2020年6月19日公開会社を売る

ビジネスマン必見!M&Aの基礎知識、代表的手法、メリット

会社や個人事業を売買する「M&A」の知識は、いまや経営者だけでなく会社員を含む全てのビジネスマンにとって必携となりつつあります。本記事では、ビジネスマンが知っておくべきM&Aの基礎知識について、代表的手法やメリット・デメリットなどを解説します。

目次
  1. ビジネスマン必見!M&Aの基礎知識
  2. M&Aにおける代表的な手法
  3. ビジネスマンが覚えておきたいM&Aのメリット
  4. ビジネスマンが覚えておきたいM&Aのデメリット
  5. ビジネスマンがM&Aに触れることのメリット
  6. まとめ
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ビジネスマン必見!M&Aの基礎知識

M&Aの基礎知識

ビジネスマンとして評価を高めていくには、様々なジャンルの知識や経験を得ておかなければならず、しかも時代によって得るべき知識は変わってきます。

昔はそこまで重要視されていなかったものの、近年になって重要になっているのが「M&A」の知識です。M&Aを実際に行うのは主に経営者ですが、そこで働くビジネスマンも、M&Aで自社に何が起こっているのか理解しておく必要があります

しかし、M&Aは会計・税務を始めとする総合的なビジネスの知識が必要なので、勉強したいと思いつつも、なかなか手が出ない方も多いのではないでしょうか。本記事では、ビジネスマンの方が最低限知っておきたい、M&Aの基礎知識を徹底解説していきます。

M&Aとは

M&Aとは、会社を売却・買収したり、合併・分割したりする取引のことです。「合併と買収」のことを英語で「Mergers and Acquisitions」と言うので、頭文字をとってM&Aと呼ばれています。

M&Aは主に会社の合併・買収で利用されますが、個人事業や医療法人など、あらゆる形態の会社・事業を取引することが可能です

M&Aの手法には多くの種類があり、M&A手法のことを「スキーム」と呼ぶことがあります。具体的なM&Aスキームとしては、株式譲渡・事業譲渡・第三者割当増資・株式交換・株式移転・合併・分割・資本提携・業務提携といったものがあります。

【関連】「M&A」とは〇〇の略!読み方、「買収」の英語も紹介

日本のM&A事情

日本では1980年代にM&A仲介会社が誕生し現在までM&A件数は伸び続けています。この傾向は今後も続くと見られ、中小企業を含む全ての経営者の方が、M&Aについて知っておくことが大切になってきます。

日本のM&Aが増加している主な原因は、中小企業のM&Aが増えたことです。大企業のM&Aが主に事業拡大や組織再編を目的としているのに対して、中小企業のM&Aは事業承継を目的としたものが多いのが特徴です

2020年代は団塊世代の経営者が引退するので、M&A件数も大きく伸びてくると考えられます。

世界のM&A事情

海外では日本よりも早くM&Aが行われており、件数も日本よりはるかに多くなっています。海外のM&Aでは、リスクをとった経営手法として、M&Aが積極的に利用される傾向があります

例えばLBO(レバレッジド・バイアウト)という手法は、買収する企業を担保に資金調達するM&A手法で、少ない資金で大規模なM&Aを行える代わりに、非常にリスクが高くなっています。

日本でのLBOの事例はソフトバンクなど一部の大企業に限られますが、アメリカでは1960年代ごろには大規模なLBOが行われており、「プリティウーマン」「摩天楼はバラ色に」といった映画でもLBOが描かれています。

M&Aにおける代表的な手法

代表的な手法

M&Aの手法には様々な種類がありますが、代表的な手法としては、株式譲渡・新株引受・株式交換・株式移転・事業譲渡・会社分割・合併が挙げられます。この章ではこれらのM&A手法について、ビジネスマンの方が知っておくべき知識を解説します。

下の図では資本提携や業務提携も挙げられていますが、これらは広義のM&Aに分類されており、M&Aに含める場合と含めない場合があります。

【M&Aにおける代表的な手法】

  1. 株式譲渡
  2. 新株引受
  3. 株式交換・移転
  4. 事業譲渡
  5. 会社分割
  6. 合併

1.株式譲渡(売却)

株式譲渡とは、売却する側の会社(下の図ではA社)の株主(株主A)が、保有株式を買収する側の会社(B社)に売却することで、A社の経営権を株主AからB社へ移転させるM&A手法です。株式譲渡後はA社はB社の子会社となります。

