M&A・事業承継の理解を深める M&A総合研究所ポータル

2019年3月10日更新

小規模M&Aとは?小規模M&A案件の探し方や流れと手法を解説

Medium
この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

小規模M&Aはまだまだ発展途上な市場ですが、今後も増加すると予測されます。起業や会社の成長を実現する上での有効的な手法として小規模M&Aが積極的に行われるような環境になるでしょう。小規模M&Aを専門的に取り扱う業者も今後は増えてくる可能性も高いです。

目次

    小規模M&A

    M&Aが経営戦略として一般化した昨今、大企業も中小企業もM&Aを行うケースが増えてきました。

    その中でも、取引価格が1000万円前後の小規模なM&A案件も増えています。

    このような小規模M&Aは「スモールM&A」と呼ばれており、最近では小規模M&A専門の仲介業者も出てくるなど、一般的になっています。

    ただ、時には個人事業も扱う小規模M&Aは勝手が違う一面があります。

    今回は小規模M&Aの流れや案件の探し方などをお伝えしていきます。

    小規模M&Aとは?

    冒頭でもお伝えしましたが、小規模M&Aは「スモールM&A」とも呼ばれるものです。

    具体的な定義は統一されていませんが、全体的な傾向としては以下のようなものがあります。

    • 年商が数千万円~数億円程度の会社によるM&A
    • M&Aを行った際の取引価格が数百万円~1億円程度
    • 簿価純資産が数千万円程度の会社によるM&A

    これらの条件を満たしていれば、小規模M&Aといえるでしょう。

    主に小規模M&Aは規模が小さい中小企業、零細企業、創立したてのベンチャー企業、個人事業といったものが取引の対象となります。

    これ以外にもメディア・サイトのみの売買や小規模な事業売買も小規模M&Aに当てはめるケースもあるようです。

    小規模M&Aは通常のM&Aと同じように、より大きな規模の会社に買収されることで大手の資本の傘下に入り、財務基盤を強化したり、後継者不在の会社の事業承継のために行われるケースが多いです。

