2023年11月2日更新事業承継

後継者と事業承継の現状・課題|後継者選びのポイントを解説【国のデータから分析】

中小企業の事業承継で現在、最重要課題となっているのは後継者不足問題です。本記事では、事業承継と後継者に関する現状を分析し、事業承継の方法を紹介しながら、リスクや課題点、後継者選びのポイント、事業承継の相談先などを解説します。

目次
  1. 後継者と事業承継の現状
  2. 後継者と事業承継の現状・課題を解決できない場合のリスク
  3. 事業承継における課題
  4. 事業承継の現状・課題の解決策
  5. 事業承継の後継者に必要な要素は?
  6. 事業承継で後継者に引継ぐ3つの方法
  7. 事業承継の後継者選びのポイント
  8. 後継者と事業承継の現状・課題に関する相談先・制度
  9. 後継者と事業承継の現状・課題まとめ
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後継者と事業承継の現状

経営者が、ゆくゆくは考えなければならない事業承継の課題として後継者問題があります。近年、日本の中小企業では、後継者不足が顕著であり、経営者の引退と同時に会社を廃業しているケースも少なくありません。まず、日本の中小企業における事業承継と後継者難の現状を把握しましょう。

経営者の年齢と事業承継のピーク

中小企業庁の資料によれば、2015(平成27)年の中小企業経営者の年齢分布では、ピークが66歳でした(図1)。また、2016(平成28)年の経営者の平均引退年齢は、小規模事業者は70.5歳、中規模企業が67.7歳です(図2)。

現在は、団塊の世代の経営者が70歳超となっており、事業承継のピークを迎えているといえます。

「中小企業の経営者年齢の分布」「経営者の平均引退年齢の推移」に関するグラフ

出典:https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/shingikai/kihonmondai/2016/download/161128kihonmondai03.pdf

後継者難の現状

2016年の日本政策金融公庫総合研究所 「中小企業の事業承継に関するインターネット調査」の結果では、60歳以上の経営者のうち50%超が廃業を予定していることがわかりました。

廃業理由は「当初から自分の代でやめようと思っていた」が最も多く、「事業に将来性がない」、「子供に継ぐ意思がない」、「子供がいない」、「適当な後継者が見つからない」と続きます。結果として、後継者難を理由とする廃業が合計で3割近くを占めているのが現状です。

後継者難と廃業理由について示すグラフ

出典:https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/shingikai/kihonmondai/2016/download/161128kihonmondai03.pdf

事業承継は後継者選びが多様化

後継者難から廃業せざるを得ない企業や事業者が増えている中、事業承継では後継者選びを幅広い視野で行う必要があります。中小企業庁の資料(下図)では、法人経営者における親族内承継の割合は減少し、役員・従業員、親族外の第三者などの「親族外承継」が6割に達しているのです。

現経営者と先代経営者との関係を示すグラフ

出典:https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/shingikai/kihonmondai/2016/download/161128kihonmondai03.pdf

中小企業数の推移

中小企業庁の「2021年版 中小企業白書」を見ると、2009(平成21)年から2016年における中小企業数の推移は、約63万者減っていました。具体的には、7年の間に、小規模事業者数は約62万者、中小企業数は約1万社、減っています。

休廃業・解散企業件数

2021(令和3)年の中小企業の休廃業・解散件数は、中小企業庁の「2022年版 中小企業白書」において、2社の調査数値が掲載されています。まず、東京商工リサーチの調べでは44,377件で過去9年間で3番目に高い件数でした。

一方、帝国データバンクの調査では54,709件で過去6年間で最も低い件数となっています。休廃業・解散件数の悪化をとどめたのは、新型コロナウィルス感染拡大問題を受けた国・自治体からの各種支援策の結果と見られています。

しかしながら、高い水準で中小企業の休廃業・解散が行われている事実は変わりません。

経営者の年齢と事業承継の準備状況の関係性

調査データによると、60歳以上の経営者の約半数が会社の将来を次の世代に引き継ぐための準備をまだ始めておらず、始める予定もない、または引き継ぎを考えていないと答えています。実際には、70歳や80歳の経営者の中でも、引き継ぎ準備を完了したと答える企業は半数に満たないのが現実です。

さらに、中小企業の経営者が引退する平均年齢は67歳から70歳とされており、引き継ぎ準備には5年から10年かかることが一般的だと言われています。このことから、多くの中小企業が事業の引き継ぎに必要な準備が不十分な状態で問題に直面していることがわかります。引き継ぎ時のトラブルや、引き継ぎ後のスムーズな経営が難しくなるリスクは、会社を長期にわたって存続させる上で大きな問題です。

