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家業や親の会社の引き継ぎとは?会社を継ぐタイミングやメリット・デメリットをご紹介

家業や親の会社の引き継ぎとは?会社を継ぐタイミングやメリット・デメリットをご紹介

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

家業や親の会社の引き継ぎとは

「家業を継ぐ」「親の会社を引き継ぐ」といった事例を聞いたことがある方も多いでしょう。
例えば、ある家業につき、創業者、二代目、三代目のように受け継いでいくケースなどがあります。何代にも渡って家業が受け継がれていくと、「代々続く老舗」などと評価を得ることができます。また、親が経営している会社につき、子供が後継者として事業を引き継ぐケースもあります。

さて、家業・親の会社の引き継ぎは、一昔前は当たり前のように行われていました。一方で、多様な働き方がある現代では、子供が事業を引き継がないケースも増えています。経営者の子供にとっては、家業・親の会社を引き継ぐのか、それとも他の道を歩むのか、大きな分岐点になるわけです。そのため、家業・親の会社の引き継ぎについては、メリットやデメリットなどを踏まえ、総合的に判断する必要があります。

以下、家業・親の会社の引き継ぎについて、そのタイミング、メリット・デメリットなどのポイントをご紹介します。

家業や親の会社を継ぐタイミング

家業や親の会社の引き継ぎを考える場合、そのタイミングに迷う方は多いです。具体的にどのタイミングで継ぐべきか、代表的なケースを整理しておきましょう。
 

年齢的なタイミング

一般的には、親の年齢が60代後半を迎えたあたりで子供と交代するケースが比較的多く見られます。これには、「70代になると体力的に事業経営が難しいため、その前に子供と交代しておく」といった事情が考えられます。

このように考えると、子供の年齢というより親の年齢によってタイミングが決まると言えます。事業を引き継ぐ際の子供の年齢は家業・会社によって異なるので、親の年齢を具体的な目安にするとわかりやすいです。

一方で、子供の年齢があまりに若い場合は、家業・親の会社の引き継ぎはハードルが高いと言えます。この場合は、子供がある程度の年齢になってから家業・事業を引き継がせることが好ましいでしょう。ただ、親の方で事業を経営することが難しいのであれば、若くして家業・会社を引き継ぐケースもあります。

いずれにせよ、家業や親の会社の引き継ぎは、年齢的なタイミングが大きく影響します。

相続による引き継ぎ

親が亡くなったことにより、家業・会社を引き継ぐケースもあります。この場合、相続として会社の株式や資産などを引き継ぎ、子供が後継者となります。

一方で、相続によって家業・会社を引き継ぐ場合、相続税などに注意しなくてはなりません。生前に親から事業を引き継ぐケースよりも、税金処理などの負担がかかりやすくなります。

また、相続では株式の扱いにも注意が必要です。例えば、相続人が何人かいる場合、遺言で特に指定されていなければ、相続財産は法定相続分に基づいて相続人が共有します。相続財産に株式があれば、その株式は相続人が共有する形になります。もし、事業を引き継ぐ形で特定の一人が株式を保有したい場合は、遺産分割が必要です。

このように、税金や株式の扱いなどで、複雑な手続きが求められる場合があります。家業・親の会社の引き継ぎを考えている場合には、こうしたケースについてもある程度考慮しておく必要があります。

周りからのプレッシャー

周りからのプレッシャーもあって家業や親の会社を引き継ぐというケースも多いです。
経営者である親が高齢になれば、子供に事業を引き継いでもらいたいと考えることは自然と言えるでしょう。こうした親の気持ちがプレッシャーとなり、そのタイミングで子供が家業・会社を引き継ぐといったケースも少なくありません。もともと引き継ぐつもりはなかったものの、周りからのプレッシャーによってやむを得ず後継者になるといったケースも見られます。

ただし、周りからのプレッシャーは悪い意味だけではありません。プレッシャーが背中を後押しすることで、引き継ぐ決心がつくこともあります。こうしたケースでは、迷いがなくなるという意味で、プレッシャーが良い方向に働いています。

引き継ぎを約束している

家業・親の会社の引き継ぎを、昔から約束している場合もあります。例えば、「数年間は他の会社で働き、家業に必要な社会人としてのスキルを身につけ、一定の年齢に達したら家業を引き継ぐ」といった約束をしているケースです。この場合は、約束で決められたタイミングで家業・会社を引き継ぐことになります。