    とりわけM&Aの本場である欧米では、ベンチャー企業が初めからM&Aありきで経営を行っていることも多く、日本より小規模M&Aを活用しているといえます。

    また、起業を考えている起業家が既存の小規模な会社を買収することで、自分の会社を設立する手間を省くために小規模M&Aを行うケースもあります。

    小規模M&Aは取引価格が数百万円程度に落ち着くこともあり、人によっては退職金でも充分できるものです。

    そのため個人が既存の個人事業や会社を買い取って経営者となることも可能になります。

    このやり方であれば、ゼロから起業する手間やコストを減らすことができますし、フランチャイズに加盟して起業するよりもずっとリーズナブルに起業することもできます。

    加えて既存の会社を買収すれば、その会社の従業員やノウハウ、設備、販路、顧客などを丸ごと受け継ぐことも可能になり、スタートアップに弾みをつけることができます。

    小規模M&Aは一般的なM&Aと違い、あまり目立ったものではありませんが、経営戦略の一環として活用出来るものです。

    とりわけ起業を考えている、事業承継に悩んでいる人は、取るべき戦略の選択肢の一つに含めておいてもいいでしょう。

    小規模M&Aの流れと手法

    ここでは小規模M&Aの流れと手法についてお伝えしていきます。

    ⑴小規模M&Aの流れ

    小規模M&Aの流れは基本的に通常のM&Aと変わりません。

    大まかな流れとしては以下のような形です。

    • M&A案件の選択
    • M&A実施の交渉
    • 基本合意書の締結
    • デューデリジェンス
    • 最終条件交渉・取引の実行

    規模が小さいとはいえ、小規模M&AもM&Aである以上、適切な手続きに則る必要があります。

    ただ、小規模M&Aは規模が小さいためにデューデリジェンスなどのプロセスが早く進みやすくなります。

    なるべく手間をかけずにスピーディーに進めることがポイントです。

    ⑵小規模M&Aの手法

    小規模M&Aの手法は大まかに分けて二つの方法があります。

    いずれの方法を選ぶかは小規模M&Aで取引するものが法人か、事業かによって変わります。

    株式譲渡

    小規模M&Aの対象が株式を発行している法人の場合は株式譲渡を行うことになります。

    株式譲渡はその名の通り株式を現金で取得することで、その法人の経営権を獲得するという手法です。

    株式譲渡は手続きが簡素であり、スピーディーに行えるため、一般的なM&Aでもよく使用されます。

    ただ、株式譲渡は包括的承継であり、対象の会社の全てを引き継ぐことになります。

    そのため負債や不要な資産・契約などを引き受けることになることには注意しておく必要があります。

    事業譲渡

    小規模M&Aの対象が法人の持つ事業や個人事業の場合は事業譲渡になります。

    事業譲渡は株式譲渡とは違い、事業という資産を直接購入する手法です。

    株式譲渡と違って事業譲渡は包括的承継ではないため、契約の段階で承継したくない負債や資産を選ぶことができます。

    ただ、事業譲渡は従業員の雇用契約や事業の許認可などが白紙になってしまうため、それぞれの手続きを行わなければならないなど、手続きが煩雑になる傾向があります。

    加えて事業譲渡は消費税が発生するなど、株式譲渡と課税が変わるため、その点にも注意しておく必要があります。

    小規模M&A案件の探し方

    小規模M&Aを成功させるには、まず小規模M&A案件を見つけなければなりません。

    しかし小規模M&Aに限らず、自力でM&A案件を見つけることは簡単ではありません。

    小規模M&A案件を見つける際におすすめの方法は小規模M&A案件を専門としている仲介会社やマッチングサイトを活用する方法です。

    元々小規模M&Aは取引金額が小さいため、仲介業者があまり関わらないことが多い傾向がありますが、最近は小規模M&Aを専門とした仲介業者やマッチングサイトが増えています。

    これらを活用すれば小規模M&A案件を見つけることも容易になるでしょう。

    しかし、業者に頼り過ぎることはおすすめできません。

    仲介業者やマッチングサイトは安価、中には無料で利用できるケースもありますが、中にはクライアントよりも自己都合でM&A案件を勧めてくる業者もいます。

    M&Aは双方の利益が成り立たなければ理想的なシナジー効果を得ることが難しいため、M&A案件は慎重に吟味する必要があります。

    また、意外とM&A案件が身近にあったというケースは少なくありません。

    仲介業者やマッチングサイトの力を借りつつ、ちゃんと自分達でも取引先や他の業者を通じて情報を手に入れるようにしておきましょう。

    小規模M&Aにおける買収

    小規模M&Aにおいて買収する側、つまり買い手はどのようなポイントを意識すべきでしょうか。

    小規模M&Aを買収するメリットは多くあります。

    小規模M&Aを通じて会社や事業を買収できれば、新しい事業分野への進出が容易になりますし、ゼロベースが事業を立ち上げるように負担や時間を減らせるようになります。

    また、さきほどお伝えしたように、小規模M&Aは個人でも実践できるM&Aであるため、起業に活用することも可能です。

    すでに黒字になっている会社や事業を買収することができれば、起業に弾みも付けられるでしょう。

    ただ、小規模M&Aで買収する場合、注意しておきたいポイントがあります。

    それはM&Aのプロセスを終えた経営統合です。

    買収の手続きを完了した後はPMIと呼ばれる経営統合の作業に入りますが、このPMIを適切に行っていないケースは少なくありません。

    小規模M&Aでも、M&Aを行う以上手続きを完了させるにはそれなりの労力は使います。

    そのため本来ならばやっておくべきPMIがおざなりになってしまうことも少なくありません。

    もしPMIをおざなりにしてしまうと、経営統合が進まず、業務レベルで問題が発生してしまう恐れもあります。

    加えて想定していたシナジー効果が得られず、結局小規模M&Aを行った意味がなくなってしまうことも考えられます。

    そして一番恐れるべき事態は、そのような事態になったことで従業員が反発し、流出してしまうリスクです。

    実際にM&Aに反発する、またはM&Aを行った後の環境の変化や現状に不満を抱いて従業員が大量に離職したケースはあり、当然ながらそのような事態に陥った会社や事業は危機的な状況に陥ることになります。

    買い手の立場で小規模M&Aを実行した場合、この点には充分注意しておきましょう。

    とりわけ中小企業や零細企業はPMIのようなプロセスはおざなりにされやすい傾向があるため、常に意識しておきたいところです。

    小規模M&Aにおける売却

    小規模M&Aの売却を行う、つまり売り手に立つ場合はどのようなポイントがあるでしょうか。

    小規模M&Aで売却を行う際には、買い手が選びやすいような条件を整えておく必要があります。

    小規模M&Aにおいて売却が成功しやすいのは以下のような会社・事業です。

    • 黒字経営になっている。
    • 特定の事業の許認可がある。
    • 従業員がM&Aに理解しており、継続して勤務することが確約している。
    • 培ってきたノウハウがある。
    • 管理や会計がしっかりしており、決算書類が信頼できる。
    • 成長性が期待できる。