忙しい日常業務の中で事業引継ぎの準備を先延ばしにすることも、この問題をより複雑にしている一因と言えます。

参考:中小企業庁「事業承継に関する現状と課題について」

廃業を決めた理由

調査結果によると、中小企業が閉店や廃業を決める主な理由の一つに後継者がいないことがあります。具体的には、「子どもに引き継がせたくない」「子どもがいない」「ふさわしい後継者が見つからない」と答えた企業が全体の約30%に上ります。

また、最初から自分の世代で事業を終えるつもりだった経営者を考えると、この数字はもっと高いかもしれません。実際に、「廃業予定の企業」のうち、「誰かに引き継ぐつもりがない」という理由で廃業を考えているのは、全体の約43%です。そして、後継者がいないことによる廃業も29%となっています。

「誰かに引き継ぐつもりがない」と答えた経営者の理由を詳しく見ると、「経営者自身の独特な感性や個性が事業に必要である」「趣味で始めた事業である」「高い技術や技能が求められる」といった理由が多いことがわかります。これらの事業は、経営者個人の特徴やスキルに大きく依存しているため、後継者に引き継ぐのが難しいのです。

後継者に事業を引き継いだ後に生じるさまざまな問題を予見して、早いうちに廃業を決める経営者も少なくありません。

参考:日本政策金融公庫「中小企業のうち後継者が決定している企業は12.5%、廃業を予定している企業は52.6%」

事業承継の相談先として選んだ相手

調査結果によると、経営者が事業の後継者に関して誰かに相談しているかどうかを尋ねたところ、「相談相手がいない」と答えた人が最も多く、約36%に上ります。これは、多くの経営者が後継者選びの問題を一人で抱えていることを示しています。

次に多かった相談相手は「顧問の税理士や会計士」「会社の役員」「家族」でした。ただし、税理士や会計士は、事業承継についての専門的な知識を持っていない場合があり、いつも最適な助言を提供できているとは限りません。

参考:中小企業庁「事業承継に関する現状と課題について」

新型コロナウイルス感染症流行による中小企業への影響

中小企業庁による「2022年版 中小企業白書」を見ると、新型コロナウイルス感染症流行による中小企業への影響として、多くの中小企業が厳しい状況にあります。ただし、倒産件数は低い水準です。これは、金融支援の拡がりや持続化給付金などの支援策が成果を出していると考えられます。

しかし、新型コロナウイルス感染症が収束した場合、各種支援策が打ち切られるため、今後の動向こそ注意を払う必要があるでしょう。事業環境の変化に応じて、新製品開発や新事業分野への進出など、柔軟な対応を行う企業は回復が早いです。

変化を転機とし、顧客のニーズや自社の強みに注目して事業を見直しましょう。

【関連】社長の引退年齢の現状や課題点とは?M&Aや事業承継を活用するポイントを解説

後継者と事業承継の現状・課題を解決できない場合のリスク

この章では、後継者と事業承継の現状や課題を解決できない場合のリスクについて見ていきましょう。

日本経済全体の縮小

中小企業は、日本経済の大部分を占めます。そのため、中小企業の数が減り続ければ、日本経済全体が縮小する可能性があるのです。帝国データバンクの「全国企業『後継者不在率』動向調査(2021年)」では、中小企業の後継者不在率は61.5%でした。

現状、休廃業・解散件数、後継者不在率は減少傾向にあるものの、数値としてはまだ高い水準にあり、さらなる事業承継対策が必要でしょう。

従業員の雇用・技術やノウハウの消滅

休廃業・解散となれば、従業員の雇用や今まで会社が維持してきた技術やノウハウが消滅します。そうなると、地域経済、さらには日本経済全体の生産性が下がることになるでしょう。経営者個人の連帯保証により、個人財産が差し押さえられる懸念もあります。

【関連】廃業の手続きやデメリットは?倒産・経営破綻・休業・閉店との違いも解説!

