2021年11月29日更新会社・事業を売る

M&Aのデメリットとは?売り手・買い手、海外M&Aにおけるデメリットを解説

M&Aは多くのメリットを享受でき、今では経営戦略の1つとして中小企業でも盛んに行われています。しかし、M&Aにはデメリットが存在することを忘れてはいけません。売る側・買う側それぞれが認識して実行時やM&A後の問題として表面化しないよう、注意する必要があります。

目次
  1. M&Aのデメリット
  2. M&Aにおける売り手のデメリット
  3. M&Aにおける買い手のデメリット
  4. 海外M&Aのメリット・デメリット
  5. M&A手法別のメリット・デメリット
  6. 資本業務提携のメリット・デメリット
  7. M&Aのデメリットとリスク
  8. M&Aのデメリットを回避するための対策
  9. まとめ
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M&Aのデメリット

M&Aのデメリット

2000年代初頭、大企業同士のM&Aが頻繁に行われました。ライブドアによるニッポン放送の買収劇は、記憶に残っている方も多いでしょう。

それにより、M&Aの存在は広く知られるようになりました。そして、今では後継者不足などの諸課題を解決する策として中小企業にとっても有効な手段となっています。

M&Aを実施すれば経営者は多額の現金を獲得できたり、スピーディーに経営戦略を遂行できたりするなど、さまざまなメリットを享受できます。

しかし、M&Aにはデメリットも存在し、成功させるためにはデメリットについても把握しておく必要があります。

今回は、M&Aの実行によって生じうるデメリットについて、売り手・買い手双方の視点から紹介します。

M&Aのメリットとは

M&Aにおけるデメリットを紹介する前に、まずはM&Aのメリットを、売り手と買い手双方の立場から紹介していきます。

【M&Aにおける買い手企業のメリット】

  • 事業規模の拡大を見込める
  • 既存事業の強化を見込める
  • 新規事業を迅速に始められる

M&Aによる買収を行うと、事業用資産や不動産などの有形資産と、人材、技術、顧客リストなどの無形資産を取得できるため事業規模の拡大につながります。また、獲得したこれらの資産を活用して既存事業のさらなる発展が期待できます。

新規事業を迅速に始められることも、買い手企業にとってはメリットです。自社の力のみで新規事業を起こし、成長させ軌道に乗せるまでには、多大な時間と費用を要します。

さらに、起こした新規事業が軌道に乗るかどうかは、市場や環境などの外的要因の影響を受けるため、失敗に終わるリスクも覚悟しなければなりません。

M&Aで会社や事業を買収する場合、すでに程度軌道に乗っている事業を取得できます。これにより、上記のような時間や労力を削減でき、事業失敗のリスクを極力抑えられるので、買い手企業にとって大きなメリットになります。

続いて、売り手側のメリットを紹介します。
【M&Aにおける売り手企業のメリット】

  • 事業の存続・発展を見込める
  • 後継者不在問題を解決できる
  • M&A成立後に売却益を得られる

売り手側の経営者が、事業の成長に限界を感じていたり、後継者不在で悩んでいたりする場合は、M&Aが大きな助けになります。

M&Aが成立すると、売り手側は買い手側の経営方針のもと運営をしていくというのが一般的です。そのため、後継者不在問題は解消され、従業員の雇用も維持されます。

また、買い手側と技術やノウハウの共有を行うことでさらなる事業の発展が期待できます。肝心な買い手企業の捜索は、外部に依頼するとスムーズでしょう。

さらに、M&Aで会社や事業を売却すると、売り手側には対価(現金もしくは株式)が支払われます。これにより経営不振事業を精算し、経営資金を他の既存事業に集中させることも可能です。後継者不在による企業売却の場合は、引退後の生活にゆとりをもたせることができます。

簡単にM&Aのメリットを紹介しましたが、実際のM&Aプロセスは複雑で、多岐にわたる専門知識が要求されます。メリットを享受しつつデメリットを最小限に抑えるために、専門家に協力を依頼するのもよいでしょう。

M&Aをお考えの場合は、M&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所には知識と経験が豊富なアドバイザーが多数在籍しており、これまで培ったノウハウを活かしてM&Aをフルサポートいたします。

