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自社株の事業承継について解説します

自社株の事業承継について解説します

目次

    自社株の事業承継

    日本各地で多くの経営者が高齢になり、事業承継を検討する企業が増えています。

    事業承継は、信頼する後継者に会社を継いでもらう大事なイベントです。

    事業承継では経営ノウハウや店舗設備等、様々な資産を引き継ぎます。

    様々ある資産の中で、特に重要なものが自社株です。

    自社株とは、事業を運営する上で欠かせない資産です。

    事業承継を成功させる上で、円滑な自社株の承継は欠かせません。

    円滑な自社株承継を実現する為には、いくつかのポイントがあります。

    そこで今回、自社株の事業承継について詳しく解説します。

    自社株引き継ぎのポイントや節税対策、事業承継に役立つ情報をお伝えします。

    自社株承継のポイント

    まず初めに、事業承継における、自社株承継のポイントについて紹介します。

    事業承継を実施する上で、重要な部分をご紹介します。

    事業承継では、最低限ここで紹介するポイントを意識してください。

    ⑴事業承継の準備

    大前提として、事業承継は計画的に実行する必要があります。

    事業承継では、資産の承継や後継者教育、やるべき手続きが山ほどあります。

    事業承継の準備は時間がかかり、すぐに準備できる訳ではありません。

    経営者が健在のうちに、計画的に事業承継の準備を進める必要があります。

    特に自社株の承継は、事業承継の中でも重要な要素となり、優先的に考えなくてはいけません。

    自社株は会社の経営権に直結するからです。

    自社株の承継が円滑に進まないことで、事業承継後の経営が難しくなります。

    また誰に事業を承継するかによって、自社株引き継ぎの手続き、準備が変わります。

    早い段階で、誰を後継者にするか決めるか?を決めることも大切になります。

    いかに早い時期から準備できるかが、事業承継の成功を左右します。

    ⑵経営権を後継者に

    円滑な事業承継のためには、経営権を後継者に集中させることが不可欠です。

    経営権とは、会社の運営に関わる権利全般を指します。

    株式会社の場合、自社株の保有割合で経営権の強さが決まります。

    原則株式会社では、一つの自社株で一つの議決権を行使できます。

    過半数の自社株を保有していれば、普通決議を独断で行えます。

    普通決議とは、取締等の役員の選任や剰余金の配当、準備金の減少等に関する決議です。

    また、自社株の保有割合が3分の2以上になると、特別決議を独断で行えます。

    特別決議とは、M&A(組織再編行為)の決定や定款の変更、株式併合等に関する決議です。

    上記の通り、自社株の保有割合が高いほど、会社の根幹部分に関して権限を行使できます。

    確実に後継者に経営権を移転するならば、3分の2以上の自社株承継が不可欠です。

    ただし中小企業の事業承継では、100%の移転がベストです。

    自社株の集中方法については、後ほど解説します。

    ⑶事業承継における節税

    事業承継の中で、経営権の引き継ぎと同程度に重要な節税。

    自社株の事業承継では、相続税や贈与税の税金が課されます。

    事業承継では、一人の後継者が全ての自社株を受け継ぎます。

    そのため、莫大な相続税(贈与税)が後継者に課されてしまいます。

    ここで厄介なのが、税金発生の仕組みです。

    贈与税や相続税は、自社株の評価額を基に算出されます。

    しかし事業承継後、自社株を換金する訳ではありません。

    実際には現金を得ていないのに、税金の支払いだけが発生します。

    税負担を理由に、事業承継後の資金繰りが悪化する場合もあります。

    そもそも税金を理由に、事業承継を遂行出来なくなる恐れもあります。

    その為、自社株を引き継ぐ際は節税を意識しなくてはいけません。

    事業承継で活用できる節税方法は、後ほど解説します。

    ※関連記事

    事業承継とは?方法や事業承継税制・補助金、M&Aでの活用について解説

    自社株の承継方法

    自社株の承継方法は、「誰に事業承継するか」と「いつ事業承継するか」の二つの視点から分類できます。

    今回の記事では、「いつ事業承継するのか」の観点から、自社株の承継について解説します。

    いつ事業承継するかによって、実行すべき自社株対策が変わってきます。

    事業承継のタイミングについては、早い時期に決定するのが望ましいです。

    ⑴相続による事業承継

    まず初めに、「相続による事業承継」について解説します。

    経営者が亡くなった時点で、相続により自社株を受け継ぐ方法です。

    自社株の承継時には、後継者に相続税が発生します。

    遺言書や後述する特例を活用しなければ、遺産分割協議に則って遺産を相続します。

    その為、事業承継には不十分な自社株しか引き継げない可能性があります。

    自社株を後継者に集中させる手段として、遺言書や経営承継法の特例活用が有効です。

    また、「相続がいつ発生するのか予測できない」点にも注意が必要です。

    遺言書を残していても、それを書いた時点と事業承継の時点とでは、状況が異なる場合があります。

    よって、遺言書をその都度書き換えることをオススメします。

