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2019年12月1日更新
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破産手続きとは?法人・個人の破産手続きの流れと費用

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

破産はネガティブなイメージが伴うものですが、借金の返済やその負担が大きすぎると判断した場合、破産してしまうことで財産を守ることができます。破産の手続きは思ったより複雑であり、用意すべき書類もかなり多いものです。予備知識もなく破産手続きをしようとすると、思わぬ手間が発生するため、弁護士のような専門家に依頼することをおすすめします。

目次
  1. 破産手続きとは?法人・個人の破産手続きの流れと費用
  2. 破産手続きとは?破産手続きの種類と期間
  3. 破産手続きの流れと必要な書類の準備
  4. 破産手続きのメリット・デメリット
  5. 法人・会社の破産手続き
  6. 破産手続きの費用と専門家への相談
  7. まとめ

破産手続きとは?法人・個人の破産手続きの流れと費用

破産と聴くとネガティブなイメージを抱く人が多いと思います。
ただ、破産は時には有効的な手段として機能し得るものです。
破産の手続きを知っている人は少なく、財産の有無によって手続きの方法や手続きにかかる期間が変わります。
だから破産を行う際にはあらかじめどのような手続きが必要か知っておいた方がいいでしょう。
今回は破産手続きの流れやメリット・デメリットについてお伝えしていきます。

破産手続きとは?破産手続きの種類と期間

破産手続きは2種類あり、それぞれ手続きは流れが異なっています。
破産申請を行う者が財産を持っているか否かによって変わってきます。
それぞれの破産手続きは以下のようになっています。

①同時廃止

同時廃止は一定以上の財産を持たない人が行う破産です。
同時廃止は破産手続きを行ったと同時に破産が成立することが特徴であり、スピーディーに手続きができます。
そもそも破産を申請する人は負債などで財産を持っていないことが多いため、同時廃止という形で破産手続きを行うケースが大半です。
後述する管財事件と違い、同時廃止は財産を処分する手間がないため、弁護士などに依頼して手続きを開始すれば3ヶ月~半年程度で完了させることができます。

②管財事件

管財事件は一定以上の財産を持つ人が行う破産です。
管財事件は財産を調査したり、金銭に変えていく換価というプロセスが必要になりますが、このプロセスにどれだけの期間が必要になるかはどのような財産を持っているかによって変わってくるため、手続きが完了する期間が大きく変わります。
同時廃止が3ヶ月~半年であるのに対し、管財事件は半年~1年以上は手続きに時間がかかると見込んだ方がいいでしょう。
一方、破産手続きを弁護士に依頼しているのであれば、少額管財という手続きが行われることがあり、こちらであればスピーディーに手続きを終わらせることが可能になります。
少額管財であれば3ヶ月~半年程度と、同時廃止を同じくらいのスピードで手続きを完了させられる可能性が高くなります。
また、注意しておきたいのが破産手続きを弁護士に依頼する場合、その報酬が変わってくるという点です。
管財事件は様々な手続きを行うためプロセスが煩雑になりやすく、その分弁護士の報酬が大きくなります。
具体的な報酬の金額は弁護士の裁量によって変わりますが、同時廃止と比べると管財事件の手続きを依頼した場合の報酬は倍以上の金額になることも珍しくありません。
少額管財になった場合でも同時廃止より報酬が高くなるので気を付けてください。

破産手続きの流れと必要な書類の準備

破産手続きの流れは大まかにまとめると以下のようになっています。

①必要な書類の準備

まずは破産手続きに必要な書類を準備します。
必要な書類は以下の通りです。

  • 破産手続開始及び免責申立書
  • 陳述書
  • 債権者一覧表
  • 財産目録
  • 家計の状況
  • 住民票(本籍が省略されていないもの)
  • 戸籍謄本
  • 給与明細書の写し
  • 源泉徴収票の写し
  • 市民税・県民税課税証明書
  • 預金通帳の写し
  • 賃貸契約書の写し
  • 不動産登記簿謄本
  • 退職金を証明する書面
  • 車検証の写し
  • 自動車の査定書
  • 保険証券の写し
  • 保険解約返戻金証明書
  • 年金などの受給証明書の写し

