2021年8月21日更新会社・事業を売る

買収とは?意味やメリット・デメリット、M&A手法、2021年最新事例、買収防衛策も解説

買収には、友好的買収と敵対的買収とがあります。また、買収には「株式を買収する場合」「事業を買収する場合」の2種類があります。この記事では、買収の意味やメリット・デメリット、M&A手法や買収防衛策について解説します。

目次
  1. 買収とは?意味を解説
  2. 買収の種類
  3. 買収の実施件数の推移・動向
  4. 買収を行う目的
  5. 買収の大まかな流れ
  6. 買収時に用いられるM&A手法
  7. 買収のメリットやデメリットについて
  8. 買収を成功させるコツ
  9. 買収の事例15選【2021年最新版】
  10. 買収価格の決定プロセスと流れ
  11. 買収の目標ラインと株式保有率
  12. 買収におけるのれんと株価への影響
  13. 買収された企業の末路はどうなる?
  14. 買収防衛策とは?買収防衛策の種類
  15. 買収のまとめ
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買収とは?意味を解説

買収とは?意味を解説

買収とはその名のとおり、他の企業を買い取る手法です。M&A手法の中で、最もポピュラーな手法といえます。

似たような手法に「吸収」がありますが、こちらは2つ以上の会社が合体し、一つの形になるM&A手法です。つまり吸収ではどちらかの会社か、あるいは両方が消滅してしまいます。

買収とは買い取られた会社が消滅せず、買い取った会社の傘下に入るM&Aです。買い取る会社が売り手側の会社を支配する、あるいは子会社化する形式となるのが買収の特徴になります。

買収と合併の相違点

M&Aを英語でいうと「Mergers and Acquisitions」です。Mergersは合併を意味し、Acquisitionsが買収を意味します。そして、M&Aを説明する際に語られるのが合併と買収です。しかし、この2つには大きな違いがあります。

それは、「1つの会社になるかどうか」です。合併の場合、2つ以上の会社が1つに統合されます。合併で統合される会社は1社のみで、その他の会社は解散、あるいは消滅してしまいます。

買収の場合、買収する企業の経営権や事業を取得できますが、その会社自体が消滅しません。そのため買収企業の子会社となって存続ができます。また、事業買収であれば組織は存続するため、独立した会社として運営されます。

買収と子会社化の相違点

買収が会社全ての買収である場合は、先ほども述べたとおり子会社化を意味します。しかし、買収には事業買収も含まれます。事業買収の場合は、経営権は移動しません。

そのため、事業買収の場合は買収先の独立性が保たれるため、会社買収の子会社化とは異なります。

買収とM&Aの相違点

買収はM&Aの中の概念です。以下は、M&Aの4つの種別と、その具体的な手法を紹介します。
 

種別 手法
買収 株式譲渡・株式交換・格式移転・株式交付・第三者割当増資・事業譲渡
合併 新設合併・吸収合併
会社分割 新設分割・吸収分割
資本提携 資本業務提携・株式持ち合い・合弁会社設立

このようにM&Aには、買収と合併の他にも、会社分割や資本提携といった種別があります。資本提携は、他とは少し異なりますが、資本の移動を伴うため、広い意味でのM&Aとされています。

しかし、一般的な業務提携は資本の移動を伴わないため、M&Aには含まれませんので注意しましょう。

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買収の種類

買収の種類

買収には「友好的買収」と「敵対的買収」の2種類があります。それぞれ、見ていきましょう。

友好的買収

友好的買収とは、その名のとおり、買い取られる企業の経営陣の賛同を得たうえで買収する方法です。M&Aを成功させるうえで、相手方の経営陣の了承を得ているかどうかは重要なファクターの一つです。何より、相手の意向を無視して買収するのは難しいからです。

加えて、相手企業と友好的な関係を結んでおくと、買収前後で従業員の流出を防げるので、連携も組みやすくなります。日本でのM&A、とりわけ中小企業のM&Aの多くは友好的買収といわれているのです。友好的買収とは、和を尊ぶ日本人らしい手法でしょう。

敵対的買収

敵対的買収とは、名前のとおり、相手会社の経営陣の賛同を得ずに買収を実施する方法です。敵対的買収は上場企業によく見られます。

会社の買収とは、経営陣の同意を得ずとも、買い取る会社と相手企業の株主の合意さえ取れていれば可能です。あまり穏やかな買収とはいえませんが、関係性を構築する手間を省けるのはメリットといえます。

しかし、敵対的買収では買収したい会社の協力が得られないため、情報の質・量が限られている状態で買収を進めることが必要です。そのため成功する確率が友好的買収と比べて低く、コストも多分にかかるおそれがあります。

もちろん敵対的買収である以上、相手側も簡単に買収されないよう抵抗する可能性も高いです。例えば、相手企業が経営陣の支配権の維持や確保のために、買収防衛策を発動する可能性も十分に高く、買収が滞ってしまう可能性もあります。

買収に成功したとしても、相手企業の心証の悪化は避けられないでしょう。また、人材の流出や従業員のモチベーションの低下によって、経営へ弊害が発生するリスクもあります。そのため、敵対的買収は日本でもあまり実例がありません。

