2020年2月12日更新事業承継

業績不振の原因と改善策

会社経営には好不調の波があります。そして、不調のときに訪れるのが業績不振です。経営者であれば避けて通りたい業績不振ですが、そこから抜け出せれば経営者冥利に尽きます。備えあれば憂いなしとするため、業績不振の原因分析と対策立案方法を知っておきましょう。

目次
  1. 業績不振=会社経営のレッドゾーン
  2. 業績不振とは
  3. 業績不振の原因
  4. 業績不振の基本的な改善策
  5. 業績不振を原因とした従業員の解雇
  6. 業績不振を原因とした減給
  7. 業績不振を原因とした転職
  8. まとめ
  • 今すぐ買収ニーズを登録する
  • 公認会計士がM&Aをフルサポート まずは無料相談
【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

業績不振=会社経営のレッドゾーン

営業不振に販売不振、業績不振に経営不振、どの言葉も会社経営者にとっては見たくも聞きたくもないものばかりです。不振とは、勢いがふるなわいことと国語辞書には載っていますが、会社経営にまつわる不振は、勢いがふるわない程度のレベルではないのが実感でしょう。

しかし、現実に会社が業績不振に陥ってしまったら、経営者としてはそれから目をそむけることはできません。最悪の事態を招かないためにも、業績不振の原因の分析と改善策の立て方についてヒントをつかんでいってください。

※関連記事
経営不振とは?原因と対策、事例をご紹介
経営リスクとは?経営リスクの種類とリスクマネジメント

業績不振とは

端的に言えば、業績不振とは、売上高や利益が減少してしまっている状態です。業態によって、その実態はさまざまなパターンがありますが、例えば、会社内部に何らかの問題がある業績不振もあるでしょう。

あるいは、外的要因として、新規参入ライバル会社や代替品の出現によって顧客を奪われる形での業績不振もあります。また、技術革新や人口減少など社会の変化が市場を変えてしまい、それが業績不振につながってしまうケースもあり得ます。

いずれにしても、業績不振に陥り、それを放置してしまうと、引き起こされるのは負のスパイラルです。つまり、業績不振から赤字突入→資金繰り悪化→債務超過→倒産という悪夢への入口が業績不振と言えます。中小企業庁の統計では、倒産理由の約8割が販売不振です。

経営者たるもの、販売不振、業績不振を察知したら即時、改善策を講じなくてはいけません。

※関連記事
債務超過とは?債務超過を解消する方法
経営破綻したらどうなる?経営破綻の原因や事例をご紹介

業績不振の原因

倒産理由の約8割を占めるのが販売不振ですが、その他の理由として2位~4位に挙げられているものを以下に紹介します。

  • 経営者の放蕩経営
  • 資本金不足
  • 連鎖倒産
これらは比率としてはいずれも5%前後ですが、どれも業績不振を招くインパクト大のものと言えるでしょう。また、業績不振に陥るときというのは、何か1つではなく複数の原因が重なり合って業績不振となる場合が多いのも特徴です。

そして、業績不振を招きかねない事象の中で、会社内部の問題であれば自浄努力で対処することができます。特に以下の3つは、業績不振を招く社内3大原因です。確認しておきましょう。

①経営力の不安定さ

経営者には経営者としての責任がありますから、その経営力はとても重要です。しかし、非上場の中小企業によくあるようなワンマン経営の場合、本当に経営者1人に全ての責任が集中してしまっていて、非常にハイリスクと言わざるを得ません。

倒産理由にも挙げられているような放蕩経営につながる温床となる可能性もあれば、経営者が事故や病気で倒れたとき、経営が止まってしまいます。また、ある種の勘を頼りとするような経営方法の場合もあり、それでは合理的な経営とは言い難いでしょう。

会社の業績不振を防ぐには、予実管理や正確な利益の把握など、厳密に数字にこだわる経営に徹することが必須です。数字による経営管理を徹底すれば、あらかじめ業績不振のシグナルを捉えることも可能となり、業績不振を未然に防げる対処も行えるでしょう。

②組織力の低下

1人の人間が同時に管理することのできる組織の人員数の限度は、10人とも20人とも言われています。従って、企業の規模が大きくなってくると、経営者1人では会社全体をこと細かに管理できなくなるはずです。

その場合、中間管理職に権限を移譲することになりますが、人選ややり方を誤ると組織力の低下を招き、結果的に業績不振となる恐れがあります。能力不足であったり人格に難のある人材が中間管理職になると、組織力はたちまち低下してしまうからです。