譲渡する株式はA社が発行する全株式でもいいですし、一部だけを譲渡することもできます。全株式を売却することを完全子会社化、一部だけを譲渡することを子会社化と言って区別することもあります。

ただし一部だけを譲渡するといっても、株式譲渡は経営権の取得が目的なので、最低でも過半数は取得することになります。半分以下の株式だけ取得する取引は資本提携と呼ばれます。

【関連】株式譲渡とは?メリット・デメリット、M&Aの手続きや税務を解説

2.新株引受

新株引受とは、会社が新たに株式を発行して、それを既存株主や新しい株主に割り当てることです。既存の株主に新株を割り当てることを「株主割当」、既存株主以外に割り当てることを「第三者割当」と呼んで区別します。

新株引受は会社が発行する株式数が増えるので、基本的には増資目的で行われる手法です。増資ができる一方で、株式の数が増えるということは、一株当たりの価値が薄まるというデメリットもあります。

【関連】新株引受権

3.株式交換・移転

株式交換とは、完全親会社・完全子会社を作るためのM&A手法です。ここで完全親会社とは子会社の株式を100%保有する親会社のことで、完全親会社の子会社が完全子会社です。

株式交換では、完全親会社となる会社(下の図ではB社)が完全子会社となる会社(A社)の株式を株主Aから取得し、対価としてB社の株式や金銭を支払います

株式移転も完全親会社・完全子会社を作るM&A手法ですが、こちらは新しく設立した会社(下の図のB社)がA社の株式を取得し、B社が完全親会社・A社が完全子会社となります

【関連】株式交換とは?メリット・デメリット、M&Aでの活用や自己株式の消却について解説
【関連】株式移転とは?手続きやメリット・デメリット、M&Aにおける活用や事例を解説

4.事業譲渡(売却)

事業譲渡とは、事業資産を売買するM&A手法のことです。他のM&A手法では株式を売買しますが、事業譲渡では店舗や設備といった事業資産を売買します。

事業譲渡は他のM&A手法と違い、会社の経営権は譲渡されません。下の図で言うとA会社はB会社の子会社とはならず、B会社とは独立した企業として存続します。事業譲渡は株式の売買を伴わないので、個人事業のM&Aでも利用することができます

【関連】事業譲渡とは?意味や方法、M&Aにおける活用​を解説

5.会社分割

会社分割とは、ある会社(下の図ではA社)が営んでいる事業の一部(B事業)を切り離し、別な会社(A'社・B社)に承継させるM&A手法です。分割しない事業(A事業)はそのままA社に残ります。

会社分割には、新しく設立した会社(A'社)に事業を承継する「新設分割」と、既存の会社(B社)に承継させる「吸収分割」があります。

会社分割は対価を会社が受け取る「分社型分割」と、対価を株主が受け取る「分割型分割」に分けられます。つまり、新設分割・吸収分割それぞれに分社型と分割型があり、計4種類に分類されることになります。

会社分割は主に大企業の組織再編で使われる手法で、中小企業のM&Aでも利用される株式譲渡や事業譲渡に比べると、件数はそこまで多くありません。

【会社分割の種類】

  1. 新設分割
  2. 吸収分割

新設分割

新設分割とは、新しく設立した会社に事業を承継させる会社分割の手法です。新設分割は新しく設立した会社を利用することで、吸収分割よりも手続きを簡便にできることがあります

ただし、新会社を設立する手間がかかるので、トータルとして簡便になるかどうかは個々の事例によります。

吸収分割

吸収分割とは、既存の会社に事業を承継させる会社分割の手法です。吸収分割は、グループ企業の組織再編や経営統合の手段としてよく利用されます。一方で中小企業のM&A手段としてはあまり利用されません。

【関連】会社分割とは?手続きやメリット・デメリット、事業譲渡との違いを解説

6.合併

合併とは、ある会社(下の図ではA社)を別の会社(B社)と合体させるM&Aの手法です。一見株式譲渡と似ていますが、株式譲渡はB社とA社が親会社・子会社の関係になるのに対して、合併ではA社は消滅します

