2021年1月4日公開事業承継

M&Aアドバイザリー契約の内容と締結タイミングに確認すべき注意点を解説

M&AアドバイザリーにM&A業務を委託する時は、M&Aアドバイザリー契約を締結します。その際は、M&Aアドバイザリー契約の内容をよく理解しておくことが重要です。本記事では、M&Aアドバイザリー契約について、契約内容や確認すべき注意点などを解説します。

目次
  1. M&Aアドバイザリー契約とは
  2. M&Aアドバイザリー契約の内容
  3. M&Aアドバイザリー契約の報酬体系
  4. M&Aアドバイザリー契約の締結のタイミング
  5. M&Aアドバイザリー契約の締結する際に確認すべき注意点
  6. M&Aを検討する際におすすめの仲介会社
  7. まとめ
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M&Aアドバイザリー契約とは

M&Aアドバイザリー契約とは

近年はM&Aによる事業承継の増加などもあって、大企業・中小企業ともにM&Aが活発に行われています。

M&Aアドバイザリー契約では、M&Aアドバイザーがどのような業務を行うのか、料金はいくらでいつまでに支払うのかなどを記載します。

M&Aをスムーズに進めてトラブルを避けるためには、M&Aアドバイザリー契約とは何か、何について契約を結びどのような権利と義務が発生するのかを理解することが重要です。

まずは、M&Aアドバイザリー契約について、およびコンサルティング・仲介契約とM&Aアドバイザリー契約との相違点を解説します。

M&Aアドバイザリー契約

M&Aアドバイザリー契約とは、M&Aを希望する経営者とM&A仲介会社・アドバイザリーとの間で、行う業務の内容などについて契約することです。

M&Aアドバイザリーとは、M&Aによる会社の売却・買収を希望する経営者に対して、M&Aの成約に必要なサポートを行う実務家のことです。

売買相手の選定から交渉、デューデリジェンスや各種書類の作成など、M&Aに必要な全ての手続きに関わります。

M&Aアドバイザリーの役割

M&Aアドバイザリーの役割は、財務アドバイザー・法務アドバイザー・その他アドバイザーの3種類に分類されます。

財務アドバイザーはM&Aの手続き全般をサポートする役割で、M&A仲介会社やアドバイザリー、金融機関などが担当します。

法務アドバイザーは法務デューデリジェンスなど法務関係の業務を行う専門家で、法律事務所などが担当します。

その他アドバイザーは財務・法務以外の付随的な業務を行う専門家で、コンサルティングファームなどが担当します。

M&Aアドバイザリー契約とコンサルティング契約との違い

初めてM&Aを行う人にとって、M&Aアドバイザリー契約とコンサルティング契約の違いは非常に分かりにくい部分もあるでしょう。

M&Aコンサルティングとは、M&Aによって実現したい経営ビジョンを実現するために、事業の成長戦略や再生計画などを総合的にサポートすることです。もちろん、M&Aアドバイザリー業務もコンサルティングの一部に含まれます。

これに対して、M&Aアドバイザリー契約は、あくまでM&Aの成約をサポートする業務を行う契約のことです。

しかし、M&AコンサルティングもM&Aアドバイザリー業務を行い、M&Aアドバイザーもコンサルティング業務を一部行うこともあります。両者は違う部分があるものの、線引きはあいまいだといえます。

M&Aアドバイザリー契約と仲介契約との違い

M&Aアドバイザリー契約と似たものにM&A仲介契約があり、初めてM&Aを行う人にとってはM&Aアドバイザリー契約との違いが分かりにくい部分があります。

M&Aアドバイザリー契約とM&A仲介契約は、アドバイザーがM&A手続きにおける立場が違います

M&Aアドバイザリー契約ではアドバイザーは買い手・売り手どちらか一方の立場に立ちますが、M&A仲介契約では両者の中間的な立場に立ち、どちらかの肩を持つのではなく両者の妥協点を提案して成約をサポートしていきます。

対して、M&Aアドバイザリー契約では、買い手・売り手それぞれが別のM&Aアドバイザーを雇い、アドバイザー同士が交渉してM&Aを進めていきます。

一般に中小企業のM&Aでは仲介契約、大企業のM&AではM&Aアドバイザリー契約を結ぶことが多い傾向があります。

【関連】アドバイザリー契約とは?相場や種類、契約の役割を解説

M&Aアドバイザリー契約の内容

M&Aアドバイザリー契約の内容

M&Aアドバイザリー契約の細かい内容は案件により異なりますが、重要な項目は共通しています。M&Aアドバイザリー契約を結ぶ際は、以下の項目を理解して、しっかり確認しておくことが大切です。