経営者は能力や人格などをよく見極めたうえで、中間管理職を任命しなくてはいけません。

③親族内の争い

非上場の中小企業の場合によく見られるのが同族経営です。親族同士であれば、赤の他人よりも信頼できるという理由があるのかもしれませんが、これも業績不振の原因となり得ます。それは、仮に親族内で争いが生じた場合、他人とは違って遠慮がないため、抗争が長引くからです。

親族間の経営陣の確執は派閥を生み、従業員同士も足の引っ張り合いや非協力的な態度など、業務の遂行に支障が出るようになり、そうして急激に業績不振が進行します。経営者として親族を経営陣に招き入れる場合、自分との相性や適性など、よくよく検討してから決めましょう。

※関連記事
廃業率の推移とランキング
経営に求められる判断

業績不振の基本的な改善策

できるだけ未然に防ぎたい業績不振ですが、そうそう全てがうまく運ばないのが人の世の常です。万が一、業績不振に陥ってしまった場合も想定し、業績不振を改善するための対策の立て方について考えてみましょう。ベーシックな業績不振改善策として、以下の3つを提示します。

①目標の見直し

業績不振を改善する第一の策としてお勧めしたいのが、事業目標の見直しです。業績不振から脱却するためには、中長期的な目標と目前の短期的な目標の両方を明確にすることがポイントになります。どちらか片方の目標が欠けていると、おそらくは業績不振の改善はかないません。

業績不振改善のための目標見直しでは、その目標が実現不可能なほど難しいものでないか、あるいは逆に簡単に達成できてしまう目標ではないかといった具合に、目標の難易度設定についてよく検討しましょう。

長期的な目標と短期的な目標それぞれに関して、適切な難易度に設定し直せば業績不振の改善につながるはずです。

②インセンティブの設定・付与

インセンティブとは、目標を達成するための刺激や誘因、目標達成時に与える報酬を指しています。従業員や役員に対し、何らかのインセンティブを設定・付与することで、各人が業務に発奮し業績不振を改善できる可能性が高まる効果を期待できます。

具体例としては、目標に対してきちんと成果を残した従業員・役員には、相応の報酬が支払われるシステムを構築すれば、社内全体のモチベーションアップにつながり、業績不振の改善に向けて有効な打開策となり得るでしょう。

③モニタリングの実施

目標の見直しによって妥当な目標を設定し、なおかつインセンティブ制度を作ったとしても、目標が達成されなければ、それは絵に描いた餅であり、業績不振は改善されません。確実な目標達成のためには、モニタリングの実施が肝要です。

業務の違いによってモニタリングの周期を日次、週次、月次に分け、各自の目標達成度合いを確認し、未達成であればその原因を分析し追加の改善策を施します。原点に立ち返り、仕事の基本的な改善手法であるPDCAサイクルを全社的に徹底させましょう。

しかし、倒産理由の1つに挙げられていた連鎖倒産や市場の縮小などの外的要因は、内部努力だけではいかんともし難く、業績不振から簡単には抜け出せない場合もあります。そのような局面では思い切って、M&Aにより打開を図ることも検討手段の1つです。

M&Aが成立すれば、倒産や廃業を免れ、従業員が路頭に迷うこともありません。相応の売却額により、経営者も次への資金を手にすることができます。そして、そのようなM&Aを実現させるためには専門家の助力が必要です。お困りの際には、ぜひ一度、M&A総合研究所にご相談ください。

M&A総合研究所では、M&Aに豊富な知識と経験を持つ公認会計士がM&Aをフルサポートいたします。最初の無料相談だけでなく、M&Aが成約するまで一切費用は発生しません。成約時の成功報酬も国内最安値水準で、ご好評をいただいています。どうぞ、お気軽にお問い合わせください。

>>【※平均3ヶ月でスピード成約】M&A仲介サービスはこちら

※関連記事
M&Aとは?M&Aの意味をわかりやすく解説!
M&Aのメリットとは?買い手・売り手のメリットやM&A戦略策定のメリットをご紹介

業績不振を原因とした従業員の解雇

前項で述べた業績不振改善策以外で経営上、取り得る措置と言えばコストカットです。無駄な出費を抑えるの越したことはありませんが、業績不振状態ともなれば会社そのもののダウンサイジングも検討が迫られます。その最たる手段となるのが、従業員の解雇です。

ただし、業績不振を理由に従業員を解雇(=整理解雇)するには、労働基準法に定められている厳しい条件を満たす必要があります。その条件は4項目が挙げられています。整理解雇の4要件について以下で、順次確認してみましょう。

なお、以前は整理解雇を実施するには4つの要件全てを満たすこととされていましたが、昨今では必ずしも全て満たしていなくても、許容されるケースが見られるようになってきています。