合併には既存の会社に合併させる「吸収合併」と、新しく設立した会社(C社)に合併させる「新設合併」があります。

【合併の種類】

  1. 新設合併
  2. 吸収合併

新設合併

新設合併は、新しい会社を設立して、その会社に合併させるM&A手法です。新設分割は既存の会社が全て消滅するのが特徴で、許認可の取得などの手間もかかります。

新設分割は吸収分割よりもややメリットが少なく、吸収合併に比べて利用される割合は少ないです。

吸収合併

吸収合併は既存の会社を利用した合併で、合併といえば普通は吸収合併のことを指します。会社法で「吸収合併等」という言葉が出てきますが、これは吸収合併・吸収分割・株式交換の総称として使われる言葉で、吸収合併でない手法も含むので注意しましょう。

【関連】合併とは?意味や種類、メリット・デメリットや事例をご紹介

ビジネスマンが覚えておきたいM&Aのメリット

M&Aのメリット

M&Aのメリットには様々なものがあるので、ビジネスマンの方も一通り把握しておくことをおすすめします。M&Aのメリットは買収側と売却側で全く違ってくるので、買収側・売却側に分けて理解することが大切です。

この章では、ビジネスマンが覚えておきたいM&Aのメリットについて、買収側・売却側それぞれの立場から解説します。

買収側のメリット

まずこの節では、ビジネスマンが覚えておきたいM&Aの買収側のメリットについて解説します。買収側の主なメリットは以下の4つです。

【ビジネスマンが覚えておきたいM&Aの買収側のメリット】

  1. 事業規模・シェアの拡大
  2. 新規分野へのスピード参入
  3. 事業強化
  4. 優秀な人材の獲得

1.事業規模・シェアの拡大

事業規模やシェアを拡大しようとすると、普通は新しい店舗を展開したり、新会社を設立して進めていくことになります。

しかしこのような手法で一から事業規模やシェアを拡大しようとすると、すでにシェアを持っている同業他社との競争に勝たなければなりませんし、ノウハウや顧客などを一から獲得していかなければなりません。

一方、M&Aで既にノウハウや顧客を持っている会社を買収すれば、手早く事業規模・シェアの拡大を実現することができます

2.新規分野へのスピード参入

新規分野へ参入しようとすると、許認可の取得や設備投資、人材の育成や顧客の獲得などに時間がかかり、軌道に乗るまでに数年間は赤字を余儀なくされることもあります。

一方で、M&Aにより既存の会社や店舗を獲得すれば、設備投資のコストや人材育成の時間を短縮でき、スピード感をもって新規分野へ参入することができます

3.事業強化

M&Aによる買収は新規参入に利用するのも有効ですが、既存事業の強化に利用することもできます

例えば、独自の強みを持っている会社をM&Aで買収して、自社の強みと融合して新しい製品を生み出すこともできますし、自社の弱点を補完できる会社をM&Aで買収して、事業基盤を固めることもできます。

4.優秀な人材の獲得

人材の獲得を目的として、M&Aによる買収が行われることもあります。

優秀な人材を擁する会社がM&Aで簡単に買収に応じるのか疑問に思うかもしれませんが、M&Aで売却されることによって大手のしっかりした経営基盤を獲得できますし、大手の傘下に入るということは、優秀な人材がより良い雇用条件で働けることも意味します。

このように優秀な人材のいる会社をM&Aすることは、売却側にとってもメリットの多い取引であり、買収側・売却側ともにWin-Winの関係を築くことができます

売却側のメリット

次にこの節では、ビジネスマンが覚えておきたいM&Aの売却側のメリットについて解説します。主なメリットは、後継者問題の解決・経営難からの脱却・従業員の雇用確保・資金調達・事業の拡大の5つです。

【ビジネスマンが覚えておきたいM&Aの売却側のメリット】

  1. 後継者問題の解決
  2. 経営難からの脱却
  3. 従業員の雇用確保
  4. 資金調達
  5. 事業の拡大

1.後継者問題の解決

日本では高齢化が進んでおり、中小企業経営者の平均年齢も60代となっています。今後多くの中小企業経営者が引退することになりますが、近年は昔のように子供が家業を継ぐケースが減ってきているので、後継者がおらず廃業してしまう事例が増加しています。

親族による事業承継に代わる手段として普及しつつあるのが、M&Aによる事業承継です。M&Aなら全国から後継者候補を探せるので、親族よりもはるかに広い選択肢から、最適な後継者を見つけることができます

