M&Aとは?意味や動向とM&Aを行う目的・メリットなどをわかりやすく解説!
2024年4月15日更新会社・事業を売る
会社買収とは?メリットや仕組み・M&Aとの違い・手順・買収費用をわかりやすく解説
M&Aが一般化している今、会社買収は当たり前に行われる手法になりました。会社買収を成長戦略として考えている経営者の方もいらっしゃるでしょう。本記事では、会社買収の方法や会社買収のメリット、会社買収のリスク、会社買収の手順や費用面などを紹介します。
目次
会社買収とは
会社買収とは、他の会社の経営権を獲得し、子会社化、あるいはオーナー経営者になることです。最近では報道で大企業同士の買収が話題になることが増えていますが、M&Aは会社の成長戦略手段として多くの企業で取り入れられています。
成長がめざましい会社が他の会社を買収することでさらなる成長を遂げた事例もあり、経営者にとっては身近なものになっているのが実態です。ここまで会社買収が一般化した背景には、法律の改正だけでなく、経営者の意識の変化も関係しています。
会社買収・M&Aの動向【2024年最新】
結論として、2024年は会社買収・M&Aが拡大する一年となることが見込まれます。
とくに大企業は事業開発やグローバリゼーションを促進するためM&Aの活用を積極的に検討しており、事業開発では、新規事業の創造や既存事業の変革を図るためのM&Aが進行中しつつあります。2023年には経済産業省が発表した「同意なき買収(敵対的買収)」が広く報道されたこともあり、大企業以外でも異業種による買収が増加する可能性も高いと予測されています。
さらに2024年は多くの企業がグローバリゼーションを目指しているという側面もあり、物流や化学、建設業界を中心に、国際展開を目指したM&Aが活発化しています。併せて業界再編も進行しており、脱炭素や中国企業の台頭などの影響を受けた業界では、再編が加速しているのが特徴的です。グローバル化や業界再編、成長施策に必要な資金を確保するため、日本にある多数の企業が事業売却を検討しています。
2024年の日本おけるおけるM&A市場は、これらの要因によって拡大傾向にあり、大企業を中心に活発な動きが見られます。
会社を個人で買うケースも増加
先述した会社買収・M&Aの動向に加え、近年は会社を個人で買うケースも増加してきました。
理由はさまざまありますが、中でもとくに多いのが「定年後の働き先の確保」です。ある程度軌道に乗った会社を買収することで事業が安定しやすく、ゼロから事業を立ち上げる際にかかるさまざまなコストも抑えられます。
とはいえ知識を持たない個人が会社を買収するのは困難な点も多く、個人売買のM&A相談を受け付けている仲介会社に相談するのが一般的です。
M&A・合併との違い
M&Aは「Mergers and Acquisitions」の略称で、直訳すると「合併と買収」です。M&Aのもう1つの代表的手法である合併とは、複数の企業が1社に統合されることで、会社法では組織再編行為の1つとされています。
合併が会社買収と異なる特徴は、買い手(存続会社)の法人格は残りますが、売り手(消滅会社)は買い手の組織に吸収され法人格が消滅することです。会社買収では、売り手は買い手の子会社になるだけで、法人格は消滅しません。
また、会社買収での対価は現金のみですが、合併では現金以外に買い手の自社株式や社債を対価にすることが可能です。合併には2種類があり、既存企業間で行われる「吸収合併」と、存続会社を新設して行う「新設合併」があります。
実施主体
会社買収を実施する立場・主体には、以下の2種類があります。
- ストラテジック・バイヤー(戦略的買収者):一般企業
- フィナンシャル・バイヤー(金融的買収者):投資ファンドなど
両者の違いは明らかです。一般企業が会社買収を行う場合、売り手を子会社化することで買い手企業との間のシナジー効果創出を狙い、業績拡大を目指します。
投資ファンドが会社買収を行う場合、経営権を握ったファンド側は売り手の経営改善を行って株式価値を上昇させ、会社買収した金額よりも高い売り値で会社を売却して利益を得るのが目的です。
友好的買収と敵対的買収の違い
会社買収には、大きく分けて「友好的買収」と「敵対的買収」があります。これは方法の違いではなく、買収に対して売り手側の合意が取れているか、取れていないかの違いです。ここでは、2つの違いと「買収防衛策」を解説します。
①友好的買収とは?
友好的買収は、売り手経営陣の合意が取れている買収のことです。買収する会社の意向が相手の会社から同意を得られており、双方の会社が協力し合って会社買収を行います。
会社買収を達成するためのプロセスやスケジュールなどの細かい計画について、双方の都合に合わせて設定でき、円滑に買収を進められるでしょう。
②敵対的買収とは?