通常M&Aでは半年〜1年程度の期間が必要ですが、M&A総合研究所ではスピーディーなサポートを実践しており、成約まで最短3ヵ月の実績を有している点も強みです。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。相談料も無料としておりますので、お気軽にお問い合わせください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

M&Aにおける売り手のデメリット

M&Aにおける売り手のデメリット

売り手、つまり買収される側の主なデメリットには、以下の6つがあります。

  1. 買い手が見つからない
  2. 希望条件で売却できない
  3. 取引先や顧客から反発を買う
  4. M&Aの交渉自体が白紙になる
  5. 経営に関する権限が小さくなる
  6. 経営者や労働条件の変更により従業員のモチベーションが低下する

①買い手が見つからない

数多くある企業の中から、自社を買ってくれる企業を見つけるのは簡単ではありません。M&A仲介会社に依頼しても、買い手候補となる企業が見つからないケースもあり、このデメリットを完全になくすことはできません。

しかし、何も対策がないというわけではありません。買い手が見つかる可能性を上げるためには「磨き上げ」を実施しましょう。

磨き上げとは自社の企業価値を上げる対策であり、例えば自社の強み(独自の技術力やノウハウ)を伸ばしたり、不要な在庫を処分したりすることが有効です。

加えて、仲介会社に探してもらうのと同時進行で、自力で相手探しを行うのも良いです。中には経営者の身近なところで相手が見つかった事例もありますので、相手探しは根気強く行いましょう。

②希望条件で売却できない

M&Aの相手候補が見つかっても安心できません。希望価格でM&Aを実施できないデメリットが生じる場合もあります。会社(事業)を売却する際の価格は、将来にわたってどの程度の収益を獲得できるかによって算出されます。

現在は収益を上げている事業であったとしても、将来性がないと判断されれば企業価値を低く評価されます。自社の企業価値に自信を持っている場合、思わぬデメリットとなるでしょう。このデメリットを軽減するためには、前述した「磨き上げ」が重要です。

少しでも企業価値を高め、希望する価格でM&Aできるよう設備投資やノウハウ・技術力の強化、借入金の削減、訴訟などトラブルの解消、未払い給与の支払いなど企業価値の向上に努めましょう。

③取引先や顧客から反発を買う

M&Aの実施が取引先や顧客が知った場合、大きなデメリットが生じる可能性があります。具体的には、M&Aの前後で取引先や顧客から反発を買ってしまうケースです。

M&Aを実行すると経営母体が変わり、契約条件や顧客・取引先の担当者が変わって顧客や取引先から契約を打ち切られてしまうこともあります。

ビジネスは人と人のコミュニケーションによって継続・発展をしていくものです。長きにわたり良い関係を築いてきたのに、突然担当者が変われば顧客や取引先は不信感を抱く可能性があります。M&Aによって生じるこのデメリットを軽減するためには、事前に顧客や取引先に説明を行う必要があります。

ただし、顧客や取引先への説明は適切なタイミングで行うことが大切です。まだ構想段階や初期段階で説明してしまうと、不安ばかりが先行してしまう可能性があります。

④M&Aの交渉自体が白紙になる

トップ面談(当時会社双方のトップ同士での面談)や基本合意契約(M&A取引の大筋を合意する契約)の締結などM&Aを進めるには多大な時間や労力、費用を要します。

M&A仲介会社や税理士などの協力のもとで慎重にM&Aを進めたにもかかわらず、最後の最後でM&Aの交渉自体が白紙になる可能性も0ではありません。

M&Aでは当然、お互いに条件や目的を持っています。交渉を進めていくうちに、希望の条件や目的と合致しない場合にはM&Aを行わない選択肢を選ぶことも可能です。そうなると、それまでかけてきた時間や費用、労力がすべて無に帰してしまいます。

M&A仲介会社にサポートしてもらう場合、会社によっては着手金や中間金、月額報酬などがかかることもあります。それらの費用が損失になるリスクがある点は、M&Aの大きなデメリットです。

このデメリットを軽減するためには「本当にM&Aが必要なのか」「この相手に売却して良いか」などをその都度真剣に考える必要があります。少しでも不安がある場合は専門家と協議することも必要です。成功しないと判断したら早い段階で取りやめても良いでしょう。

