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2019年12月11日更新
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支配権とは?意味やM&Aにおける支配権プレミアムを解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

株式会社における支配権とは、一定以上の持株比率を有する株主に許される、あらゆる事項を独力で決議できる権利です。また、持株比率に応じて、行使できる支配権の内容が異なります。事業承継における企業支配権の確保、M&Aにおける支配権プレミアム、フェイスブックによる支配権 「種類株」の活用について解説します。

目次
  1. 支配権
  2. 支配権とは?支配権の意味
  3. 持株比率による支配権の内容
  4. 事業承継における企業支配権の確保
  5. 会社法下の保有割合と株主の権利
  6. M&Aにおける支配権プレミアム
  7. フェイスブックによる支配権 「種類株」の活用
  8. まとめ

支配権

M&Aや事業承継に際して、留意すべき点の一つに「支配権」があります。
支配権への対策次第で、M&Aや事業承継の成功が左右されると言っても過言ではありません。
会社の経営者である以上、株主の支配権については必ず知っておくべきです。
この記事では、支配権について分かりやすくご説明します。
M&Aや事業承継を円滑に進めたい方、株式会社の仕組みについて知りたい方必見です。

支配権とは?支配権の意味

まず最初に、支配権の意味について解説します。
支配権とは、ある対象を直接的に支配する権利です。
特定の物を支配する権利(物権)や発明等の非有体物を支配する権利(無体財産権)等が支配権に含まれます。
株式会社に限定して言えば、会社を実質的に支配する権利です。
後述しますが、株式会社では持株比率によって株主が行使できる権利が異なります。
一定以上の持株比率を有すると、会社のあらゆる事項を自身の一存で決定できる様になります。
つまり株式会社における支配権とは、一定以上の持株比率を有する株主に許される、あらゆる事項を独力で決議できる権利です。
支配権と似た用語に「経営権」があります。
経営権とは会社を経営できる権利であり、一般的には株主総会の普通決議を独力で議決できる権利を指します。
経営権を有すると経営者として会社を経営できますが、定款変更などの最重要事項は変更出来ません。
つまり経営権は会社全体のうち「経営」に関する部分にのみ権限を有する一方で、支配権は会社のほぼ全事項に権限を有します。
経営権と支配権は、それぞれ上記の意味合いを持ちますが、株式会社での権利を総称して「支配権」と呼ぶケースもあります。
「○%以上の持株比率ではAという支配権」、「○%以上の持株比率ではBという支配権」をそれぞれ行使できるという意味合いでも使われます。
相当数の持株比率を有する場合にのみ支配権を有するという考え方もあれば、持株比率に応じて行使できる支配権が異なるという考え方もあります。
どちらも間違っていない為、今回は「会社に対して行使できる権利」という認識で問題ありません。
M&Aにおいても支配権は重要な概念です。
より支配権への理解を深めたうえでM&Aに取り組みたければ、M&A総合研究所にご相談ください。
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持株比率による支配権の内容

持株比率に応じて、行使できる支配権の内容が異なります。
この項では、持株比率による支配権の内容をご紹介します。

⑴持株比率:10%以下

持株比率が10%以下であっても、最低限の支配権が認められます。
例えば3%以上であれば、「会計帳簿閲覧権」を行使可能です。
3%以上の持株比率を有していれば、本来社外の人間は閲覧できない会計帳簿(仕訳帳や総勘定元帳等)を閲覧出来ます。
他にも10%以上の持株比率を有する者には、会社の解散を請求できる権利(会社解散請求権)が認められています。

⑵持株比率:過半数

過半数の持株比率を有すると、株主総会の普通決議を自身の一存で決定可能です。
普通決議では、出席議決権株式数のうち過半数の賛成で決議する為、一人が過半数を保有していれば独力で決定できる訳です。
具体的には、「取締役の選任・解任」や「取締役や監査役の報酬決定」、「配当金額の決定」等を決議可能です。
過半数の持株比率により経営に際して十分な権利を行使できる為、「経営権」とも呼ばれています。

⑶持株比率:2/3以上

2/3以上の持株比率を有すると、株主総会の特別決議を自身の一存で決定可能です。
特別決議では、「定款変更」や「事業譲渡や株式交換等のM&A実施」、「監査役の解任」等を決議可能です。
会社の根幹に関わる内容を独力で決議できる為、ほぼ完全に「支配権」を握っていると言えます。

⑷持株比率:9/10以上

2/3以上の持株比率でほぼ完全に支配権を掌握可能ですが、まだ完全ではありません。
「特別支配株主の株式等売渡請求」等一部の権利は、9/10以上の持株比率を有する者にのみ認められます。
特別支配株主の株式等売渡請求とは、少数株主から株式を強制的に取得できる権利です。
M&Aや事業承継の際、少数株主の存在が足かせとなるケースがあります。
この権利を行使する事で、会社内から少数株主を完全に排除できる訳です。
非常に強力な権限である為に、90%以上の持株比率という厳しい条件が設定されています。
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特別決議とは?拒否権や普通決議との違いを解説

事業承継における企業支配権の確保

近年多くの中小企業では、経営者の高齢化に伴う事業承継が活発化しています。
事業承継では、先代の経営者から後継者に対して株式を移転します。
事業承継後後継者が円滑に事業を営む為には、十分な支配権を保有しておく必要があります。
株式が分散していると、会社の意思決定をスムーズに実行できません。
中小企業であれば、最低でも2/3以上、可能であれば100%の株式を経営者が保有している事が好ましいです。
この項では、企業支配権を確実に後継者に引き継ぐ対策方法をお伝えします。

⑴株式の買い取り(集約)

