2021年5月13日更新資金調達

不動産投資リスクとは?金利変動、借り入れ、家賃下落等、リスク11選をご紹介

一見、メリットが多そうな不動産投資ですが、経済情勢や市場の動向でも大きく左右されます。また、知っておくべきリスクも多くあります。事前にリスクを知り、経済情勢や市場の動向を察知しながら、適切な運用を進められる適切な手法を選択していきましょう。

目次
  1. 不動産投資のリスクとは
  2. 不動産投資リスク①:金利変動
  3. 不動産投資リスク②:借り入れ
  4. 不動産投資リスク③:空室
  5. 不動産投資リスク④:家賃滞納
  6. 不動産投資リスク⑤:家賃下落
  7. 不動産投資リスク⑥:さまざまな瑕疵
  8. 不動産投資リスク⑦:不動産の価値が下落する
  9. 不動産投資リスク⑧:流動性
  10. 不動産投資リスク⑨:災害
  11. 不動産投資リスク⑩:不動産管理会社の倒産
  12. 不動産投資リスク⑪:税金
  13. 事業承継の際のリスク
  14. まとめ

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不動産投資のリスクとは

家賃収入や売却益を目的とした不動産投資はメリットもありますが、リスクもあります。 以下、不動産投資における代表的なリスクをご紹介します。

不動産投資リスク①:金利変動

不動産投資は最初に不動産を購入します。 融資を受けて不動産を購入した場合、一般的にその返済期間は長期に渡ります。 そのため、返済期間中の市場金利の動向について、あらかじめ十分に検討しておく必要があります。

特に変動金利の場合、金利が少し変わるだけで返済額に大きな影響を及ぼすことになります。 金利が上昇すれば、それだけリスクが高まります。 以下、固定金利と変動金利に分け、特徴やリスクについて整理しておきましょう。

固定金利

返済期間中、ずっと金利が変わらないものを固定金利といいます。 文字通り「固定」された金利を意味し、借り入れ時から完済まで、金利が変わらないという特徴があります。 つまり、景気などの影響を受けることなく、ずっと金利が同じです。

例えば、返済期間中に市場の金利が上昇しても、固定金利による返済額には影響がありません。 そのため、返済計画を立てやすいという大きなメリットがあります。 一方で、固定金利の場合、借り入れ時の金利は若干高くなります。 そのため、市場金利が低い状態で推移すればどうしても割高になります。

市場金利の影響を受けないというのは、市場金利が上昇しても金利は変わらないというメリットと、市場金利が低くなればかえって割高になるという、デメリットの両方があります。 ただ、市場金利の影響を受けない以上、リスクは低くなります。

変動金利

変動金利の場合、返済期間中に市場の金利と連動し金利の見直しが行われます。 固定金利と異なり、変動金利は文字通り「変動」する金利を意味します。 変動金利は、金融情勢・市場の影響をじかに受けることが大きな特徴です。

返済期間中に市場金利が大幅に上昇すれば、それだけ金利も上がり返済額も増えます。 そのため、返済計画が立てにくいというデメリットがあります。 一方で、市場金利が低い状態で推移していればそれだけ得をします。 また、固定金利と比較すると借り入れ時の金利は低くなります。

ただし、金利が徐々に上がっていく可能性があればそれだけリスクは高まります。 そのため、将来的な金利上昇リスクについてはある程度覚悟する必要があり、リスクを回避する方法を考えなくてはなりません。

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不動産投資リスク②:借り入れ

上記したように、金利変動のリスクも踏まえ借り入れ全般におけるリスクについて、整理しておきましょう。不動産投資は、最初に不動産を購入するためそもそも投資に必要な金額が大きくなります。

これは、株式投資やFXなどと比較するとわかりやすいでしょう。資金がなくても、融資によって不動産投資を開始できますが、多額の返済になることを意識する必要があります。そのうえで、融資や金利について検討することになります。