友好的買収と敵対的買収の違い

友好的買収と敵対的買収の大きな違いは、TOBを実施する際に買収しようとしている企業経営陣の同意を得ているかどうかです。友好的買収であれば、事前に同意を得ています。しかし、敵対的買収の場合は、事前連絡もなく一方的にTOBの実施をします。

対象となった企業は、TOB実施に反意を表し、これを阻止しようと買収防衛策を実施しようとします。しかし、まれに中立の立場を取って判断を株主に任せる場合や、事後に賛同する場合もあります。

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買収の実施件数の推移・動向

買収の実施件数の推移・動向

レコフデータが調査したところ、日本の上場企業が行った買収を含め、M&Aの実施件数は以下のとおりです。
 

西暦 M&A件数
2017年 3,080件
2018年 3,850件
2019年 4,088件
2020年 3,730件

2020年は、新型コロナウイルス感染症拡大により前年度より減少傾向にあるものの、高い水準にあるのがわかります。M&Aが国内で注目されている理由は、以下の4点とされています。
  • 大手企業が業績アップのため既存事業を拡張・新規事業参入のためにM&Aを実施
  • 中小企業の後継者不在問題解決策として、M&Aによる事業承継が浸透
  • ベンチャー企業やスタートアップのイグジット戦略としてM&Aを選択するケースが増加
  • 外国企業による日本の中小企業の買収

したがって今後も、買収を含めたM&Aは実施されていくと予想されます。

買収を行う目的

買収を行う目的

買収は、どのような目的で行うのでしょうか。買収は安定的な会社の成長のために必要であり、それをさらに分析すると以下の4つの目的に分けられます。

  1. 経営資源の吸収
  2. リスクの回避
  3. 組織再編の実施
  4. 税金対策

①経営資源の吸収

会社の成長に欠かせないものは経営資源(リソース)です。一般に経営資源とは、資金、人材、設備・施設・機械類、ノウハウ、知的財産などが挙げられます。

前提として資金は重要ですが、それだけでは企業の成長は望めません。そこで、既存事業の拡大や新規事業をスタートするにあたり、その資金を利用して他の要素を取得する手段が買収です。昨今、買収が有効な経営戦略として浸透してきているのです。

②リスクの回避

会社の安定的な成長を考えるうえで必要なのが、リスクヘッジです。経営上のリスクヘッジとして有効な手段が、多角化経営です。買収をして複数の事業を並行し進めていれば、仮に1つの事業収益が下がった場合でも別の事業で利益を獲得できるでしょう。

つまり、多角化経営は会社のリスク回避につながるのです。しかし、新しい事業を立ち上げ軌道に乗せるのは、簡単なことではありません。そこで役立つ手段が買収なのです。

③組織再編の実施

買収は、他の会社や事業を買い取り子会社にする方法だけではなく、組織再編を目的とした場合もあります。

組織再編とは、企業グループが形成されている場合、類似事業を統合したり、一部の会社を別会社の子会社にしたりできるため、コスト削減、事業規模拡大を目指せる方法です。

なお、グループ内における組織再編目的の買収で実施されるスキームは、株式交換、株式移転、会社分割などです。

④税金対策

買収は、税金対策として行われる場合もあります。この際に買収対象となるのは赤字企業です。繰越欠損金を持つ企業を買収すれば、その会社の繰越欠損金を引き継ぐことになるため、買収後に節税効果を受けられる可能性があります。

ただし、法人税法の規定では、繰越欠損金の制度を利用した租税回避の引き継ぎには条件が定められており、必ずしも繰越欠損金の引き継ぎができるわけではありません。損繰越欠損金の一部を使えないように制限が加えられる場合もありますので、注意が必要です。

また、連結納税を導入している際は、利用できる条件が限られています。

【関連】会社売却の税金内訳や節税対策を解説!株式譲渡と事業譲渡どちらが得?

買収の大まかな流れ

買収の大まかな流れ

一般的な友好的買収の流れは、以下のようになっています。

  1. 買収の目的・M&A戦略の明確化
  2. M&A仲介会社に相談・依頼
  3. 相手先企業の探索・マッチング
  4. トップ面談・条件交渉
  5. 基本合意契約書の締結
  6. デューデリジェンス・買収監査
  7. バリュエーション・企業価値評価
  8. 最終契約書の締結
  9. クロージング

①買収の目的・M&A戦略の明確化

買収を行う前に、まずは買収の目的が何なのかを話し合いましょう。経営資源の獲得が目的であるにもかかわらず、結局買収できなかったなど、時間やコストが無駄になってしまう可能性もあります。そのため自社の買収の目的を明確にしましょう。

そして買収の目的が決定したら、どのような買収の戦略を取るかなども明確化する必要があります。全くの無策でM&Aアドバイザーに相談するよりも、自社の戦略を明確化したうえで相談する方がより有益な意見が得られるでしょう。

②M&A仲介会社に相談・依頼

買収を進めるうえでは、専門的な買収・M&Aの知識や経験が欠かせません。そのため自社だけで買収を進めていくのは非常に難しいでしょう。そこでおすすめなのが、M&Aアドバイザーなど買収の専門家にサポートを依頼する方法です。

代表的なものとしてはM&A仲介会社があります。一般的には相談無料のところが多いため、複数のM&A仲介会社に相談をして、自社に適した相手を選び依頼・契約をしましょう。

