M&A・事業承継の理解を深める M&A総合研究所ポータル(旧M&A STORY)

Logo

この記事は、約 2分で読めます。
家族間の株式譲渡のポイントとは?課税される税金や事業承継税制の活用もご紹介

家族間の株式譲渡のポイントとは?課税される税金や事業承継税制の活用もご紹介

目次

    株式譲渡を家族で行う際のポイント

    事業承継の際に、引退する経営者が、その家族と株式譲渡を行うことは珍しくありません。

    株式はどれだけ保有するかによって、経営権が確立するかどうかが決まるため、事業承継において株式譲渡は非常に重要なプロセスだといえます。

    ただ、株式譲渡のやり方は複数あり、事業承継や後継者の事情に合わせて使い分ける必要があります。

    また、税金も考慮すべきものだといえるでしょう。

    今回は家族間で行う株式譲渡についてお伝えしていきます。

    家族間で行う株式譲渡とは?

    家族で行う株式譲渡はどういうものなのでしょうか?

    株式譲渡というと、投資家が上場会社の株式を購入したり、M&Aで買収する会社が株式を譲渡されるようなイメージがあるかと思います。

    しかし、事業承継の際に行われる家族間での株式譲渡は、そのような株式譲渡とは少し勝手が違っています。

    家族間の株式譲渡の最大の目的は経営権の譲渡であり、同時に後継者の経営体制を確立させるためのものです。

    そのため、重視されるのは「株式譲渡のスムーズな進行」、「発生し得るコストの低減」、「株式の散逸の防止」といったポイントが挙げられます。

    ただ、家族間の株式譲渡は様々な手法があり、いずれもメリット・デメリットがあります。

    だから、家族間で株式譲渡を行う際は、それぞれの手法の違いやメリット・デメリットを踏まえたうえで、上手く使い分けていく必要があります。

    また、承継させる株式の数も重要です。

    一般的に、経営権を実質的に獲得できるのは株式の過半数以上ですが、中小企業での事業承継なら、なるべく100%の株式を承継させておくことがおすすめです。

    中小企業は、その規模の都合上、経営者に依存した体制になっていることが多く、経営者の経営権が確立していないと、盤石な経営地盤が築きにくくなります。

    ましてや、株主総会で拒否権が発動できる3分の1以上の株式を持つ株主がいると、後継者の経営がうまくいかなくなるでしょう。

    だから、事業承継をする際には、中小企業であるなら、基本的に100%の株式の承継を目指しましょう。

    家族間で行う株式譲渡の手法

    家族で行う株式譲渡の手法には様々な種類があります。

    さきほどもお伝えしましたが、家族間で株式譲渡を行う際には、それぞれの手法の違いやメリット・デメリットを踏まえておく必要があります。

    家族で行う株式譲渡の手法は以下の通りです。

    相続

    事業承継のための株式譲渡の手法としてポピュラーなのが「相続」です。

    これは、単純に引退する経営者が亡くなったタイミングで、後継者に株式を相続させることによって、経営権を承継させるというものです。

    相続は経営者が遺書を作成し、後継者が相続されるように設定しておけば、まとめて株式を承継させることができるというメリットがあります。

    しかし、相続は遺留分減殺請求などで株式が散逸する可能性が高く、経営者が亡くなってから株式譲渡を行うため、経営者が株式譲渡をコントロールすることが難しいというデメリットがあります。

    もし相続すべき株式が散逸してしまうと、後継者の経営権が弱まってしまうだけでなく、最悪の場合だと経営者の地位が奪われてしまうことにもつながります。

    また、経営者が急死するなどして相続の準備が出来ていないようなケースだと、経営者が望む株式譲渡自体ができなくなってしまうリスクがあります。

    そのため、相続で株式譲渡を行うのであれば、あらかじめ後継者と協議し、相続について取り決めておいたり、信託を活用するなどして、早い段階から準備を進めておくことがおすすめです。

    贈与

    株式を贈与するという方法も、家族間の株式譲渡で活用する方法です。

    贈与は、あらかじめ経営者のペースに合わせて株式を後継者に承継させられるため、相続と比べると、後継者が株式譲渡のコントロールがしやすいという点がメリットだといえるでしょう。