⑤経営に関する権限が小さくなる

市場での生き残りをかけて、M&Aによって大企業の傘下に入る中小企業は少なくありません。しかし、M&Aによって大企業の傘下に入った場合、経営者の権限が小さくなるデメリットが生じます。

経営方針や目標利益額はもちろん、予算配分や社内人事までを買い手企業の指示に従う必要が出てくる可能性があります。

自社の成長の観点からみると、その方がメリットは大きいかもしれません。しかし、これまで頑張ってきた経営者にとっては、M&A後に権限が小さくなるのはデメリットになり得ます。このデメリットを軽減するには、交渉が重要です。

交渉で経営者の権限が小さくなりすぎないように取りはからいましょう。ただし、買い手側は目的を持ってM&Aを実施します。ある程度経営者の権限が小さくなるのは仕方ないことであり、M&Aで得られるメリットとこのデメリットを天秤にかけたうえで判断しましょう。

⑥経営者や労働条件の変更により従業員のモチベーションが低下する

M&Aによって、従業員にもデメリットが生じる可能性があります。M&Aを実施するとたいていの場合、従業員は相手企業に引き継がれるので、従業員が職を失うことはありません。しかし、経営者や労働条件は変わるケースも珍くありません。

M&A後の経営者や労働条件の変化により、従業員がデメリットを被る場合があります。特に中小企業の場合、経営者の人柄に惹かれ働いている従業員は多いでしょう。そうした従業員にとって、経営者の変更はモチベーションに悪い影響を与えかねません。

また、労働条件の変化によってこれまでとは違う環境にストレスを抱える従業員が出てくる可能性があります。

その結果、業績が低下したり従業員が一斉に離職したりするなどのデメリットが発生します。M&Aでは優秀な従業員の存在も評価したうえで買収されるケースが多いです。

その従業員が離職した結果、売り手側の責任を問われる事態になりかねません。そのため、従業員に対しても適切なタイミングで説明することや、労働条件が悪くならないよう交渉することが大切です。

M&Aにおける買い手のデメリット

M&Aにおける買い手のデメリット

買収を行う買い手には、主に以下のような7つのデメリットがあります。

  1. 従業員同士で摩擦が生じる
  2. 組織文化の統合に時間とコストがかかる
  3. 重大なリスクが表面化する
  4. 期待したシナジー効果が得られない
  5. のれんの減損リスク
  6. 多額の資金が必要
  7. 売り手が見つからない
  8. ⑧許認可を承継できず事業を継続できない

①従業員同士で摩擦が生じる

M&A成立後、買い手側と売り手側双方の従業員が同じ環境で仕事を行うようになります。つまり、別々の規則や環境で仕事を遂行してきた人同士が突然一緒になることで、意見や価値観が合わずに衝突する可能性があります。

M&A後に従業員同士が衝突してしまうと、不利益を招きかねません。従業員のモチベーションが低下して業績が下がるケースもあります。

最悪の場合、優秀な人材が辞めていくデメリットも考えられます。このデメリットを回避するためには、M&A前後の人事交流が有効です。

前もって人事交流を実施して従業員同士で打ち解ければ、互いに信頼感が生まれます。その結果、M&Aによって生じうるデメリットを回避できます。

②組織文化の統合に時間とコストがかかる

M&Aは最終契約を締結して対価を支払った時点が終わりではなく、成立後にPMIの実施が不可欠です。PMIとは、M&Aの成果を得るために、組織内を統合するプロセスのことをいいます。前述した従業員の統合のみならず、組織文化や情報システム、従業員の評価システムなども統合しなくてはいけません。

しかし、M&A後の統合作業は簡単ではありません。特に、長年培われてきた組織文化を統合するのは大変であり、多くの時間とコストを要します。加えて、組織文化の統合に時間やコストがかかりすぎると、二次的な弊害が生じるデメリットもあります。

このデメリットを軽減するためには、PMIを慎重に実施しなくてはいけません。そのために、PMIの成功実績が豊富な仲介会社にサポートしてもらうのも一つの選択肢です。

③重大なリスクが表面化する

M&Aの成立後、簿外債務や偶発債務の存在が発覚するケースがあります。簿外債務とは、貸借対照表に計上されていない債務であり、未払い給与や賞与、退職給付引当金などが該当します。