③相手先企業の探索・マッチング

M&A仲介会社と契約が完了したら、サポートを受けながら相手先企業を探索します。通常、M&Aアドバイザーは多くの売り手情報を保有しています。

売り手の業種や業績、規模などの条件に合致するマッチングが得られるでしょう。この段階の買収先情報は、ノンネームシートといわれます。このノンネームシートの状態は、具体的な企業名などは明かされません。

もし気になる企業があり、より詳しい情報を知りたい場合は、秘密保持契約を締結すると、具体情報の開示が受けられます。そして買収先として納得できる会社が見つかれば、交渉相手が確定します。

④トップ面談・条件交渉

交渉相手が確定したら、本格的に合意に向けた交渉や契約のプロセスに入ります。その際に実施されるのが、売り手と買い手の経営者によるトップ面談です。このトップ面談では、売り手側の事業内容や経営理念などを確認します。

トップ面談を経ると、具体的な買収条件交渉をスタートします。最も重要な条件は買収額です。買い手側は簡易バリュエーションの結果を踏まえたうえで希望金額をベースに話し合います。

それ以外にも買収側・売却側とも付随する希望条件は複数あるでしょう。合意に向けてある程度の妥協は必要になるでしょう。M&Aアドバイザーと相談しながら妥協できる部分は妥協し、買収相手との交渉に臨むのが重要です。

⑤基本合意契約書の締結

買収の交渉により、双方の諸条件に合意が得られれば、基本合意契約書の締結をします。あくまでも同意内容を確認し合うためのもので、最終契約書ではありません。

基本合意契約書とは、基本的な条件、スケジュール、守秘義務、独占交渉権、法的拘束力などが含まれています。なかでも重要なポイントは、独占交渉権です。独占交渉権の設定によって、売り手が他の買い手と交渉するのを一定期間禁止します。

⑥デューデリジェンス・買収監査

デューデリジェンスは、買い手側が売り手企業を詳細に分析する精密監査です。ここまでのプロセスで提示されている業績などの情報確認や、リスクの把握、どのようなシナジー効果が得られるかなどを調べます。

デューデリジェンスの対象となる分野は、財務・税務・法務・労務などに分けられ、各分野の専門家を起用して調査します。買い手にとってデューデリジェンスは、買収が成功するかどうかを見極める、とても重要なプロセスです。

⑦バリュエーション・企業価値評価

バリュエーションとは、買収対象企業を相手に行う価値の評価です。すでに基本合意書にて買収価額は合意していますが、デューデリジェンスの結果も含め、最終的な買収価額を決定するものです。そのため、バリュエーション(企業価値評価)を実施する必要があるのです。

バリュエーションのための算定方法はいくつかあり、買収先の状況に応じてそれらを組み合わせて、評価を定めなければならず、この際も専門家に依頼する必要があります。

⑧最終契約書の締結

デューデリジェンス、そしてバリュエーションを終えたら、いよいよ最終的な条件交渉に入ります。最終的な交渉では、買収先にリスクとなる懸念事項があった場合は、買収額への反映はもちろんのこと、その他の条件が下がる可能性もあります。

何も懸念事項がなければ基本合意書の条件で交渉が決まるでしょう。条件面で合意ができたら最終契約書の締結を行います。なお、最終契約では表明保証、解除条項、締結後の資産の引き渡し、具体的な実行スケジュールなどの内容も必要になります。

⑨クロージング

最終契約締結後、契約内容にしたがい買収対価の決済や、売却株式や資産などの引き渡し実施するのをクロージングといいます。

各種クロージングで行うものは、それぞれスキームによって異なります。クロージングが滞りなく済めば、それで正式に買収の手続きは完了です。

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買収時に用いられるM&A手法

買収時に用いられるM&A手法

買収の具体的なM&A手法は以下があります。それぞれの概要を掲示します。自社に合った手法に応じて買収を行うようにしましょう。

  1. 株式譲渡
  2. 事業譲渡
  3. 株式交換・株式移転
  4. 株式交付
  5. 会社分割
  6. 第三者割当増資

①株式譲渡

買収対象となる会社の株式を買い取ることで、その会社の経営権を取得するのが株式譲渡です。経営権を取得するためには、最低でも1/2以上、あるいは2/3以上の株式を取得します。

株主が変わるため、経営者も変わりますが、法人格はそのまま存続し、独立性は保たれたままです。そのため、買収先の会社は、買収後も平常どおり運営されます。

株式譲渡の場合、株式を譲渡するだけの手続きであり、中小企業対象の買収では、多く用いられているスキームです。

②事業譲渡

売り手側の事業および関連する資産に関して、全てあるいは一部を買収するのが事業譲渡です。買収側としては、必要としている事業や資産だけを買い取れ、売却側も売りたくない事業を手元に残せるといったメリットもあります。

また買収側は、簿外債務などを引き取ってしまうようなリスクを引き継ぐことがありません。ただし、取得事業に関する契約や資産は、許認可は取り直しが必要であったり、個別に契約を全て締結し直したりするなど、手続き面で膨大な時間や労力がかかります。

③株式交換・株式移転

株式交換は、買収先の株式全てを取得して完全子会社化する際に、対価として株式および新株予約権を発行する方法です。また、複数の会社がその株式全てを、別の会社に買収させる方法が株式移転となります。