特にかなり昔から約束をしている場合は、子供としても引き継ぐ覚悟がある程度決まっています。こうした意味では、先ほど触れたプレッシャーによる引き継ぎとは異なります。

家業や親の会社を継ぐことに悩む人は多い

家業・親の会社の引き継ぎは、ただ子供が継げば良いわけではありません。経営を引き継ぐ以上、社会人としての高度なスキルはもちろん、経営者としての手腕も求められます。そのため、事業の引き継ぎにプレッシャーやリスクを感じてしまう方もいます。

また、親と子供では、得意分野・不得意分野も異なるでしょう。親が経営者としての手腕があったとしても、子供が経営に向いているとは限りません。子供の方で「自分は経営者に向いていない」と感じれば、家業・会社を継ぐことに抵抗を覚えるでしょう。

さらに、事業の経営は、そう簡単に辞められるものではありません。家業・親の会社を継ぐということは、ある意味で後戻りができない状態になります。そのため、リスクなどを感じて事業の引き継ぎを躊躇してしまう方もいます。

このように、家業や親の会社を引き継ぐことに対し、悩んでしまう方は多いです。一方で、事業を引き継いで成功させたという事例ももちろんあります。家業・親の会社の引き継ぎは、タイミング、メリット・デメリットなどを把握したうえで、様々な観点から検討することが大切です。

家業や親の会社を継ぐメリット・デメリット10選

それでは、家業や親の会社を継ぐメリット・デメリットについて、詳しくご紹介します。

メリット

①勤務時間の調整が可能
従業員のような決まった勤務時間がないため、その時の状況に合わせて柔軟な調整が可能です。例えば、「今日は仕事が少ないから早めに切り上げよう」「今日はまとめて仕事を終わらせよう」といった調整は、通常の従業員よりもはるかに柔軟に実現できます。

②定年・リストラの心配がない
経営者である以上、定年やリストラの心配がありません。ただし、経営を順調に進める手腕はもちろん必要です。

③事業の方向性を決めることができる
家業・親の会社を継ぐといっても、自分の裁量で事業を展開することもできます。例えば、既存の事業と合わせて新規事業を立ち上げる、既存の事業を先代とは異なるアプローチで進めるなど、具体的な方向性を決めることができます。

④自由時間が増える
自宅の近くに職場がある場合のほか、自宅と職場を兼ねているケースも多いです。そのため、通勤時間が短い、あるいは通勤時間がないというメリットがあり、自由時間が増えます。

⑤休日を自分の裁量で決められる
経営者が現場に行かなくても事業が進む場合など、自分の裁量で休日を設定できます。また、勤務時間の調整によって長期間の休日を確保することも可能です。

⑥今までにない人脈ができる
先代からの人脈を引き継ぐことで、自分自身の人脈も増えることになります。会社員の頃とはまた違った出会いもあるでしょう。

⑦親族から認められる・親孝行になる
親から家業・会社を引き継ぐため、親族に認めてもらえる・親孝行になるというメリットもあります。特に老舗の家業であれば、なおさら先代からの伝統を守ることを期待されるでしょう。そうした親族や親からの期待に応えることができます。

⑧多くの資産を受け継ぐ
家業・親の会社の資産も受け継ぐため、一から資産を確保せずに事業を進めることができます。技術、ノウハウ、特許、雇用契約など、そのままの形で事業を展開できます。

⑨子供に引き継がせることができる
親から家業・会社を引き継ぐことで、将来的に自分自身の子供に引き継がせることもできます。家族の事業を後世に残し、自分の子供たちが暮らしていける手段を残すことができるのです。

⑩事業譲渡・会社売却で利益を得る
引き継いだ事業をさらに拡大させるため、事業譲渡や会社売却などのM&Aを行うケースもあります。この場合、M&Aによって利益を得ることができ、その利益を他の事業に活用することもできます。

デメリット

①サラリーマンほど安定していない
引き継ぎ後の事業展開は、引き継いだ子供の手腕に左右されます。経営がうまく進まないと収益が減るため、サラリーマンのように収入が安定するわけではありません。

②全て自分の裁量に委ねられる
家業・親の会社を引き継いで事業を進める以上、全て自分の裁量に委ねられます。場合によっては事業方針の転換や新規事業の立ち上げなど、柔軟な決定も求められるので、かなりのプレッシャーがあります。

③従業員との関係性
従業員が事業承継に反対しているといったケースもあります。この場合、家業・親の会社を引き継いだ後、従業員との関係が悪化するおそれがあります。いかに従業員を説得し、サポートを得るかが重要です。

④新しい人脈とのしがらみ
人脈が広がることは確かにメリットですが、しがらみが発生することもあります。例えば、親の代では良好な関係だった取引先が、子供の代になると厳しい条件を提示してくるといったケースも見られます。