偶発債務とは、まだ債務として発生していないものの、後々債務になる可能性のあるものです。訴訟や環境汚染のリスクなどが該当します。簿外債務は中小企業であれば一般的に存在するものであり、デューデリジェンスを行った結果、極端になければ問題ありません。

とはいえ、偶発債務には注意が必要です。M&Aによって引き継いだ偶発債務が後々、大きなデメリットとなって多額の費用が発生するリスクがあります。このデメリットを回避するには、いくつか対処法があります。

それはデューデリジェンスの徹底的な実施と事業譲渡の活用です。デューデリジェンスによりあらゆるリスクを表面化させ、許容できないリスクが発覚した場合はM&Aを行わない選択も可能です。事業譲渡とは、会社の一部または全部を切り離して売買するM&A手法です。

この事業譲渡を活用することで、譲渡対象の資産や負債を契約の中で個別に指定して買収でき、デメリットを遮断できます。

④期待したシナジー効果が得られない

多くの場合、買い手側はシナジー効果を期待してM&Aを実行します。しかし、想定していたシナジー効果が得られるとは限りません。M&Aの買収価格には期待するシナジー効果分も上乗せされ、シナジー効果を評価するほど、買収価格は高額になります。

高額の資金を使ってM&Aを行ったにもかかわらず、シナジー効果が発揮されないのは大きなデメリットです。事前の見立てが甘かったケースや交渉に失敗して高値で買収したケースなど、シナジー効果が発揮されない要因はさまざまあります。

このデメリットを回避するためには、適切な価格でM&Aを実施することが大切です。しっかりと事前調査を実施して想定できるシナジー効果を極力正確に算出することが大事です。

⑤のれんの減損リスク

買い手にとってM&Aで最も大きなデメリットともいえるのが、のれんの減損リスクがある点です。のれんをひと言で表すと、相手企業の付加価値です。前述した期待シナジーやブランド力、高度な技術力が該当します。

買い手企業は、のれん代も含めたうえで買収し、こののれん代が多すぎると後々大きなデメリットにつながる可能性が高いです。のれん代は毎年減価償却する必要があり、想定していた利益が出なかった場合にはのれんの償却によって利益がマイナスになってしまいます。

さらに、減損の必要が生じるリスクもあります。減損とは、投資費用が回収できないと見込まれる場合、回収不能額をまとめて損失として計上する手続きです。つまり、予想よりも利益が出ない場合、のれん代の分をまとめて費用処理しなくてはいけません。

のれん代が数千万円〜数億円規模の場合、その分が一気に費用としてのしかかって経営の継続が困難になる可能性があります。このデメリットを回避するためには、シナジー効果も含め妥当な価格で買収することが大切です。

⑥多額の資金が必要

M&Aを実施するためには、基本的に多額の資金が必要になり、場合によっては失敗する可能性もあります。つまり、買い手にとってM&Aの実行にはリスクも伴うといえます。多額の資金支出は回避することが難しく、そのためにはM&Aを行う目的を明確化することが大事です。

M&Aを実行する目的を明確にして、その目的を達成するための相手を慎重に選ぶようにしましょう。

⑦売り手が見つからない

売り手が買い手を見つけられないデメリットがあるのと同様に、買い手も売り手を見つけられない可能性があり、相手を見つけられずにM&Aを断念してしまうケースも少なくありません。このデメリットを回避するためには、M&A仲介会社などの専門家を頼るのも選択肢としてあります。

M&A仲介会社などは、独自のネットワークなどを活かして最良の相手が見つかるよう尽力してくれ、さらにその後の交渉などにおいてもサポートしてくれる会社が多いです。

買収先が見つからずお悩みの際は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所では、知識と経験が豊富なアドバイザーによる専任フルサポートを行っています。

また、料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)無料相談をお受けしておりますのでお気軽にお問い合わせください。

M&A・事業承継ならM&A総合研究所

⑧許認可を承継できず事業を継続できない

許認可が必要な事業を行っている会社を買収した際、許認可を承継できず事業を継続できない可能性があります。このような場合には、買い手企業が許認可を新規で取得しなければなりません。