【M&Aアドバイザリー契約の内容】

  1. 業務内容
  2. 業務費用
  3. 資料提供
  4. 秘密保持
  5. 報酬

業務内容

M&Aアドバイザリー契約に記載されるアドバイザーの業務内容は、情報収集・助言・書類作成・交渉の立会いなどです。

M&Aアドバイザーは、相手企業の選定や企業内容の情報収集を行うとともに、M&A手続きに関するあらゆる助言を行います。

さらに、司法書士や弁護士が必要な場面では適宜専門家に依頼し、M&Aに必要な各種書類を作成します。経営者同士の交渉の際はアドバイザーが立ち会い、交渉が滞りなく進むようにサポートしていきます。

なお、M&Aアドバイザーが行う業務内容は、M&Aアドバイザリー契約に記載すれば多少変更することも可能な場合があります。

例えば、かなりM&Aに慣れている経営者がM&Aを行う場合は、アドバイザーの業務内容を狭くしてその分費用を安くしてもらえるケースもあります。

業務費用

M&Aで最も大きなコストとなるのはM&Aアドバイザリーに支払う報酬ですが、それ以外の業務費用についても、M&Aアドバイザリー契約の内容をよく確認しておく必要があります。

例えば、M&Aアドバイザーが移動に使った交通費や、官報公告費用などの実費を誰が負担するか決めておかないと、後でトラブルになる可能性もあるので注意が必要です。

一般には、官報公告などM&A手続きに直接関わる実費はクライアント側が支払い、交通費などはM&Aアドバイザリー側が支払うケースが多いです。

最終的にはクライアントが支払う費用でも、一旦はM&Aアドバイザリー側が負担するケースも考えられるので、こういった細かい部分もできるだけM&Aアドバイザリー契約に盛り込んでおけばトラブル回避に役立ちます。

資料提供

M&Aを行うためには、クライアントがM&Aアドバイザーに対して、会社に関するさまざまな資料を提供しなければなりません。M&Aアドバイザリー契約では、どのような資料を提供し、どの範囲でその資料を使用するかを定めておく必要があります

クライアントが提供する資料には、決算書や取引先の情報など、漏洩すると大きな損害を被る可能性のあるものも含まれます。

よって、M&Aアドバイザリー契約で、提供した資料をどのように管理するか資料の返却・破棄をどの時点で行うかなどを定めておきます。

秘密保持

M&Aの手続きでは、買い手候補・売り手候補・M&Aアドバイザリーの3者が互いの情報を提供し合うので、秘密保持契約をM&Aアドバイザリー契約に盛り込んでおく必要があります。

M&Aアドバイザリー契約で秘密保持を定める書式について決まりはありませんが、例えば、まず全ての機密情報について許諾なしに漏洩・開示しないことを定めたうえで、開示してもよい情報については個別に列挙して例外として記載します。

開示してもよい情報を定める部分は重要なので、慎重に検討してM&Aアドバイザリー契約に盛り込む必要があります。

例えば、公になっている情報はもちろん保持義務を負わず、開示時点では非公開であっても、その後何らかの理由で公開された情報も秘密保持契約から除外されます。

また、何らかの理由で公的機関から開示請求があった情報についても、請求があった時点で秘密保持契約から除外されます。

報酬

M&Aアドバイザリーの報酬体系については次章で詳しく解説しますが、大まかに分けると相談料・着手金・中間報酬・月額報酬・成功報酬になります。

実際はこれら全ての報酬を請求されることは少なく、成功報酬プラスそれ以外の報酬のうちのいくつかが請求されるのが一般的です。最近は、成功報酬しか請求しない完全成功報酬制のM&A仲介会社・アドバイザリーも増えています。

M&Aアドバイザリー契約では、それぞれの報酬額や報酬の発生時点、支払期日や支払い義務の発生時点、報酬を振り込む金融機関などを記載します。

M&Aアドバイザリー契約の報酬体系

M&Aアドバイザリー契約の報酬体系

M&A仲介会社・アドバイザリーの報酬体系はやや分かりにくい部分があるので、後で思わぬ請求がきてトラブルになることは避けなければなりません。

M&Aアドバイザリー契約の締結の際は、報酬体系についてよく確認しておく必要があり、M&A手続きの各フェーズでそれぞれの報酬が発生します。

【M&Aアドバイザリー契約の報酬体系】

  1. 着手金
  2. 月額報酬
  3. 中間報酬
  4. 成功報酬

着手金

着手金とは、初期相談が終わって本格的なM&Aアドバイザリー業務に入るタイミングで支払う報酬です。報酬額は数十万円から数百万円程度で、M&Aアドバイザリーによってかなり幅があります。