⑤伴侶や家族の理解が必要
サラリーマンと比較すると、収入はどうしても不安定になります。場合によっては、以前より収入が減ってしまうケースもあります。こうした状況も踏まえ、結婚相手や家族からのきちんと理解を得なくてはなりません。

⑥廃業する決断が難しい
経営がうまくいかなくなれば、廃業を検討する場合もあります。ただ、親から事業を受け継いだ以上、廃業に抵抗を感じるケースも少なくありません。この場合、M&Aなども念頭に、なんとか事業継続を図るのか、それとも廃業を選択するのか、重要な決断に迫られることになります。

⑦人のやっかみを受ける
会社によっては、従業員が後継者になることもあります。後継者として期待されていた従業員がいたにもかかわらず、経営者の子供が会社を引き継いだ場合などで、やっかみを受けるケースも見られます。

⑧思わぬところで自由を制限される
急な呼び出しや重要な決定など、経営者自ら出向くケースも多いです。自由時間を確保しやすいというメリットは確かにありますが、場合によってはかえって自由が制限される可能性もあります。

⑨債務・借金も引き継ぐ
事業を引き継ぐ以上、債務・借金も承継することになるので、リスクは高いです。承継するまでに債務を減らす方法を親と一緒に検討するなど、なるべくリスクを減らしておく必要があります。

⑩経営を傾かせる可能性もある
先ほども少し触れましたが、承継後の事業展開は、全て子供の手腕に左右されます。場合によっては経営が傾く可能性もあるので、親の代のノウハウをしっかり学び、同時に、その時々の状況に柔軟に対応する力が求められます。

家業や親の会社を継ぐ際の手続き方法

次に、家業や親の会社を継ぐ際の手続きについて、個人事業と法人に分けてご紹介します。

個人事業

個人事業を継ぐ場合、現経営者の廃業届、後継者の開業届、取引先などへの挨拶、資産の確認と引き継ぎなどの手続きが必要です。
子供に事業を譲る以上、現経営者である親は個人事業の廃業届を出す必要があります。そして、新たな後継者となる子供が個人事業主として開業届を提出します。もちろん、取引先などへの挨拶や資産の確認・引き継ぎも必要です。

法人

法人の場合、贈与・相続による引き継ぎ、株式の確保、税金などの対策といった手続きが必要です。法人の経営を引き継ぐ場合、やはり一定の株式は確保しなくてはなりません。そのため、贈与などで株式を承継しておく必要があります。
一方で、先ほどもご紹介したように、相続の場合は遺産分割などの手続きが必要になる場合もあります。また、取得した株式には税金もかかります。そのため、110万円まで非課税になる暦年贈与の利用など、対策が必要になります。

家業や親の会社を継いだ事例を紹介

家業や親の会社を継いだ事例について、代表的なものをご紹介しておきます。

ファーストリテイリング

ユニクロを傘下に持つファーストリテイリングの代表取締役会長兼社長である柳井正氏は、1984年に父親の柳井等氏から事業を受け継ぎ、代表取締役社長に就任しました。
以後、フリースのヒットなどで全国に店舗を拡大し、2018年8月末現在で国内ユニクロの店舗数は827店舗、海外ユニクロは1241店舗まで拡大しています。

星野リゾート

星野リゾートの代表である星野佳路氏は、1991年に、先代から引き継ぐ形で星野リゾートの前身である星野温泉の社長に就任しています。
星野佳路氏は、父親の星野嘉助氏との一時的な対立なども経て、事業を継いだという経緯があります。以後、リゾートホテルの再建や高級志向のホテルの展開など、様々な事業を展開しています。

家業や親の会社を継ぐ際の相談先

家業・親の会社の引き継ぎは、M&A仲介会社・M&Aアドバイザリーなどの専門家に相談して進めることが好ましいです。身内の話とはいえ、事業や会社を引き継ぐことになるので、それぞれの段階で専門的な知識が求められるからです。トラブルなどを避けるためにも、事業承継に精通した専門家のサポートを受けることが大切です。

まとめ

家業や親の会社を引き継ぐ場合、そのタイミングが重要になります。
年齢的なタイミング、昔からの約束による承継、相続によって引き継ぐ場合など、それぞれのタイミングによって承継が行われます。また、周りからのプレッシャーによって承継するケースもありますが、悪い意味だけではありません。むしろ決心がつくきっかけにもなります。

家業・親の会社の引き継ぎは、メリットだけでなくデメリットもあるため、事業の承継に抵抗を感じる方もいます。ただ、家業・親の会社を継ぐということは、先代が築いた事業を後世に残すうえでも重要な意義を持ちます。引き継ぎにあたって発生するメリットやデメリット、タイミング、手続きなど、あらゆる角度から分析し、最適な選択肢を検討することが大切です。

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