事業引継ぎとは?事業引継ぎ支援センター、関わる課税や減価償却を解説

会社を存続させるためには、事業引継ぎを成功させる必要があり、早い段階から準備を始めることが重要です。近年は事業引継ぎ支援センターなどの支援制度・機関も充実しているため、有効に活用し円滑に事業を引き継ぎましょう。ここでは、事業引継ぎについて詳しく説明していきます。

事業承継

2020年2月13日更新

目次
  1. はじめに
  2. 事業の引継ぎとは?事業引継ぎの方法
  3. 事業引継ぎの仲介を担う事業引継ぎ支援センター
  4. 事業引継ぎ支援センターの手数料
  5. 個人事業の事業引継ぎにおける消費税
  6. 事業引継ぎで生じる課税
  7. 事業引継ぎで取得した資産の減価償却
  8. まとめ

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はじめに

経営者が高齢になると、会社を存続させるために事業を後継者に引き継ぐ必要があります。しかし、国の機関がさまざまなサポートを実施しているにもかかわらず、事業引継ぎについて熟知していない方が多く、事業引継ぎを諦めるケースも発生しています

この記事では、事業引継ぎに関して知って欲しいポイントをお伝えしていきます。事業の引継ぎを検討中の方はぜひご覧ください。

事業の引継ぎとは?事業引継ぎの方法

まずはじめに、事業の引継ぎに関して基本的な知識をお伝えします。

①事業引継ぎの概要

事業引継ぎとは、自身の経営する会社を後継者に引き継ぐ行為です。事業を存続するためには、経営者が高齢になったタイミングで、後継者に会社を継ぐ必要があります。ひと昔前までは経営者自身の子供に事業を引き継ぐケースが一般的でしたが、近年は親族外承継が一般化しつつあります。

親族外承継とは、文字通り「親族以外の適任者に事業を引き継ぐこと」をさし、後継者不足に悩む中小企業の中では、親族外承継やM&Aによる事業引継ぎが増加しています。

②事業引継ぎの方法

事業引継ぎの方法には、「親族内承継」「親族外承継」そして「M&Aによる売却」の3種類の方法があります。親族内承継とは、子供や配偶者などの親族に事業を引き継ぐ方法であり、俗に言う「家業を継ぐ」行為は親族内承継に含まれます。

また、親族外承継は社内の従業員や役員に事業を引き継ぐ方法で、昨今は親族内承継に代わって事業引継ぎの主流となっています。加えて、親族内にも社内にも後継者がいない場合、M&Aによる売却も1つの手です。

M&Aによって第三者への事業引継ぎを実施すれば、売却資金を手に入れられるうえに従業員の雇用も維持することができます。M&Aにより事業を引き継ぎたい場合には、民間仲介会社や国の機関である「事業引継ぎ支援センター」が仲介を支援してくれます。

また、M&Aによる引継ぎであれば、M&A総合研究所も力をお貸しします。M&A総合研究所では、M&Aに豊富な知識と経験を持つプロがM&Aをフルサポートいたします。相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

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③事業引継ぎのタイミング

事業引継ぎのタイミングには「生前贈与」「相続」の2種類があります。つまり、経営者が生きている間に事業引継ぎを完了させる方法は「生前贈与」、経営者が亡くなってから相続により事業を引き継ぐ場合は「相続」となるのです。

また、相続と生前贈与では、課税される税金や減価償却の扱いが異なるため注意が必要です。事業引継ぎにおける課税や減価償却については、後ほど詳しく説明していきます。

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事業引継ぎの仲介を担う事業引継ぎ支援センター

M&Aによる事業引継ぎの際は「事業引継ぎ支援センター」の利用が大変便利です。事業引継ぎ支援センターでは、国の機関として中小企業の事業引継ぎを全面的に支援しています。ここでは、事業引継ぎ支援センターの支援内容をお伝えします。

①無料相談

事業引継ぎ支援センターでは、主にM&Aを利用した事業承継に関しての相談ができます。M&Aの実行可能性や売却価格の目安など、民間の仲介業者に依頼すれば費用がかかる内容であっても無料で相談可能です。民間の仲介会社を利用中であっても、セカンドオピニオンとして活用できます。

②事業引継ぎのアドバイスとサポート

M&Aの相手がすでに見つかっているケースであっても、事業引継ぎ支援センターは非常に役立ちます。なぜなら、契約書作成などをはじめとしたM&Aのあらゆる手続きを全面的にサポートしてくれるからです。事業引継ぎ支援センターと弁護士や税理士などが連携しているため、円滑に事業引継ぎを実現できます。

③事業の引継ぎ相手とのマッチング(仲介)

