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事業承継の課題と解決方法

事業承継の課題と解決方法

目次

    事業承継の課題と解決方法

    団塊世代の高齢化は、全国各地の中小企業でも進行しています。

    数多くの中小企業では、経営者の高齢化が進行し、事業承継の必要性が高まっています。

    必要性が高まる一方で、事業承継に課題を抱える中小企業は少なくありません。

    深刻な課題を理由に、事業承継を躊躇する企業は後を絶ちません。

    円滑な事業承継を実現する為には、課題を一つ一つ解決する事が重要です。

    その為には、どのような課題が存在するのか把握する必要があります。

    この記事では、事業承継の課題を分かりやすくご紹介します。

    併せて、課題の解決策についても触れます。

    事業承継の課題を知りたい方必見です。

    事業承継の課題

    まず初めに、事業承継の課題と現状を確認します。

    現状を確認する事で、課題が見えてきます。

    ⑴事業承継の課題と現状

    経営者(50歳以上)の事業承継に対する意向を、中小企業庁実施のアンケートを基に見ていきます。

    中規模企業のうち、約8割が事業を継続したいと考えています。

    小規模企業の場合、事業承継を望む企業は6割弱、約1割強は事業を辞めたいと回答しています。

    ⑵事業承継の課題と廃業

    小規模企業の1割強は、どうして廃業を検討しているのでしょうか?