①人員整理の必要性

整理解雇を実行しようとする前に、例えば本社以外の事業所や支店を閉鎖するなど、業績不振が深刻な状態だという背景が実証できるような状況であれば、従業員を解雇する必要性があったと認められます

近年、この要件の判断基準は緩くなっている傾向があり、業績不振を事前に防ぐ目的であっても解雇の正当性が認められるケースも確認されています。

②解雇回避努力の実行

解雇回避努力とは、解雇を実行しようとする前に役員報酬の削減、退職勧奨や希望退職を募るなど、他の施策を施しているかどうかが問われます。取り得る努力を最大限実施して初めて、業績不振を原因とした解雇が認められるということです。

③人選の合理性

解雇する対象として選んだ従業員には、相応の合理的な理由がなくてはいけません。「どうしてその従業員を解雇対象として選んだのか」という説明をしたとき、公平性を欠いた理由では認められないのです。特に、能力を理由とした解雇は認められにくいため、勤務態度や給与水準を基準としましょう。

④手続きの正当性

業績不振を原因とする解雇が認められるためには、正当な解雇手続きを経なくてはなりません。社内に労働組合がある場合は労働組合に対して、そしてもちろん従業員本人に対しても、真摯で誠実な説明を行っていることが求められます。

※関連記事
経営再建
リストラクチャリングとは?事例やM&Aを活用した方法をわかりやすく解説します

業績不振を原因とした減給

業績不振を原因とした解雇は認められにくく、手続きなどの労力の負担も大きいことから、従業員の減給を検討するケースもあります。原則として、会社の都合で手当や給与を引き下げることは、労働者にとって不利益な変更に該当するとして禁止されています。

しかし、業績不振という理由がある場合は、所定の手続きを経ることで減給が認められます。その際に、まず大事なのは、従業員や労働組合に減給の必要性を説明し、承諾を得ることです。どんなに業績不振であろうと一方的な減給は許されません。

例えば、就業規則や労働契約を変更すれば、減給は可能です。ところが、その内容が不平等であると裁判所や労働基準監督署に判断されれば、減給処置は無効とされる可能性が十分にあります。公平さを欠かずにきちんとした手順・手続きで行うことによって、業績不振を理由とする減給が許されます。

※関連記事
経営改善について
資金繰り改善方法

業績不振を原因とした転職

従業員として働いている立場であれば、たとえ経営者が隠そうとしても、自社の業績不振は敏感に感じ取れるものです。そにようなときに起こる出来事は、経営者から見れば人材流出、従業員から見れば転職ということになります。

ここでは経営者視点から離れ、業績不振の会社から転職を図る従業員目線での情報を掲示します。自身の働いている会社が業績不振に陥ったら、誰でも今後の生活に不安を持つでしょう。万が一、業績不振の悪化で会社が倒産してしまえば、家族を路頭に迷わせることとなってしまいます。

従って、業績不振の会社から他社に転職しようとする行為は、本人にとっては合理的で賢明な判断です。しかし、転職候補先の会社から、その人を見た場合、業績不振のみが転職理由であるなら、仕事に対する責任感が薄い人物という評価を下されかねません。

業績不振の責任の大部分は経営者にありますが、自身も会社の一員であったこともまた事実です。つまり、転職を決断した理由について、以下のような事由を含めて説明を行わないと、プラス評価を得ることはできないでしょう。

  • 業績不振の中、個人としてはどのように頑張ったかの実体験
  • 業績不振という環境下では自分の本当の力が発揮できない理由
  • 業績不振下での業務経験をどのように次に生かそうと考えているか

転職の成功率を高めるには、自身を採用するメリットを感じてもらうということです。なお、会社が業績不振になったからといって、あわてて退職する必要はありません。会社都合の解雇なら即日、失業手当が支給されますし、会社の経営が持ち直す可能性もあります。

転職先の目星すらつけていないのに退職してしまうのは、早計の極みです。焦りは禁物、よくよく考えてから行動に移しましょう。

※関連記事
中小企業の人手不足
人手不足はなぜ起こる?原因や対策をご紹介

まとめ

業績不振をそのまま放置すれば、廃業や倒産などの事態に進行してしまうため、早めの改善対策が必要です。しかし、即効性の対策はまずありませんから、長期的な視野を持って取り組むしかありません。そして、最も有効な手段は、常日頃から業績不振を招かない経営を心掛けることです。

本記事の要点は以下のようになります。

【業績不振とは】

  • 売上高や利益などが減少している状態

【業績不振の原因】

  • 経営力の不安定さ、組織力の低下、親族内の争い
【業績不振の基本的な改善策】
  • 目標の見直し、インセンティブの設定・付与、モニタリングの実施
【業績不振を原因とした従業員の解雇】
  • 「人員整理の必要性」「解雇回避努力の実行」「人選の合理性」「手続きの正当性」の4要件を満たす必要がある
【業績不振を原因とした減給】
  • 原則禁止だが、究極的には認められてもいる

