目指すには、専門家への相談が必要不可欠です。中小企業庁作成の事業承継マニュアルでは、課題ごとの相談先を以下のとおり紹介しています。

後継者育成の課題 中小企業大学校
税負担の課題 税理士
後継者不足の課題 事業引継ぎ支援センター
個人保証の課題 金融機関・独立行政法人 中小企業基盤整備機構
資金調達(株式買取)の課題 金融機関・信用保証協会

上記のほか、M&Aによる第三者承継の実施を検討する場合には、M&Aの専門家に相談すると良いです。仲介会社のほか、M&A業務に強い税理士・公認会計士・弁護士などの専門家に相談すれば、M&Aによる事業承継の課題を解決できる可能性が高まります。

数ある専門家の中でも手数料の面で相談しやすいのは、M&A総合研究所です。M&A総合研究所には、専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが多数在籍しており、培ったノウハウを活かしてM&Aによる事業承継を手厚くサポートいたします。

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事業承継の相談
事業承継の専門家

まとめ

今回は、手法ごとに事業承継の課題について解説しました。事業承継の実施時には、深刻な課題に悩まされる経営者が多いです。円滑な事業承継を実現するには、さまざまな課題を着実に解決していくことが求められます。

課題解決を目指すには事業引継ぎ支援センターをはじめ、さまざまな専門家を必要に応じて使い分けると良いです。要点をまとめると、以下のとおりです。

・事業承継の現状
→経営者(60歳以上)の半数以上が廃業を予定している

・廃業を予定する理由
→28.6%は後継者不足を理由としている

・事業承継の実施割合
→35.6%の割合で従業員承継、もしくは社外の人物への承継が実施されている

・事業承継の課題(親族内承継)
→後継者の資質や能力不足、相続税や贈与税の負担、後継者不足

・事業承継の課題(親族外承継)
→個人保証の引き継ぎ、自社株買い取りのための資金不足、後継者候補からの引き継ぎ拒否

・事業承継の課題(M&Aによる第三者承継)
→買い手探し、M&Aの費用負担、従業員の雇用維持、価格交渉

・事業承継の課題解決を目指す相談先
→中小企業大学校、税理士、事業引継ぎ支援センター、金融機関、中小機構、信用保証協会、M&A仲介会社

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