M&Aとは?手法ごとの特徴、目的・メリット、手続きの方法・流れも解説【図解】
2022年10月9日更新事業承継
事業承継の2025年問題とは?廃業する中小企業の特徴、取るべき行動・解決策を解説
2025年問題とは、日本が超高齢社会に至ることで生じるさまざまな問題をさします。中小企業の事業承継にとって深刻な影響を及ぼす可能性もあるでしょう。本記事では、2025年問題をM&A・事業承継で解決するために、中小企業が取るべき行動について解説します。
2025年問題をM&A・事業承継で解決する
2025年問題は、さまざまな分野に深刻な影響を及ぼすと考えられ、中小企業の大量廃業問題もそのひとつです。本章では、2025年問題とはどのようなものをさすのか、またその現状について解説します。
2025年問題とは
2025年問題とは、日本が超高齢社会に至ることで生じるさまざまな問題のことです。2025年問題は、医療・介護・年金だけでなく、中小企業の事業承継にも深刻な影響を与えるでしょう。
2025年には多くの中小企業経営者が60代から70代を迎えます。中小企業経営者の平均引退年齢が60代後半から70代であるため、2025年問題は多くの中小企業にとって深刻なだけでなく、日本経済自体にとても大きな影響を与えると考えられます。
22兆円にも及ぶGDPの損失が予測される
中小企業庁によると、2025年問題によって生じる経済的損失は、GDPに換算すると22兆円にも及ぶとされ、その原因は中小企業の後継者問題です。
前述のとおり、多くの中小企業経営者が引退年齢を迎えるにもかかわらず、事業承継の準備を始めていなかったり、後継者が決まっていなかったりして、廃業を検討している中小企業が多く存在します。
その結果、2025年に廃業する中小企業・小規模事業者が生み出すはずだったGDPは、22兆円にも及ぶと試算されています。
大規模な経済的損失を防ぐため、国や地方自治体はさまざまな事業承継対策を講じていますが、事業承継が必要な事業者数に対し、実際に事業承継成立に至った事業者数はまだごく一部にすぎません。
650万人にもおよぶ雇用損失が予測される
2025年問題は、労働者にも大きなダメージを与えます。日本における労働者の多くが中小企業で働いていますが、中小企業庁によると、このままの状態で2025年を迎えると650万人にもおよぶ雇用損失が生じると予測されています。
雇用機会の減少は地方の衰退につながり、地方の衰退は日本経済の衰退へとつながっていくでしょう。実際に、事業承継ができず廃業に至る中小企業は多く、危機に陥っている地域も少なくありません。
事業承継ができず廃業に至ると、オーナー経営者にとっての損失だけでなく、従業員・取引先・顧客、そして地域にとって大きな損失となるのです。
事業承継とは
会社や事業を後継者となる人や会社へ引継いで、次世代へと存続させることが事業承継です。これにより、従業員や取引先、地域経済などを守れます。
事業承継問題により廃業せずに事業を引き継ぐには、適切な後継者を選んで教育すること、M&Aにおける相手先の選定など、積極的に事業承継に向けて行動しなければなりません。
親族内事業承継
経営者の配偶者や兄弟、子どもなどの親族が、後継者となって会社を引継ぐことが親族内事業承継です。
かつては中小企業において、親族による事業承継がほとんどでした。しかし、近年は変化がみられます。帝国データバンクの調査によると、1980年代は6割~7割の中小企業が親族内事業承継を選んでいましたが、2012年には約4割へと減りました。
子どもがいなかったり、子どもが事業を承継する意思がなかったりするなどの理由により、廃業を選ぶケースもあります。
親族外事業承継
会社の役員、従業員、外部関係者などへ事業を承継することが、親族外事業承継です。
親族内に適切な後継者がなかなか見つからないため、親族外事業承継を実施する中小企業は少しずつ増えてきています。帝国データバンクの調査によると、1980年代の親族外事業承継はおよそ30%でしたが、2012年には約5割へと増えている状況です。
M&Aによる事業承継
会社の株式や事業を他社へ売却し、会社や事業を存続させることがM&Aによる事業承継です。親族、従業員、関係者などに後継者がいないときに、よく用いられます。
後継者がいない理由による事業承継問題や、経営者の高齢化による2025年問題の解決に効果的なので、後継者がいない中小企業に向けて、政府はM&Aによる事業承継を支援している状況です。
中小企業でM&A・事業承継が進まない理由
2025年問題は非常に深刻です。国や地方自治体、さまざまな専門家が事業承継を推進しているにもかかわらず、なぜ中小企業のM&A・事業承継は十分に進んでいないのでしょうか。
以前までは、M&Aによって会社を売却することに対し、ネガティブなイメージを持つ中小企業経営者が多くいました。しかし、現在は中小企業の事業承継を後押しする環境も整ってきたことから、ネガティブなイメージもだいぶ改善されてきています。