    ただ、贈与は贈与税との兼ね合いが難しく、節税するためには計画的に贈与を行う必要があります。

    詳しくは後述しますが、贈与の際に課税される贈与税は、年間110万円以下の非課税枠が設けられており、その範囲内で贈与を行うことがポイントです。

    年間110万円以下のという金額を考えると、贈与による株式譲渡はかなり時間がかかるものだと考えた方がいいでしょう。

    そのため、贈与を行うのであれば、長期的な計画を組んでおくことが重要です。

    また、気を付けておきたいのは経営者が亡くなった場合、過去3年以内の贈与は相続扱いされてしまうという点です。

    そうなると、贈与税の非課税枠の範囲でやっていても、相続税の課税対象にされてしまう恐れがあります。

    株式の購入

    後継者が経営者から株式を購入するという手法も、株式譲渡において用いられやすいものです。

    株式の購入は後継者が一定以上の資金を持っていなければならず、資金力が弱いと実行できないというデメリットがあります。

    しかし、「一定以上の資金がなければ購入できない」という点は、後継者以外の候補を排除できる要素にもなります。

    つまり、役員に任命した後継者に、役員報酬を調整するなどしてあらかじめ一定以上の資金を用意させておけば、他の後継者候補が介入してくることを防げるようになります。

    株式の散逸を防ぐことを考慮すると、タイミングによっては相続扱いされてしまう贈与より、確実性が高いといえるでしょう。

    また、株式の購入も贈与と同様に、経営者がコントロールしやすい手法であるため、理想的な事業承継を行いやすくなります。

    家族で行う株式譲渡の際に課税される税金

    家族で行う株式譲渡の際、気を付けておきたいものが課税される税金です。

    株式譲渡に様々な手法があるなら、当然課税される税金も様々なものがあります。

    事業承継のための株式譲渡で課税され得る税金は以下の通りです。

    相続税

    相続による株式譲渡を行った場合、懸念すべきは当然相続税でしょう。

    相続税は、「3000万円+600万円×法定相続人の数」以下の財産であれば、納税が控除されるものです。

    しかし株式譲渡を行い、加えて現金や不動産などといった、他の財産も含めて相続を行うとなれば、控除される非課税枠を優に超えてしまうでしょう。

    さらに相続税は累進課税であるため、財産の総額が大きいほどに税率は上がり、納税する税額も増えていきます。

    相続税による負担を減らすには、とにもかくにも財産それ自体をいかに圧縮できるかが重要になります。

    例えば、生前贈与をある程度行い、あらかじめ相続する財産を減らしたり、現金を相続税評価額の低いアパートなどに変えておくような方法が考えられるでしょう。

    贈与税

    贈与を行う際に懸念すべき税金は贈与税です。

    贈与税は税率こそ相続税より低いですが、それでも後継者にとっては負担になってしまうものです。

    さきほどもお伝えしましたが、贈与税は非課税枠として年間110万円以下が設けられています。

    これを生かして贈与することを「暦年贈与」といいます。

    しかし、暦年贈与は、他の手法を組み合わせるにせよ、全ての株式の譲渡が完了するまで時間がかかってしまうでしょう。

    そのため、株式譲渡を行う経営者の中には、贈与する前に株価を圧縮し、譲渡にかかる総額を減らすという手段を使うケースが多くあります。

    一方で、相続時精算課税制度を活用することで贈与税を節税するという方法を使う人もいます。

    これは2500万円までの贈与を非課税にできる制度であり、年間110万円以下の非課税枠を活用する暦年贈与よりも、まとまった金額の贈与がしやすくなっています。

    しかし、相続時精算課税制度は一度使用すると暦年贈与が使えなくなってしまううえに、相続税の免除までは出来ないので注意しておきましょう。

    所得税

    シンプルに株式を購入した場合、株式を売却する側、つまり引退する経営者側に所得税が課税されます。

    株式譲渡の際の所得税は、まず売却価格から取得費と手数料を差し引いて「譲渡所得」を算出した後、所得税と住民税の、合わせて20.315%の税率で計算して算定されます。

    相続税や贈与税と違い、所得税の税率は一律になっているので注意しておきましょう。

    また、株式譲渡の場合の所得税は申告分離課税になっており、他の所得と合わせて計算することはできないので気を付けてください。

    家族間の株式譲渡の際には専門家の協力を得よう

    家族間で株式譲渡を行う場合、事業承継が目的であるのならば、必ず専門家の協力を得るようにしておきましょう。

    株式のやり取り自体は個人でもできるものですが、中小企業のように非上場株式を扱うことが多いと、株価を譲渡する際に算定する必要がでてきます。

    しかし、株価の算定は決して簡単ではなく、その会社の企業価値を多角的な観点から算定することから始めなければならないため、専門的な知識が必要になります。

    加えて、相続・贈与・購入といった様々な手法を用いて、いかに効率的に後継者に株式譲渡を行うかも、素人だけで考えるのは難しいですし、節税も行いたいとなると、ますます専門的な知識が求められるようになるでしょう。