事業承継における課題

この章では、事業承継における課題として、「親族内承継の課題」と「親族外承継の課題」に分けて見ていきましょう。

親族内承継の課題

親族内承継の課題として、後継者候補における経営者としての資質や能力の不足があります。野村総合研究所における「中小企業の事業承継に関する調査」を見ると、この点を課題とする企業が約6割でした。また、他にも「税負担の大きさ」、「個人保証の承継」、「経営権の分散」が課題です。

税負担の大きさ

親族が後継者となる場合、会社の経営権の源である株式を現経営者から相続するか贈与を受けることになります。この場合、当然ながら相続税、または贈与税が課されますが、株式価値は相応の金額であるため、課税額も高額が予想され、後継者にとっては大きな負担です。

ただし、事業承継税制を活用することで、この相続税・贈与税の猶予・免除措置を受けられる可能性があります。しかしながら、事業承継税制の適用を受けるには、かなり複雑な申請書類の作成や、継続して維持しなければならない要件などが設定されており、誰でも簡単には恩恵を受けられません。

個人保証の承継

ほとんどの中小企業では、金融機関から融資を受ける際、経営者が個人保証を行っています。借入金の返済が完納していない段階で経営者が代わるのであれば、後継者はこの個人保証も引継ぐのです。後継者としては、大きな精神的負担となります。

昨今は、この状況を改善しようという狙いで日本商工会議所と一般社団法人全国銀行協会が「経営者保証に関するガイドライン」を策定しました。要は、経営者の個人保証をなるべくなくそうという提言です。したがって、強制力はないため、状況の劇的な改善には至っていません。

経営権の分散

取引先や経営者の知人などの少数株主がいる場合、つまりは全株式が後継者に集約されていないので、後日、何らかのトラブルに発展する可能性があります。事業承継を実施する前に、場合によってはスクイーズアウトの手法を用いて、それらの株式を現経営者が買取っておくのが賢明です。

また、現経営者が急死した場合に、複数の相続人がいるケースでは、財産分与によって、会社の株式が分散してしまうおそれがあります。状況によっては、後継者が過半数の株式すら握れない可能性もあり、安定した経営は望めません。

相続人が複数いる場合には、必ず会社の株式全てが後継者に渡るよう、現経営者が生前に手を打っておく必要があります。

親族外承継の課題

親族外承継の課題としては、「自社株買取のための資金不足」と「従業員の雇用確保」があります。

自社株買取のための資金不足

親族外承継のうち、役員や従業員が後継者となる社内承継での課題です。親族でない後継者は、会社の経営権を得るため株式を買取るしかありません。基本的には全株式を買取るわけですから、相当の資金が必要です。この資金が用意できないため、後継者を辞退するケースもあります。

したがって、現経営者としては、後継者の資金力に配慮した株式の売却額とするか、後継者が融資や補助金など何らかの手段で資金調達できるよう協力することが必要です。

従業員の雇用確保

親族外承継のうち、M&Aによる事業承継では、後継者が全くの第三者です。会社を去る現経営者としては、残った従業員がこれまでどおりの労働条件で雇用継続されるかが心配事でしょう。

この点について何らかの不安がある場合には、M&Aにおける条件として、従業員の同一労働条件での雇用継続を明示し、了承を取るのが得策です。

【関連】事業承継対策のポイント|必要性・考え方・事前準備の方法・注意点も徹底解説【事例付】

事業承継の現状・課題の解決策

前章で述べたように、後継者が決まっていたとしても事業承継にはさまざまな課題があります。後継者が不在であれば、さらに対策が必要です。それらに対処していくには、早期から事業承継の準備に取りかかり、事業承継計画を策定するのが有効となるでしょう。

ただ、経営者1人では、どのように事業承継計画を策定すべきか難しい場合もあります。そのような際には、公的機関や金融機関、士業事務所、M&A仲介会社など、相談しやすいところに赴きましょう。特に、近年の公的機関は事業承継支援に注力しており、無料相談できる点もメリットです。

【関連】事業承継問題の原因・解決法とは?事業承継のメリット・デメリットを解説!

事業承継の後継者に必要な要素は?

近年の事業承継は、旧来のように身内を後継者にするとは限りません。会社の後継者に必要な要素は、会社の業種や信条によって、さまざまです。会社の後継者に必要な要素のうち、共通している基本的な要素は「会社全体を見通す力」といえます。

会社を引継ぐと決めた後継者にとって何より大事なのは、経営者としての視野の広さです。会社の経営者は組織のトップで、従業員とは見える景色も見えてくるものも違います。経営者になる以上は、自社の全体像を隅々まで見通す力を持つことが大切です。

以下では、会社全体を見通す力を得るために、後継者が具体的に行うべきことを紹介します。

会社全体を隅々まで把握する

従業員と同じ狭い目線を持つのではなく、後継者は経営者と同じ目線に立つために、受継ぐ会社をくまなく把握することが重要です。会社の資金や制度、売上、債務、業務・管理システム、製品の特徴、販路、取引先など、知るべきことはたくさんあります。