破産手続きに必要な書類は多いので気を付けましょう。
ただ、一部の書類に関してはインターネットでダウンロードできるので、簡単に準備できるかと思います。
また、これら以外にも収入印紙や郵便切手などが必要であるため、これも前もって準備しておきましょう。

②破産の審尋

書類や申立書など必要書類を提出して約1ヶ月が経過すると審尋というプロセスに入ります。
これは裁判官と行う約10~15分の面接であり、自己破産を行う理由などを質問されます。
基本的には破産手続きを行っている人が面接を行いますが、弁護士に破産手続きを依頼した場合は弁護士が面接を受けることになります。
面接を受ける際には債権者の数や借金の総額、借金を返却できなくなった理由や状況などについては答えられるようにしておきましょう。
また審尋の際には申立書のコピーや印鑑、筆記用具、身分証明書といったものを持っていく必要があるため、それらも準備しておきましょう。
審尋は裁判官と面接するものですが、そこまでハードルが高いものではないため、緊張し過ぎないようにしましょう。

③破産手続き開始の決定

このプロセスは元々破産宣告と言われていたものであり、審尋がうまくいった場合、1週間以内に始まります。
この後の具体的な手続きは同時廃止か管財事件かによって変わります。

【同時廃止の場合】

同時廃止の場合、そもそも大きな財産を持っていないため、破産に至った事情にとりたてて問題がなければ、破産手続き開始と同じタイミングで手続きは完了します。
基本的に同時廃止であるなら、この後お伝えする免責審尋を行えば手続きは終わります。

【管財事件の場合】

一定以上の財産を持っている管財事件の場合、あるいは破産に至った事情や経緯に問題が多い場合は破産管財人が選任されます。
さらに追加で最低20万円の予納金を支払う必要もあるので留意しておきましょう。
ちなみに管財事件に該当する財産の基準は以下の通りです。

  • 99万円以上の現金
  • 銀行口座に残された20万円以上の貯金
  • 20万円以上の価値があるとみなされた自動車
  • 20万円以上の解約金がある生命保険
  • 20万円以上の価値があるとみなされた株券など
  • 破産する人の名義の土地や建物
  • 退職金に裁判所が定めた利率をかけて20万円を超えた場合(利率は裁判所によって異なります)

④免責審尋

このプロセスでようやく免責手続が開始され、これが完了すれば借金の支払義務が停止します。
免責審尋は指定された日時に裁判所へ足を運び、再びそこで裁判官と15分程度の面接を行うというものです。
同時廃止であれば面積審尋を完了すれば全ての手続きが終わります。
ただ、 管財事件の場合は免責の不許可事由が見つけると、これに加えて管財人と面接を行う必要があります。
もし資産隠しなど何らかの問題が発覚すれば何度も面接が発生するので気を付けてください。
さらに面接を行った日から半年以内に債権者集会があります。
債権者集会には金融業者は参加せず、個人債権者が集まるものです。
こちらも何かしら問題があれば何度も集会が行われます。

⑤免責許可決定

免責審尋が無事に完了すると、大体1週間以内に「免責許可決定」出され、完全に借金の返済が免除されることになります。
免責許可決定が出ると、そのタイミングで官報に住所と氏名が掲載され、さらにそれから1~2カ月後には法的にも確定します。
免責許可決定が確定されれば、破産手続きの間に制限されていた触手に就けるようになります。

破産手続きのメリット・デメリット

破産は一見何一つメリットのない行為に見えますが、場合によっては破産することによってメリットが発生することがあります。
ただ、当然ながら破産を行うことによるデメリットもあります。

①破産手続きを行うメリット

破産を行うメリットは何よりも借金を返済する義務がなくなるという点でしょう。
免責許可決定にこじつければ借金を返済する義務から解放されるため、借金の負担を実質的に無くすことが可能です。
また破産手続きを行っている間、債権者は給料や財産の差し押さえといった強制執行ができなくなるため、場合によっては財産を守ることも可能になります。
破産を行うと官報に掲載されることになりますが、それは破産されたということが周囲に知られるということではありません。
あくまで官報に掲載されるだけであり、近所や勤務先の会社に知られるようなことはありません。
また戸籍謄本など公的な書類に掲載されるわけでもないため、そこまで恐れることはないでしょう。