    また、事業承継は株式譲渡だけでなく、後継者の選定や育成なども踏まえて行う、非常に長期的なものです。

    会社によっては事業承継が完了するまで10年近くかかることもあるため、これを経営者だけで行うは大変でしょう。

    だから、税理士や会計士、弁護士などといった専門家の協力は必要不可欠だといえます。

    とりわけおすすめなのが税理士、弁護士、経営コンサルティング会社です。

    昨今は中小企業の事業承継が重要視されているため、中小企業の事業承継サポートを専門的に行う専門家は増えています。

    経験豊富な専門家がサポートしてくれるだけでも、事業承継の進行度はだいぶ変わります。

    それに、万が一相続などでトラブルが発生したとしても、弁護士のような専門家がいればトラブルを未然に防いでくれることもありますし、交渉や訴訟でも有利に立ち回れるでしょう。

    他方で、専門家に協力を依頼する際には、相手の実績や手腕をちゃんとチェックしておくことが重要です。

    とりわけ節税のような場面では、担当する専門家の腕一つで結果が左右されることが珍しくないため、ちゃんと実績があり、手腕が評価されている専門家を選ぶようにしておきましょう。

    専門家を雇う費用は決して安くないため、中途半端な専門家を選んでしまうと、理想的な事業承継を実現しにくくなります。

    事業承継税制を活用しよう

    家族間の株式譲渡による事業承継を行う場合、ぜひとも活用しておきたいのが事業承継税制です。

    事業承継税制は中小企業が事業承継を行った際にかかった相続税や贈与税に、納税猶予、あるいは納税免除を与えてくれるというものです。

    元々事業承継税制は相続税と贈与税の80%に納税猶予を与えてくれるというものでしたが、平成30年度に改正されてからは、なんと100%の納税猶予が与えられるようになりました。

    事業承継を行った会社の後継者が、また新たに事業承継を行えば、そのまま納税免除になるため、実質的に事業承継に伴う相続税と贈与税を支払わなくてもよくなるというわけです。

    ただ、当然ながら事業承継税制の納税猶予や納税免除を受けるには、いくつかの条件をクリアしておく必要があります。

    中でも注意しておきたいのが「事業承継を行ってから5年間はその後継者が経営者でいること」、「事業承継を行ってから5年間はその会社の株式を保有し続けること」、「事業承継を行ってから5年間はその会社の雇用の8割を維持すること」の3点です。

    とりわけ3つ目の「事業承継を行ってから5年間はその会社の雇用の8割を維持すること」は、後継者にとって少し難しい条件かもしれません。

    事業承継税制は、これらの条件を守れなかったからといって、すぐに納税猶予が打ち切られるわけではありません。

    経営状況の悪化や正当な理由があれば、納税猶予は続行されます。

    しかし、認定機関と経営を立て直すことを求められるため、後継者の自由度が下がってしまうことになります。

    まとめ

    家族間で行う株式譲渡は、円滑な事業承継や節税など、考えなければならない事柄が多くあります。

    そのため、経営者個人で全てを進めることは決して簡単ではありません。

    理想的な事業承継を達成したいのであれば、株式譲渡を行う段階から、税理士や弁護士などといった専門家のサポートを得ておくことがおすすめです。


    M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所

    M&A・事業承継のご相談なら専門の会計士のいるM&A総合研究所にご相談ください。
    M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

    M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

    1. 業界最安値水準!完全成果報酬!
    2. M&Aに強い会計士がフルサポート
    3. 圧倒的なスピード対応
    4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
    >>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

    M&A総合研究所は会計士が運営するM&A仲介会社です。
    企業会計に強く、かつM&Aの実績も豊富です。全国にパートナーがいるので案件数も豊富。
    また、業界最安値水準の完全成果報酬制のため、M&Aが成約するまで完全無料になります。
    まずはお気軽に無料相談してください。

    >>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

    電話で無料相談WEBから無料相談
    • 02
    • 03
    • 04
    • 05
    お電話でのご相談
    03-6427-8841
    WEBから無料相談