M&Aを進めるうえで、中小企業が独力で理想的な相手を見つけることは大変難しく、膨大な時間と手間がかかります。とりわけ小規模事業者のM&Aであれば、採算性が取れないため、仲介会社には引き受けてもらえない可能性も高いです。

しかし、事業引継ぎ支援センターでは、小規模なM&Aであっても引継ぎ相手とのマッチングを行ってくれます。全国47都道府県の事業引継ぎ支援センターと情報共有を行い、幅広い範囲から引継ぎ相手を探すことも可能です。事業の引継ぎ相手が見つかった後も、成約に向けて仲介してくれます。

また、M&A総合研究所にも日本全国から多種多様な業界・業種のM&A案件が集まっており、年間M&A相談実績3,600件、M&A成約率70%と高い実績があります。そのため、たとえ規模が小さい企業であっても理想的な売り手を見つけることができます。

理想的な相手を見つけたい方は、一度M&A総合研究所へご相談ください。M&Aアドバイザーをはじめ、M&A専門の会計士と弁護士が親身にサポートいたします。M&Aについての疑問にも親切・丁寧にお答えします。ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

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④民間の仲介業者との違い

事業引継ぎ支援センターと民間の仲介会社は、M&Aや事業承継を支援するという点では共通していますが、「業務面」「実績面」「費用面」で異なります。

業務面の違い

まず、事業引継ぎ支援センターの主な業務は、事業承継の相談対応とアドバイス、適切な専門家の紹介などで、事業承継の手続きに関する導入部分のサポートがメイン業務になります。

一方、民間の仲介会社では、M&Aや事業承継の相談対応・相手先企業の選定・スキームや戦略の構築・交渉のサポート・企業価値算定など、M&Aや事業承継に関して幅広くサポートします。

このように双方で業務内容が異なるため、まずは事業引継ぎ支援センターに相談し、実際の手続きは民間の仲介会社に依頼するケースが増えています。

実績面の違い

事業引継ぎ支援センターでは、主に地元の中小企業や小規模事業者に対してM&Aや事業承継のサポートを実施しています。一方、民間の仲介会社では、ほとんどの業種・地域・案件規模に対してサポートします。

そのため、事業引継ぎ支援センターは地元の小規模企業・個人事業主のサポート実績が増える傾向にあり、民間の仲介会社の場合は中小企業を中心に幅広いサポート実績が増加する傾向にあります。

費用面の違い

事業引継ぎ支援センターは公的機関であるため、相談料・アドバイス料・後継者人材バンクの登録料がかかりません。一方、民間の仲介会社でも相談料は無料であることが多いですが、アドバイザー契約後は着手金・中間報酬・成功報酬制などの各種費用が発生する場合があります。

しかし近年では、M&Aが成約した場合にのみ手数料が発生する「完全成功報酬制」の民間仲介会社もあるため、有効に活用しましょう。例えば、M&A総合研究所では事前相談を無料で承っております。完全成功報酬制をとっており、着手金などもかかりません。

成功報酬も業界最安値の水準で設定しているため、よりリーズナブルにご利用いただけます。M&Aをご検討される際には気軽にご相談ください。

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事業引継ぎ支援センターの手数料

先述したように、事業引継ぎ支援センターでの相談は無料です。弁護士や税理士に直接相談する場合は、30分で数千円〜1万円もの手数料が発生するため、事業引継ぎ支援センターへの相談は非常にリーズナブルでおすすめです。

一方、相談は無料ですが、専門家に事業引継ぎの実務を遂行してもらう際は手数料が発生します。契約書作成や株価計算などには会計や法務の専門知識が必要であり、相談と比べて専門性や手間を要するため、手数料が発生するケースがほとんどです。

そのため、M&Aに関してフルサポートを希望する場合は、M&A総合研究所にご相談ください。民間のM&A仲介会社であるM&A総合研究所は、専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが在籍しており、培ったノウハウを活かしてM&Aをフルサポートいたします。

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個人事業の事業引継ぎにおける消費税

個人事業主の場合、課税売上高が1,000万円を超える際は消費税が課税されます。そのため、年度途中に事業引継ぎを実施する場合は、途中までの課税売上高をどのように取り扱うかで、引継ぎ後の消費税の扱いが異なってきます。また、消費税の納税義務に関しては「生前贈与」と「相続」で異なるため、注意が必要です。

①生前贈与

「生前贈与」によって事業引継ぎを実施する場合、開業後2年間は消費税が非課税となります。例えば、事業引継ぎの際に課税売上高が1,000万円を超えていても、2年後に消費税は課税されません。つまり、生前贈与による事業引継ぎでは、前経営者の課税売上高はリセットされることになります。