敵対的買収は、対象企業経営陣の意向に反する形で買収を進めることをさします。非上場の中小企業ではほとんど起こり得ませんが、上場企業の場合、株式が公開されているため対象企業経営陣の意向に構わず、買い手は自由に株式を買い集めることが可能です。
実際に敵対的買収は、株式市場での購入ではなくTOB(Take Over Bit=株式公開買付)が用いられます。TOBとは、株主に対し株式の「買取価格・買取数・買取期間」を公表し、株式市場を介さずに直接、株式を買取ることです。
敵対的買収を仕掛けられた会社の経営陣は、しばしば買収防衛策を発動させ、相手の買収行為を妨害します。これまでに、買収防衛策はさまざまなものが考案・実行されており、代表的なものは以下のとおりです。
- ポイズンピル:新株予約権を発行することで敵対的買収者の株式所有率を低下させる
- パックマン・ディフェンス:敵対的買収者の株式に対し逆に買収を仕掛ける
- クラウンジュエル:重要資産や中核事業を売却するなどして会社の価値を下げ買収意欲を失わせる
- MBO:経営陣が自社株を買取って非上場化させ敵対的買収者が株式を購入できなくする
- 黄金株:拒否権が付与された種類株式を発行しておき、敵対的買収者が現れたら拒否権を行使して買収を妨げる
- ホワイトナイト:友好的な第三者に株式を買収してもらい敵対的買収者の行動を妨げる
これまで日本で実施されているM&A・会社買収は、ほとんどが友好的買収でした。しかしながら昨今は、外資系ファンドなどの進出もあり、敵対的買収の数は増えつつあります。
会社買収を行う目的
ここでは、会社買収が行われる目的を解説します。一般的に、会社買収が行われるときの主な目的は以下のとおりです。
- 事業拡大・中核事業の強化
- 事業の多角化・リスクヘッジ
- 子会社化
- 税金対策
事業拡大・中核事業の強化
買い手が会社買収の対象企業を同業社、または関連業界の会社を選ぶ場合、その目的は事業拡大・中核事業の強化です。具体的な目的例には以下のようなものがあります。
- 事業規模を飛躍的に向上させる
- 営業エリアを拡大する
- 関連事業を取得し事業領域を拡大する
- グループとして市場シェアを向上させる
- 営業力を強化する(自社の営業部門が弱い場合)
- 開発力を強化する(自社の開発部門が弱い場合)
- 特殊設備・技術の獲得などにより製造・技術力の向上
事業の多角化・リスクヘッジ
買い手が異業種を会社買収の対象企業に選ぶ場合、その目的は事業の多角化・リスクヘッジです。1つの事業に集約した経営では、仮にその事業が不振になった場合、打開策がありません。新規事業に参入し事業を多角化することで、経営のリスクヘッジが可能となるのです。
子会社化
M&A手法には合併もありますが、合併のように対象企業を買い手の会社組織に統合するのではなく、法人格としては独立した子会社とすることでグループ体制を構築します。会社の規模が大きくなり過ぎると管理の目も届きにくくなる可能性も否定できません。
グループ体制で協業する方が、効率的な経営を行えるという考え方もあります。
税金対策
会社買収の対象企業が赤字決算であったり、繰越欠損金を持っていたりする場合、連結納税制度を選択することによって、グループ内で損益が通算されるため、節税対策が可能になります。
ただし、一度、連結納税制度を選択すると、任意では解消できません。連結納税制度にはデメリットも指摘されており、選択する場合には慎重な検討が肝要です。
会社買収のメリット
ここでは、会社買収で享受できる代表的なメリットを、買収側・売却側に分けて紹介します。
買収側のメリット
まず、会社買収を行う側が得られる主要なメリットは以下のとおりです。
- 欲しいものが一括で手に入る
- シナジー効果を期待できる
- 販路・事業を拡大できる
①求める資産が一括で手に入る
会社買収の最大のメリットは、「欲しいものが一括で手に入る」という点です。会社買収は、対象企業の経営基盤、ノウハウ、生産ライン、販路、設備、顧客、取引先、人材など、ありとあらゆるものを手に入れられます。
つまり、会社の成長戦略に欠かせないものを一括で手に入れられるのです。通常、会社の規模を拡大するには、長い時間と手間、コストがかかります。しかし、会社買収であればそういった負担を省略し、一気に会社を拡大させることが可能です。
②シナジー効果を期待できる
会社買収は、買収した企業と経営統合することでシナジー効果を期待できます。ある程度、会社が成長すると、どうしても成長や経営が停滞し、閉塞感が生まれるものです。
しかし、会社買収が成功すれば、対象企業の持つノウハウを新たに導入することで、会社の事業がさらに成長する可能性が出てきます。会社双方の良い部分を取って経営できる点がメリットです。
③販路・事業を拡大できる
営業ネットワークや販売網は、一朝一夕で構築はできません。また、新規事業のに進出する場合も、それは同様です。しかし、会社買収であれば、該当する対象企業を買収することで、新しい地域に進出したい、新事業を展開したいという目標が果たせます。
会社買収は、迅速に事業エリア・事業領域・事業規模を拡大するうえで有効な方法です。
売却側のメリット
会社買収での売却側が得られる主なメリットは以下のとおりです。
- 後継者不足問題の解決
- 株主交代により経営の健全化
- 社員の雇用維持
- 大資本による経営の安定化
