2020年2月13日更新会社・事業を売る

ヤフーの事業売却(M&A)とは?株式譲渡との違いや事例をご紹介

M&Aをよりよく理解するには、概念を覚えるよりも具体的な事例を分析するほうが早道です。本記事ではM&Aの本場とも言われる米国企業から、米ヤフーの事業売却を取り上げます。米ヤフーの事業売却事例から、M&Aの意義を見いだしてみましょう。

目次
  1. 米ヤフーの事業売却とは
  2. M&Aの種類
  3. 米ヤフーとは?
  4. 米ヤフーの事業売却(M&A)事例
  5. 事業売却は専門家に相談
  6. まとめ
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米ヤフーの事業売却とは

米ヤフーがインターネット関連事業を売却したというM&A事例は、ご存じの方も多いでしょう。また、こうした有名な事例により、広く事業売却という言葉が浸透していくのかもしれません。近年は国内外を問わず、事業売却も含めたM&Aがさまざまな業界で加速度的に実施されています。

本記事では、米ヤフーの事業売却に焦点を当てながら、事業売却と株式譲渡という異なるM&A手法について掲示します。M&A当事者のその時々の事情により、選ばれるM&A手法が変わることに着目しましょう。

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M&Aの種類

まずは、M&Aの意味を再確認しておきます。M&AはMergers and Acquisitions(合併と買収)の略称で、2つ以上の会社が1つの会社になる合併(Mergers)、ある会社が他の会社を買い取る(=子会社化する)買収(Acquisitions)を意味する言葉です。

合併と買収とひと口に言っても、M&Aの手法が単純に2つだけというわけではありません。ある意味、合併とは真逆である会社分割という手法もあれば、資本提携なども広い意味ではM&Aの一環とも言えます。

また、買収の場合、その内容によって、株式取得(株式譲渡・新株引受・株式交換・株式移転)と事業譲渡(全部譲渡・一部譲渡)とに分類され、左記に示したように具体的な手法は数多くあります。

それらの中で、一般的に多く用いられるM&A手法は株式譲渡です。しかし、昨今は、社内の事業を多角化したい企業は事業譲受を、社内の事業を集中化させたい企業は事業譲渡(事業売却)を積極的に行うケースも増えてきています。

事業売却(事業譲渡)の意味

事業売却(事業譲渡)は、会社の事業の全部または一部を他の会社に売却(譲渡)することです。事業の全てを売却するか、事業の一部を売却するかは、売り手側の意思に委ねられています。つまり、自社にとっての不採算事業のみを売却し、残したい事業は残しておくことは経営者の自由です。

また、事業売却(事業譲渡)を実施する際に経営権が移転するのは、当然ながら売却した事業のみとなります。売却しなかった事業の経営権は譲渡会社に残り、引き続き事業を継続することに何ら拘束は受けません。売却金を経営資金として残存事業に注力できるわけです。

なお、日本では競業避止義務という法令があります。これは、M&Aで売却した事業と同じ事業を、同一市町村および隣接する市町村の中で、20年間行ってはいけないというものです。

株式譲渡の意味

M&Aの主流である、株式譲渡の内容も確認しておきましょう。株式譲渡とは、株主が保有する株式を第三者に譲渡することです。株式譲渡によって株式が移転しますが、これは会社の経営権と深く関係しています。会社の経営権は株式の取得割合によって変わるものです。

つまり、移転した株式数が重要なポイントになります。株式とは結局のところ、株主総会の議決権にほかなりません。株主総会では会社経営に関する重要な決議が行われますが、議決権の過半数を保有していれば、株主総会の普通決議を議決することができます。

従って、議決権のある株式の過半数を取得するということは、会社の経営権を有することを意味します。このように、株式の取得割合は会社の経営権を決定づけるものです。仮に株式の100%を譲渡した場合は、その会社の経営権が完全に移転したことになります。

事業売却(事業譲渡)と株式譲渡の違い

事業売却(事業譲渡)と株式譲渡の決定的な違いは、会社の経営権が関わるか否かです。事業売却(事業譲渡)は事業が移転するだけで、株式は移転しません。また、売却した事業の権利はもちろん移転しますが、それ以外の事業の権利は譲渡会社に残ります。

一方、株式譲渡の場合、特にそれがM&Aであるならば、中小企業のオーナー経営者のケースでは、所有する株式100%を全て譲渡します。これによって会社の経営権を全て譲渡することになります。全ての譲渡とは、事業、資産、権利、従業員などを丸ごと譲り渡すということです。

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米ヤフーとは?

1995(平成7)年3月、アメリカでYahoo! Inc.(米ヤフー)が設立され、Yahoo!サービスが開始されました。その翌年4月には、NASDAQ市場でので株式公開を果たしています。

当時のYahoo!は、世界中で1番人気の高いポータルサイトかつ検索エンジンとしての地位を築いていたのです。しかし、その地位は束の間の出来事でした。21世紀に入ってからは、徐々にその人気は下火となっていきます。

GoogleやFacebookとの競争に勝てなかったというのが、偽らざる真実です。

日本でのヤフーの経緯

1996(平成8)年1月、日本においてYahoo! Inc.とソフトバンクが共同でヤフー株式会社(Yahoo Japan Corporation)を設立し、同年4月からYahoo! JAPANのサービスが開始されました。