株式移転は、企業グループの持ち株会社体制に移行する際に活用される方法です。株式交換・株式移転は、株式譲渡と違い、買収の際に現金を用意しなくてもよい点が最大のメリットといえるでしょう。

④株式交付

株式交付は、2021年3月に改正会社法で新たに導入された買収方法です。これは、株式交換における完全子会社化の条件を緩和させた内容となっています。対価を株式として子会社化するM&Aの手法となります。

株式会社が他の株式会社を子会社化するのが条件にあるため、50%超の株式取得は必要です。株式交付が新たに導入されたことにより、完全子会社化以外の買収方法でも現金の用意がいらなくなり、資金調達の負担軽減にもつながっています。

したがって、買収・M&Aがより活性化する一因となるかもしれません。

⑤会社分割

会社分割は、買収先企業の権利義務の全部や一部を切り出して、取得する方法をいいます。会社分割は、事業譲渡と似ていますが、会社分割の場合は、事業部門を包括的に取得できるため、個別に同意を得る必要がないといった点が違います。

また、会社分割であれば、買収対価を株式にできるといった利点もあります。なお、会社分割には新設分割と吸収分割の2つの方法があります。

新設分割は、新たに設立した会社に事業部門を承継させるものであり、吸収分割は、既存の会社に承継させる方法です。

⑥第三者割当増資

第三者割当増資とは、買収先が新株を発行し、特定の第三者に割り当てる方法です。その特定の相手が買収側であり、引き受ける株式数に応じた対価を支払うことで出資します。

この方法は、主に財務が悪化している企業の買収や、資本提携、関連会社化を目的に活用される方法です。発行する株式数の比率次第で、関連会社となるか資本提携となるのか分かれます。

しかし、既存株主の存在があるため、完全に経営権を取得できない点はデメリットといえるでしょう。

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買収のメリットやデメリットについて

買収のメリットやデメリットについて

買収にはどのようなメリット・デメリットがあるか気になる人もいるでしょう。こちらでは、買収のメリットやデメリットを解説します。

買収のメリット

買収の主なメリットは、どのようなものがあるでしょうか。以下で詳しく説明します。

  • シナジー効果の獲得
  • 経営の健全化
  • 少数株主の意見を排除
  • 買収資金の準備が必要ない
  • 買収後も独立した経営を維持できる
  • 後継者不在でも会社を存続させられる

シナジー効果の獲得

一般的に企業買収を行う最大の目的には、会社の成長です。その目的を達成するために、2つ以上の企業が1つとなることで、シナジー効果を得ようとして企業買収を行うのです。

シナジー効果には、事業規模が拡大したことによるコスト削減だけでなく、多くの売上高が得られる効果などが得られます。

経営の健全化

買収によって、経営の健全化を目指せるといったメリットがあります。経営を行うためには資本が必要であるため、企業は資金調達を行います。

したがって資金調達力の増強や、資金調達コスト削減を目的として買収を行うケースがあり、この効果を財務シナジーといいます。

少数株主の意見を排除

少数意見の株主を排除できることです。株主総会は資本多数決であるため、少数意見が反映されることはほとんどありません。

しかし、大株主による不当の決議があった場合など、一定の条件を満たせば少数意見の株主から決議の取り消し・無効の訴えが可能です。これを防ぐため、株式併合などを行えば、少数意見の株主を排除できるようになります。

したがって、少数意見の株主の排除によって、意思決定の迅速化や長期的視点での経営が見込めます。

買収資金の準備が必要ない

条件つきがあるものの、買収資金の準備が不要であるケースもあります。株式交換・株式移転・株式交付・会社分割のスキームを用いる場合は、買収対価に自社株式を用いられます。

したがって、多額の現金を準備する必要がなく、買収ができるスキームがあるのです。

買収後も独立した経営を維持できる

買収では合併と違い、消滅会社はありません。そのため、買収後も買収先は独立して経営を続けられるといったメリットがあります。

後継者不在でも会社を存続させられる

買収のメリットは、後継者不在でも会社を存続させられます。通常、経営者に後継者がいない場合、その経営者が引退後は廃業となってしまいます。しかし買収が実施されると、会社は事業承継されるため、存続できるのです。

買収のデメリット

次は、買い手側と売り手側からみた買収におけるデメリットを紹介します。

  • 手続きが複雑で手間がかかる
  • 株主の保有比率が変化するおそれ
  • 従業員や取引先が反発するおそれ
  • 簿外債務や偶発債務を承継するおそれ
  • のれんの減損リスクが伴う

手続きが複雑で手間がかかる

買収には複雑な手続きが伴います。買収は、成約するまでさまざまな手続きがあり、クロージングを実施するにあたっても、会社法で規定されている各種手続きが必要です。

そのため、自社のみでその手続きを進めるのは複雑で手間がかかるため、M&A仲介会社などの専門家のサポートに依頼するのがベストでしょう。

株主の保有比率が変化するおそれ

買収を実行する場合、買収対価を現金ではなく自社株式に設定すると、株主の保有比率が変わってしまいます。したがって、対価として発行する株式数が多過ぎると、経営権を失ってしまう可能性もあります。