- 譲渡益の獲得
①後継者不足問題の解決
適切な後継者が見つからないために、廃業する中小企業も多いのが実態です。会社買収を活用すれば、年々深刻化している中小企業の後継者不足問題を解決できます。廃業を免れ会社が存続することで、前経営者も気持ちよく引退できるでしょう。
②株主交代により経営の健全化
中小企業に多いオーナー経営者によるワンマン体制の場合、独善的な経営になりやすい側面もあり、昨今、企業に要求されるコンプライアンスの確立なども進みづらいでしょう。会社買収を受けて大企業や上場企業の子会社となれば、コンプライアンスの確立など経営健全化が果たせます。
③社員の雇用維持
仮に後継者不在などの理由で廃業した場合、社員は解雇となり職を失います。新たな職探しなど多大な迷惑がかかるものです。しかし、会社買収を受けて廃業を免れれば、会社は存続するので社員の雇用も基本的にそのまま維持されます。
④大資本による経営の安定化
中小企業単独での経営は、資金繰りの面で非常に苦労するものです。会社買収を受けて大企業の子会社になれば、親会社の資本力やブランド力を得て財務・事業は安定するでしょう。安定した経営基盤のもと、さらなる発展も目指しやすくなります。
⑤譲渡益の獲得
会社買収の売却側において、オーナー経営者が株式譲渡などでM&Aを行った場合、その対価を受け取れます。自社の全株式であれば会社の事業規模に応じた相応の対価となるはずです。受け取った譲渡益は、老後の生活資金でも新規事業の立ち上げ資金でも自由に使えます。
仮に廃業していたら得られなかった譲渡益の獲得は、大きなメリットといえるでしょう。
会社買収のデメリット・リスク
ここでは、会社買収で被ってしまうかもしれないデメリット・リスクを、買収側・売却側に分けて紹介します。
買収側のデメリット
まず、会社買収を行う側で発生し得るデメリットは以下のとおりです。
- PMIの失敗
- 簿外債務・偶発債務の発覚
- 優秀な人材の流出
- 想定したシナジーが得られない
①PMIの失敗
買収側にとって、PMI(経営統合プロセス)の結果が会社買収の成否を左右します。何らかの理由でPMIが計画どおりに進まなかった場合、想定した経営統合が果たせず、見込んでいた業績向上は望めないでしょう。
一般にPMI計画策定は、デューデリジェンスと並行して進めますが、策定にあたってはM&A仲介会社など専門家のサポート・アドバイスを受け、成功確度の高いPMI計画となるよう緻密な準備が求められます。
②偶発債務などの簿外債務の発覚
会社買収を株式譲渡などの包括承継となるスキームで行った場合、偶発債務などの簿外債務も承継してしまう可能性があります。ただし、簿外債務の存在を知っているのと、気づかずに後日それが発覚するのとでは、経営上のリスクの大きさは違うものです。
重要なのは、最終交渉前に行うデューデリジェンスを徹底することになります。ここで簿外債務の存在を突き止めておけば、会社買収を中止する判断もできますし、軽微な簿外債務であれば、備えをすることで会社買収を実施する判断もできるでしょう。
③優秀な人材の流出
会社買収は、人材の獲得も目的とするケースが多いです。ただし、売却側の一部の従業員は、会社買収に不安感や反発心を持つ傾向があります。それを放置して何もしないでいると、優秀な人材が離職し流出してしまうかもしれません。
この事態を防ぐには、売却側経営陣にも協力させ、まず、会社買収の目的や意義を十分に従業員に説明することです。そして、PMIにおいては、会社買収側の社風を一方的に押しつけるようなことはせず、うまく融和がなされるような工夫を施しましょう。
④想定したシナジーが得られない
会社買収後、内部的にはPMIも無事に進んだとしても、事業は外部と行うものです。市場の中で今まで以上の業績を上げるべく期待したシナジー効果も、外部環境の変化などで想定どおりには機能しないこともあり得ます。
また、シナジー効果が発揮できるまで時間を要するケースもあり、どの段階で会社買収の成否の判断を下すのか、よく考えておかねばなりません。
売却側のデメリット
会社買収での売却側で起こり得る主なデメリットは以下のとおりです。
- 社員の退職
- 経営者に対する一定期間の拘束
- 相手先が見つからないおそれ
①社員の退職
会社買収において、売却側の社員が不安感や反発心を持ちやすいのは既述のとおりです。PMIで業務システムや社内規定などが、一方的に会社買収側のものに変更されたり、理不尽な人事異動があったりすると、社員のその気持ちは一層、助長されてしまいます。
会社買収の交渉過程において、待遇は変えないことなどの条件を出し、社員が会社にとどまる環境構築に努力しましょう。
②経営者に対する一定期間の拘束
会社を売却後、すぐに引退したり、新たな事業を起業したりしたいなどと考える経営者は多いでしょう。しかし、大概の場合、そうはいきません。その理由は経営の引継ぎがあるからです。
業種・業態でさまざまでしょうが、事務的な引継ぎではなく、事業が無事に稼働する状態まで見届ける責任があり、短期間ではすまないでしょう。引継ぎに関して会社買収の条件に盛り込まれることも多く、その場合、会社売却後も一定期間の拘束は免れません。
③相手先が見つからないおそれ
M&Aは相手があって成立するものです。こちらが売却したいときに、条件の合う買い手が現れるとも限りません。市場状況の影響など、M&Aに適するタイミングも考慮する必要があります。