経営者に必要な知識は、前任者から学ぶのも1つの手です。また、最近は後継者向けのセミナーなども充実し、後継者の事業承継をサポートするコンサルティング会社も多くあります。そういったところからアドバイスや知識をを得るのも良いでしょう。

ともに働く従業員について理解を深める

会社内の雰囲気や従業員の士気、考えの傾向も把握するべきです。経営者になればともに活動する仲間となり、彼らの士気を左右する立場になります。受継ぐ会社の従業員に関して理解を深めれば、経営者になってからのコミュニケーションもスムーズにいくでしょう。

【関連】事業承継の戦略策定方法!手法別メリット・デメリット、成功ポイント、事例も徹底解説

事業承継で後継者に引継ぐ3つの方法

事業承継の方法は複数あり、それぞれやり方が違います。事業承継について知ることは、スムーズに後継者に会社を譲渡するうえで重要です。ここでは、主な3つの事業承継方法を紹介します。

会社を売買する事業承継

前任者の会社を後継者が買収する形での事業承継です。会社の株式を後継者が買収するので、相応の資金力を持つ必要があります。加えて、売り手となった前任者に発生するのが、売却益への課税です。後述する2つの手法とは違い、売り手に税金が課される方法なので、事前に把握しましょう。

買収のプロセスとしては、会社の株式を一括で売買する方法が一般的です。しかし、年月をかけて少しずつ株式の売買を進める方法もあります。後継者の資金力に不安がある場合や、育成を長期的に進めたい場合は、この手法が有効でしょう。

会社を生前贈与する事業承継

前任者が健在のうちに、会社を後継者に贈与する方法です。贈与であるため、株式を受け取った後継者に贈与税が発生します。この場合、贈与税の算出方法は以下の2種類があるので注意しましょう。なお、事業承継税制を活用できれば、贈与税の猶予・免除が可能です。

暦年課税制度

1つ目は、贈与・受取者の制限がなく、1年間ごとに贈与金額の合計に税金がかかる「暦年課税制度」です。金額によって税率が変わる点が特徴で、通常の贈与税と同様に110万円以下の財産であれば贈与税はかかりません。それを超える金額では、一定額ごとに税率が上がります(累進課税)。

控除もありますが、会社ほど規模が大きい場合は、ある程度、税金が大きくなるのは覚悟しましょう。

相続時精算課税制

2つ目は、「相続時精算課税制」です。一定金額の財産を先に相続します。2,500万円までなら非課税になるため、ある程度の金額における贈与に向いているでしょう。しかし、2,500万円を超える贈与の場合は、20%の贈与税が発生します。

会社の株式を相続で受継ぐ事業承継

後継者が親族であった場合、前任者の死亡時に株式を相続して事業承継します。相続税が発生し、株式の金額は必然的に大金となる場合が多く、相続税も高額になるでしょう。事業承継税制を活用できれば、相続税の猶予・免除も可能です。

【関連】事業承継税制による相続税の負担軽減方法や事業継承の方法を徹底解説

事業承継の後継者選びのポイント

後継者選びで重要なのは本人の能力はもちろん、後継者に指名する相手がどういう立場なのかも重要です。後継者の指名は、いうなれば経営者の気持ち1つですが、誰を選択するかによって注意点が変わります。ここでは、親族、従業員、第三者を後継者に指名した場合の注意点を見ていきましょう。

親族

経営者の子供や親族を後継者に指名するケースです。親のものは子供に引継がせたいと考えるのは一般的で、前任者の親族であれば内外での信頼も得やすいでしょう。経営者の子供を後継者に据える場合は、長期的に育成できるため、経営者として成長させやすいのもメリットです。

このケースでは、会社の所有と経営が分離するリスクも少ないため、事業承継もスムーズに進みます。しかし、後継者といっても才能が前任者と同等ではない場合もあり、必ずしも親族が経営者となることが前向きとは限りません。

また、相続の形で会社を事業承継させる場合、複数の相続人がいる可能性もあります。そうなると、後継者の決定が困難になる恐れもあるので要注意です。

従業員

親族内に適任者がいない場合、会社の従業員から後継者を指名するケースもあります。従業員を後継者とするメリットは、以下のとおりです。

  • 社内から後継者を指名するため、心情的に受け入れやすい
  • 会社のシステムを理解しているので経営者育成をある程度、省ける

しかし、社内の雰囲気が競争的だった場合、1人の従業員を後継者に指名すると心情的に受け入れられない声が挙がるおそれもあります。後継者となる従業員が、会社の株式を買収できるだけの資金力を持っているかも難しい条件です。

