相続の優先順位!遺言書や養子の扱いも解説

相続優先順位の決定には、民法の定めと遺言書の内容を判断材料とします。一定範囲内の法定相続人には、遺言書の内容に関係なく一定割合の財産が保障されています。相続を有利に進めるためにも、優先順位の決定ルールを覚えておきましょう。

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2020年3月17日更新

目次
  1. 相続の優先順位について
  2. 相続の優先順位を決める基本的なルール
  3. 民法で定められた相続の優先順位
  4. 法定相続と遺言書の優先順位
  5. 相続の優先順位における養子・連れ子の扱い
  6. 相続の優先順位を具体的なケースで紹介
  7. 相続の稀なケースにおける優先順位の決定
  8. まとめ

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相続の優先順位について

お金や不動産など資産を遺したまま亡くなった人を被相続人といい、被相続人の資産を譲り受ける人を相続人といいます。そして相続とは、相続人が被相続人の所有していた財産を継ぐことをいいます。  

遺産相続についての心構えは、まず相続人を把握することからスタートするといっても過言ではありません。相続の際には相続する割合や対象を決める必要がありますが、そのルールは民法で決められています。

今回は遺言書があった場合、そして養子がいる場合などさまざまなケースも合わせて、相続の優先順位について丁寧に解説していきます。

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相続の優先順位を決める基本的なルール

この項では、相続における優先順位がどのように定められているのか説明していきます。それでは、以下に挙げる4つの基本的なルールをもとに詳しく解説していきます。

  1. 遺産相続には優先順位がある
  2. 配偶者は必ず相続人
  3. 同じ優先順位の相続人は平等
  4. 相続人が亡くなっている場合は権利が移転

①遺産相続には優先順位がある

具体的な優先順位については後述しますが、民法で相続人は第一順位から第三順位に分かれています。この中から最も高い順位の相続人に権利が発生し、権利が発生した順位より下位の人物は相続できないルールになっています。

例えば、配偶者や子供(第一順位)、そして兄(第三順位)がいるとします。この場合、配偶者と子供は相続する権利がありますが、第一順位と比較して優先順位の低い兄は相続できないことになります。

②配偶者は必ず相続人

亡くなった方の財産は、夫婦の協力によって蓄えられたものといえます。また、残された方の生活を配慮するという意味からも、被相続人に配偶者がいる場合は必ず法定相続人になるのです。

また、子供や親兄弟など民法で定められた相続人が存在せず、配偶者のみが存在する場合は配偶者が全ての財産を相続します。しかし、上記ルールは事実婚の内縁関係には適用されず、法律婚に限り適用されるルールということを覚えておきましょう

③同じ優先順位の相続人は平等

相続の優先順位は第一順位から第三順位に分類されますが、同じ順位だった者が数名いた場合は平等に相続する権利が与えられます。例えば、全員第一順位にあたる子供が3人いる場合には、平等に財産を3等分することになります。

④相続人が亡くなっている場合は権利が移転

すでに法定相続人が亡くなっている際は、「代襲制度」という権利が他の相続人に承継される制度が適応されます。例えば、すでに子供(第一順位)が亡くなっていたとき、孫やひ孫に相続する権利が移るという制度です。

子供がいないケースでは両親(第二順位)に権利が発生し、さらに両親が亡くなっている場合には祖父母が相続人となります。そして、兄弟姉妹(第三順位)が亡くなっている際には、被相続人の甥姪に相続する権利が発生します。

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民法で定められた相続の優先順位

法定相続人と相続人は、類似していますが少し違いがあります。まず「法定相続人」とは配偶者と血族相続人のことをいい、相続を放棄したとしても法定相続人には変わりありません。

その一方で、「相続人」とは実際に相続する人のことをいいます。以上のことを踏まえて、民法で定められた相続の優先順位について説明します。

①法定相続人の優先順位

法定相続人の優先順位は、民法で下記のとおり設定されています。このような優先順位に基づき、配偶者と順位が上の相続人がそれぞれ一定の割合に基づいて相続します。

  • 第一順位:子や孫(直系卑属)
  • 第二順位:両親や祖父母(直系尊属)
  • 第三順位:兄弟・姉妹

②法定相続分の割合

相続における優先順位は上記のとおりですが、誰と誰が相続人となるかによって法定相続分の割合は異なります。優先順位の低い相続人ほど、取得できる相続の割合が少なくなることを覚えておきましょう。

配偶者+第一順位

この場合には、配偶者と第一順位がそれぞれ1/2ずつ相続します。もし複数人の子供がいる際は、1/2された財産を子供の人数分でさらに割ることで、各々の取得財産を算出します。

例えば1,000万円の遺産を、配偶者と子供4人で相続するとしましょう。配偶者は1,000万円×1/2=500万円相続する一方で、子供一人あたりは1,000万円×1/2×1/4=125万円の相続となります。

配偶者+第二順位

この場合は配偶者が2/3、第二順位が1/3ずつ相続します。第二順位の人物が複数いる際は、第一順位と同様に人数で按分します。

配偶者+第三順位

このケースでは配偶者が3/4、第三順位が1/4ずつ相続します。第三順位の人物が複数いる場合は、第一順位や第二順位と同様に人数で按分します。

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法定相続と遺言書の優先順位

民法上の法定相続とは別に、被相続人が遺した遺言書も遺産分割では重大な意味をもちます。この項では、法定相続と遺言書の優先順位を解説します。

①遺言書の方が優先順位は高い

亡くなった方が遺した遺言書が見つかった場合、法定相続と遺言書のどちらの優先順位が高いのかが問題となります。民法の大前提として、自分の意思に基づいて法律関係を構築できるとされています。