いずれにしろ、簡単にM&A相手が見つからないようであれば、負債を減らしたり業務環境を整備したりなどの磨き上げを行い、自社の企業価値向上に努め、M&Aの相手先が見つかりやすい状況を構築しましょう。
会社買収の方法・仕組み
ここでは、会社買収の方法・仕組み全般を解説します。項目は以下のとおりです。
- スキーム
- 経営権の保有割合
- 防衛策
- 税務処理
- 経費
スキーム
スキームとは手法のことです。会社買収のM&Aスキームには、以下の種類があります。
- 株式譲渡
- 事業譲渡
- 会社分割
- 株式交換
- 株式移転
- 第三者割当増資
株式譲渡
会社買収スキームの株式譲渡とは、売り手が持つ自社株式を買収することで対象企業の経営権を取得することです。会社買収の対象が中小企業の場合、ほとんどのケースで経営者およびその親族で全ての自社株式を所有しています。
株式譲渡は、株式の譲渡だけで会社買収が成立するため、交渉も手続きも簡易なのが特徴です。対外的には株主が代わるだけなので、会社買収を行っても、基本的に対象企業の事業活動に影響を与えません。
株式譲渡は、株式の売買だけで対象企業を丸ごと取得する包括承継です。包括承継では、引継ぐ資産や債務などを選別できないため、偶発債務などの簿外債務や訴訟リスクなど、経営に悪影響を及ぼす可能性のあるものも引継いでしまう懸念があります。
事業譲渡
事業譲渡とは、対象企業の事業やそれに関連する資産・権利義務などを選別して売買するM&A取引です。対象企業の持つ事業だけを取得することなので、厳密な意味の会社買収には該当しませんが、広義では会社買収のスキームに含まれています。
事業譲渡は譲渡対象を選別できる個別承継なので、不要な資産・債務や経営リスク事象を譲渡対象から除外できるのが特徴です。反面、個別承継は、取引先や従業員との契約を全て個別に不同意を得て締結し直さなければならず、手続き面は非常に煩雑となります。
また、事業に必要な許認可・免許は、あくまでも申請した事業所に与えられたものなので、事業譲渡の買い手は引継げません。
会社分割
会社分割は、対象企業の事業部門を丸ごと買い取るM&Aスキームです。会社分割も厳密には会社買収ではありません。事業譲渡と類似して見えますが、その違いは、事業譲渡は譲渡対象を選別できるのに対し、会社分割は事業部門をそのまま包括承継します。
したがって、会社分割は、対象事業部門が持つ経営リスク承継の可能性を排除できませんが、許認可・免許の承継は可能です。ただし、業種によっては会社分割で引継げない許認可・免許もあるので、事前確認が必要になります。
会社分割は、会社法上で組織再編行為とされているため、定められている要件を満たし適格会社分割と認められると、税制上の優遇措置を受けることが可能です。
株式交換
株式交換は、完全親子会社関係になる前提で行われる会社買収スキームです。特徴は、買い手の支払う対価に買い手の株式も用いられることにあります。株式譲渡での対価は現金のみですが、自社株式を対価にできる株式交換の場合、会社買収のための資金調達が不要です。
ただし、買い手側の株主構成が変わってしまう点には配慮が必要となります。
株式移転
株式移転は、新設企業が親会社となって、子会社となる企業との間で株式交換を行うM&Aスキームです。一般に、持株会社(ホールディングス)体制を構築する際に用いられます。親会社=持株会社、子会社=事業会社という体制です。
第三者割当増資
第三者割当増資とは、対象企業が特定の第三者に対し新株を割り当てて発行し、その第三者から増資を受けるM&Aスキームです。対象企業は新たに出資を受けただけなので、その該当額は課税の対象になりません。
第三者に割り当てられる株式の発行数が、全発行済み株式数の過半数であれば経営権を握れるため、会社買収が成立します。ただし、既存株主はそのまま存在するため、全株式を取得しようとすると、通常の株式譲渡よりも余分に資金がかかることは否めません。
このように会社買収には、さまざまなスキームがあります。自社にとって最適な会社買収スキームを選択し、有効な会社買収戦略を策定するためには、M&Aの専門家であるM&A仲介会社のサポートは欠かせません。
頼りがいのあるM&A仲介会社をお探しでしたら、M&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所は、会社買収サポートの豊富な実績と知識を持つM&Aアドバイザーが多数在籍し、会社買収を相談時からクロージングまで丁寧にサポートいたします。
料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。随時、無料相談をお受けしておりますので、M&A・会社買収をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。
株式の保有割合別の権利
会社買収では、経営権(議決権)の源である株式の所有数の違いによる支配できる内容の違いを把握しておくことが肝要です。会社法の定めでは、以下の経営権の比率がポイントとなります。
- 100%
- 66.7%
- 50%以上
- 33.4%以上
- 25%以上
- 3%以上
100%
株式を100%所有していれば、完全親子会社状態です。子会社は法人格としては独立した存在ですが、経営方針や事業活動内容など全て親会社のコントロール化にあります。