    中小企業庁のアンケートによると、約半数が後継者に関する課題を理由としています。

    「子供に事業承継を引き継ぐ意思が無い」もしくは「適当な後継者が見つからない」等の課題が、事業承継の課題となっています。

    ⑶事業承継方法と件数

    事業承継には、大きく分けて三つの方法があります。

    一つ目は、子供や兄弟姉妹を対象とする「親族内承継」。

    二つ目は、従業員や役員、外部から招聘した人物に引き継ぐ「親族外承継」。

    三つ目は、M&Aを用いて事業承継する方法です。

    小規模企業に限定すると、約6割が親族内承継が選択され、親族外承継は約3割に留まっています。

    一方、中規模企業は、親族内承継の件数は4割と少なく、小規模企業と比べると、親族外承継の割合が大きいです。

    M&Aを用いた事業承継は、「親族内」「親族外」共に、1〜2%程度と低いですが、件数自体は増加傾向にあります。

    今後M&Aによる事業承継は、需要が増すと予想されています。

    ※関連記事

    事業承継とは?方法や事業承継税制・補助金、M&Aでの活用について解説

    事業承継における親族内承継の課題

    まず初めに、親族内承継の課題をご説明します。

    ⑴後継者の資質・能力不足

    親族内承継では、「後継者の資質・能力不足」が最も大きな課題です。

    中小企業庁の調査では、中規模企業の7割、小規模事業者の6割が課題だと回答しています。

    この課題を克服する為には、早い時期からの後継者教育が重要です。

    後継者育成には、少なくとも10年かかります。

    経営者の体調が悪くなってから始めては、事業承継に間に合いません。

    早い段階から後継者育成を開始し、経営に必要な知識やスキルを伝授することが大切です。

    それだけでなく、経営者自身の価値観、経営理念も、伝えるべき重要な要素です。

    ⑵相続税・贈与税の負担

    親族への事業承継では、自社株式を無償で後継者に引き継ぎます。

    それに伴い、相続税や贈与税が課税されます。

    事業承継で生じる税金は、通常の贈与・相続よりも多額です。

    税負担の大きさは、中小企業において大きな課題です。

    事業承継後の資金繰りを安定させ為に、この課題は最優先で解決する必要があり、税負担の課題解決には、節税対策が必須です。

    節税対策の一つに、「株価の引き下げ」があります。

    株価を引き下げたタイミングで事業承継することで、支払う税金を少なくできます。

    株価の引き下げには、生命保険や役員退職金の活用が有効です。

    最新の法改正により、節税対策として有効な制度となった事業承継税制の活用も、選択肢の一つです。

    ⑶後継者不足

    後継者に関する課題を抱える企業も多いです。

    一昔前までの様に、家業を継ぐのが当たり前の時代ではありません。

    子供が自由に職業選択ができる昨今、事業承継を引き受けてもらえないケースは多いです。

    この課題を100%解決できる方法はありません。

    親族外承継やM&Aによる事業承継も、選択肢に加えなくてはいけません。

    ※関連記事

    親族内承継

    事業承継における親族外承継の課題

    次に、親族外承継の課題をご紹介します。

    特に今回は、自社内の従業員や役員に事業承継するケースを想定します。

    ⑴個人保証の引き継ぎ

    親族外承継の課題として、最も重大なものは「個人保証の引き継ぎ」です。

    中小企業庁実施のアンケートでは、実に3〜4割もの企業が課題であると回答しています。

    規模の大きい中小企業ほど、この課題が大きな足かせとなります。

    個人保証とは、資金調達の際に経営者自身が保証人となることです。

    原則事業承継では、後継者は個人保証を引き継ぎます。

    個人保証が存在すると、従業員や役員は事業承継を引き受けない可能性があります。

    特に債務超過企業の場合、個人保証は大きなリスクになります。

    個人保証の課題を解決する為には、金融機関と交渉し、後継者の個人保証を最大限減らすことが大切です。

    個人保証が残る際には、リスクに見合う報酬を後継者に付与しましょう。

    ⑵後継者の自社株式の買い取り

    親族外承継では、後継者に株式を買い取ってもらうケースが一般的です。

    たとえ役員であっても、自社株式の全てを買い取ることは困難です。

    資金力不足は、親族内承継の大きな課題です。

    経営者が資金の一部を補助する課題解決のサポートが必要です。

    もしくは、株式を無償譲渡するのも一手です。

    利益は得られませんが、廃業するよりは遥かにマシです。

    ⑶後継者候補からの承認を得られない

    親族内と同様に、後継者からの承認を課題と回答した中小企業も多いです。

    会社経営には、倒産、廃業のリスクが存在します。

    リスクを背負ってまで事業承継したいと考える人は、多くありません。

    リスクに見合うメリットがあり、はじめて課題解決に繋がります。

    M&Aを利用した事業承継の課題

    最後に、M&Aを用いた事業承継の課題を解説します。

    まだまだマイナーではあるものの、事例自体は増加しています。

    売却利益の獲得や雇用の維持、M&Aによる事業承継には多くのメリットがあります。

    今後M&Aによる事業承継の事例は、ますます増加すると予想されます。

    事業承継を考える際、M&Aの利用も選択肢に入れましょう。

    ⑴買い手先を見つける

    M&Aには多くのメリットがある反面、買い手先を見つける事が困難なデメリットもあります。

    利益・将来性共に優良な企業であれば、簡単に買い手を見つけられる可能性があります。

    殆どの中小企業にとって、自身で買い手を発見することは困難です。

    買い手探しは、事業承継において最初の壁となる課題です。

    第三者の仲介機関に相手探しを委託することで、この課題を解決出来ます。

    近年は、事業承継型のM&Aに強いM&A仲介会社が増加しています。

    M&A仲介会社に依頼すれば、希望の買い手を全国幅広い地域から探せます。

    また、国の機関である「事業引き継ぎ支援センター」でも、マッチング事業を実施しています。

    国の機関ですので、安心して利用できます。

    ⑵事業承継に要する費用負担が大きい

    親族内・親族外承継と比較すると、事業承継に要する費用負担が非常に大きいです。

    M&Aによる事業承継において、費用面は最も大きな課題です。

    M&Aの専門家への手数料だけで、数百万円〜数千万円かかります。

    最終的には売却利益を獲得できるため、短期的に融資を受けることも一つの手です。

    ただしM&Aが成立しなければ、大きな損失につながるリスクもあります。

    そこで、事業承継補助金の活用をおすすめします。

    事業承継補助金には、M&Aに向けた資金援助もあります。

    補助金ですので、返済義務はありません。

    ⑶従業員の雇用や価格の条件

    中小企業にとって、従業員の雇用維持は非常に重要な課題です。

    基本的には、従業員の雇用は引き継がれます。

    M&Aの際には、従業員の雇用に関する契約事項を、しっかりと取り決めましょう。

    雇用維持に次いで重要な課題が「売却価格」です。

    事業承継する際、極力高い価格で売却したいですよね。

    その為には、「会社の磨き上げ」が有効手です。

    会社の磨き上げとは、自社の企業価値を高める戦略です。

    ノウハウや技術力等、無形資産価値の向上が必須です。

    無駄な在庫や資産等の処分も、企業価値の向上に繋がります。

    ※関連記事

    事業承継とM&Aの違いとは?メリット・デメリット、件数を解説

    まとめ

    今回は事業承継の課題について、事業承継の方法別にご紹介しました。

    中小企業庁のアンケートによって、事業承継の課題が浮き彫りとなりました。

    事業承継には、幅広い課題が存在します。

    国が一丸となって課題解決に取り組んでおり、事業承継を行う当事者も、課題解決の為に努力する必要があります。

    スムーズに事業承継を実施する為には、一つ一つの課題を丁寧に解決することが重要です。

    要点をまとめると下記になります。

    • 事業承継に対する認識

    →小規模企業の方が事業承継に対して消極的

    • 廃業を検討する理由

    →約半数が後継者に関する課題としている

    • 事業承継方法の割合

    →小規模企業は親族内承継、中規模企業は親族外承継が主流となっている

    • 親族内承継における課題

    →後継者の資質・能力不足、相続税・贈与税の負担、後継者候補がいない・承認されない

    • 親族外承継における課題

    →個人保証の引き継ぎ、後継者の自社株式の買い取り、後継者候補からの承認を得られない

    • M&Aを利用した事業承継の課題

    →買い手先を見つける事が困難、費用負担が大きい、従業員の雇用や価格等の条件

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