現金を必要としない買収スキームは非常に魅力的ですが、株式にする場合は、割り当てる株式数の比率をしっかりと勘案しておくようにしましょう。

従業員や取引先が反発するおそれ

買収をすると、買収先の従業員や取引先から反感を買ってしまうおそれもあります。従業員から不信感が出てしまうと、退職など人材流出の危険性があります。

また、取引先から反感を買ってしまうと、契約解除などの動きが出るかもしれません。まだまだ買収に対してネガティブな印象を持っている人も多いため、適切なタイミングで買収を周知し、フォローをするようにしましょう。

簿外債務や偶発債務を承継するおそれ

会社全体を買収する場合、簿外債務や偶発債務を承継するおそがあります。簿外債務とは、貸借対照表に記載されていない債務となり、未払い賃金や退職金、債務保証などが当てはまります。

また偶発債務は、まだ債務となっていないものの、将来債務となるおそれがあるものであり、訴訟により損害賠償を背負うリスクなどが当てはまります。簿外債務や偶発債務を承継すると、多額の負債や損失を抱えるリスクがあります。

そのため、買収前のデューデリジェンスをしっかり行う必要があります。

のれんの減損リスクが伴う

買収を行う場合、のれんの減損リスクが伴っていることも忘れないようにしましょう。一般的に買収する際は、将来的な収益力やシナジー効果など見込み、「のれん」として買収価格に上乗せします。

しかし、計上したのれんの価値が実際は得られていなかったり、買収後に想定していなかった事象が起こったりする可能性もあります。このような場合、後から多額の損失を計上する事態となり得るおそれがあるので注意が必要です。

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買収を成功させるコツ

買収を成功させるコツ

買収を進める際に、何の対策もせずに実施すると、買収資金が無駄になったり、損失が出てしまったりなどの可能性も高くなります。買収を成功させるためには、下記のポイントを抑えておくのが大切です。

  1. デューデリジェンスの徹底
  2. シナジー効果が見込める買収案件を見つける
  3. 大規模な会社・事業の買収は控える
  4. M&A仲介会社からサポートを受ける

①デューデリジェンスの徹底

会社や事業を買収する際は、前述でも述べたとおり簿外債務などの引き継ぎリスクなどの存在があります。こうしたリスクを回避するためには、デューデリジェンスの徹底は必要不可欠でしょう。

デューデリジェンスでリスクが発覚した場合には、買収金額の減額やリスクを解消させるための対策・検討討、買収の断念といった判断も必要になります。

②シナジー効果が見込める買収案件を見つける

シナジー効果が最大限に発揮されれば、会社の売上高の増加やコスト削減、技術力や開発力アップといった恩恵が受けられます。買収を行う際は、シナジー効果が見込める買収案件を見つけるのが最大のポイントです。

③大規模な会社・事業の買収は控える

自社よりも事業規模が大きい会社や事業の場合、買収に伴うリスクは大きくなります。規模が大きい案件ほど買収金額は必然的に高くなる可能性があります。万が一事業が失敗した場合、会社自体が再起不能になるおそれもあるからです。

したがって、大規模な会社・事業の買収は控え、自社と同等かあるいは規模が小さい会社・事業を買収するのがベストでしょう。

④M&A仲介会社からサポートを受ける

買収にあたっては、これまで紹介したとおり、専門的な知識を要するプロセスが多くあります。また、発生する手続きも多いため、自社で全てをこなすのは困難でしょう。買収をスムーズに進めるためにも、M&A仲介会社などの専門家からサポートを受けるのがベストです。

M&Aを成功させるためには、専門家に依頼してサポートを受けるのがおすすめです。M&A総合研究所は主に中小・中堅規模のM&A案件を扱っており、さまざまな業種で成約実績を有しています。

M&Aの知識と豊富な支援実績を持つアドバイザーが、ご相談からクロージングまで丁寧にサポートいたします。料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談をお受けしておりますので、M&Aをご検討の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。

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買収の事例15選【2021年最新版】

買収の事例15選【2021年最新版】

ここからは2021年に実施された買収の事例を厳選し、解説します。用いられた手法や実際に買収がどのような目的で行われているのかなど、参考にしてみましょう。

①ニレコによる西武電機の買収

2021年6月、ニレコは西武電機の全ての株式を取得し、完全子会社化しました。ニレコは、主に制御・計測・検査装置の開発・製造・販売を行う会社です。

そして、対象会社である西武電機は、電子機器・情報機器・各種機器の開発・製造などを行っている会社です。今回の買収の目的は、類似・同一事業取得による事業拡大にあります。

②GA technologiesによるパートナーズの買収

2021年6月、GA technologiesはパートナーズの一部の株式を取得後、簡易株式交換により完全子会社化しました。

GA technologiesは、中古不動産の売買仲介、マンション賃貸管理、不動産業務支援システムの開発・運営を行う会社です。そして、対象会社であるパートナーズは、資産運用総合アドバイスを行っています。今回の買収の目的は、不動産事業の強化・拡大のためです。

③AFC-HDアムスライフサイエンスによるなすびの買収

2021年6月、AFC-HDアムスライフサイエンスは、なすびの一部の株式を取得後、株式交換により完全子会社化しました。

AFC-HDアムスライフサイエンスは、健康食品および化粧品のOEM生産を行う会社です。そして、対象会社であるなすびは、飲食店の経営・企画運営、公共施設内のレストラン・カフェの企画運営を行っています。