イメージも改善され、M&Aによる事業承継の準備が必要とは感じていても、日々の仕事が忙しくてなかなか準備にまで手が回らない経営者は少なくありません。
そのため、国や地方自治体はさらにプッシュ型の支援を行い、M&Aによる事業承継を促せるよう積極的に取り組んでいます。
M&A・事業承継で2025年問題を解決するには
M&Aによる事業承継で2025年問題を解決するためには、中小企業・小規模事業者のM&Aによる事業承継をもさらに増やしていく必要があります。
しかし、小規模の事業承継案件ほど、買い手がなかなか付かないのが現状であり、M&Aによる事業承継をさらに増やすためには、小規模事業者でもM&Aによる事業承継に取り組みやすい環境を十分に整えなければなりません。
具体的には、なるべく短期間でM&Aによる事業承継が成約まで至るようにすることや、小規模事業者でも気軽にM&Aによる事業承継が行いやすい手数料になること、オンラインを活用したM&Aがさらに行いやすくなることなどが挙げられます。
2025年問題に悩まされる中小企業の特徴
この章では、2025年問題に悩まされる中小企業の特徴について見ていきましょう。
後継者がいない
2025年問題に悩まされる中小企業の特徴として、後継者がいないことが挙げられます。後継者がいなければ、会社や事業を引継げないので、廃業へと進むでしょう。後継者がいないことによる廃業は、事業承継問題のなかで非常に深刻と考えられます。
親族や従業員などに後継者がいなければ、M&Aを生かし第三者を後継者として事業承継するとよいでしょう。
ただし、会社に魅力や価値がない場合は、買収を望む会社がなかなか現れず、適切なM&A先を見つけられずに廃業となることもあります。
経営者・従業員が高齢
経営者・従業員が高齢であることも、2025年問題に悩まされる中小企業の特徴です。
かつては経営者や従業員が高齢になり病気で働けなくなったり、仕事を続けられなくなったりすると、若い後継者や従業員が、経営や技術などを引継ぎ、事業を存続しました。
しかし、少子高齢化で人口が減っている現在は、若い人材をみつけるのが難しい状況です。事業や仕事を引き継ぐ人を確保できず、廃業を選ばなければならない中小企業もあります。つまり、人材不足も2025年問題の要因といえるのです。
2025年問題を解決するために中小企業が取るべき行動
2025年問題を解決するために、中小企業経営者にはどのような行動が必要なのでしょうか。この章では、積極的に行うべき3つの行動を紹介します。
【2025年問題を解決するために中小企業が取るべき行動】
- M&A・事業承継の準備・計画を練る
- 後継者育成に十分な時間をかける
- M&A・事業承継の専門家に相談する
M&A・事業承継の準備・計画を練る
M&A・事業承継を行おうとしても、相手がみつからなかったり、渉途中で破談してしまったりと、なかなか成約まで至らないケースも多いです。その大きな原因のひとつは準備不足です。
中小企業経営者は日々の仕事に忙殺されて、なかなかM&A・事業承継の準備に取りかかれないケースが多くみられます。納得のいくM&A・事業承継を行うためには、十分な準備期間と計画的な内容が必要です。
M&A・事業承継の準備に関してさまざまな機関がサポートしているので、まずは身近な支援機関に相談して綿密な準備を行いましょう。
後継者育成に十分な時間をかける
2025年問題を解決するために中小企業が取るべき行動として、後継者育成に十分な時間をかけることが挙げられます。
跡を継ぐ意思がある子どもがいたり、従業員に適切な人物がいたり、外部から適任者を招へいしたりするなど、いろいろなケースがありますが、どのケースでも、後継者となる人へ経営を任せられるまでには時間がかかるでしょう。
後継者は時間をかけて経験を積み、技術を学び、リーダーシップや従業員・取引先などとの信頼関係を築かなければなりません。後継者育成には時間がかかることを理解し、スムーズに事業承継を行うために後継者育成の対策を取りましょう。
M&A・事業承継の専門家に相談する
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事業承継の2025年問題まとめ
2025年問題とは、日本が超高齢社会に至ることで生じるさまざ まな問題であり、中小企業経営者の高齢化による大量廃業もそのひとつです 。
こうした深刻な事態を避けるべく、中小企業には積極的な事業承継への取り組みが求められています。後継者不在で廃業を検討している場合は、M&Aによる第三者への事業承継を視野に入れ、専門家に相談しましょう。
こうした深刻な事態を避けるべく、中小企業には積極的な事業承継への取り組みが求められています。後継者不在で廃業を検討している場合は、M&Aによる第三者への事業承継を視野に入れ、専門家に相談しましょう。
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