先ほど述べたような、固定金利と変動金利のメリット・デメリットを把握し、市場金利の動向も踏まえつつ最適な方法を考える必要があります。また、不動産投資の場合、購入した不動産を自分で使用するわけではありません。そのため、融資を受ける場合、住宅ローンではなく不動産投資ローンとなります。

そして、不動産投資ローンは住宅ローンよりも金利が高いという特徴があります。これは、住宅ローンよりも貸付金額が多いことや、家賃収入が入らない場合のリスクもあるためです。このように、借り入れに関するリスクについても事前に把握しておくことが大切です。

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不動産投資リスク③:空室

不動産投資は、必ずしも家賃収入が入るとは限りません。全て空室になれば、当然家賃収入はありません。 また、一部が空室になった場合も、当初予定していた家賃収入が見込めなくなります。 そして、家賃収入が思うように入らなければ融資の返済に影響を及ぼします。

空室リスクは、新築物件・中古物件のいずれにも共通するリスクです。 たとえ、最新設備を備えた新築物件でもエリアによっては、入居者が集まりにくいことがあります。 また、中古物件の場合は設備や経年劣化などが原因で、入居者が集まりにくいというケースも見られます。

このように、立地条件や設備面などを踏まえ、なるべく空室リスクを減らす方法を検討する必要があります。

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不動産投資リスク④:家賃滞納

また、入居者がいる場合でも家賃を滞納される可能性があります。この場合も、予定していた家賃が見込まれず、融資の返済に影響を及ぼすおそれがあります。 家賃を滞納したからといって、すぐに退去させられるわけではありませんし、自分で取り立てに行くことでトラブルに発展する可能性が、非常に高いです。

そのため、家賃回収も含めて管理会社に管理を依頼するなどの事前対策が必要になります。 もちろん、入居前の審査をしっかり行うことも大切です。

不動産投資リスク⑤:家賃下落

一定の年数が経過すると、建物の家賃は下落する傾向が見られ、当初設定した家賃のままで運用できるわけではありません。 経年劣化による家賃下落の影響についても、リスクとして把握しておきましょう。

また、家賃設定は周辺の賃貸物件や家賃相場も踏まえて検討しますが、当初予定していた家賃から下がることがあります。 例えば、賃貸物件が非常に多く集まるエリアもありますが、こうしたエリアで入居者を集めるにはある程度家賃を低く設定する必要があります。

このように、周りの状況に影響されて家賃が下落するリスクがあります。

不動産投資リスク⑥:さまざまな瑕疵

多くの場合、不動産を購入し投資を行いますが、中古物件である場合には購入後に公開しないよう、さまざまな「瑕疵」について注意しておきましょう。

物理的瑕疵

物理的瑕疵とは、雨漏り、シロアリが発生する、建物が傾ている、耐震強度不足など、建物そのものに問題がある瑕疵です。確率としては、あまり高くありませんが購入した物件が欠陥物件の可能性もあります。もし、欠陥がある建物の場合、当然価値は下がり入居率も下がります。

結果、望んでいた家賃収入が得られなくなります。そのためには、不動産購入の前には重要事項説明書の付属書類として交付される「物件状況確認書」の現状について記載している項目には目を通し、確認することが大切です。

心理的瑕疵

不動産投資として購入した物件が、「事故物件」になってしまう場合もあります。事故物件は、何らかの理由で住みたくないと思われてしまう物件のことです。 事故物件は、正確な定義はありません。

一般的には、物件の建物内・敷地内で起こった自殺、殺人、死亡事故、不審死などが原因で、入居者が死亡してしまった物件を指します。 一方、病死などの自然死は事故物件の原因に含まないケースが多いです。 病気が原因であれば、一般的に「住みたくない」とまでは思われないからです。

事故物件は、「心理的瑕疵物件」と呼ばれることもあります。 例えば、物件の備考欄に「心理的瑕疵あり」と書かれている場合が該当します。 こうした瑕疵物件は、一定の場合に告知をする必要があります。 ただ、告知義務について明確な規定はありません。

