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株式非公開化とは?メリット・デメリットや非公開化の事例、意味を解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

株式非公開化とは、その名の通り公開されている株式を非公開化することです。一般市場に株式を公開している上場会社であるなら株式非公開化することによって上場廃止となります。株式非公開化は一見するとメリットがわかりにくい一面もあるかもしれませんが、会社の長期的な経営改革を行う上で有効的な戦略だといえます。

目次

    株式非公開化

    株式非公開化を行う会社は少なくありません。

    上場している大企業を中心に株式非公開化を進める動きが近年目立っており、株式非公開化が有効的な経営戦略として扱われていることがわかります。

    しかし上場している会社がわざわざ上場廃止をしてまで株式非公開化を行うのはなぜでしょうか?

    今回は株式非公開化の意味やメリット・デメリット、テスラなど実際に株式非公開化を行った事例などをお伝えします。

    株式非公開化とは?どんな意味?

    まずは株式非公開化の意味についてお伝えします。

    株式非公開化とは、その名の通り公開されている株式を非公開化することです。

    一般市場に株式を公開している上場会社であるなら株式非公開化することによって上場廃止となります。

    株式非公開化は「ゴーイングプライベート」「プライベタイゼーション」とも呼ばれています。

    株式非公開化は一見するとメリットがよくわからない経営戦略に見えるかもしれません。

    そもそも株式を公開し、上場することは一般投資家に広く出資を募ることでより安定化した資金調達を実現します。

    また上場としているという事実はその会社にとって大きなステータスになります。

    上場しているだけでも会社の格が上がり、社会的な信用性も向上します。

    しかし上場しているということは一種の足枷になってしまうこともあります。

    上場している以上、その会社は出資してくれる一般投資家の意向に配慮する必要がでてきます。

    投資家、すなわち株主の権利や利益を保護することは当然だからです。

    ただ、株主の意向を伺うことは時に会社の意思決定を滞らせることになりかねません。

    近年は株主の権利や利益を保護する傾向が強まっており、海外の投資家や機関投資家を中心に会社の経営状態の改善や利益配当を求める声が高まるようになりました。

    株主が大切な存在とはいえ、外部から何かと要求をつきつけられれば会社の経営の舵取りがやりにくくなります。

    加えて投資家の短期志向も強まってきたため、長期的な経営改革も難しくなりました。

    そんな状況を打開するために株式非公開化が行われます。

    株式非公開化を行うことで、その会社は経営権を完全に掌握し、少数株主を排除することで意思決定の迅速化や長期的な経営改革ができるように組織再編や合理化を図っていくわけです。

    また、M&Aを行うことを見越し、あえて株式非公開化を行うというケースもあり得るでしょう。

    そうすれば株主の反対を受けずにM&Aを行うことが出来るからです。

    もし株式非公開化を経てからM&Aを行っていくのなら、M&A総合研究所にご相談ください。

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    株式非公開化のメリット・デメリット

    ここでは株式非公開化のメリット・デメリットについてお伝えします。

    ①株式非公開化のメリット

    株式非公開化のメリットは以下のようなものが挙げられます。

    意思決定の迅速化と会社運営の円滑化

    株式非公開化によって得られる最大のメリットは意思決定の迅速化と会社運営の円滑化でしょう。

    さきほどもお伝えしたように、株式非公開化をして上場廃止をすることは少数株主を排除できるため、会社が何かしらの意思決定をする際の支障がなくなります。

    株主総会の開催時期を短縮化できるうえに取締役の任期を10年にまで延ばせることも大きなメリットだといえるでしょう。

    また経営改革を行う際に株主に阻止されたり、経営状況の悪化で株主の非難を受けて動きにくくなるような事態も避けられるため、会社運営をよりスムーズに、スピーディーに行えるようになります。