第三者

親族、社内に後継者として適任の人物がいないときは、第三者を招へいするかM&Aを実施します。第三者を後継者にする場合、後継者候補を広く求められるので、より良い人材を発見できる可能性が高いでしょう。

すでに一定の実績を持つ人物を後継者にできれば、育成の手間がかなり省けます。有能な後継者を獲得しやすいのは、最大のメリットです。一方、第三者が招へいにより経営を引継いだ場合、その立ち位置は「雇われ社長」の形になる場合もあり、以下のデメリットが見られます。

  • 従業員の受け入れがスムーズにいくとは限らない
  • 本人のモチベーションによってパフォーマンスが変わる可能性がある
  • 会社の所有と経営が最も分離する


第三者は良くも悪くも部外者なので、後継者として招く場合は入念に下準備を進めましょう。また、M&Aは売買契約次第ともいえ、交渉の際は専門家に依頼するのがおすすめです。

M&Aによる事業承継をご検討の際は、M&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所では、M&Aの豊富な知識と経験を持つM&Aアドバイザーが、丁寧に案件をフルサポートいたします。

料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。随時、無料相談をお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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後継者と事業承継の現状・課題に関する相談先・制度

この章では、後継者と事業承継の現状や課題に関する有効な相談先・制度について見ていきましょう。

事業承継・引継ぎ支援センター

中小企業庁からの委託事業として、全国の各都道府県に設置されているのが事業承継・引継ぎ支援センターです、各地域の中小企業の各種事業承継を全面的に支援するための公的機関として、事業を行っています。

親族承継・社内承継の場合は、事業承継計画の策定から後継者教育、事業承継の実施まで幅広くサポートの受けることが可能です。後継者不在企業向けには、後継者人材バンクによるサポート、あるいはM&Aでの事業承継サポートを行っています。

後継者人材バンクとは、事業承継により経営者になることを希望する起業家と後継者不在の中小企業をマッチングするサービスです。公的機関ですから、基本的に無料で相談・サポートを受けられます。

ただし、士業事務所への実務依頼、M&A仲介会社への仲介依頼などを行う場合には、それぞれが定めている手数料が発生し、この部分は無料ではありません。

事業承継・引継ぎ補助金

事業承継やM&A(事業再編や事業統合などを含む)をきっかけとした経営革新など、後継者の新しい挑戦をサポートする補助金が、事業承継・引継ぎ補助金です。審査を通過すれば、補助対象経費の3分の2以内で600万円を上限とする補助金が受けられます。

審査には提出書類や要件が定められているため、準備が必要です。また、申し込みには期限があります。2022(令和4)年は、「令和3年度補正予算 事業承継・引継ぎ補助金」が実施されていますが、「専門家活用」部門はすでに締切が過ぎ、「経営革新」部門は6月20日が締切です。

M&Aや事業承継の専門家

事業承継やM&Aをサポートする専門家や機関は、他にも数多くあるので下記に掲示します。

  • 税理士
  • 公認会計士
  • 弁護士
  • 中小企業診断士
  • 事業承継士
  • 商工会議所・商工会
  • 金融機関
  • 認定経営革新等支援機関
  • よろず支援拠点(公的機関)
  • M&A仲介会社

専門家を上手に活用して、スムーズに事業承継を進めてください。

【関連】事業承継とは?M&A・継承との違い、読み方やメリット、手続きの流れ、税金・補助金も紹介
【関連】跡取りがいない会社のM&Aを成功させるには?M&A相談先の選び方や後継者不足問題を解説

後継者と事業承継の現状・課題まとめ

中小企業にとって、後継者選びは非常に重要な部分なので、しっかり対策を立てたうえで実施しましょう。本記事の要点は以下のとおりです。

・事業承継と後継者の現状
→後継者難に直面する企業の増加、身内ではない従業員や第三者への親族外承継が6割

・会社の後継者に必要な要素
→会社全体を見通す力

・後継者が会社を受継ぐ前にすべきこと
→会社全体を隅々まで把握する、ともに働く従業員についても理解を深めておく

・後継者を誰にするか
→親族、従業員、第三者の3ケースがあり、注意点やメリット・デメリットが異なる

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