M&A・事業承継のご相談なら専門の会計士、弁護士がいるM&A総合研究所にご相談ください。

M&A・事業承継のご相談なら専門の会計士のいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 業界最安値水準!完全成果報酬!
  2. M&Aに強い会計士、弁護士がフルサポート
  3. 平均3ヶ月という圧倒的なスピード成約
  4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は会計士が運営するM&A仲介会社です。
企業会計に強く、かつM&Aの実績も豊富です。全国にパートナーがいるので案件数も豊富。
また、業界最安値水準の完全成果報酬制のため、M&Aが成約するまで完全無料になります。
まずはお気軽に無料相談してください。

>>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

Documents
【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。

関連記事

事業承継と廃業のメリット・デメリットを解説!5割が黒字でも廃業!?

事業承継と廃業のメリット・デメリットを解説!5割が黒字でも廃業!?

経営者が引退する主な方法は、廃業して会社をたたむか、事業承継で後継者に引き継ぐかです。両者はそれぞれメリットとデメリットがあるので、比較して適した手法を選ぶ必要があります。本記事では、事業承継と...

M&A
事業承継と廃業のメリット・デメリット比較!事例から検証!

事業承継と廃業のメリット・デメリット比較!事例から検証!

事業の経営を現在の経営者から別の者に引き継がせるのが事業承継で、事業運営を止める方法が廃業です。当記事では、事業承継と廃業の利用に伴うメリット・デメリットをはじめ、廃業数が多い理由や、事業承継を...

M&A
【入門編】事業承継の本おすすめ人気ランキングTOP15

【入門編】事業承継の本おすすめ人気ランキングTOP15

本記事では、事業承継の入門本をおすすめランキング形式で紹介しています。事業承継の際に必要になる知識も、今回のおすすめランキングの15冊であれば、十分に補うことができます。事業承継関連の本を選ぶポ...

M&A
事業承継における融資制度まとめ!内容や受け方を解説!

事業承継における融資制度まとめ!内容や受け方を解説!

事業承継に必要となる費用や資金の貸付を受けられる融資制度についてご説明します。資金の融資制度毎に保証や担保についても解説しますので、事業承継を検討するに際して個人保証や担保の負担が心配な承継者の...

M&A
M&A・事業承継は地方創生の最善策?動向・現状も解説!

M&A・事業承継は地方創生の最善策?動向・現状も解説!

国は地方創生政策の一環として、地方でのM&A・事業承継を推進しています。しかし、地方でのM&A・事業承継活用はまだこれからという状況です。本記事では、地方でのM&A・事業承継の現状や地方でM&A...

M&A
事業承継を戦略的に行う方法!成功ポイントや事例を解説

事業承継を戦略的に行う方法!成功ポイントや事例を解説

事業承継には、親族内事業承継・親族外事業承継・M&Aによる事業承継の3種類があり、いずれも戦略的に行うことが重要です。本記事では、事業承継を戦略的に行う方法や成功のポイント、実際に事業承継を行っ...

M&A
事業継承とは?承継との違いや引継ぎ先、成功ポイントなどを解説

事業継承とは?承継との違いや引継ぎ先、成功ポイントなどを解説

事業継承と事業承継は似ているようで、違った意味を持ちます。この2つの相違点の紹介に加え、引き継ぎ先ごとに異なる事業継承の方法、継承方法ごとのメリット・デメリット、継承を成功させるにはどのようなポ...

中小企業M&A
【2020年最新】事業承継ができるM&A仲介会社一覧!

【2020年最新】事業承継ができるM&A仲介会社一覧!

年々中小企業の事業承継需要が高まり続け、事業承継支援ができる専門家の需要も高まっています。本記事では、事業承継ができるM&A仲介会社を一覧でご紹介します。また、仲介会社以外の事業承継相談先や、廃...

M&A
事業承継の費用・手数料まとめ!税制や補助金はある?【弁護士/コンサル】

事業承継の費用・手数料まとめ!税制や補助金はある?【弁護士/コンサル】

近年、中小企業経営者が高齢化しており、事業承継を行う必要のある企業は増加しています。一方で事業承継にはある程度の費用が必要になるため、事業承継に消極的な経営者もいます。そこでこの記事では事業承継...

中小企業株式譲渡事業譲渡
記事検索
M&Aコラム
人気の記事
最新の記事
セミナー・イベント
【※メルマガ限定】プレミアムM&A案件情報、お役立ち情報をお届けします。
ご相談はこちら
(秘密厳守)