着手金は成功報酬と別に請求するケースと、成功報酬の一部を着手金として前払いするケースがあるので、M&Aアドバイザリー契約を結ぶ際はよく確認しておきましょう。

最近は着手金無料のM&A仲介会社・アドバイザリーが増えており、着手金なしで基本合意や最終契約まで進めるところが増えています。

しかし、着手金をとるM&A仲介会社・アドバイザリーも依然として多いので、M&Aアドバイザリー契約を結ぶ際は注意する必要があります。

着手金は無料であるのほうがコスト面では有利ですが、M&A仲介会社・アドバイザリーのなかにはあえて着手金をとることでサービスの質を高めているところもあるため、単純に無料なら得だとは言い切れません。

月額報酬

M&Aアドバイザリー契約における月額報酬とは、手続きの進歩状況に関わりなく毎月請求される手数料です。M&Aアドバイザリー業務に関わる実費などが、この月額報酬からまかなわれます。

月額報酬は成約までの期間が長くなるほどコストがかさむので、手続きが長期化しそうな場合は注意する必要があります。特に、M&Aは成約までの期間が予想しづらいので、月額報酬が思わぬ額に膨らむ可能性もあります。

現在は月額報酬をとるM&A仲介会社・アドバイザリーは非常に少なく、特に大手ではほとんどが月額報酬無料となっています。

中間報酬

中間報酬または中間金とは、基本合意書が締結された時点で請求される手数料のことです。M&Aの相手となる買い手・売り手候補を探し、トップ面談を行ったうえで基本的な合意内容が固まった時点で支払います。

中間報酬は成功報酬と別に請求することは少なく、成功報酬の一部(5%から10%程度)の前払いの形をとるのが一般的です。

中間報酬は基本合意書の締結時点で発生するのが一般的ですが、意向表明書の許諾時やデューデリジェンスの開始時など、報酬が発生するタイミングが微妙に異なることもあるので、M&Aアドバイザリー契約を結ぶ際は注意しましょう。

月額報酬を請求するM&A仲介会社・アドバイザリーが少ないのに対して、中間報酬を設定しているM&A仲介会社・アドバイザリーは比較的よくみられます。

成功報酬

成功報酬は、最終契約書を締結してM&Aが成約した時点で発生する報酬です。着手金や中間報酬は無料の場合がありますが、成功報酬は基本的に全てのM&A仲介会社・アドバイザリーで発生します。

着手金・中間報酬などが全て無料であり、成功報酬だけを請求するシステムを「完全成功報酬制」といいます。

成功報酬の決め方

M&A仲介・アドバイザリー業務での成功報酬は、「レーマン方式」という方法で決められるのが一般的です。

レーマン方式とは、買収金額が大きくなるほど手数料率が下がるシステムで、小規模なM&Aでも仲介会社・アドバイザリーが一定の利益をあげられ、大規模なM&Aで手数料が高くなり過ぎないようになっています。

レーマン方式の手数料率は、M&A仲介会社・アドバイザリーによって違いますが、最もよく使われている料率は下表のようになっています。

例えば、買収価格が8億円の場合は、(5億円×5%)+(3億円×4%)=2500万円+1200万円=3700万円となります。5億円以下の部分は5%なので、8億円×4%=3200万円ではないのが注意点です。

M&A仲介会社・アドバイザリーによっては、買収価格の部分が移動総資産(株式価格+負債総額)や企業価値(株式価値+有利子負債)になっていることがあるのが注意したい点です。

移動総資産や企業価値を使った計算では、株式価格のみで計算する場合より報酬が高くなります。M&Aアドバイザリー契約を結ぶ際は、成功報酬のレーマン方式の計算方法もチェックしておくことが大切です。

【一般的なレーマン方式の手数料率】

買収価格 手数料率
5億円以下の部分 5%
5億円超10億円以下の部分 4%
10億円超50億円以下の部分 3%
50億円超100億円以下の部分 2%
100億円超の部分 1%

