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2020年1月22日更新
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業績不振の原因と改善策

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

会社経営には好不調の波があります。そして、不調のときに訪れるのが業績不振です。経営者であれば避けて通りたい業績不振ですが、そこから抜け出せれば経営者冥利に尽きます。備えあれば憂いなしとするため、業績不振の原因分析と対策立案方法を知っておきましょう。

目次
  1. 業績不振=会社経営のレッドゾーン
  2. 業績不振とは
  3. 業績不振の原因
  4. 業績不振の基本的な改善策
  5. 業績不振を原因とした従業員の解雇
  6. 業績不振を原因とした減給
  7. 業績不振を原因とした転職
  8. まとめ

業績不振=会社経営のレッドゾーン

営業不振に販売不振、業績不振に経営不振、どの言葉も会社経営者にとっては見たくも聞きたくもないものばかりです。不振とは、勢いがふるなわいことと国語辞書には載っていますが、会社経営にまつわる不振は、勢いがふるわない程度のレベルではないのが実感でしょう。

しかし、現実に会社が業績不振に陥ってしまったら、経営者としてはそれから目をそむけることはできません。最悪の事態を招かないためにも、業績不振の原因の分析と改善策の立て方についてヒントをつかんでいってください。

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業績不振とは

端的に言えば、業績不振とは、売上高や利益が減少してしまっている状態です。業態によって、その実態はさまざまなパターンがありますが、例えば、会社内部に何らかの問題がある業績不振もあるでしょう。

あるいは、外的要因として、新規参入ライバル会社や代替品の出現によって顧客を奪われる形での業績不振もあります。また、技術革新や人口減少など社会の変化が市場を変えてしまい、それが業績不振につながってしまうケースもあり得ます。

いずれにしても、業績不振に陥り、それを放置してしまうと、引き起こされるのは負のスパイラルです。つまり、業績不振から赤字突入→資金繰り悪化→債務超過→倒産という悪夢への入口が業績不振と言えます。中小企業庁の統計では、倒産理由の約8割が販売不振です。

経営者たるもの、販売不振、業績不振を察知したら即時、改善策を講じなくてはいけません。

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業績不振の原因

倒産理由の約8割を占めるのが販売不振ですが、その他の理由として2位~4位に挙げられているものを以下に紹介します。

  • 経営者の放蕩経営
  • 資本金不足
  • 連鎖倒産
これらは比率としてはいずれも5%前後ですが、どれも業績不振を招くインパクト大のものと言えるでしょう。また、業績不振に陥るときというのは、何か1つではなく複数の原因が重なり合って業績不振となる場合が多いのも特徴です。

そして、業績不振を招きかねない事象の中で、会社内部の問題であれば自浄努力で対処することができます。特に以下の3つは、業績不振を招く社内3大原因です。確認しておきましょう。

①経営力の不安定さ

経営者には経営者としての責任がありますから、その経営力はとても重要です。しかし、非上場の中小企業によくあるようなワンマン経営の場合、本当に経営者1人に全ての責任が集中してしまっていて、非常にハイリスクと言わざるを得ません。

倒産理由にも挙げられているような放蕩経営につながる温床となる可能性もあれば、経営者が事故や病気で倒れたとき、経営が止まってしまいます。また、ある種の勘を頼りとするような経営方法の場合もあり、それでは合理的な経営とは言い難いでしょう。

会社の業績不振を防ぐには、予実管理や正確な利益の把握など、厳密に数字にこだわる経営に徹することが必須です。数字による経営管理を徹底すれば、あらかじめ業績不振のシグナルを捉えることも可能となり、業績不振を未然に防げる対処も行えるでしょう。

②組織力の低下

1人の人間が同時に管理することのできる組織の人員数の限度は、10人とも20人とも言われています。従って、企業の規模が大きくなってくると、経営者1人では会社全体をこと細かに管理できなくなるはずです。

その場合、中間管理職に権限を移譲することになりますが、人選ややり方を誤ると組織力の低下を招き、結果的に業績不振となる恐れがあります。能力不足であったり人格に難のある人材が中間管理職になると、組織力はたちまち低下してしまうからです。