    株式非公開化を行えば株式を公開していると発生する制約から解放されるため、自由な経営を実現することが可能になります。

    事務作業の効率化

    事務作業の効率化も株式非公開化で得られる恩恵の一つです。

    株式公開をしていると会社の財務状況などを逐一公開したり、金融商品取引法で定められた時期に決算を行うなど必要な事務作業が多くなっています。

    いずれも有価証券報告書の提出や株主保護のために必要な作業ですが、こういった作業の時間やコストを取られることは時にデメリットになり得ます。

    株式非公開化を行えば、これらのような作業から解放されるため事務作業を効率的に行えるようになりますし、コストも下げることができます。

    買収防衛策として機能する

    株式非公開化は買収防衛策につながることです。

    株式公開を行うということは敵対的買収を仕掛けられるリスクを常に背負い続けることでもあります。

    株式が公開されていると誰でも取得することが可能になるため、もし敵対的買収を考えている会社がいればターゲットにされてしまうリスクが発生します。

    株式非公開化はある意味究極的な買収防衛策です。

    敵対的買収は株式が公開されているから発生しやすいものであり、株式非公開化を行えば敵対的買収を考えている会社は株式の取得が難しくなります。

    さらに株式非公開を通じて会社が100%の株式を取得し、完全に経営権を掌握すれば、経営権が分裂するようなリスクも避けられるため、より会社の経営権を安定させられるでしょう。

    近年は敵対的買収の件数が少なくなっていますが、それでも経営権を守るために株式非公開化を行うことは有効的な戦略だといえるでしょう。

    ②株式非公開化のデメリット

    株式非公開化のデメリットは以下のようなものが挙げられます。

    資金調達の手段が限られる

    株式非公開化のデメリットとして代表的なものが資金調達の手段が限られるという点でしょう。

    上場すれば一般投資家から出資を得られるため、資金調達として有効的な手段として使えます。

    しかし株式非公開化を行えば当然ながら一般投資家からの出資が得られなくなります。

    そのため株式非公開化を行う際には資金調達の手段をしっかり確立させてから行うべきだといえるでしょう。

    一般株主との利益相反が発生する

    株式非公開化を行うにあたって一般株主との間に利益相反が発生する可能性があることもデメリットだといえます。

    株式非公開化は株式の流動性を損なう行為であり、株式公開をしている状況と異なる状態であるため一般株主が損失を被るリスクがあります。

    一般株主を残したまま株式非公開化に踏み切るのであれば、株式非公開化を行う背景や理由、そのスキームをちゃんと株主に説明し、理解を得てもらう必要があります。

    また株式非公開化を行ってからも一般株主の利益相反を生み出さないように意思決定の構造を構築するべきでしょう。

    一般株主がいる状態での株式非公開化は一般株主への配慮を怠らないようにしておくことが重要です。

    株式非公開化の流れと手順

    ここでは株式非公開化のステップと手順についてお伝えします。

    株式非公開化のスキームは大きく分けて2種類あります。

    ①スクイーズアウトを用いたMBO

    株式非公開化を行う際によく使われるスキームがスクイーズアウトを用いたMBOです。

    プロセスとしてはTOBを行い、株式非公開化を行う会社の株式の3分の2以上を買収し、TOBに応募しなかった少数株主に向けて全部取得条項付種類株式などに株式を変更したり、組織再編を行うなどして残りの株式を取得していきます。