【関連】レーマン方式とは?成果報酬の設定や計算方法、契約書について解説

M&Aアドバイザリー契約の締結のタイミング

M&Aアドバイザリー契約の締結のタイミング

M&Aアドバイザリー契約は、初期相談が終わって本格的なM&Aアドバイザリー業務が始まるタイミングで締結されます。

着手金がある報酬体系の場合は、M&Aアドバイザリー契約を締結する時点で着手金が発生します。M&Aアドバイザリー契約は、これ以外のタイミングで締結されることは基本的にありません。

M&Aアドバイザリー契約の締結をもって一定期間の契約期間が設けられ、契約解除のためには書面による申請などの手続きが必要になり、簡単に解除できなくなります。

初期相談の段階でM&Aアドバイザーとじっくりと話し合い、M&Aアドバイザリー契約すべきかどうかを見極めることが大切です。

M&Aアドバイザリー契約の締結する際に確認すべき注意点

M&Aアドバイザリー契約の締結する際に確認すべき注意点

M&Aアドバイザリー契約は、多くの経営者にとってあまり馴染みがないものなので、安易に締結して後で後悔することのないようにしておかなければなりません。

M&Aアドバイザリー契約における注意点としては、以下の9点が考えられます。非常に多いので全てチェックするのは手間がかかりますが、M&Aは会社の売買という大きな取引なので、しっかり時間をかけて確認しておくことが大切です。

【M&Aアドバイザリー契約の締結する際に確認すべき注意点】

  1. 契約の内容(専任・非専任)を確認する
  2. 仲介契約の内容を確認する
  3. 業務範囲を確認する
  4. 秘密保持契約の内容を確認する
  5. 直接交渉の可否を確認する
  6. 契約の更新を確認する
  7. 契約解除の条件を確認する
  8. 業務委託の禁止について確認する
  9. 報酬に関して確認する

1.契約の内容(専任・非専任)を確認する

M&Aアドバイザリー契約は、1つだけのM&Aアドバイザリーに業務を任せる専任契約と、複数のアドバイザーと契約可能な非専任契約があります。

専任・非専任はそれぞれメリット・デメリットがあるので、どちらにすべきか慎重に考えたうえで、契約内容を確認する必要があります

よいアドバイザーがいる場合は、専任でM&Aアドバイザリー契約するのが得策でしょう。

しかし、もし問題のあるアドバイザーと専任契約してしまうときちんと仕事をしてくれず、かといってほかのアドバイザーとM&Aアドバイザリー契約することもできない状況になってしまいます。

あまり多くのアドバイザーとM&Aアドバイザリー契約を結ぶのもよくないので、まず2~3社程度とM&Aアドバイザリー契約を結び、最終的にはそのなかから最も信頼できそうなところと専任契約するのがよいでしょう。

2.仲介契約の内容を確認する

M&Aアドバイザリー契約では、アドバイザーが買い手・売り手の間に立つM&A仲介を行うのか、どちらか片方の立場に立つアドバイザリー業務を行うのかを確認しておくことが大切です。

M&A仲介契約の場合、アドバイザーは買い手・売り手双方の妥協点を模索することになるので、こちらの求める条件をある程度譲歩しなければならない可能性があります。

もしM&Aの成約内容にこだわりたいなら、アドバイザーが自分の側について交渉してもらえるように、M&Aアドバイザリー契約の内容を交渉しましょう。

一方で、成約の内容よりも成約すること自体を重視したいなら、アドバイザリー契約より仲介契約のほうが有利になります。

3.業務範囲を確認する

M&Aアドバイザリー契約では、アドバイザーが行う業務範囲を規定しておく必要があります。

M&Aアドバイザーは基本的にM&A手続きの全手順についてサポートしますが、契約書に記載がないという理由で、想定していた業務をしてもらえないトラブルが起こらないとも限りません。

M&Aアドバイザリー契約を結ぶ際は、アドバイザーがどの業務を行う義務を負っているか確認し、場合によってはできるだけ幅広く業務をしてもらえるように条件交渉をするのもよいでしょう

もしM&Aに慣れていてある程度の業務を自分でこなせるなら、業務範囲をあえて狭くすることで、代わりに報酬を安くしてもらえる場合もあります。

4.秘密保持契約の内容を確認する

M&Aでは会社の財務状況や顧客・取引先の情報など、一般には公開できない情報をM&Aアドバイザーや交渉相手に開示します。よって、M&Aアドバイザリー契約の秘密保持契約の内容はしっかりと確認しておくことが大切です。

M&Aアドバイザリー契約では、保持しなければならない情報の範囲と、開示してもよい条件を記載するので、開示したくない情報が秘密保持契約から除外されていないかチェックしておく必要があります。