M&Aによる後継者問題の解決は国も後押ししており、事業承継の税制を優遇したり、事業承継を支援する公的機関を設置したりしています。

M&A総合研究所は、M&Aによる事業承継の経験豊富な会計士・弁護士・アドバイザーによる、フルサポートが受けられるM&A仲介会社です。着手金・中間金無料の完全成功報酬制で、コストを抑えてM&Aを実行できます。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

2.経営難からの脱却

経営難から脱却するために、M&Aで会社を売却するというのも有力な選択肢です。安定した経営基盤を持つ大手の傘下に入れば、倒産や廃業のリスクを軽減することができます。

ただし、経営状態が悪いことは買い手から見るとマイナス材料なので、うまく買い手を見つけられるかが重要になります。独自の技術や顧客層を持っていたり、特定の地域で強みを持っている会社なら、経営難でも売却できる可能性があります。

3.従業員の雇用確保

従業員の雇用を確保できるのも、M&Aによる売却のメリットの一つです。経営難で倒産の危機にあったり、経営者が引退して後継者がおらず、廃業の危機にある会社をM&Aで売却すれば、そこで働いている従業員を解雇せずに済みます

M&Aによる売却は雇用の確保だけでなく、雇用条件を改善できるケースもよくあります

4.資金調達

M&Aで会社を売却した対価は主に金銭で支払われるので、資金調達ができるというのもM&Aのメリットの一つです。例えば複数の事業を展開している時に、そのうちの一つだけをM&Aで売却して、その資金を残りの事業に充てるといった戦略をとることができます。

他には、経営者がエグジット目的でM&Aを行う事例も増加しています。M&A手法には株主に対価が支払われる手法が多いので、経営者が保有株式を売却して利益を得ることができます。

5.事業の拡大

事業拡大目的で会社を買収するのはよくありますが、同じように事業拡大目的で会社を売却するという戦略も有力です

例えば大手の傘下に入って経営基盤を確立したり、特定のエリアに強みを持つ会社に買収してもらうことで、事業エリアを拡大するといったことが可能となります。

さらに、自社の強みに相乗効果をもたらすような会社に買収してもらって、シナジー効果を得ることにより事業拡大することも可能です。

ビジネスマンが覚えておきたいM&Aのデメリット

M&Aのデメリット

M&Aには多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在しています。ビジネスマンの方がM&Aを理解する時は、メリットだけでなくデメリットも知っておくことが大切です

デメリットもメリットと同様に、買収側・売却側に分けて理解しておく必要があります。この章では、ビジネスマンが覚えておきたいM&Aのデメリットを、買収側・売却側それぞれの立場から解説します。

買収側のデメリット

まずこの節では、ビジネスマンが覚えておきたいM&Aの買収側のデメリットについて解説します。主なデメリットは以下のとおりです。

【ビジネスマンが覚えておきたいM&Aの買収側のデメリット】

  1. M&Aによる企業価値の低下
  2. 人材流出の可能性
  3. 統合失敗のリスク
  4. 簿外債務などの可能性

1.M&Aによる企業価値の低下

M&Aはもちろん企業価値を高めるために行うものですが、うまく行わないとかえって企業価値が下がるケースもあります。特に無計画な多角化をM&Aで行うと、企業価値が下がることが多いといわれています

また、シナジー効果を見込んでM&Aを行ったものの、実際に業務を開始してみると予想と違ってうまくいかないこともよくあります。さらに、M&A自体はうまくいっても、その後の統合プロセスに失敗して、結局企業価値が下がってしまうケースもあります

2.人材流出の可能性

M&Aで会社を買収するとその会社の人材を獲得することができますが、必ずしも全ての従業員がM&Aに従ってくれるとは限りません。従業員は給与や雇用条件以外にも、企業風土や職場の雰囲気、その会社への思い入れなど、様々なモチベーションを持って働いています。

M&Aは従業員のこういった環境を大きく変えてしまうので、それを不満に思った従業員が退職してしまうケースも十分考えられます。M&Aで会社を買収する際は、人材流出の可能性を考えておくことが重要です。

3.統合失敗のリスク

M&Aは最終契約を締結すれば一応完了となりますが、その後にはまだ統合プロセスという難関が待ち構えています。統合プロセスとは、買収した会社と経営方針や企業風土などをうまくすり合わせて、親会社・子会社として円滑に経営を進める基盤を作る作業です。

この統合プロセスに失敗すると、せっかく多大な資金と時間をかけて成約にこぎつけたM&Aが、無駄に終わってしまうことにもなりかねません。統合プロセスをうまく実行できるかどうかは、M&Aの成約そのものと同じくらい重要だといえます。