66.7%
株式会社の経営方針などさまざまな決定事項は、株主総会で決します。その中でも特に重要な議案は、特別決議で可決しなければなりません。
会社法の定めによる特別決議とは、過半数の議決権を持つ株主が株主総会に出席し、その3分の2(66.7%)以上が賛成することとされています。特別決議が必要な主な議案は以下のとおりです。
- 定款変更
- 株式移転
- 株式交換
- 会社分割
- 合併
- 監査役の解任
50%以上
過半数(50%以上)の議決権を有している場合、株主総会で普通決議を可決できます。したがって、対象企業の過半数の株式を取得すれば、子会社化した状態です。普通決議で決められる議案には、以下のようなものがあります。
- 配当余剰金の分配
- 取締役・監査役・会計監査人の専任
- 取締役・監査役・会計監査人の解任
- 取締役・監査役・会計監査人の報酬額
33.4%以上
議決権のある株式を3分の1(33.4%)以上、保有していれば、株主総会の特別決議を否決可能です。過半数に満たない株式数では経営権を握ってはいないものの、特別決議を否決できるので、経営に対し一定の影響力を持つ存在といえます。
25%以上
2社間において、A社がB社の株式4分の1(25%)以上を保有していて、B社もA社の株式をも有しているとき、B社がどれだけの株式を持っていたとしても、A社への議決権は行使できないことが会社法で定められています。
この例でB社も4分の1以上、A社の株式を保有しているなら、A社もまたB社への議決権は行使できません。一見、会社買収とは関係なさそうですが、敵対的買収への防衛策として用いられることがあります。
3%以上
会社買収の観点とは離れますが、議決権3%以上の株式を有する株主には、一般には公開されていない会計帳簿の閲覧権があります。また、さらに少ない1%以上の株式をもつ株主の場合、株主総会で議案提出することが可能です。
敵対的買収への防衛策
ここでは、敵対的買収への防衛策の戦略を確認しておきましょう。
- 企業価値の低下
- 取締役会の保護
- 株主総会の承認
- 買収者への攻撃
企業価値の低下
会社にとって有益な資産や中核事業を売却するなどして企業価値を下げ、敵対的買収者の買収意欲をそぐ防衛策があります。これらは株主総会に諮ることなく、取締役会で決定できるためスピーディーさも特徴です。本記事で紹介しているクラウンジュエルが該当します。
ただし、この防衛策が成功したとしても、売却した資産や事業を簡単には戻せず、下げてしまった企業価値を上げるのは簡単ではありません。場合によっては、株主が取締役会を責任追及する可能性もあります。
取締役会の保護
防衛策というよりは時間稼ぎ戦術に近いのが、取締役の選任時期をずらしておく防衛策です。通常、臨時の選任を除いて、全取締役は同時に選任されます。敵対的買収が成立した場合、従来の全取締役は解任され、新たに買収側から取締役が選ばれるでしょう。
しかし、各取締役の選任時期をずらしておけば、一度に買収側の役員が選任されないため、取締役会の決議などで一定期間、従来の取締役がイニシアチブを握れるわけです。その間に何らかの巻き返し策を打てるかもしれません。
株主総会の承認
本記事でも紹介したポイズンピルは、株主総会の承認が必要です。ポイズンピルは、新株予約権を発行することで敵対的買収者の株式所有率を低下させ、買収の不成立を狙います。ただし、既存株主にとっても持株比率が下がることになり、事後にもめる可能性も否定できません。
買収者への攻撃
本記事で紹介しているパックマン・ディフェンスは、敵対的買収者の株式に対し、逆に買収を仕掛けるものです。この場合、過半数の株式を買収する必要はなく、4分の1以上の株式を取得すれば、会社法の規定により相手の議決権行使を排除できます。
会社買収に必要な費用
会社買収で発生する費用は、以下のとおりです。
- 買収費用
- 仲介手数料
- デューデリジェンス費用
- 人件費
買収費用
会社を買収するわけですから、買収費用は絶対必要です。具体的な金額は対象が定まらないと決まりませんが、大枠で上限は決めておきましょう。
会社買収スキーム次第では、対価に自社株式を用いることが可能です。現金を用意しなくてもいいのはメリットですが、株主構成が変わる点を忘れてはいけません。十分な検討をして買収費用予算を組みましょう。
仲介手数料
会社買収を実施するのにM&A仲介会社などの専門家を起用しないのは現実的ではありません。スムーズに安心して会社買収を進めるためにも、M&A仲介会社などの起用は不可欠です。その場合、M&A仲介会社への仲介手数料が発生します。
M&A仲介会社の料金体系は各社で異なっているので、無料相談時に見積りを取り、納得のできる仲介手数料の会社と契約しましょう。
デューデリジェンス費用
買い手が実施するデューデリジェンス(買収監査)は、士業などの専門家を起用するため、仲介手数料とは別に費用発生します。デューデリジェンス費用は売り手に負担義務はなく、買い手が全額支払うものです。
人件費
企業によっては、M&A専門の部門があります。そこまではなくても、会社買収を実施するのであれば、複数の担当者が必要です。会社買収そのもの以外にもPMI担当チーム必要ですから、それらの従業員の人件費が会社買収用の経費として計上されます。
会社買収における税務
ここからは、会社買収の税務処理を確認しましょう。