翌年11月には、ジャスダック市場への株式公開も行っています。その後もヤフーは、インターネット広告事業、イーコマース事業、会員サービス事業などを展開し、関連事業による多角的経営に強みを見せています。

ヤフーは、2003(平成15)年には東証一部への上場も果たしました。日本におけるヤフーは、米ヤフーとは一線を画した立場を取り、ソフトバンクグループの一員として、Yahoo! JAPANをはじめインターネット関連事業を進めてきたと言えるでしょう。

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米ヤフーの事業売却(M&A)事例

米ヤフーが、世界中を席巻し一世を風靡したインターネット関連事業を売却したことは、大ニュースとなりました。Yahoo!の隆盛を知る人々にとっては、米ヤフーが中核事業であり基幹事業であるインターネット関連事業を売却したことは、驚きをもって迎えられたのです。

その詳細を見てみましょう。

米ヤフーがインターネット関連事業を売却

米ヤフーは、2016(平成28)年7月、主力事業であるインターネット関連事業を、アメリカ通信大手のベライゾン・コミュニケーションズ(以下、ベライゾン)に売却することを発表しました。

売却額は約48億3,000万ドルとされ、Yahoo!のポータルサイトを含め、検索や広告、ニュース、メールサービスといった主要事業のほぼ全てを売却する内容です。ただし、過去の顧客情報流出の発覚により、売却額は約44億8,000万ドルに減額されました。

インターネット関連事業を譲り受けたベライゾンは、傘下のインターネットサービス企業であるAOLの事業と米ヤフーの事業を統合し、子会社Oathを設立しました。これによって、ハフポストやヤフー・ファイナンスなどを中心とするインターネット広告の収入増などを図っています。

最終的に事業売却手続きが完了したのは、2017(平成29)年6月です。それと同時に米ヤフーは、社名をAltaba Inc.(アルタバ)に変更し、中国のアリババ・グループや日本のヤフーの株式を所有・管理する投資会社となっています。

米ヤフーはインターネット企業として一時は頂点を極め、特に検索事業の発展に大きく貢献した企業でした。しかし、GoogleやFacebookの登場などによる事業の後退は否めず、2008年頃から経営の悪化が報じられています。

その間、マイクロソフトからの合併、または会社買収話もあったようですが、交渉は決裂し実現しませんでした。そうした曲折の結果として、最終的に主要事業であるインターネット関連事業を売却し、インターネット事業からは完全撤退の道を選んだのです。

ヤフージャパンへの影響は?

米ヤフーのインターネット事業売却の際、日本のヤフージャパンには何の影響も及びませんでした。それは、米ヤフーがベライゾンに売却したのはインターネット関連事業であって、日本のヤフーの株式は含まれていないかったからです。

米ヤフーにとって日本のヤフーは関連会社ではあるものの、完全な子会社というわけではありませんでした。つまり、日本のヤフーにとって米ヤフーは大株主ではあるものの、経営基盤はソフトバンクグループの一員としての事業展開だったのです。

従って、米ヤフーのインターネット事業売却が発表された際にも、日本のヤフーの事業継続には影響がないことは、日本側のヤフーからも発表されました。

米ヤフーの顛末

米ヤフー改めAltaba Inc.は2018(平成30)年9月、保有する日本のヤフーの株式の全て(26.82%)を売却することを発表しました。Altaba Inc.は、この株式売却で約4,830億円を調達したと言われています。

これをもって、旧米ヤフー(Altaba Inc.)と日本のヤフーとの資本関係は完全になくなりました。そして、その2ヶ月後、Altaba Inc.は解散・清算手続きを申請しました。

残っていた大きな資産である中国Alibaba株式を段階的に売却し、その完了次第の解散と発表され、2019(令和元)年10月に解散が実行されました。ここに旧米ヤフーは、会社としても完全に消滅することになったのです。

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事業売却は専門家に相談

事業売却を実施するにあたっては、売却の原因となった背景、売却のタイミング、売却後の事業展開など、さまざまな観点から総合的な判断が求められます。また、関連業種も含めた業界動向や、売却先の企業の業績・動向なども踏まえ、事業売却を行うかどうか、判断しなくてはなりません。

こうした専門的な判断を自社だけで行うことは、一般的には困難でしょう。その際には迷わず、M&A仲介会社などの専門家に相談するのが一番です。そして、事業売却を進めることになった場合には、数々と発生するM&Aの専門的な手続きにもサポートを受けましょう。

その有望な相談先としてM&A総合研究所をおすすめします。M&A総合研究所では、豊富な知識と経験を持つ公認会計士がM&Aを徹底サポートします。無料相談後も一切、費用が発生しない完全成功報酬制は国内最安値水準です。どうぞ、お気軽にお問い合わせください。

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まとめ

M&Aの手法の1つでもある事業売却は、近年さまざまなM&A事例の中で見られるようになっています。M&Aの活性化に伴い、今後も事業売却の事例は増加していくでしょう。米ヤフーの事業売却事例は、経営難脱却のために選択されました。

しかし、多額の売却金を得ても新規事業などを行うことはなく、最終的には解散・清算という事態になっています。米ヤフーの場合、経営を立て直すための事業売却というよりは、解散は既定路線であり資産の現金化が目的であったのかもしれません。

M&Aの現場で行われている事業売却には、不採算部門の整理や経営資源の集中化という、れっきとした経営戦略で行われているものが多くあります。M&Aの専門家に相談しながら、有効で有益な事業売却を検討してください。

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