判例に照らして判断することになるため、判断が難しいケースも多く見られます。 また、事故物件に該当した場合、不動産としての価値も下がってしまい、 きちんと告知しても入居者は集まりにくくなります。 この点も、不動産投資のリスクとして知っておきましょう。

環境瑕疵

購入物件に問題はなくとも、その周辺環境に問題があります。例えば、近隣がごみ屋敷だった、暴力団事務所が近くにある、騒音がひどい、振動があるなど、生活が脅かされるおそれが高い環境である場合を環境瑕疵と言います。

快適で安全な生活環境は、誰もが望むことです。もし、それを脅かす環境にある物件であれば、必然的に入居率は下がります。また、たとえ入居者がいた場合でも後々トラブルになる可能性は高いです。

そうならないためにも、物件購入前には必ず現地へ赴き周辺環境がどのようなものであるか、しっかり確認しましょう。また、物件の管理会社に住民から周辺環境に対するクレームはないかの確認をすることも、手段として有効ですので、しっかりと行いましょう。

いずれの瑕疵も、トラブルのおそれだけでなく家賃収入の下落や空室などさまざまなリスクにつながる可能性がありますので、事前に対策できることを見極め行動しましょう。

不動産投資リスク⑦:不動産の価値が下落する

不動産投資は、家賃収入だけでなく売却益を目的とすることも可能です。これは、安く買い高く売ることで、購入価格と売却価格の差益を狙うことを意味し、この差益を「キャピタルゲイン」といいます。 一方、資産の保有によって安定的に受け取る収入を「インカムゲイン」と言います。

不動産投資であれば、家賃収入がインカムゲインに該当します。 さて、キャピタルゲインを得るには、対象となる資産の価値が上昇する必要があります。 不動産投資でも、対象となる不動産の価値が上昇してこそ、キャピタルゲインを得ることができます。

しかし、不動産は価値が下落するケースも多く、先述した空室リスクや事故物件リスクなどはまさに不動産の価値が下落する要因となります。 そのため、一般的には売却益よりも家賃収入を目的として不動産投資を行うケースが多いです。

以下、不動産の価値が下落するリスクについて整理しておきます。

築年数の経過による価値の下落

築年数の経過は、不動産の価値の下落として比較的イメージしやすいでしょう。新築の建物が必ずしも良いというわけではありませんが、築年数が経過すると修繕箇所が発生することも事実です。 その結果、不動産としての価値はどうしても下がってしまいます。

また、新築建物に比べると設備面ではどうしても劣ります。 入居希望者が、最新設備を重視するのであれば新築建物の方に魅力を感じその結果、入居者が集まりにくくなります。 さらに、建物が古くなって修繕箇所が増えればそれだけランニングコストもかかります。

不動産投資は、維持費などのランニングコストがもともと発生しますが、修繕費などの発生にも注意しなくてはなりません。 こちらも、不動産の価値下落に関連したリスクとして検討する必要があります。

入居者の変動による価値の下落

上記した空室リスクとも関係しますが、不動産投資は必ずしも一定の家賃収入が入るとは限りません。 入居者が減少すれば、それだけ家賃収入は下がります。 例えば、賃貸物件のエリアの人気が下がれば、新規の入居者も減ってしまいます。

一定の需要が見込めるエリアなら良いですが、そうでない場合にはエリアの一時的な人気にも大きく左右されます。 また、入居者が大きく減少すればそれだけ不動産としての価値も下がってしまいます。 家賃収入だけなく、売却益を期待することも難しくなります。

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不動産投資リスク⑧:流動性

金融商品における「流動性」は、換金のしやすさを意味します。一方で不動産の場合、他の金融商品と比べると換金しにくい傾向があります。 このことは「流動性リスク」ともいわれます。

不動産を換金する場合、買い手と売り手の双方が納得する形で進めなくてはなりません。 そもそも相手が見つからなければ換金はできません。 相場よりも安い価格で売りに出せば、相手も見つかりやすいでしょう。 しかし、売却益として考えると損失になる可能性があります。