    このようにスクイーズアウトを用いたMBOは二段階に分けて買収を実行するため、二段階買収とも呼ばれています。

    スクイーズアウトを用いたMBOで注意しておきたい点は、このプロセスには利益相反が発生してしまう構造が内包されているという点です。

    経営陣(取締役)は株主を権利や利益を保護しなければならないのに対し、MBOを行う際には少しでも安く株式を取得するものです。

    そのため本来株主が得るべき利益が経営陣の方に渡ってしまうような状況が出来上がってしまう恐れがあります。

    スクイーズアウトを用いたMBOで株式非公開化を行う際は企業価値を高めるものだということをちゃんと株主に理解してもらうようにしておくべきでしょう。

    ②完全子会社化

    対象の会社を完全子会社化することも株式非公開化の行うプロセスの一つです。

    こちらもスクイーズアウトを用いたMBOと同じプロセスで行われ、株式を100%取得することで完全子会社化し、株式非公開化を達成します。

    ただ、こちらにも同じように利益相反の問題が発生するリスクがあるため、注意しておく必要があります。

    株式非公開化の事例

    ここでは株式非公開化の事例をいくつかご紹介します。

    ①レックス・ホールディングスによる株式非公開化

    牛角などといった飲食チェーンを抱えるレックス・ホールディングスは2007年にMBOにより株式非公開化を行っています。

    レックス・ホールディングスが株式非公開化を行った理由は経営再建であり、経営の立て直しに集中するために株式非公開化に踏み切りました。

    また決算短信で度重なるミスを犯すなど、バックオフィス業務の肥大化によるトラブルも発生しており、そういった部分の改善も兼ねていたかもしれません。

    しかしレックス・ホールディングスが株式非公開化のために行ったMBOは株価が不当に安く設定されていたとして一部株主が反発し、訴訟を起こすなどトラブルがつきないものでした。

    株式非公開化のためのMBOで株主の利益相反を生み出してしまった典型例だといえます。

    ②テスラによる株式非公開化

    電気自動車やソーラーパネルなど製造・販売を行っているアメリカのテスラの事例は厳密にいうと株式非公開化の事例ではなく、株式非公開化を「行わなかった」事例です。

    テスラの会長であるイーロン・マスクは株式非公開化を行うとTwitterで宣言しておきながら、2週間後には撤回しているという奇妙な行動をとっており、そのために株価を乱高下させたとしてイーロン・マスクは2000万ドルの罰金をアメリカの証券取引委員会に支払い、会長職を辞任しています。

    そもそもイーロン・マスクは負債が膨れ上がっているテスラを立て直すために実際に株式非公開化を進めていたといわれていますが、実際にテスラが株式非公開化に向けて動いていたかは信憑性が疑われる部分もあり、結果的には株価操作の一環として行われたという嫌疑もあります。

    ただ、仮に株式非公開化をちゃんと進めていたとしても一般株主の猛反対もあったため、いずれにせよ頓挫していたでしょう。

    テスラの事例は軽はずみな株式非公開化が非難を受けるだけでなく、株価へ著しい影響を与えることを顕著に示しているといえます。

    ③ヤギコーポレーションによる株式非公開化

    ユニフォーム製造の大手であるヤギコーポレーションは2006年にMBOを通じて株式非公開化を実施しました。

    理由としては短期的な業績や株主の思惑に左右されることなく、会社の抜本的な経営改革を行うためです。

    さきほどお伝えしたように、株式を公開していることは長期的な経営改革が難しくなってしまうという現状があります。

    ヤギコーポレーションはより集中して長期的な経営改革を行うために、株式非公開化を行ったわかりやすい事例だといえるでしょう。

    株式非公開化という戦略

    「株式非公開化の事例」で見て頂いたように、株式非公開化は会社再建や長期的な経営改革への集中といった目的で行われることが多い戦略です。

    いずれの動機にせよ株式を公開していることによって発生するデメリットを断ち切り、会社の意思決定をより迅速化し、経営を左右する余計な雑音を排除するための戦略という点では共通しているといえます。

    ただ株式非公開化が失敗につながりやすい要因として最も大きいのはやはり既存の株主との利益相反です。

    株式非公開化を行うに際していかに既存株主の不利益を生み出さず、同時に株式非公開化への理解を持ってもらうかが重要な命題となるといえるでしょう。

    また会社によってはテスラのように株式非公開化を行うということを公表することによって株価が大きく変動することも充分にありえます。

    そのため株式非公開化はそれだけ株主や市場に影響を与える戦略であることを十分に熟知し、慎重に検討するべき戦略だといえるでしょう。

    テスラやレックス・ホールディングスのように、万が一経営陣と既存株主の間でトラブルが発生するような事態になれば会社の心証やブランドイメージが低下する恐れもあります。

    さきほどお伝えしたように、株式非公開化のプロセスは必然的に利益相反が発生する構造になっているため、いかに利益相反を回避できるかを慎重に検討することが需要です。

    まとめ

    株式非公開化は一見するとメリットがわかりにくい一面もあるかもしれませんが、会社の長期的な経営改革を行ううえで非常に有効的な戦略だといえます。

    しかしやり方を間違えると既存の株主に不利益を発生させるだけでなく、株主との対立も招きかねないため、会社都合で実行しないように注意が必要です。

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