今回の買収の目的は、子会社が行っている飲食店事業の拡大のためです。

④ジェイテックコーポレーションによる電子科学の買収

2021年5月、ジェイテックコーポレーションは、電子科学の全ての株式を取得し、完全子会社化しました。

ジェイテックコーポレーションは、X線ナノ集光ミラー、細胞培養装置の開発・製造・販売を行う会社です。そして、対象会社である電子科学は、理化学機器の開発・製造・販売・分析を行っています。

今回の買収の目的は、ナノ加工技術をベースとした事業の推進のためです。

⑤UTグループによるプログレスグループの買収

2021年5月、UTグループは、プログレスグループの全ての株式を取得し、完全子会社化しました。UTグループは、製造・設計・開発・建設分野などの人材派遣を行っている会社です。

そして、対象会社であるプログレスグループは、人材派遣事業を行っています。今回の買収の目的は、大手製造業向け人材派遣市場のシェア拡大のためです。

⑥ウィザスによるアンガーマネジメントの買収

2021年5月、ウィザスは、アンガーマネジメントの全ての株式を取得し、完全子会社化しました。ウィザスは、総合教育サービス企業であり学習塾、学校の運営などを行っています。

そして、対象会社であるアンガーマネジメントは、アンガーマネジメントの企業研修の事業を行っています。今回の買収の目的は、グループのサービスライン拡充のためです。

⑦デザインワン・ジャパンによるアマネクコミュニケーションズの買収

2021年5月、デザインワン・ジャパンは、アマネクコミュニケーショ ンズの全ての株式を取得し、完全子会社化しました。

デザインワン・ジャパンは、メディア運営、クラウドサービス、ITオフショア開発を行う会社です。そして、対象会社であるアマネクコミュニケーションズは、広告代理業として広告媒体の印刷発注から配布まで行っています。

今回の買収の目的は、集客支援サービスの拡充のためです。

⑧日本創発グループによるアド・クレールの買収

2021年5月、日本創発グループは、アド・クレールを株式交換により、子会社化しました。日本創発グループは、広告やザインに関する各種データの情報処理、デジタルコンテンツの制作・販売、セールスプロモーション、出版物に関する企画・制作を行います。

そして、対象会社であるアド・クレールは、印刷物などのデザイン、DTP制作の事業を行っています。今回の買収の目的は、双方の企業価値向上のためです。

⑨SYSホールディングスによるレゾナント・コミュニケーションズの買収

2021年5月、SYSホールディングスは、レゾナント・コミュニケーションズの全ての株式を取得し、完全子会社化しました。

SYSホールディングスは、IT人材の育成、ITインフラの構築、各種基幹システムやソフトウエアの開発・運用・保守、アプリケーションの開発などを行っています。

そして、対象会社であるレゾナント・コミュニケーションズは、業務アウトソーシングの委託請負、情報システムの開発・運用を行う会社です。今回の買収の目的は、グループとしての事業領域拡大・運用体制の強化のためです。

⑩パソナグループによるMore-Selectionsの買収

2021年4月、パソナグループは、More-Selectionsの全ての株式を取得し、完全子会社化しました。パソナグループは、人材関連サービスなど行う会社です。

そして、対象会社であるMore-Selectionsは、法務関連の人材派遣、就職支援・転職支援・スカウトの各サイトの運営、研修・セミナーなどを行っています。今回の買収の目的は、企業法務人材の需要拡大に対する体制強化のためです。

⑪ガーラによるツリーフルの買収

2021年4月、ガーラはツリーフルの全ての株式を取得し、連結子会社化しました。ガーラは、スマートフォンアプリ・オンラインゲームの開発・運営、VR事業、クラウド関連事業を行う会社です。

そして、対象会社であるツリーフルは、ツリーハウスリゾートの開発・運営を行っています。今回の買収の目的は、新規事業参入による多角経営化のためです。

⑫フジプレアムによる飯沼ゲージ製作所の買収

2021年4月、フジプレアムが飯沼ゲージ製作所の全ての株式を取得し、連結子会社化しました。フジプレアムは、精密貼合および高機能複合材関連事業、環境・エネルギー事業などを行う会社です。

そして、対象会社である飯沼ゲージ製作所は、液晶ディスプレイ製造装置の製造・販売などの事業を行っています。今回の買収の目的は、精密貼合関連事業とメカトロニクス事業の強化のためです。

⑬シードによるユニバーサルビューの買収

2021年4月、シードはユニバーサルビューの全ての株式を取得し、子会社化しました。シードは、コンタクトレンズおよびケア用品、眼鏡の製造・販売などを行っている会社です。

そして、対象会社であるユニバーサルビューは、オルソケラトロジーレンズの製造・販売を行っています。今回の買収の目的は、コンタクトレンズ事業の事業拡大のためです。

⑭KLabによるグローバルギアの買収

2021年4月、KLabは、グローバルギアの全ての株式を取得し、完全子会社化しました。KLabは、ゲーム事業を行う会社です。そして、対象会社であるグローバルギアは、スマートフォン向けモバイルアプリケーションの開発の事業を行っています。