②相続

「相続」では、「生前贈与」と異なり、前経営者の課税売上高を後継者が引き継ぎます。つまり、事業引継ぎ時に課税売上高が1,000万円を超えていれば、2年後に消費税が課税されます。

また、引継ぎ時点で1,000万円を超えていなくても、その年度末までに1,000万円を超えれば課税対象となります。消費税の納税義務を考えると、生前贈与により事業を引き継いだほうが有利でしょう。

※関連記事
事業承継で消費税は課税されるのか

事業引継ぎで生じる課税

事業引継ぎの際、後継者は自社株式や現金などさまざまな資産を受け継ぎます。価値のある資産を受け継ぐため、原則的には税が課され、「生前贈与」「相続」「M&A」で課される税金が異なります。ここでは、個人間の事業引継ぎに関して、各パターンごとに課税される税金を解説していきます。

①生前贈与の場合

生前贈与により自社株などの引継ぎを実施した場合、「贈与税」が発生する可能性があります。生前贈与の際に暦年課税制度を用いる場合は、年間110万円以上の贈与により贈与税が発生します。そのため、110万円以下の贈与を繰り返せば、理論上非課税で事業引継ぎを実施することも可能です。

一方、相続時精算課税制度を用いれば、年間2,500万円までの贈与を非課税で実施でき、それ以上の金額には一律で20%で課税されます。相続時精算課税により引き継いだ資産は、後々相続税の計算に加算されるため注意が必要です。

②相続の場合

相続により自社株などの引継ぎを実施した場合、「相続税」が発生する可能性があります。相続の場合は、基礎控除の金額を上回る財産を相続しない限り、相続税を発生させずに事業を引き継ぐことができます。また、基礎控除は下記の計算式で算出できます。

  • 基礎控除=3,000万円+(法廷相続人の人数×600万円)

③M&Aの場合

M&Aを用いた事業引継ぎの場合、用いるM&A手法により課税される税金が異なります。M&Aを用いて法人が株式譲渡を用いれば「所得税」、事業譲渡を用いれば「法人税」や「消費税」が課税されます。

このように、M&Aによる事業引継ぎを実行する際は、課税される税金の種類や金額を考慮したうえで、用いる手法を決定しましょう。

※関連記事
事業承継で発生する税金

事業引継ぎで取得した資産の減価償却

最後に、事業引継ぎで取得した資産の「減価償却」について解説します。減価償却とは、時間の経過や使用により価値が減少する固定資産を取得した際に、取得するための支払額をその耐用年数に応じて費用計上していく会計処理のことをさします。

そのため、事業引継ぎで取得した際は、当該資産の取得価額や耐用年数に関しては被相続人のものをそのまま引き継ぎ、償却方法に関しては原則法定償却方法を用いて、当該資産を減価償却していきます。法定償却方法以外のものを採用したい場合は、事業引継ぎ後に償却方法の届出を別途行わなくてはいけません。

しかし、引き継いだ資産が建物もしくは建物付属設備の場合は、償却方法を変更できない可能性があるため注意が必要です。また、「平成19年4月1日以降に取得した建物」と「平成28年4月1日以降に取得した建物附属設備」に関しては定額法のみの適用となります。

事業引継ぎの際には、取得資産の減価償却にも注意しましょう。

※関連記事
減価償却のメリット

まとめ

今回は、事業の引継ぎに関して解説しました。会社を存続させるうえで、事業引継ぎの成功は不可欠です。事業引継ぎを成功させるためには、早い段階から「事業引継ぎにどの方法を用いるのか」「事業引継ぎのタイミングはいつにするか」などを決定し、それに合わせて対策を講じる必要があります。

要点をまとめると、下記になります。

・事業の引継ぎとは?
→自身の経営する会社を後継者に引き継ぐ行為

・仲介も行う事業引継ぎ支援センターとは?
→中小企業のM&Aによる事業承継をバックアップする機関

・事業引継ぎ支援センターのサービス手数料
→相談は無料。専門家を起用する場合には手数料が発生する

・個人事業の事業引継ぎにおける消費税
→生前贈与であれば2年間発生しないが、相続による事業引継ぎでは前経営者の課税売上高を後継者が引き継ぐ

・事業引継ぎで生じる課税(個人間の引継ぎ)
→贈与の場合「贈与税」、相続の場合「相続税」、M&Aの場合「用いる手法ごとに異なる」

・事業引継ぎで取得した資産の減価償却
→取得価額や帳簿価額、耐用年数は引き継ぐが、減価償却の方法は引き継がない

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