つまり、あらかじめ決められた法定相続よりも、遺言書の方が優先順位は高くなります。法定相続を無視して誰かに相続したい財産があれば、遺言書を作成すればほぼ確実に相続できるため、自身の意思に基づいて相続させるうえで遺言書は不可欠といえます。

②遺留分減殺請求権

遺言書の方が優先順位が高いため、例えば愛人に全ての財産を相続させることも可能ですが、遺された配偶者や子供とトラブルになる可能性が大きいです。このような不公平な相続を避ける目的で、民法では一定範囲内の相続人に対して最低限の財産を保証しています。

最低限保証されている財産を遺留分といい、相続人の組み合わせにより遺留分の割合が決まっています。直系尊属のみが相続人となるケースでは相続財産の1/3、それ以外の場合は1/2が遺留分となります。

遺言書により遺留分が侵害された際には、遺留分減殺請求を実施して、遺留分の相続財産を取り戻すことが可能です。ただし遺留分減殺請求は、相続を知ってから1年以内に実施する必要があるので注意しましょう。

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相続の優先順位における養子・連れ子の扱い

自身の子供に養子や連れ子が存在する際には、相続の優先順位は変わるのでしょうか。このケースは養子縁組によって相続権の有無が異なるため、各々解説していきます。

①養子縁組した子供

養子縁組した子供は、通常の実子と同様に権利が発生します。つまり養子であっても、通常と同様の優先順位で相続できます。    

②養子縁組していない連れ子

養子縁組しない限り、連れ子に関しては相続人としての権利は発生しません。相続権が発生しないため、第二順位の親等に相続権が移ります

相続の優先順位を具体的なケースで紹介

ここまで説明してきたことを踏まえて、具体的な事例で実際にある相続のケースを紹介していきます。

①内縁の妻とその子供がいる場合

事実婚をしている被相続人と、内縁の妻との間に子供がいるとします。この場合、子供には相続する権利が与えられますが、正式な婚姻関係を結んでいない内縁の妻は法定相続人とはなりません。

②前妻とその子供がいる場合

前妻との間に子供がいる、離婚経験がある被相続人の場合について考えていきましょう。この場合はすでに離婚していて婚姻関係にない前妻は相続人にならず、子供のみが相続人となります。

もし被相続人が再婚していて後妻との間に子供がいない場合は、前妻との子供が全ての財産を相続する権利をもつことになります。

③後妻とその子供がいる場合

では被相続人が再婚して、その相手との間に子供がいる場合をパターン別に考えて行きましょう。まずはじめに、被相続人と婚姻関係を結んでいる配偶者は法定相続人となります。

また被相続人と再婚者の間に誕生した子供は法定相続人となりますが、もし再婚者の連れ子だった場合は養子縁組をしていなければ相続人になりません

④配偶者と従兄弟・従姉妹がいる場合

従兄弟・従姉妹は、兄弟姉妹の子供という点では甥姪と類似していますが相続権は発生しません。そのため、配偶者と従兄弟・従姉妹しか親族がいないときには、相続人は配偶者のみとなります。

相続の稀なケースにおける優先順位の決定

これまでは相続の基本的なパターンについて、優先順位や相続割合をお伝えしました。実際の相続では通常とは異なる事態が発生する可能性があるため、この項では稀な相続のケースにおける優先順位に関してお伝えします。

①相続人として扱うケース

一般的にはあまり起こり得ないものの、通常通り相続人として扱うケースをご紹介します。例えば配偶者のお腹の中に胎児がいる状況で相続が発生した場合、その胎児にも相続権が発生します。

万が一死産となった際には相続権は失われるため、出産後に遺産分割を実施した方がいいでしょう。また、行方不明者であっても法定相続人としての権利は保有するため、無視して遺産分割を進めてはいけません。

②相続人として扱わないケース

被相続人に対して脅しや危害を加えた者は、相続欠格となり相続する権利を失います。分かりやすい例でいうと、遺産目当てで結婚し、その後夫を殺害した配偶者は相続欠格となります。

また、法定相続人の一人が相続放棄を行った際には、その者を相続人としては扱いません。民法とは違い相続税法では相続人としてカウントするため、相続税の計算時には相続人として扱います。

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まとめ

相続の際には民法で決められたルールによって、相続する割合や対象が決まります。相続を有利に進めるためにも、優先順位の決定ルールを覚えておきましょう。

・相続の優先順位に関する基本ルール                    
→優先順位がある、配偶者は必ず相続人、同じ優先順位の場合は平等、代襲制度

・民法で定められた相続の優先順位 
→第一順位:子や孫、第二順位:両親や祖父母、第三順位:兄弟姉妹

・法定相続と遺言書の優先順位   
→法定相続よりも遺言書の方が優先順位が高い

・相続の優先順位における養子・連れ子の扱い                   
→原則養子であっても相続の権利が生じる

・相続の稀なケースにおける優先順位の決定
→胎児、行方不明者は相続人に該当する

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