    いつ事業承継が発生しても大丈夫なように、前もって準備しておくことが重要です。

    ⑵贈与による事業承継

    次に、「贈与による事業承継」について解説します。

    経営者が存命の内に、生前贈与により自社株を受け継ぐ方法です。

    贈与による事業承継には、計画的に自社株を引き継げるメリットがあります。

    加えて、株価が低いタイミングで引き継ぐことで、節税対策にも繋がります。

    贈与により事業承継を実施する際、贈与税がポイントとなります。

    贈与税の課税方式には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の二つが存在します。

    暦年課税とは、年間110万円までの贈与ならば、非課税となる制度です。

    110万円を超えると、累進課税によって贈与税が課されます。

    累進課税のため、まとめて自社株を引き継ぐと、多額の贈与税がかかってしまいます。

    よって累進課税を用いる場合には、年間110万円以内の贈与に抑えましょう。

    一方で相続時精算課税とは、計2,500万円までの贈与が非課税となる制度です。

    2,500万円を超える贈与については、一律20%の税率分の贈与税が発生します。

    まとめて自社株を贈与する場合には、この制度の選択がオススメです。

    ただし贈与した財産については、後々相続税の計算に含まれます。

    加えて、一度この制度を適用した当事者間の贈与については、暦年課税に戻せません。

    贈与による事業承継では、上記の点に注意しましょう。

    ⑶売却による事業承継(M&A)

    タイミングの観点とは関係ありませんが、自社株を売却する形で事業承継することも可能です。

    従業員に売却する場合、M&Aによって第三者に売却するケースが一般的です。

    売却による事業承継では、自社株は相続財産の対象から外れます。

    その為、遺留分関係でのトラブルが発生する心配がありません。

    後継者に経営権を確実に引き継ぐ上では、最も効果的な方法です。

    ただし、後継者には自社株を買収するだけの資金が必要です。

    また事業承継の際には、売り手側の株式譲渡益に対して所得税が発生します。

    加えて後継者側に、贈与税が発生する場合もあります。

    売却による事業承継では、税金と買収資金の二点に注意しなくてはいけません。

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    事業承継の方法

    自社株の株価算定

    事業承継で節税する為には、自社株の価値を把握する必要があります。

    何故なら、自社株の価値次第で税額が決定するからです。

    加えて、実行すべき節税対策も異なります。

    ここでは、自社株の株価算定方法についてご紹介します。

    ⑴純資産価額方式

    純資産価額方式とは、純資産に着目して、自社株の株価を算定する手法です。

    小会社や株式保有特定会社等の事業承継では、この手法を用います。

    純資産を基準にする為、歴史のある企業ほど算出される株価が高くなります。

    また、短期的な利益変動等の影響を受けにくいのも特徴です。

    用いるデータが貸借対照表の項目だけなので、比較的自社株の価値を算出しやすいです。

    純資産価額方式では、「時価純資産」と「簿価純資産」のどちらかを利用します。

    時価純資産を用いた方が、正確な自社株の価値が算定されます。

    ⑵類似業種比準方式

    類似業種比準方式とは、「類似業種」を基準に自社株の価値を算定する手法です。

    つまり、自社事業と類似する業種に属する上場企業を参考にします。

    大会社の事業承継では、この手法を用います。

    算出される株価は、上場企業の株価や国際情勢の変化に影響を受けやすいです。

    また、自社の配当金や利益額、純資産を減少させると、自社株の価値が下落します。

    株価算定に用いる類似業種のデータは、国税庁HPで参照可能です。

    ⑶併用方式

    併用方式とは、「類似業種比準方式」と「純資産価額方式」を併用する方式です。

    中会社の事業承継では、この手法を活用します。

    総資産額や従業員数、取引金額等を基に、各方式の比重を決定します。

    ⑷配当還元方式

    配当還元方式とは、名前の通り配当金を基準に、自社株の価値を算定する手法です。

    同族株主ではない人物が自社株を受け継ぐ際には、この手法を活用します。

    事業承継を行う企業の規模は無関係となります。

    配当金額のみを参考にする為、通常は他の手法を用いる場合よりも株価は低くなります。

    配当金の安定が使用条件となる為、非上場企業の自社株に用いるのが一般的です。

    また事業承継だけでなく、M&Aの価値算定にも用いられる場合があります。

    M&Aの実務では、インカムアプローチと呼ばれる手法です。

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    事業承継の株価算定

    事業承継における自社株対策

    最後に、事業承継における自社株対策についてご紹介します。

    事業承継を成功させる為には、自社株の承継が鍵を握っています。

    自社株の引き継ぎが成功するかが、事業承継の成功を左右します。

    事業承継を成功させたい方必見です。

    ⑴後継者への経営権集中(経営承継法の特例)