会社買収にかかる税金
会社買収において、買い手は課税を受けません。ただし、事業譲渡で消費税課税資産が譲渡対象になっている場合は、消費税を負担します。一方、売り手の場合、個人には所得税・住民税、法人には法人税がかかりますが、法人は他の損益との通算額への課税です。
仮に大きな損金があり決算が赤字であれば、会社の譲渡益があったとしても課税されません。
会社買収の節税対策方法
会社買収における節税対策の対象は、売り手側です。個人であるオーナー経営者が自社株の売却などを行った場合は、譲渡対価の一部を退職金として受け取ることで節税できる場合はあります。譲渡益の金額と税率の緻密な計算が必要なので税理士への相談が得策です。
法人の場合は、譲渡益が計上される年度に、大規模な設備投資や特別損失計上を行って損益通算し、益金額を減らすことで節税になります。
会社買収の手順・流れ
ここでは、会社買収の手順・流れの概要を説明します。個々のケースでは、プロセスの細部が異なる可能性もありますが、一般的に会社買収の手順・流れは以下のとおりです。
- 事前準備
- M&A仲介会社の選定
- 相手先選び
- 秘密保持契約書の締結
- トップ面談・意向表明書の提示
- 基本合意書の締結
- デューデリジェンスの実施
- 条件交渉
- 最終契約書の契約
- クロージング・PMI
事前準備
まず行うのは、M&A・会社買収の検討です。社内だけでの検討もいいですが、この段階でM&A仲介会社の無料相談を活用し、専門家の意見も交えて会社買収を検討する方法もあります。検討においては、会社買収の必要性・目的・対象となる企業像などが主なテーマです。
会社買収の戦略策定はM&A仲介会社の選定後に行いますが、この段階でも会社買収の手法や買収資金などを大まかに検討しておきます。
M&A仲介会社の選定
会社買収の実行方針が定まったら、サポートを依頼するM&A仲介会社を選定します。専門家を起用せず自社だけでM&Aを進めるのも不可能ではありませんが、会社買収・M&Aでは専門的な知識や経験が欠かせません。スムーズに会社買収を進めるため、専門家を起用するのが一般的です。
ほとんどのM&A仲介会社が無料相談を実施しているので、これを活用し自社に適すると思うところを選定しましょう。M&A仲介会社と業務委託契約を結ぶ場合は、以下の2つの形式がありますので、選択が必要です。
- 仲介形式:M&A仲介会社は売り手・買い手の双方と契約し両者の間を取り持つ。短期間で交渉がまとまりやすい傾向があるが、その分、条件に妥協を求められる側面がある。
- アドバイザリー形式:M&A仲介会社は売り手・買い手のどちらかとのみ契約し依頼元の最大限の利益実現を目指す。成約すれば好条件が期待できるが、その分、交渉が長くなりやすく場合によっては条件が合わず破談になる可能性もある。
M&A仲介会社との契約締結後、会社買収戦略を策定します。自社の考え・目的・希望などを伝えることで、効果的な会社買収戦略プランをM&A仲介会社が練ってくれるでしょう。
相手先選び
会社買収のためには、交渉相手となる対象企業を決めなければなりません。対象候補は、M&A仲介会社が探してきます。この段階では、相手の社名などは伏せられた状態のノンネームシートでしか、情報を閲覧できません。その状況で候補を絞り込んでいきます。
有望な相手候補が定まったら、こちらもノンネームシートを提示し交渉の打診です。打診はM&A仲介会社が行います。
秘密保持契約書の締結
会社買収の対象候補が、交渉の打診に応じた場合、今後、お互いに開示する会社の重要情報保護のため、秘密保持契約書を締結します。秘密保持契約書の締結後、秘匿していた情報を開示し、会社買収交渉の開始です。
トップ面談・意向表明書の提示
会社買収交渉の過程で必ず行われるのが、トップ面談です。売り手・買い手双方の経営トップが直接面会します。会社買収の条件交渉はM&A仲介会社が行いますから、トップ面談で知る目的は以下のような内容です。
- 会社買収・売却を決断した経緯
- これまでの経営方針
- 今後の経営ビジョン
- 会社の社風
- 経営者の人物像の見極め
意向表明書とは、会社買収交渉の過程で買い手が売り手に対し提示する、現段階での会社買収条件の意向を表目するものです。契約書のようなものではなく、また、必ず行われるプロセスではありません。意向表明書の提示がなく進むM&A・会社買収も多くあります。
基本合意書の締結
会社買収の条件交渉が大筋で合意となった場合、基本合意書を締結します。基本合意書は契約書とは異なり、法的拘束力はありません。現段階での合意内容確認書という位置付けの書類です。ただし、以下の事項については例外的に法的拘束力を持たせます。
- 独占交渉権:一定期間、売り手が他の買い手候補と交渉を行うことを禁じる
- デューデリジェンス(買収監査)への協力:次のプロセスで実施するデューデリジェンスに売り手が協力する義務を定める
- 秘密保持:秘密保持契約で規定しない開示情報が出た場合、あらためてその秘密保持を定める
いずれにしろ、まだ会社買収が成約したわけではないので、まだまだ気は抜けません。
デューデリジェンスの実施
デューデリジェンスは、最終交渉に向けて必ず行われる重要なプロセスです。財務・税務・法務・労務・IT・事業などの分野ごとに、士業などの専門家を起用し会社買収対象企業を詳しく調べます。デューデリジェンスの目的は以下の3点です。