②破産手続きを行うデメリット

破産を行うデメリットは様々な制限がかかることです。
まず免責許可決定がでるまでは弁護士や生命保険の募集人、税理士、会社の取締役など特定の職種には就けなくなり、市役所などで発行される身分証明書の発行が受けられなくなります。
職種の制限や身分証明書の発行は免責許可決定を受ければ終わりますが、それ以降も別の制限がつくことになります。
代表的なものが5年から10年の間は新たに借金したり、クレジットカードやローンの契約、再び破産することはできないというものです。
俗にいうブラックリスト入りです。
破産手続きを行う際には不動産の処分をしなければならず、保証人が要る場合なら保証人に請求がいくことになります。
こういった点にも注意しておくべきでしょう。
また、これは仕方のないことですが、破産をすることによってその人の社会的な信用性はどうしても低下します。
破産を行う以上これはやむを得ないことであるため、破産手続きを行う際は覚悟しておきましょう。

法人・会社の破産手続き

法人・会社の場合、破産は倒産手続きと同一です。
法人・会社で破産を行う場合、会社は資産を持つため、管財事件の手続きで行われることになります。
会社は破産の手続きを完了させると、破産した会社は消滅することになるため、清算を行う倒産手続きに分類されることになります。
ただ、破産の過程で事業譲渡が行われた場合は事業が継続します。
また、会社が破産手続きを行う場合は負債の支払ができない、あるいは債務超過の状態であることを証明する必要があります。

破産手続きの費用と専門家への相談

破産を行う際には専門家に相談することをおすすめします。
さきほどお伝えしたように、破産の手続きはかなり煩雑であり、財産の有無によって手続きも変わります。
必要な書類も多く、何も知らずに手続きに取り組むと間違えてしまう可能性もあるでしょう。
破産の手続きを依頼する専門家は弁護士が一般的です。
弁護士の中には債権整理や破産手続きといった借金に関する事柄を得意としている弁護士もいるため、そういった弁護士に依頼すれば手厚い支援が受けられるでしょう。
弁護士に依頼すれば破産手続きのプロセスにある審尋を代わりに受けてくれるため、負担も相当減らすことができます。
ただ、気を付けておきたいのが報酬です。
さきほども触れましたが、弁護士の報酬は弁護士の裁量によって決められるため、支払う報酬の大きさは弁護士によって変わります。
当然手続きが簡略になりやすい同時廃止か管財事件によって報酬は大きく変わることにも留意しておきましょう。
また弁護士に相談する段階で相談料が発生することが多く、1時間ごとに料金を支払うケースもあります。
弁護士に依頼する際には報酬体系にも注意しましょう。

まとめ

今回の記事をまとめると以下のようになります。

  • 破産手続きは2種類あり、同時廃止と管財事件がある。
  • 破産手続きは様々な書類が必要であり、また同時廃止か管財事件かによって手続きの流れとかかる期間が変わる。
  • 会社の破産は清算を行う倒産手続きに近く、破産すると会社は消滅する。
  • 破産はデメリットばかりあるイメージだが、破産を行うメリットも存在している。
  • 破産を行う際には弁護士のような専門家に依頼することがおすすめ。

破産はネガティブなイメージが伴うものですが、借金の返済やその負担が大きすぎると判断した場合、破産してしまうことで財産を守ることができます。
破産によって、新たな借金、クレジットカードやローンの契約に制限がかかる点は注意が必要ですが、これらの制限は一定期間中だけであり、仮にこれらの制限があったとしても普通の生活を送ることはできます。
また破産の手続きは思ったより複雑であり、用意すべき書類もかなり多いものです。
予備知識もなく破産手続きをしようとすると、思わぬ手間が発生するため、弁護士のような専門家に依頼することがおすすめです。
弁護士は破産手続きをトータルでサポートしてくれるだけでなく、破産以外の選択肢を示してくれるかもしれないため、ぜひ心強い弁護士を探してみてください。

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