経営者は能力や人格などをよく見極めたうえで、中間管理職を任命しなくてはいけません。

③親族内の争い

非上場の中小企業の場合によく見られるのが同族経営です。親族同士であれば、赤の他人よりも信頼できるという理由があるのかもしれませんが、これも業績不振の原因となり得ます。それは、仮に親族内で争いが生じた場合、他人とは違って遠慮がないため、抗争が長引くからです。

親族間の経営陣の確執は派閥を生み、従業員同士も足の引っ張り合いや非協力的な態度など、業務の遂行に支障が出るようになり、そうして急激に業績不振が進行します。経営者として親族を経営陣に招き入れる場合、自分との相性や適性など、よくよく検討してから決めましょう。

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業績不振の基本的な改善策

できるだけ未然に防ぎたい業績不振ですが、そうそう全てがうまく運ばないのが人の世の常です。万が一、業績不振に陥ってしまった場合も想定し、業績不振を改善するための対策の立て方について考えてみましょう。ベーシックな業績不振改善策として、以下の3つを提示します。

①目標の見直し

業績不振を改善する第一の策としてお勧めしたいのが、事業目標の見直しです。業績不振から脱却するためには、中長期的な目標と目前の短期的な目標の両方を明確にすることがポイントになります。どちらか片方の目標が欠けていると、おそらくは業績不振の改善はかないません。

業績不振改善のための目標見直しでは、その目標が実現不可能なほど難しいものでないか、あるいは逆に簡単に達成できてしまう目標ではないかといった具合に、目標の難易度設定についてよく検討しましょう。

長期的な目標と短期的な目標それぞれに関して、適切な難易度に設定し直せば業績不振の改善につながるはずです。

②インセンティブの設定・付与

インセンティブとは、目標を達成するための刺激や誘因、目標達成時に与える報酬を指しています。従業員や役員に対し、何らかのインセンティブを設定・付与することで、各人が業務に発奮し業績不振を改善できる可能性が高まる効果を期待できます。

具体例としては、目標に対してきちんと成果を残した従業員・役員には、相応の報酬が支払われるシステムを構築すれば、社内全体のモチベーションアップにつながり、業績不振の改善に向けて有効な打開策となり得るでしょう。

③モニタリングの実施

目標の見直しによって妥当な目標を設定し、なおかつインセンティブ制度を作ったとしても、目標が達成されなければ、それは絵に描いた餅であり、業績不振は改善されません。確実な目標達成のためには、モニタリングの実施が肝要です。

業務の違いによってモニタリングの周期を日次、週次、月次に分け、各自の目標達成度合いを確認し、未達成であればその原因を分析し追加の改善策を施します。原点に立ち返り、仕事の基本的な改善手法であるPDCAサイクルを全社的に徹底させましょう。

しかし、倒産理由の1つに挙げられていた連鎖倒産や市場の縮小などの外的要因は、内部努力だけではいかんともし難く、業績不振から簡単には抜け出せない場合もあります。そのような局面では思い切って、M&Aにより打開を図ることも検討手段の1つです。

M&Aが成立すれば、倒産や廃業を免れ、従業員が路頭に迷うこともありません。相応の売却額により、経営者も次への資金を手にすることができます。そして、そのようなM&Aを実現させるためには専門家の助力が必要です。お困りの際には、ぜひ一度、M&A総合研究所にご相談ください。

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業績不振を原因とした従業員の解雇

前項で述べた業績不振改善策以外で経営上、取り得る措置と言えばコストカットです。無駄な出費を抑えるの越したことはありませんが、業績不振状態ともなれば会社そのもののダウンサイジングも検討が迫られます。その最たる手段となるのが、従業員の解雇です。

ただし、業績不振を理由に従業員を解雇(=整理解雇)するには、労働基準法に定められている厳しい条件を満たす必要があります。その条件は4項目が挙げられています。整理解雇の4要件について以下で、順次確認してみましょう。

なお、以前は整理解雇を実施するには4つの要件全てを満たすこととされていましたが、昨今では必ずしも全て満たしていなくても、許容されるケースが見られるようになってきています。

①人員整理の必要性

整理解雇を実行しようとする前に、例えば本社以外の事業所や支店を閉鎖するなど、業績不振が深刻な状態だという背景が実証できるような状況であれば、従業員を解雇する必要性があったと認められます