- 最終的な会社買収価額決定のための情報収集とその確認
- 簿外債務、訴訟リスクなど会社買収後、経営に悪影響を及ぼす要素が隠されていないかの確認
- 会社買収後のPMI(Post Merger Integration=経営統合)計画策定のための必要情報収集
デューデリジェンスはM&A仲介会社が仕切りますが、起用する専門家に発生する手数料などがあるため、M&A仲介手数料とは別で支払う必要があります。また、デューデリジェンスは買い手が実施するものなので、手数料は全額、買い手の負担です。
最終条件交渉
デューデリジェンスの調査結果を踏まえて、会社買収の最終交渉を行います。デューデリジェンスで大きな問題が出た場合には、会社買収交渉を行わず破談させる場合があることも、残念ながら否定できません。
最終契約書の契約
会社買収の最終交渉で無事、合意となれば最終契約書の締結です。便宜、最終契約書と呼称していますが、実際には用いられるM&A手法名を冠した契約書名になります(株式譲渡契約書、事業譲渡契約書など)。
最終契約書の締結以降、条件変更などはできません。法的拘束力もあるため、契約内容に違反した場合、損害賠償請求の対象になります。
クロージング・PMI
クロージングとは、最終契約書の内容を履行することです。売り手であれば株式や資産の引き渡しなど、買い手であれば対価の支払いや譲受資産の名義書換などが該当します。クロージングをもって、会社買収の手続きは完了です。
しかし、会社買収側にとって、ここからが本番です。クロージング後すぐに、PMI(経営統合プロセス)を開始します。PMIで行う統合の内容は、主に以下のとおりです。
- 経営管理システム
- 業務システム
- 経理システム
- ITシステム
- 組織再編および人員再配置
- 人事・給与制度
- 社内規定
- 社風の融合
PMIを有効に進めるには、PMI計画策定が肝要です。デューデリジェンスと並行してPMI計画策定の準備に入り、クロージングまでにPMI計画の策定が終わっていなければなりません。PMI専門の担当チームを決め、M&A仲介会社のサポートを受けながら進めます。
会社買収の失敗事例
ここでは、会社買収の失敗事例を紹介します。会社買収で発生し得る失敗事例は、大きく分けて「のれんの減損処理」と「人材流出」です。
のれんの減損処理
会社買収を行った際に発生するのが「のれん」です。のれんとは、会社買収額が対象企業の時価純資産額を超えた金額を意味します。無形固定資産として計上されるのれんですが、その本質は対象企業の超過収益力(将来にわたって利益を稼ぐ力)が評価されたものです。
通常、のれんは20年以内で均等に費用計上(減価償却)していくものですが、会社買収後にのれんの価値が下がる、つまり、買収した企業の収益力が低下することがあります。その結果、のれんは減損処理することになり、買収側に損失をもたらしてしまうのです。
実際、日本郵政グループや東芝のように、買収を行った後にのれんの減損処理のため多大の損失を被った事例は多く、買収後に収益がアップするどころか赤字経営に転落してしまったケースも多くあります。そもそも、のれんが減損するかどうかの判定が難しく、予測がつきません。
対象企業の事業計画をどれだけチェックしていても、計画どおりに進むとは限らないからです。のれんの減損を防ぐためには、経営者がM&Aの経験を積み、デューデリジェンスを徹底するなど、経営者のM&Aへの向き合い方が重要になります。
そのうえでM&Aを実施する際には、M&A仲介会社など専門家のサポートを受けて進めていくのがおすすめです。安心してサポートを受けられるM&A仲介会社をお探しでしたら、M&A総合研究所へご相談ください。
M&A総合研究所では、さまざまな業種の豊富な支援実績を持つM&Aアドバイザーが、丁寧にフルサポートいたします。料金体系、は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。
随時、無料相談をお受けしておりますので、M&A。会社買収をご検討の際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
人材流出
会社買収に限らず、あらゆる方法のM&Aに共通している失敗として挙げられるものに「人材流出」があります。M&Aは、異なる会社同士が経営を統合するプロセスであり、従業員にとっては労働環境が大きく変わる出来事です。
特に、会社買収される側の従業員が反感を持つことは、容易に想像できるでしょう。友好的買収では互いの会社が合意をしていますが、あくまで経営陣に留まっていることが多く、従業員の意志が反映されていないことは珍しくありません。
そのような状態で会社買収を決行してしまえば、会社買収が完了した直後に、従業員が続々と離職する事態になりかねないのです。実際、会社買収を行った後に従業員が離職したというケースは多く、中には事業の中核に関わっている人材が流出したというケースもあります。
事業の中核に関わっているレベルの人材が流出すれば、のれんの減損にもつながりかねません。また、会社買収自体はスムーズに進んでも、その後の経営統合に失敗してしまい、人材流出を招いてしまったという例もあります。