秘密保持はM&Aアドバイザリー契約でも重要な項目なので、疑問点や不満がある場合はM&Aアドバイザーに質問して、契約内容の変更も含めてしっかりと話し合うことが大切です。

【関連】秘密保持契約書(NDA)とは?書き方や有効期限、ひな形をご紹介

5.直接交渉の可否を確認する

M&AではM&Aアドバイザーが交渉するので、買い手と売り手の経営者同士が直接交渉する必要は基本的にありません。

しかし、もし何らかの理由で直接交渉できる余地を残しておきたい場合は、M&Aアドバイザリー契約の内容に盛り込んでおくとよいでしょう

直接交渉は許可されないのが普通ですが、M&Aアドバイザリー契約にM&Aアドバイザリーの許可を得れば直接交渉できると定めておくことができます。

6.契約の更新を確認する

M&Aアドバイザリー契約は自動更新が一般的で、M&Aが成約するまでの間は、解約の意思表示をしない限り更新されることになります。

契約期間はM&Aアドバイザリー契約によってまちまちなのであるため、契約時に確認しておくことが大切です。

一例としては、本契約を1年間とし、1年経ってもまだ成約できない場合は半年単位で自動更新する、といったように契約内容を定めていきます。

本契約の期間と契約更新の期間は、あまり長すぎないようにしておくほうがよいでしょう。本契約が2年など非常に長い期間だと、アドバイザーが本腰を入れて取り組まず放置される恐れもあります。

7.契約解除の条件を確認する

M&Aアドバイザリー契約を途中で解除する場合を想定して、契約解除の条件を確認しておくのも重要です。

契約の解除は、本契約の途中解除と、本契約の期間満了時に契約更新をしない条件の2つを定めておく必要があります

本契約の途中解除は、例えば解除したい日時の10日前までに書面で通知すれば、本契約中でも解除できるといったように定めていきます。

自動更新の解除は、例えば本契約満了日の30日前までに解約の意思表示を行うと、更新されず終了するといったように定めていきます。

契約の途中解除は違約金が定められることもありますが、できるだけ削除してもらうように契約時に交渉しておくべき事項といえるでしょう。

8.業務委託の禁止について確認する

M&Aアドバイザリー契約の締結の際は、契約したM&Aアドバイザーが業務を外部に再委託することを禁止する条項が入っているかを確認しておきましょう。

もし無断で再委託されると、再委託先がこちらの意図しない業務を行ってしまったり、情報が漏洩してしまう恐れがあります。

きちんとしたM&A仲介会社・アドバイザリーなら、クライアントに無断で再委託することはないと考えられますが、トラブル回避の点からもM&Aアドバイザリー契約に盛り込んでおくのが賢明です。

ただし、どうしても再委託しなければならない業務が発生する場合に備えて、書面による同意を得れば再委託を可能にするなどの条項を加えておく必要があります。

9.報酬に関して確認する

報酬は一番トラブルになりやすい点なので、M&Aアドバイザリー契約の記載内容をよく確認する必要があります。

着手金・中間報酬・月額報酬・成功報酬のうちどの報酬が発生するのか、それらの額はいくらになるかは必ずチェックしましょう。

成功報酬は、レーマン方式の計算式がM&A仲介会社・アドバイザリーによって違うことがあるので、細かい部分まで確認しておく必要があります。成功報酬は報酬の大部分を占めるので、ここでトラブルになるのは避けなければなりません。

M&Aアドバイザリー契約には、報酬を支払うタイミングについても細かく記載されているので、そこもよく確認しておく必要があります。

M&Aを検討する際におすすめの仲介会社

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まとめ

まとめ

M&Aアドバイザリー契約は、M&Aを行う経営者にとって分かりにくい部分が多く、内容をよく理解しておくことが重要です。

契約内容や注意点を押さえて、M&Aアドバイザリー契約の際にトラブルにならないように準備しましょう。

【M&Aアドバイザリー契約の内容】

  1. 業務内容
  2. 業務費用
  3. 資料提供
  4. 秘密保持
  5. 報酬
【M&Aアドバイザリー契約の報酬体系】
  1. 着手金
  2. 月額報酬
  3. 中間報酬
  4. 成功報酬
【M&Aアドバイザリー契約の締結する際に確認すべき注意点】
  1. 契約の内容(専任・非専任)
  2. 仲介契約の内容
  3. 業務範囲
  4. 秘密保持契約の内容
  5. 直接交渉の可否
  6. 契約の更新
  7. 契約解除の条件
  8. 業務委託の禁止について
  9. 報酬に関して

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