今回の買収の目的は、ゲーム事業領域の拡張のためです。

⑮フーバーブレインによるGHインテグレーションの買収

2021年4月、フーバーブレインはGHインテグレーションの一部の株式を取得し、株式交換により完全子会社化しました。フーバーブレインは、サイバーセキュリティソリューシ ョンの提供、テレワーク環境の構築・生産性の向上支援を行う会社です。

そして、対象会社であるGHインテグレーションは、IT人材派遣および委託事業を行っています。今回の買収の目的は、ITエンジニア人材の確保のためです。

【関連】M&A成功事例とは?大手・中小企業、スタートアップやベンチャー企業のM&A成功事例を解説

買収価格の決定プロセスと流れ

買収価格の決定プロセスと流れ

売り手・買い手双方にとって、買収価格の決定は極めて重要です。この項では、買収価格の決定プロセスを分かりやすく解説します。

企業価値の算定

最終的には双方の交渉によって買収価格を決定するものの、基準がなければ話が進みません。交渉の基準値として、まず初めに売り手企業の企業価値を算定します。

企業価値の算定方法には、「インカムアプローチ」「マーケットアプローチ」「コストアプローチ」の3種類があり、それぞれ特色や用いる対象・場面が異なるのです。

企業価値には正解がないので、複数の手法を用いて企業価値を算定するのが大切といえます。

バイヤーズバリューの算定

企業価値を算定したら、買収する側が希望する価格 (バイヤーズバリュー)を算定します。バイヤーズバリューは、デューデリジェンスの結果や期待されるシナジー効果などを企業価値に加減算する形で求めます。

買収価格の決定

最後にバイヤーズバリューを基に、交渉により最終的な買収価格を決定します。バイヤーズバリューがそのまま買収価格となる場合もあれば、売り手の希望により引き上げられるケースもありさまざまです。

売り手企業が買収価格に納得しなければ、買収自体が白紙となる可能性もあります。買収価格を決定づけるのは交渉次第といえますが、売り手企業の条件が買い手企業の条件と合致が必要です。

【関連】M&Aにおけるバリュエーション

買収の目標ラインと株式保有率

買収の目標ラインと株式保有率

会社において、最も権力を持つのは株主です。株は企業の買収で重要な要素といえます。会社の発行済株式の保有率に応じて、株主の権利は変わるのです。

つまり、株式の保有率が10%ならば、株主は10%の議決権を持ちます。こちらで、株式の保有率によって変化する権利を見ていきましょう。

34%以上:特別決議の単独否決が可能になる

株主総会における特別決議は、議決権を持つ株主の賛成数が67%以上必要です。なので、1人の株主が34%以上の株式を保有している場合、残りの株式保有数は66%となるので必要な賛成数である67%に達しません。

つまり、34%以上の株式を保有している株主は、会社の重要事項を単独で拒否できるのです。

51%以上:普通決議の単独可決が可能になる

株主総会における普通決議は、議決権を持つ株主の賛成数が50%以上必要です。なので、51%以上の株式を保有していればその会社では最も権力を持ちます。

ですが、特別決議では賛成数が67%以上必要なので、他社の反対により否決される可能性が残っているのです。普通決議の単独可決が可能となる51%の株式を保有した時点で、買収は成功したといえます。

67%以上:普通決議と特別決議の単独可決が可能になる

67%以上の株式を保有すると、普通決議・特別決議ともに単独の意見で取り決めが可能です。つまり、会社をコントロールできる立場なので、買収が完了した段階といえます。

買収におけるのれんと株価への影響

買収におけるのれんと株価への影響

この項では、買収におけるのれんと株価に関して解説します。

買収におけるのれんとは

買収価格には、「のれん」の金額が上乗せされるケースがあります。のれんとは、被買収企業の純資産を上回る部分の買収価格です。買収の際には、被買収企業のノウハウやブランド力など、財務諸表に記載されていない資産も取り込みます。

財務諸表に記載されていない資産は、「のれん代」として買収価格に上乗せされるのです。売り手は利益が十分に出ていなくても高値で売却できる可能性がある一方で、買い手側にはリスクが伴います。

買収後に予定どおりの利益が出なかった場合、のれんの償却費負担が重くのしかかります。場合によっては減損処理が必要となり、多額の費用を計上するおそれも発生するのです。ですので、買収の際は、のれんの過大評価に気をつける必要があります。

ただ、のれんは売り手の会社の状態に左右されるものであり、いかにニーズと合致している売り手を見つけられるかが重要といえます。

買収による株価への影響

買収により株価はどのような影響を受けるでしょうか。買収による株価の影響は、買収側と被買収側で異なるのです。

のれんやプレミアム分だけ高値で買収される影響で、被買収側の株価はつり上がる傾向があります。一方で買収する側の株価は、買収後の期待が高いほど上昇する可能性が高いです。

基本的には市場の投資家にプラス要素として捉えられるため、株価は上昇します。買収価格が高すぎるなど、一部のケースに該当する場合には、株価が下がることもあります。

【関連】M&Aにおけるのれん

買収された企業の末路はどうなる?

買収された企業の末路はどうなる?