このケースは、売り手企業の粉飾(許認可をすべて取得していなかった、重大な法令違反がM&A取引後に発覚した、など)を見落としていた場合に発生します。

こうした事態に陥らないよう、許認可の有効性や、新規で許認可を取得するための期間・コストなどは、事前の入念な確認が重要です。
 

海外M&Aのメリット・デメリット

海外M&Aのメリット・デメリット

海外M&A(クロスボーダーM&A)は、海外進出を行う会社が用いる手段です。海外M&Aにはこれまで紹介したものに加え、さらにいくつかのデメリットがあります。ここでは、メリットとともに海外M&A特有のデメリットを解説していきます。

海外M&Aのメリット

海外M&Aのメリットは、海外進出をスピーディーに行える点です。通常、海外進出を行うには現地に拠点を設立し、従業員を集めて設備を整え、販売路を確保するために取引先を探すなどさまざまなプロセスを行う必要があります。

これらのプロセスをすべて行うには時間もコストがかかります。しかし、進出したい地域の会社を買収すればこれらのプロセスを一挙に完了できるため、海外進出を円滑に行うことが可能です。

海外M&Aのデメリット

海外M&Aのデメリットは、現地の情報をしっかり集めておかなければ成功しにくいという点です。海外でM&Aで行う以上、その地域の法律や税制を把握しておく必要があり、言語の習得も不可欠です。いずれ進出することを考えると、ただ現地のコーディネーターに任せたままというわけにはいきません。

M&Aが成功したとしても、海外の拠点を運営していくうえで現地の文化や慣習、宗教などさまざまな事柄を考慮する必要があります。また、海外では予期せぬ事件や災害、規制の変更がM&Aや拠点運営を左右することもあります。

国内でのM&A以上に予期せぬ事態に備えておく必要があることが、海外M&Aの難点といえるでしょう。

【関連】クロスボーダーM&Aを成功させるには| M&A・事業承継の理解を深める

M&A手法別のメリット・デメリット

M&A手法別のメリット・デメリット

M&A手法にはさまざまあり、採用した手法によって発生するメリット・デメリットがあります。本章では、M&A手法別のメリット・デメリットを解説します。

株式譲渡

株式譲渡とは、売り手企業の発行済み株式を買い手企業が取得し、経営権を得る手法です。株式譲渡はさらに3種類の手法があります。

  1. 相対取引
  2. 市場買い付け
  3. 公開買い付け
相対取引は株主から直接株式を取得する手法で、市場買い付けは上場株式を証券取引所などで買い付ける手法です。続いて公開買い付けは、分散する株主に対して株式買い付けの申し込みを行い市場外で株式を買いつけます。

メリット

株式譲渡におけるメリットとしては、独立性が保てる・他のM&A手法と比べて手続きが簡易という点が挙げられます。

M&A成立後も買収対象企業はそのまま存続するため、独立性が保ちやすいです。また、株主総会の承認や債権者保護手続きなどが不要のため、複雑な手続きを回避できます。株式譲渡によって過半数の株式を取得できれば、反対株主の存在に対応できることもポイントです。

デメリット

株式譲渡におけるデメリットは、株主が分散している場合、株式のすべてを買収できない可能性がある点です。また、簿外債務の存在に気付かず負債ごと継承してしまうおそれも存在します。

事業譲渡

事業譲渡とは、会社が営む事業の全部または一部を他の会社に譲渡する手法のことです。事業とは、「一定の目的のために組織され、有機的一体として機能する財産」です。

メリット

事業譲渡のメリットは、買い手側の必要な経営資産をピンポイントで選択し買収できる点です。株式譲渡のデメリットで先述した簿外債務を継承してしまう可能性が低い点もメリットといえます。

デメリット

事業譲渡のデメリットは、個別財産の所有権や契約上の地位などの移転手続きが発生するため、時間と労力がかかる点です。また、事業譲渡で継承した課税対象の資産には税金が発生する点も注意しましょう。

会社分割

会社分割では、さらに「新設分割」と「吸収分割」の2種類があります。

新設分割は、単体もしくは複数の会社が有する、事業に対しての権利の全部または一部を分割し新しく設立する会社に引き継ぐ手法です。吸収分割では、単体もしくは複数の会社が有する、事業に対しての権利の全部または一部を分割し他の会社が引き継ぎます。