    まず一つ目の自社株対策として、「後継者への経営権集中」をお伝えします。

    事業承継を成功させる為には、経営権を後継者に集中させる必要があります。

    贈与を用いる場合には問題ありませんが、相続を用いる場合には注意が必要です。

    何故なら、遺留分の問題があるからです。

    遺留分とは、一定の親族に保障されている最低限の遺産です。

    自社株承継により他の相続人の遺留分を侵害した場合、遺留分減殺を請求されるリスクがあります。

    遺留分減殺請求が行われると、経営権確立に必要な自社株が分散します。

    その結果、事業承継後の経営に支障が出る恐れがあります。

    上記のリスクを軽減する上で、「経営承継法の特例」の活用は有効です。

    具体的には、「除外合意」と「固定合意」を活用しましょう。

    除外合意とは、事業運営に必要な自社株を遺留分の対象から除外する制度です。

    一方で固定合意とは、自社株の株価上昇分を遺留分の計算に含めない制度です。

    上記二つの制度を活用することで、自社株の分散を防ぎ、後継者の経営権を確立出来ます。

    経営承継法の活用には、経済産業大臣の確認等の手続きを経る必要があります。

    中々複雑な部分もあるので、専門家に手続きの支援を依頼するのがオススメです。

    ⑵株価の引き下げ

    経営者からすると、自社株の株価は高い方が良いと思うかもしれません。

    株価は高い方が、自社に対する評価が良いと見なされるからです。

    しかし事業承継に限れば、自社株の株価は低い方がお得です。

    自社株は優良な企業の方が、株価が高くなる傾向があります。

    下記に該当する場合、自社株の評価が高くなる可能性が高いです。

    • 業績が良い
    • 独自の技術力やノウハウがある
    • 会社所在地の地価が高騰している

    上記に該当する場合、特に株価の引き下げが不可欠となります。

    ここでは、いくつか自社株の価値を下げる手法をご紹介します。

    ①生命保険の活用

    事業承継の節税対策として、古くから利用されてきた手法です。

    簡単に言うと、高額な生命保険に加入し、加入直後に自社株の引き継ぎを完了させます。

    これにより、株価を大幅に下げた上で自社株を引き継げます。

    結果として、事業承継の節税に繋がります。

    ただし生命保険ならば、何でも良い訳ではありません。

    自社株対策に用いる為には、様々な条件を満たす必要があります。

    生命保険を活用する場合には、専門家の助力を得て入念に準備しましょう。

    ②役員退職金の活用

    経営陣に支払う役員退職金も、自社株対策の一つです。

    役員退職金が支払われると、その分利益が圧縮されます。

    その結果株価が下落し、節税につながります。

    また役員退職金は、事業承継の資金に充てることも可能です。

    自社株と言うよりは、事業承継全般にメリットのある手法です。

    ⑶事業承継税制の活用

    事業承継を実施する際には、税制活用の検討も不可欠です。

    事業承継税制とは、一定条件を満たした場合に、相続税・贈与税の納税が猶予される制度です。

    自社株承継の税負担を軽減できる為、是非とも活用したい制度です。

    平成30年度の税制改正によって、従来よりも活用しやすい制度となりました。

    従来は、議決権株式総数のうち3分の2しか猶予対象となりませんでした。

    しかし改正により、承継する全ての自社株が納税猶予の対象となりました。

    加えて相続税・贈与税共に100%猶予される様になりました。

    上記の通り今回の改正は、中小企業にとって追い風となるものでした。

    事業承継を実施する方は、是非一度この税制活用を検討してみてください。

    ただし事業承継税制の活用には、様々な条件を満たす必要があります。

    税制活用の際には、税理士等の専門家に一度相談しましょう。

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    事業承継と株式の関係とは?自社株の承継や株価対策、株式譲渡について解説します

    まとめ

    今回は、自社株の事業承継についてお伝えしました。

    事業承継の中でも、自社株の承継は非常に重要です。

    経営権の確立や節税を成功させる上で、自社株対策は必要不可欠です。

    事業承継の方法には、相続や贈与、売買等の手法があります。

    用いる方法によって、最適な自社株対策は異なります。

    ですので、事業承継の際にはまず初めに、「誰に」「いつ」事業承継するのかを決定しなくてはいけません。

    さもないと、自社株の対策を実施しようにもできません。

    経営者が健在のうちに、誰を後継者とするかは確実に決めましょう。

    後継者が決定したら、早速自社株対策を考えるのがベストです。

    対策方法を知っているか否かで、事業承継の成功が左右されます。

    ここでご紹介した知識を活かして、事業承継を成功させてください。

    要点をまとめると下記になります。

    • 自社株承継のポイント

    →事業承継は計画的に、経営権を後継者に集中させる、節税を意識する

    • 自社株の承継方法

    →相続による事業承継、贈与による事業承継、売却による事業承継(M&A)

    • 自社株の株価算定

    →純資産価額方式、類似業種比準方式、併用方式、配当還元方式

    • 事業承継における自社株対策

    →後継者への経営権集中(経営承継法の特例)、株価の引き下げ、事業承継税制の活用

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