    とりわけ「特定の事業の許認可がある」という点は買い手にとってかなり魅力的な条件です。

    特定の事業の許認可を得るのはかなり手間がかかるため、許認可が必要な事業に進出したい買い手はかなり注目するポイントだといえます。

    しかし、事業の許認可が取り消されてしまう事業譲渡を行う場合、この手はあまりメリットにならないので注意しておきましょう。

    また、さきほどお伝えした従業員に関する条件も重視しておきたいポイントです。

    M&Aを行うことに反発して従業員が離職するような事態になれば、事業価値が下がってしまう恐れもあります。

    基本的にM&Aは従業員や取引先に動揺を与えないように情報を秘匿するものであり、実際にM&Aを行うことを公表するのはクロージングの段階に入ってからです。

    この段階で従業員を説得できるだけの材料を揃えておく必要があります。

    一方、黒字経営に関してはケースバイケースです。

    もちろんM&Aが成功するうえで黒字経営であることは重要な条件です。

    とりわけ起業を考えている買い手にとっては黒字経営であることはかなり重要視されるでしょう。

    ただ、赤字経営だからといってM&Aが成功しないわけではありません。

    たとえ赤字経営でも一定の資金投入をすれば再建する見込みがあったり、将来性のあるノウハウや技術、魅力的な商品やサービスがあればM&Aが成功する事例はあります。

    また赤字経営の会社や事業を買収することは一定の節税効果も期待できるため、そのことを加味して買い手がM&Aに応じてくれることもあります。

    だから赤字経営だからといってM&Aを諦める必要はないでしょう。

    事実、赤字経営の会社や事業を買収し、数ヶ月後、数年後に黒字経営に再生させたケースは少なくありません。

    小規模M&Aの成功事例と失敗事例

    ここでは小規模M&Aの成功事例と失敗事例についてお伝えしていきます。

    日本は規模に関わらず、M&Aの情報を公開しない会社が多いため、詳細な事情をお伝えすることは難しいですが、小規模M&Aの成功事例や失敗事例には以下のようなものが挙げられます。

    ⑴小規模M&Aの成功事例

    不動産会社であるA社は従業員10人程度の零細企業だが、経営者が高齢のため引退を迎えようとしていました。

    しかし経営者には後継者がおらず、また親会社の不振もあって経営状況も振るわなかったため、経営者の引退と同時に廃業することを考えていました。

    しかし、住宅建築会社であるB社が事業の多角化のために、A社をM&Aで買収を決定。

    B社は会社を存続させられただけでなく、従業員の雇用や設備の維持にも成功しました。

    これは事業承継および会社の立て直しに成功した典型例だといえます。

    ⑵小規模M&Aの失敗事例

    飲食店を営む会社Cは事業の多角化や店舗の拡大のため、居酒屋を営む個人事業Dを買収しました。

    しかし買収後に個人事業Dが抱えていた負債が発覚し、会社Cは予定外の負担を背負うことになりました。

    加えて環境の変化を良しとしない従業員が離職し、人手不足にも陥ったことにより、結局想定していたシナジー効果は得られませんでした。

    この失敗事例は買い手がリスクを正確に把握していなかったことが原因だといえます。

    このような失敗事例を回避するにはデューデリジェンスの徹底も必要ですが、仲介業者の勧めにうかつに乗らないようにすることも重要です。

    仲介業者の中には自社の利益を優先し、実際の相場より高く価格を設定してM&Aを進めるケースもあるようです。

    そのためリスクや売り手の会社・事業の内情を正確に把握するようにしておきましょう。

    まとめ

    小規模M&Aはまだまだ未熟な市場ですが、今後も増加すると予測されています。

    起業や会社の成長を実現するうえでの有効的な手法として小規模M&Aが積極的に行われるような環境になるでしょう。

    また、小規模M&Aを専門的に取り扱う業者も今後は増えてくる可能性が高いです。

    ただ、シナジー効果を得られるM&Aを実現するためにも、業者の選択は慎重に行い、情報を集め、リスクの洗い出しを行うようにしましょう。

    M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所

    M&A・事業承継のご相談なら専門の会計士のいるM&A総合研究所にご相談ください。
    M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

    M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

    1. 業界最安値水準!完全成果報酬!
    2. M&Aに強い会計士がフルサポート
    3. 圧倒的なスピード対応
    4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
    >>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

    M&A総合研究所は会計士が運営するM&A仲介会社です。
    企業会計に強く、かつM&Aの実績も豊富です。全国にパートナーがいるので案件数も豊富。
    また、業界最安値水準の完全成果報酬制のため、M&Aが成約するまで完全無料になります。
    まずはお気軽に無料相談してください。

    >>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

    電話で無料相談WEBから無料相談
    • 02
    • 03
    • 04
    • 05
    ご相談はこちら
    (秘密厳守)