しっかりと、利益を出すことを前提に売却を考えるのであれば相手が見つかるまでには時間がかかります。 このような流動性リスクもあるため、不動産投資では売却益よりも家賃収入を狙った方が一般的にはメリットが多いです。

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不動産投資リスク⑨:災害

不動産を運用するうえで、災害のリスクにも注意しましょう。例えば地震、台風、洪水などの自然災害や、火災などにより不動産の運用継続が困難になる可能性があり、 損害を修繕し引き続き運用できれば良いですが、災害の程度によっては修繕が難しいケースもあります。

地震においては、地盤の強い地域にある新耐震基準の建物を選ぶなど、また火災は火災保険に入るなど、事前の準備で最小限のリスクにおさえるための対策ができます。

しかし、自然災害のほとんどの場合は自分では対策しきれない部分も多く、それらは不動産の運用を大きく左右します。不動産投資を行う以上は、災害はある程度覚悟しておくべきリスクです。

不動産投資リスク⑩:不動産管理会社の倒産

不動産管理会社は、不動産投資をする側(オーナー)と入居者の間に立ち、物件の管理や維持などを行う会社のことです。 オーナーと、入居者の間に立って諸々の手続きをしてくれるので不動産管理会社の活用には、さまざまなメリットがあります。

管理業務には、建物の管理と入居者の管理があります。 建物の管理としては、清掃、補修、リフォームなどが挙げられます。 また、入居者の管理というのは、家賃管理、苦情対応、契約更新に関する業務などを指します。

このような手厚いサポートをしてくれる不動産管理会社ですが、万が一倒産してしまった場合、入居者との間でトラブルが発生する可能性があります。 例えば、家賃管理を任せていた不動産管理会社が倒産してしまえば、家賃回収に時間がかかるおそれもあります。

こうしたリスクを避けるためにも、不動産管理会社の業績や保証制度については事前にきちんと確認しておきましょう。

不動産投資リスク⑪:税金

不動産投資の場合、自分で不動産を使用しませんが物件を自分が保有します。その結果、固定資産税や不動産所得税などが発生します。 また、自分が保有するにあたり必要な登記の登録免許税もかかります。このように、諸々の税金が発生することもリスクとして挙げられます。

事業承継の際のリスク

以上のように、不動産による投資や考えられるリスクについては、個人や企業関係なくどちらにも同じように起こりうる事柄です。しかしもし、企業の投資として不動産を所有している場合には、のちの事業承継対策を今からしておきましょう。

この場合も、さまざまなリスクを考え進めていく必要があり、M&Aによる事業承継を検討されるかもしれません。その際には、専門家の適格なアドバイスを受けることがリスク回避のためにできる対策の一つです。

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まとめ

不動産投資にはメリットもある一方、今回ご紹介したようなリスクがあることも事実です。災害のリスクなど、自分では対処し切れないものもありますが、融資に関するリスクなどはある程度対処できます。

その時の経済情勢、市場の動向も踏まえ、適切な手法を選択できるからです。不動産の適切な運用を進め、収益を出すためにもあらかじめリスクを洗い出しておくことが大切です。

不動産投資におけるリスクについて、以下のようにまとめました。

・融資に関するリスク
→金利変動、借り入れのリスク

・物件の運用に関するリスク
→空室、家賃滞納、家賃下落、瑕疵物件、不動産価値の下落、流動性リスク

・災害のリスク 
→災害の程度によっては修繕が難しいケースがあり、災害は不動産の運用を大きく左右する

・不動産管理会社の倒産リスク
→家賃回収が長引くなど、入居者との間でトラブルが発生する可能性がある

・税金に関するリスク
→不動産を所有するにあたり、さまざまな税金がかかる

・事業承継の際のリスク
→経験豊富な専門家に相談することがリスク回避対策の一つ

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