会社分割を用いたM&Aでは、その対価を株式もしくは金銭等で行うことが可能です。対価の引き渡し方法も、分割会社の株主が対価を受け取る「分割型」と、分割会社自体が受け取る「分社型」の2種類があります。

メリット

会社分割のメリットは、対価は新しく発行される株式で行えるので、対価として資金を準備する必要がない点があります。また、事業譲渡に比べて手続きが簡便で、M&Aに伴う従業員の移籍にも個別の同意が要りません。

デメリット

一方で、人事制度や社内システムを統合する際、現場が混乱し統合が円滑に進まない可能性もあります。また、買い手企業が上場している場合、会社分割により1株の株価が下落するおそれがあることも注意が必要です。

株式交換・株式移転

株式交換は、対象会社を完全子会社にする際用いられる手法で、株式移転は、対象会社の持ち株会社を設立する際に用いられる手法です。

株式交換では、完全子会社となる会社(主に売り手企業)の保有する全ての株式を、完全親会社となる会社(主に買い手企業)の株式と交換します。

また、完全親会社となる会社(主に買い手企業)の親会社の株式を対価としてを用いる「三角株式交換」という手法もあります。

株式移転は、完全子会社となる会社(主に自社)の保有する全ての株式を、新しく設立する完全親会社(主に持ち株会社)の株式と交換する手法です。世間でよく耳にする「ホールディング」と名のついた会社などがそれにあたります。

会社分割と同様に、株式交換・株式移転の対価は、株式もしくは金銭等で行うことが可能です。

資本業務提携のメリット・デメリット

資本業務提携のメリット・デメリット

資本業務提携は経営統合を行うわけではありませんが、広義のM&Aの1つとして扱われています。海外M&Aと同様に、資本業務提携においてもメリットをデメリットを紹介していきます。

資本業務提携のメリット

資本業務提携のメリットは、会社の独立性を損なわずに会社同士のノウハウや資本などを組み合わせて事業に取り組むことができることです。資本業務提携はいずれかの会社の経営権を支配する手法ではないため、会社の独立性を維持できます。

これは、非上場会社と上場会社が提携する際、非常に有効です。非上場会社が上場会社を買収するようなことになると、上場会社が上場廃止になってしまいます。それを防ぐために資本業務提携を行うというわけです。

加えて、通常の会社同士の契約よりも強固な関係で事業に取り組めるため、一定以上のシナジー効果も期待できます。

資本業務提携のデメリット

資本業務提携のデメリットは、異なる会社同士がノウハウや資本を持ち寄ることでそれぞれの会社の機密情報が漏出するリスクがある点です。単独で事業に取り組んでいれば機密情報が漏出することはあまりないですが、異なる会社同士が提携する以上、お互いにある程度情報を開示することになります。

それが情報の漏出につながるため、開示する情報は慎重に選別した方がいいでしょう。

※関連記事
資本業務提携とは?資本業務提携のメリット・デメリットをわかりやすく解説
業務提携と資本提携とは?業務提携と資本提携の違いとメリット・デメリット

M&Aのデメリットとリスク

M&Aのデメリットとリスク

M&Aを行う際のリスクを考慮していない場合、多大なリスクを抱えることになります。その中で、特に重大なリスクは以下の2点です。

人材の流出

手法を問わず、M&Aは人材が流出するリスクを常にはらんでいます。M&Aは異なる会社同士が経営統合するため、一方の会社の企業文化と合わずに従業員が離職してしまうことは十分に考えられます。また、買収される側であれば、会社が売られるということに対して抵抗感を抱くこともあり得るでしょう。

人材の流出はM&A後の経営に多大な影響を与えるため、従業員に継続して働いてもらえるよう対策を講じる必要があります。

経営統合が失敗する恐れもある

M&Aを行ったからといって、経営統合が必ず成功するとは限りません。M&Aが完了してから訴訟や債務が発覚することがありますし、買い手となる会社のやり方や方針が合わずに業績が向上しないということもあり得ます。

また、M&Aを完了させることに体力を奪われ、その後の経営統合がおざなりになっているケースも少なくありません。M&Aはあくまでも経営戦略の1つであり、M&Aを行うこと自体を目的とはしないようにしましょう。