先代経営者が健全であるうちに、分散している株式を買い取る方法です。
事前に集約しておけば、後継者への支配権移転がスムーズに進みます。
株価が高い場合や株主が拒否した場合には、この方法は使用できません。

⑵遺言や遺留分特例の活用

法律では各相続人の取り分が決まっています。
後継者への自社株引き継ぎにより他の相続人の取り分が減少した場合、遺留分減殺請求により財産が分散する恐れがあります。
上記のリスクを減らす為に、遺言により後継者への自社株相続を指定したり、
遺留分の特例を活用しましょう。

⑶相続人等からの売渡請求

事業承継後に株式が分散した際は、他の相続人から株式を買い取ることが可能です。
定款への規定や買取資金が必要とはなるものの、確実性の高い方法です。

⑷種類株式(黄金株)の活用

種類株式の活用は、事業承継による企業支配権移転において非常に効果的です。
黄金株という拒否権が付いた株式を後継者に保有させることで、ほぼ確実に経営権を確保できます。
以上が事業承継における企業支配権の確保手段となります。
いくつかの手法を組み合わせれば、企業支配権を確保できる可能性が高まるでしょう。
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事業承継とは?方法や事業承継税制・補助金、M&Aでの活用について解説

会社法下の保有割合と株主の権利

この項では、会社法で定められた株主の権利に関して解説します。

⑴株主の有する基本的な権利

会社法では、株主に対して「自益権」と「共益権」という二つの基本的権利を保証しています。
自益権とは株主自身が会社から利益を得る権利です。
自益権には「残余財産分配請求権」や「剰余金配当請求権」が含まれます。
共益権とは株主が会社の経営に参加する権利であり、「総会招集権」や「代表訴訟提起権」等が含まれます。
つまり株主は、利益を会社から得る権利と、経営に参加する権利を必然的に有しています。

⑵単独株主権と少数株主権

株主の権利は、「単独株主権」と「少数株主権」の二つに分けられます。
単独株主権は株式保有割合に関係なく、一人で行使できる権利です。
全ての自益権に加えて、株主総会での議決権や議案提出権等が該当します。
少数株主権とは、一定数以上の株式保有割合を満たす株主にのみ認められる権利です。
役員解任請求権や株主総会招集請求権等が該当します。
一口に株主の権利と言っても、保有割合が考慮される権利とそうでない権利がある点は覚えておきましょう。
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M&Aにおける支配権プレミアム

この項では、M&Aにおける支配権プレミアムについて解説します。
M&Aの対価は、デューデリジェンスや企業価値の算定に加えて、各種プレミアムも考慮した上で算定します。
その一つが「支配権プレミアム」であり、支配権を行使できる十分な株式数を取得する際に、買収価格に上乗せされる金額を意味します。
一般的には、支配権を行使できる事自体に価値があると考えられています。
大半のM&Aでは全株式を売買する為、買い手側は完全に支配権を掌握します。
支配権の取得も考慮し、企業価値に「支配権プレミアム」として買収価格を上乗せします。
「コントロールプレミアム」とも呼ばれる支配権プレミアムは、企業価値算定の際に考慮している場合が多いです。
例えば類似取引比準法では、支配権プレミアムを考慮した過去の事例を基準とする為、当然に支配権プレミアムが考慮されます。
DCF法を採用する際も、支配権を有する人物が決めた計画を基に企業価値を算定する為、支配権プレミアムを含んでいると考えます。
つまり基本的には、個別に支配権プレミアムを加算しません。
定量的に測れる指標ではない為、最終的には当事者の判断により、支配権プレミアムを決定します。
ある意味支配権プレミアムは売り手の会社の内情によって左右される一面があります。
もし支配権プレミアムを理想的な形で算定したいなら、条件が合致している売り手を見つけるようにしましょう。
その際に役立つのがM&A総合研究所のM&Aプラットフォームです。
そこには独自のAIがあり、買収ニーズを登録するだけで条件が合致している売り手をマッチングします。
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M&Aにおける買収価格

フェイスブックによる支配権 「種類株」の活用

最後に、フェイスブックによる支配権「種類株」の活用について解説します。
フェイスブックでは、種類株の活用によりCEOのザッカーバーグ氏の支配権を維持しています。
種類株とは、異なる二つの内容を定めた株式を意味します。
フェイスブックでは、普通株式の10倍の議決権を持つ種類株(多議決権株式)を発行しています。
CEOのザッカーバーグ氏は、多議決権株式の大多数を保有している為、会社の実質的な支配権を掌握しています。
つまり株主の意向に関係なく、ザッカーバーグ氏の一存で全てが決まってしまう現状という訳です。
「株主平等の原則」に反しているこの現状については、フェイスブックの株主をはじめとして、世界各地から反発を受けています。
近年同社に集まる経営への不安視も相まって、ザッカーバーグ氏の解任を求める動きが活発化しています。
使用方法が正しいかはともかく、フェイスブックの事例からは、支配権維持における種類株活用の有効性が見て取れます。
種類株の設定次第では、株主からの反発を気にせずに支配権を維持できます。
「議決権が通常の10倍」はやり過ぎですが、黄金株や無議決権株式等の活用は、中小企業経営者の支配権維持に役立つでしょう。
支配権を維持したい経営者の方は、フェイスブックの種類株活用を参考にしては如何でしょうか?
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まとめ

経営者である以上、株主の支配権についての知識を身につけておく必要があります。
種類株の活用や株式の買い取りによって支配権を維持したまま資金調達、事業継続することが可能です。
M&Aや事業承継を円滑に進める上で重要な部分になりますので、是非理解を深めましょう。

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