4.簿外債務などの可能性

株式譲渡など会社を包括的に買収するM&A手法を用いる場合、簿外債務の可能性を考慮しておかなければなりません。簿外債務とは貸借対照表に乗っていない債務のことで、買収した後で多額の簿外債務が発覚すると、その後の経営に大きな悪影響を及ぼします。

経理以外の分野で働いているビジネスマンの方は、貸借対照表に乗らない債務があることをあまりよく知らないこともあるかもしれません。

しかし簿外債務というのはどの会社でも意外とよくあるもので、特に中小企業はたいてい多かれ少なかれ簿外債務を抱えているものです。M&Aで会社を買収する時は、あらかじめ簿外債務がないかチェックしておくことが重要になります

売却側のデメリット

次にこの節では、ビジネスマンが覚えておきたいM&Aの売却側のデメリットについて解説します。主なデメリットとしては、企業文化の変化に対応を迫られる・雇用条件や待遇の変化・譲渡先の選定が希望通りに行かない、といったものがあります。

【ビジネスマンが覚えておきたいM&Aの売却側のデメリット】

  1. 企業文化の変化に対応を迫られる
  2. 雇用条件や待遇の変化
  3. 譲渡先の選定が希望通りに行かない

1.企業文化の変化に対応を迫られる

M&Aで会社を売却すると、その会社は買収側企業の子会社になったり、吸収されて親会社の一部になったりします。すると買収された会社の従業員は親会社の風土に合わせなければならなくなり、うまく変化に対応できるかが課題となります

ビジネスマンの方なら、企業文化が急に変わることは、仕事の能率やモチベーションに大きく影響することが理解できるでしょう。企業文化の変化に対応できず、従業員が辞めてしまったりモチベーションが下がる事例も実際によく見られます。

2.雇用条件や待遇の変化

ビジネスマンにとって仕事のやりがいや将来性はもちろん重要ですが、それは給与などの雇用条件が満足いくものであることが前提です。M&Aで会社を売却した結果、雇用条件や待遇が悪化して従業員のモチベーションが下がることがあってはいけません。

M&Aによる売却では、売却後に従業員の雇用条件や待遇が悪くならないように、交渉段階でうまくまとめておくことが重要になります

3.譲渡先の選定が希望通りに行かない

M&Aで譲渡先を探すには、M&A仲介会社などに相談して、仲介会社が保有しているネットワークから候補を選定することになります。

譲渡先候補の会社は、今までこちらの会社と取引をしたこともなく、企業風土や理念もそれぞれ違います。その中から希望にぴったり合った譲渡先を見つけるというのは、一筋縄でいかないことが想像できるでしょう。

M&Aの成功率は30%ともいわれており、失敗するケースの方がむしろ多いのが現状です。希望通りの譲渡先を見つけるには、譲れない条件を明確にして、それ以外の条件については相手の意見に合わせるなどの交渉術が必要になります

ビジネスマンがM&Aに触れることのメリット

ビジネスマンがM&Aに触れることのメリット

従業員として働くビジネスマンが直接M&Aに携わることは少ないかもしれませんが、自分が働いている会社がM&Aを行うことは十分あり得ますし、近年活発になっているM&Aについて知っておくことは、ビジネスにおいて今後ますます重要になります

ネットや書籍などでM&Aを勉強するのももちろんビジネスに役立ちますが、もし実際にM&Aに携わり、生の感覚に触れる機会があればそれに勝るものはありません。実務としてM&Aに触れることは、ビジネスマンとして多くのメリットをもたらします。

【ビジネスマンがM&Aに触れることのメリット】

  1. 財務に関する考えを養える
  2. ビジネス感度が身につく
  3. 各種契約書への見識もできる
  4. マネイジメント能力が身につく
  5. ビジネスマンとしての評価につながる

1.財務に関する考えを養える

営業や開発などの分野で働いているビジネスマンの方は、会社の財務に関してあまり深く知らないこともよくあります。ネットや書籍などで勉強することはあるかもしれませんが、知識だけで得られるものには限界があります。

もしビジネスとしてM&Aに携わることができれば、財務や会計、そして税務に関して現場の考え方を養うことができます。こうして得た現場の感覚は、他のビジネスでも生かせる時が来るはずです。