近年、この要件の判断基準は緩くなっている傾向があり、業績不振を事前に防ぐ目的であっても解雇の正当性が認められるケースも確認されています。

②解雇回避努力の実行

解雇回避努力とは、解雇を実行しようとする前に役員報酬の削減、退職勧奨や希望退職を募るなど、他の施策を施しているかどうかが問われます。取り得る努力を最大限実施して初めて、業績不振を原因とした解雇が認められるということです。

③人選の合理性

解雇する対象として選んだ従業員には、相応の合理的な理由がなくてはいけません。「どうしてその従業員を解雇対象として選んだのか」という説明をしたとき、公平性を欠いた理由では認められないのです。特に、能力を理由とした解雇は認められにくいため、勤務態度や給与水準を基準としましょう。

④手続きの正当性

業績不振を原因とする解雇が認められるためには、正当な解雇手続きを経なくてはなりません。社内に労働組合がある場合は労働組合に対して、そしてもちろん従業員本人に対しても、真摯で誠実な説明を行っていることが求められます。

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業績不振を原因とした減給

業績不振を原因とした解雇は認められにくく、手続きなどの労力の負担も大きいことから、従業員の減給を検討するケースもあります。原則として、会社の都合で手当や給与を引き下げることは、労働者にとって不利益な変更に該当するとして禁止されています。

しかし、業績不振という理由がある場合は、所定の手続きを経ることで減給が認められます。その際に、まず大事なのは、従業員や労働組合に減給の必要性を説明し、承諾を得ることです。どんなに業績不振であろうと一方的な減給は許されません。

例えば、就業規則や労働契約を変更すれば、減給は可能です。ところが、その内容が不平等であると裁判所や労働基準監督署に判断されれば、減給処置は無効とされる可能性が十分にあります。公平さを欠かずにきちんとした手順・手続きで行うことによって、業績不振を理由とする減給が許されます。

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業績不振を原因とした転職

従業員として働いている立場であれば、たとえ経営者が隠そうとしても、自社の業績不振は敏感に感じ取れるものです。そにようなときに起こる出来事は、経営者から見れば人材流出、従業員から見れば転職ということになります。

ここでは経営者視点から離れ、業績不振の会社から転職を図る従業員目線での情報を掲示します。自身の働いている会社が業績不振に陥ったら、誰でも今後の生活に不安を持つでしょう。万が一、業績不振の悪化で会社が倒産してしまえば、家族を路頭に迷わせることとなってしまいます。

従って、業績不振の会社から他社に転職しようとする行為は、本人にとっては合理的で賢明な判断です。しかし、転職候補先の会社から、その人を見た場合、業績不振のみが転職理由であるなら、仕事に対する責任感が薄い人物という評価を下されかねません。

業績不振の責任の大部分は経営者にありますが、自身も会社の一員であったこともまた事実です。つまり、転職を決断した理由について、以下のような事由を含めて説明を行わないと、プラス評価を得ることはできないでしょう。

  • 業績不振の中、個人としてはどのように頑張ったかの実体験
  • 業績不振という環境下では自分の本当の力が発揮できない理由
  • 業績不振下での業務経験をどのように次に生かそうと考えているか

転職の成功率を高めるには、自身を採用するメリットを感じてもらうということです。なお、会社が業績不振になったからといって、あわてて退職する必要はありません。会社都合の解雇なら即日、失業手当が支給されますし、会社の経営が持ち直す可能性もあります。

転職先の目星すらつけていないのに退職してしまうのは、早計の極みです。焦りは禁物、よくよく考えてから行動に移しましょう。

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まとめ

業績不振をそのまま放置すれば、廃業や倒産などの事態に進行してしまうため、早めの改善対策が必要です。しかし、即効性の対策はまずありませんから、長期的な視野を持って取り組むしかありません。そして、最も有効な手段は、常日頃から業績不振を招かない経営を心掛けることです。

本記事の要点は以下のようになります。

【業績不振とは】

  • 売上高や利益などが減少している状態

【業績不振の原因】

  • 経営力の不安定さ、組織力の低下、親族内の争い
【業績不振の基本的な改善策】
  • 目標の見直し、インセンティブの設定・付与、モニタリングの実施
【業績不振を原因とした従業員の解雇】
  • 「人員整理の必要性」「解雇回避努力の実行」「人選の合理性」「手続きの正当性」の4要件を満たす必要がある
【業績不振を原因とした減給】
  • 原則禁止だが、究極的には認められてもいる

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