M&Aによって企業が買収された場合、買収された側の社長や役員、従業員の待遇はどうなるのでしょうか。こちらでは、買収後の待遇を紹介し、買収の動向に関して解説します。

買収された企業の社長や社員における給料などの待遇の末路を見ていきましょう。

買収した企業との付き合いが待遇に関わる

M&Aによって買収された会社の社長や社員の待遇は、買収した企業の考え方によって変わります。また、企業同士の関係性や社長同士の付き合いなど、さまざまな条件で社員の末路も変わるのです。

M&Aで買収された企業には、社員にメリットをもたらす企業も存在します。逆に買収されたため、これまでの会社に社員として所属していた際にあったメリットが失われることもあるのです。

つまりM&Aによる買収は、買収先企業の方針で社長や社員のその後の待遇や末路まで変えてしまうといえます。

海外・外資系企業に買収される例が増えている

国際化が進む今、海外企業や外資系企業から買収される例が増えているのです。日本企業を買収する海外企業は資金力と意欲が大きく、従業員に高い能力を求めています

ある日、上司が外国人になる、公用語が英語となるケースは実際に起こっているのです。海外企業や外資系企業が日本企業を買収した場合、以下のようなことが起こると予想されます。

  • 年功序列ではなく能力で待遇が決まる
  • 英語が話せない社員のリストラ
  • 昇進できない社員の降格や退職勧告
  • 人事評価が下位の従業員に対して退職勧奨

買収先の国によって、社員の待遇や給料に関する考え方は異なります。また、人によっては能力で待遇が決まる海外・外資系企業が合っていると感じる人もいるでしょう。しかし、買収前に買収先企業がどのような判断基準で人事評価を行うか、予測するのは困難です。

国際化が進み海外企業・外資系企業の傘下に入る可能性を考えて、語学力の向上に努めておくべきといえます。

M&Aや買収に関する相談は専門会社にするべき

M&Aによって買収が行われた場合、待遇や環境の変化によって買収された側の社員が離職する可能性もあります。しかし、社員の離職は経営陣にとって避けたい事態です。

M&Aや企業買収によって発生するトラブルを防ぐには、買収の方針や社員の待遇に関して双方事前に協議を重ねることが大切です。

会社の売却を考えている場合は、M&A仲介会社など専門家のサポートを受けるのがおすすめです。M&A総合研究所は、中小・中堅規模のM&A案件を主に取り扱う仲介会社です。

案件ごとに豊富な経験を有するアドバイザーがつき、クロージングまで丁寧にサポートいたします。料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

無料相談をお受けしておりますので、M&Aをご検討の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。

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買収防衛策とは?買収防衛策の種類

買収防衛策とは?買収防衛策の種類

買収は必ずしも円満に行われるとは限らず、買収側と被買収側が争うケースもあります。被買収側は買収を阻止する目的で、買収防衛策が必要です。この項では、買収防衛策の要点を説明します。

買収防衛策とは

買収防衛策とは、敵対的買収(経営者の合意を得ずに行う買収)を仕掛けられた際に、買収阻止のために行使する対策です。海外では頻繁に実施されていますが、日本で買収防衛策が行使された事例はほぼありません。

日本では敵対的買収が珍しいので不要であるように思えますが、公開企業は常に敵対的買収のリスクにさらされています。万が一に備えて、買収防衛策を導入して損はありません。

買収防衛策の行使に関する順守事項

買収防衛策はいつでも好きなときに行使できるものではありません。買収防衛策の行使に際しては、下記3つの事項を守りましょう。

企業価値と株主共同の利益の確保または向上の原則

買収防衛策は、企業価値や株主の利益を確保もしくは向上する目的で行使しなくてはいけません。経営陣が自己保身のために行使する場合は、買収防衛策の行使が認められない可能性があります。あくまで買収防衛策は、株主や会社のために行使するものです。

事前開示・株主意思の原則

買収防衛策を導入する際は、その目的や具体的内容を事前に開示し、株主の合理的意思に依拠する必要があります。株主の意思を無視して、突然買収防衛策を導入するのは許されません。

必要性・相当性確保の原則

買収防衛策は、必要性や相当性がある場合にのみ実行できます。不必要にもかかわらず、買収防衛策を行使するのはできません。

買収防衛策の種類

買収防衛策には、さまざまな種類があります。今回は主要な買収防衛策を、2つ見ていきましょう。

ポイズンピル

ポイズンピルとは、敵対的買収者が一定数以上の株式を取得した際に、他の株主に向けて新株予約権を発行する方法です。敵対的買収者の持ち株比率が自動的に低下するため、買収を阻止する効果を期待できます。

効果の高い買収防衛策である一方、既存株主の持ち株比率にも変動が生じるデメリットがあるのです。

ゴールデンパラシュート

ゴールデンパラシュートとは、あらかじめ経営陣の退職金を巨額に設定する買収防衛策です。巨額の退職金を設定しておけば、買収価格も必然的に跳ね上がるため、敵対的買収の意欲を削ぐ効果を期待できます。

ゴールデンパラシュートも効果は高いものの、自己保身の防衛策と株主に見なされる可能性が高いので導入しにくいです。

【関連】買収防衛策

買収のまとめ

買収のまとめ

今回は「買収とは何か?」を詳しく解説しました。「買収とは、他の会社を買い取る方法」と一口にいっても、買収にはさまざまな方法があり、またメリットとデメリットの双方が存在します。しっかりと情報を精査したうえで買収を実施しましょう。

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