財務や会計というと、簿記などの高い専門知識がないと関われないと思うかもしれませんが、ビジネスでのM&Aでは必ずしも高度な専門知識が必要ないことも多いです

もしM&Aに関わるチャンスがあれば、臆せずに飛び込んでいくことがビジネスマンとしてのスキルアップにもつながります。

2.ビジネス感度が身につく

ビジネスでは知識や経験、コミュニケーション能力などに加えて、ビジネスに対する感覚、いわゆるビジネス感度が大切だといわれています。企業の中で営業や開発など一部の業務だけを担当していると、このビジネス感覚がどうしても鈍ってきてしまいます。

ビジネスマンがM&Aに触れるのは、ビジネス感度を磨くいい機会です。会社が売上をあげるシステムを俯瞰的に理解することができますし、表面上の数字に表れないポイントを感じ取ることができます。

3.各種契約書への見識もできる

M&Aでは、最終的な契約を結ぶ最終契約書以外にも、意向表明書や基本合意書などの、様々な契約書を締結します。こういった各種契約書への見識ができるのも、ビジネスマンがM&Aに触れるメリットの一つです。

契約書の作成は弁護士や税理士などに任せることも多いですが、何も分からずに丸投げするのと、こちらもしっかり理解したうえで依頼するのでは全く違います。最終的には弁護士などに依頼するにしても、契約書への見識を持っておくことはビジネスマンとして重要です

4.マネイジメント能力が身につく

M&Aは会社の取引であると同時に、経営者や従業員、そして顧客や取引先といった人間同士の取引でもあります。よって不動産や金融商品の取引と違って、利益を得るにはマネイジメント能力も重要になってきます

相手の気持ちを読んで合わせたり、円滑に交渉を進めたりする能力は、生まれつきの性格だけでなく、経験によって磨くことができる部分もあります。ビジネスマンがM&Aに触れることは、こういったマネイジメント能力を磨く意味でも有効だといえるでしょう。

5.ビジネスマンとしての評価につながる

M&Aの経験があることは、ビジネスマンとしての評価を高めることにもつながります。

M&Aは会計・財務・税務・法律など様々な知識が必要ですし、それに加えて業界動向なども把握しておかなければなりません。M&Aの経験があることは、これらの幅広い知識・見識を持っているいいアピールになります

M&Aに触れることは短期的には評価につながらないこともあるかもしれませんが、長期的にはビジネスマンとしてプラスに働くはずです。ネットや書籍、セミナーだけでなく、ぜひ実地経験としてM&Aに触れておくことをおすすめします。

まとめ

まとめ

M&Aは経営者や独立起業を目指しているビジネスマンだけでなく、会社員を含めてビジネスをする人なら必ず知っておきたい知識だといえます。M&Aは難しそうに見えますが、要点を押さえればそこまで難解なものではありません。

M&Aについてしっかりした見識を持って、ビジネスマンとしてのスキルをよりアップさせることが大切です。

【M&Aにおける代表的な手法】

  1. 株式譲渡
  2. 新株引受
  3. 株式交換・移転
  4. 事業譲渡
  5. 会社分割
  6. 合併
【会社分割の種類】
  1. 新設分割
  2. 吸収分割
【合併の種類】
  1. 新設合併
  2. 吸収合併
【ビジネスマンが覚えておきたいM&Aの買収側のメリット】
  1. 事業規模・シェアの拡大
  2. 新規分野へのスピード参入
  3. 事業強化
  4. 優秀な人材の獲得
【ビジネスマンが覚えておきたいM&Aの売却側のメリット】
  1. 後継者問題の解決
  2. 経営難からの脱却
  3. 従業員の雇用確保
  4. 資金調達
  5. 事業の拡大
【ビジネスマンが覚えておきたいM&Aの買収側のデメリット】
  1. M&Aによる企業価値の低下
  2. 人材流出の可能性
  3. 統合失敗のリスク
  4. 簿外債務などの可能性
【ビジネスマンが覚えておきたいM&Aの売却側のデメリット】
  1. 企業文化の変化に対応を迫られる
  2. 雇用条件や待遇の変化
  3. 譲渡先の選定が希望通りに行かない
【ビジネスマンがM&Aに触れることのメリット】
  1. 財務に関する考えを養える
  2. ビジネス感度が身につく
  3. 各種契約書への見識もできる
  4. マネイジメント能力が身につく
  5. ビジネスマンとしての評価につながる

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