これは異なる企業文化を持つ会社同士のすり合わせがうまくいかなかったことが原因でしょう。人材流出は、会社買収がどれだけ従業員に影響を与えるか想定していれば予防できます。会社買収を行う際は、会社同士の協議を徹底させ、従業員にも情報をしっかり共有するようにしましょう。
会社買収の成功のコツ
最後に、会社買収をせうこうさせるために押さえておくべき要点を紹介します。
- デューデリジェンスを徹底する
- 友好的な買収を行う
- シナジーの見込める相手先を見つける
- 規模の大きい企業・事業の買収は慎重に決める
- PMIを入念に行う
- 専門家に相談する
デューデリジェンスを徹底する
デューデリジェンス(買収監査)の目的は以下の3点です。
- 会社買収価額決定のための情報収集とその内容確認
- 簿外債務、訴訟リスクなど会社買収後、経営に悪影響を及ぼす要素が隠されていないかの確認
- 会社買収後のPMI(経営統合プロセス)計画策定のための必要情報収集
いずれの目的もおろそかにできないものであり、簡略にすませられるものでもありません。デューデリジェンス費用は、担当する士業の人数を増やしたり時間をかけたりすれば、その分、費用がかさんでしまいますが、出費を惜しまず行うことが得策です。
友好的な買収を行う
上場企業相手の会社買収であれば、対象企業に敵対的買収を仕掛けて子会社化することも可能です。しかし、会社買収後の経営統合や実際の事業運営を考えれば、友好的買収の方が円滑かつ効率的にシナジー効果を生み出せるでしょう。
シナジーの見込める相手先を見つける
ひと口にシナジー効果と言っても、実際には大きく分けて以下のような種類があります。
- 売上シナジー:売上上昇効果
- コストシナジー:コスト削減効果
- 研究開発シナジー:新商品、新サービスなどを生み出す効果
- 財務シナジー:財務面の強化
シナジー効果の種類はもっと細分化できます。自社にとって、どのようなシナジー効果が必要か見極め、そのシナジー効果を創出させるのに適した対象企業を見い出すことが会社買収の大きなポイントです。
規模の大きい企業・事業の買収は慎重に決める
一般に会社買収は、買収側の企業規模が売却側よりも大きいものです。それは、会社買収後のPMIを円滑に進めやすいことが理由とされています。企業規模が逆のケースの会社買収では、買収側のPMIの負担と成功させる難易度は高くなるはずです。
自社よりも企業規模が大きい相手を会社買収しようとする際には、目先の損得以外にも、経営統合がきちんと機能するかなどの観点も含め慎重に検討しましょう。
PMIを入念に行う
ここまで繰り返し述べてきたとおり、会社買収の成否を決めるのはPMI(経営統合プロセス)です。PMIを成功させるには、まず、その計画策定が肝になります。まず、計画策定に必要な買収対象企業の情報を、デューデリジェンスで的確に集めなければなりません。
買収対象企業側からの人選も含めたPMI専門チームを結成し、M&A仲介会社やコンサルタントなどの専門家のサポートのもと、抜かりのないPMI計画を策定します。そして、計画どおりにPMIが進むようチームメンバーの役割分担を明確にし、ターンごとのチェックを怠らずに実施しましょう。
専門家に相談する
会社買収では、以下の点において専門家のサポートが不可欠です。
- 会社買収の交渉・手続き
- デューデリジェンス
- PMI計画策定・実施
上記を専門家で抜きで自社単独で行うのは無謀と言えるかもしれません。会社買収の成功確度を上げるには、初期段階から専門家に相談して進めるのが一番の得策です。相談先の専門家選びでお悩みでしたら、M&A総合研究所にご連絡ください。
M&A総合研究所は、会社買収・M&Aの豊富な実績・知識を持つアドバイザーが多数在籍し、案件後ごとに専任となって会社買収・M&Aを懇切丁寧にサポートします。
料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。随時、無料相談をお受けしておりますので、会社買収・M&Aをご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。
会社買収のまとめ
会社買収の結果、成長したという事例は多く、これからもさまざまな企業で積極的に行われていくでしょう。しかし、会社買収のリスクは決して軽視できるものではありません。会社買収に失敗して多額の損失が発生したというケースもあります。
会社買収の成功率も決して高いものではありません。会社買収を計画する際には、リスクを知り熟慮して進めることが肝要です。本記事の概要は以下のようになります。
・会社買収とは
→他の会社の経営権を獲得し子会社化、あるいはオーナー経営者になること
・友好的買収と敵対的買収
→会社間の合意が取れている=友好的買収、会社間の合意が取れていない=敵対的買収
・会社買収の買収側のメリット
→欲しいものが一括で手に入る、シナジー効果が期待できる、販路・事業を拡大できる
・会社買収の売却側のメリット
→後継者不足問題の解決、株主交代により経営の健全化、社員の雇用維持、大資本による経営の安定化、譲渡益の獲得
・会社買収の買収側のデメリット
→PMIの失敗、簿外債務・偶発債務の発覚、優秀な人材の流出、想定したシナジーが得られない
・会社買収の売却側のデメリット
→社員の退職、経営者に対する一定期間の拘束、相手先が見つからないおそれ
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