※関連記事
M&Aのリスクとは?売り手・買い手のリスクやリスクマネジメント方法を解説
M&A失敗の要因とは?失敗割合や失敗した会社の事例を解説

M&Aのデメリットを回避するための対策

M&Aのデメリットを回避するための対策

M&Aを行う以上、デメリットやリスクは何としても回避したいものです。M&Aにおけるデメリットやリスクを回避する対策として挙げられるのは、M&Aの過程で行われるデューデリジェンスです。

デューデリジェンスはM&Aの対象となる会社のリスクを洗い出す作業であり、財務・税務・法務・人事などさまざまな観点から対象の会社を細かく分析することでリスクを見つけ、対処できるようにしていきます。また、M&Aの実施から経営統合を行うまでの計画を具体的に立てておくことも重要です。

専門家の起用が最も有効な対策

デメリットやリスクを回避するために最も有効な対策が専門家の起用です。M&Aに精通する専門家であれば、あらゆるデメリットやリスクから身を守る術を持っています。一般的にM&Aの際に専門家を起用するのも、こうしたリスクマネジメントにも効果的だからです。

M&A総合研究所にはM&A経験豊富なアドバイザーが多数在籍しており、リスクの洗い出しや対策、相手と先選定や交渉など、M&Aのプロセスをフルサポートいたします。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)

無料相談をお受けしておりますので、M&Aをご検討の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。

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まとめ

まとめ

今回は、M&Aにおいて生じうるデメリットについて解説しました。M&Aを活用するとメリットが大きい分、デメリットやリスクも大きいです。そのため、慎重かつ計画的にM&Aを実行しなくてはいけません。

中途半端な準備でM&Aを行うと、後々大きなトラブルが生じる可能性があります。リスクを抱えている意識を常に持ったうえでM&Aを活用しましょう。そして、M&Aの際は専門家の協力を得るようにしましょう。

専門家のサポートによりデメリットを把握できるだけでなく、その対策法についてもアドバイスしてくれます。また、煩雑なM&Aプロセスにおいてもサポートも受けられますので、M&Aの成功率を高める可能性があります。

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2021年は新型コロナの影響などもあり、宅配・フードデリバリー業界が好調を維持するとともに、M&A動向も活発な動きを見せています。本記事では、2021年の宅配・フードデリバリー業界のM&...

M&Aの手数料はなぜ高いのか?仲介料金の相場や高い理由を解説!

M&Aの手数料はなぜ高いのか?仲介料金の相場や高い理由を解説!

M&Aが年々普及していく一方で、M&Aの手数料が高いことが問題視されています。本記事では、M&A仲介会社の手数料はなぜ高いのか、手数料相場や手数料が高いか安いか判断するた...

アライアンス契約とは?提携の種類とM&Aとの違いや契約書の記載事項を解説!

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企業同士が資本提携や業務提携を結ぶ契約を「アライアンス契約」と呼ぶことがありますが、聞きなれない単語なのでよくわからないという方もいるかもしれません。本記事では、アライアンス契約とは何か、M&a...

資本業務提携とは?資本提携のメリット・デメリットと流れを解説!

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資本提携や資本業務提携とは、企業同士の独立性を保ったまま他社と協働したい場合に有力な選択肢です。本記事では、資本業務提携・資本提携とはどのようなものか、業務提携の違いやメリット・デメリット、契約...

TSA(Transition Service Agreement)の意味とは?重要な契約を解説!

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M&Aで締結する契約の1つにTSAというものがありますが、知らない方やよく分からない方も多いのではないでしょうか。本記事では、TSAの意味や活用される場面、TSAと関連の深い契約である最...

M&Aの買い手のメリットは?買収側の目的やM&Aするデメリットを解説!

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M&Aで会社を買収する際は、買い手にどのようなメリット・デメリットがあるのかを理解しておくことが大切です。本記事では、M&Aの買い手のメリット・デメリットを詳しく解説するとともに...

M&Aの売り手のメリットは?譲渡側企業の流れやデメリットも解説!

M&Aの売り手のメリットは?譲渡側企業の流れやデメリットも解説!

近年は事業承継を目的とするM&Aが盛んになっていますが、売り手側のメリットはそれ以外にもさまざまなものがあります。本記事では、M&Aにおける売り手側のメリットとデメリット、M&a...

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