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廃業支援における中小企業庁の制度・銀行の活用

廃業支援における中小企業庁の制度・銀行の活用

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

目次

    廃業支援

    少子高齢化による人口減少や経済のグローバル化に伴い、廃業する企業が増えています。

    赤字廃業の企業はもちろんのこと、黒字であっても後継者不足を理由に廃業する中小企業や個人事業主が見受けられます。

    廃業に際しては、費用や手続き面での負担が経営者にのしかかります。

    そうした事情を踏まえ、中小企業庁や一部の銀行では様々な廃業支援を実施しています。

    この記事では、中小企業や個人事業主に対する廃業支援方法を分かりやすくご紹介します。

    廃業支援の課題と現状

    まず初めに、廃業支援に関する課題を紹介します。

    廃業する中小企業・個人事業主が増加傾向にある一方で、未だ廃業支援には多くの課題が残っています。

    廃業支援の課題の中から、2つの課題を取り上げます。

    ⑴廃業に関する経営者(個人事業主)の知識不足

    経営者であれば、誰も進んで廃業したいとは考えません。

    廃業を考えない経営者が殆どであり、廃業に関する知識が不足している傾向にあります。

    廃業の際には、事業用資産の処分、取引先との関係整理など様々な手続きが必要となり、自力でこなすには骨が折れます。

    廃業に関する支援制度や支援機関が存在する一方で、経営者(個人事業主)自身がその存在について知らないケースが多いです。

    廃業に対して何も対策できず、満足いかない形で廃業する事業者は多く見受けられます。

    中小企業庁のアンケートによれば、約3割の経営者が誰にも相談せずに廃業しています。

    こうした現状が円満な廃業を妨げており、支援する側が率先して解決すべき課題の一つです。

    この課題を解決する為には、商工会議所や中小企業庁が一丸となって、中小企業や個人事業主に対して廃業に関する基礎知識を伝える必要があります。

    いつまでに何を準備するのか、廃業後の生活設計をどう構築すべきか、経営者に伝えるべき知識は非常に多いです。

    中小企業経営者や個人事業主も、廃業に先駆けて廃業に関して下調べすることが求められます。

    ⑵廃業の匿名性

    廃業には法務や税務を中心とした専門知識が必要となる一方で、経営者にとっては第三者に廃業することを知られたくありません。

    そうした経営者の心情から、廃業の必要性が生じても専門家に相談しない場合が大半です。

    廃業支援を実施する側は、廃業を匿名で実行したい中小企業や個人事業主の意向を尊重した上で、専門的なサポートを提供できる仕組み作りが大切です。

    電話相談窓口やインターネットでの質問、匿名性を維持する方法は様々考えることが出来ます。

    匿名性を担保できれば経営者は相談しやすくなり、結果として中小企業の円満な廃業が促進されるでしょう。

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    廃業手続きの種類、業界別廃業手続きについて解説します

    中小企業庁による廃業支援ローン(小規模企業共済制度)

    この項では、中小企業庁が運営する廃業支援の一つ「小規模企業共済制度」を紹介します。

    ⑴小規模企業共済制度による支援内容

    廃業予定の経営者にとって最も心配なことは、失業です。

    引退後も生活資金が必要となり、経営を辞めた場合収入が0となります。

    そうした経営者の不安を取り除く為に、中小企業庁では「小規模企業共済制度」を実施しています。

    小規模企業共済制度とは、中小企業の福祉増進と振興を目的とした「経営者の退職金共済制度」です。

    簡単に言うと、加入している経営者同士で退職金をまかない合う制度です。

    毎月掛け金を積み立てておけば、廃業や退職する時点で退職金が支払われます。

    小規模企業共済制度では、退職金制度に加えて契約者貸付制度も利用できます。

    契約者貸付制度とは、納付済みの掛け金総額の範囲内で事業資金等を無担保・無保証人で借り入れできる制度です。

    廃業後の生活不安を軽減できる点で、小規模企業共済制度は非常に役立つ廃業支援です。

    ⑵小規模企業共済制度の対象者

    小規模企業共済制度では、下記条件のいずれかに該当する者を廃業支援の対象としています。

    1. 常時使用する従業員が20名以下(商業・サービス業では5名以下)の個人事業主・共同経営者・会社役員
    2. 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合役員
    3. 常時使用の従業員数が20人以下の協業組合役員
    4. 常時使用の従業員数が20人以下であり、かつ農業経営を行う農事組合法人の役員

    つまり、小規模なビジネスを行う個人事業主や中小企業の経営陣であれば、廃業支援の対象になります。

    ⑶掛け金(月額)

    掛け金は月額1,000円〜7万円以内となっており、500円刻みで掛け金を決めることが出来ます。

    必要に応じて、半年払いや年払いも可能です。

    ⑷税法上の特典

    小規模企業共済制度に加入するメリットは、廃業時の支援だけではありません。

    共済に対する納付掛け金は全額所得控除となるので、大きな節税効果が期待できます。

    中小企業や個人事業主にとっては、まさに一石二鳥の廃業支援制度です。

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    経営者の年金

    中小企業庁による廃業支援補助金(事業承継補助金)

    中小企業庁は小規模企業共済制度以外にも、廃業支援として「事業承継補助金」を運営しています。

    ⑴事業承継補助金による支援内容

    事業承継に要する費用補助を利用できる事で知られる制度ですが、実は廃業支援の補助金でもあります。

    事業承継補助金では、事業転換や経営革新の為に廃業するケースに対しては、通常よりも補助金を上乗せしてくれます。

    経営の新陳代謝を図る事業承継を行う場合には、メリットの大きい廃業支援です。

    ⑵事業承継補助金の対象者

    事業承継補助金による廃業支援を受ける為には、下記条件を満たす事業承継である必要があります。

    • 新商品・サービスの開発や生産、提供を行う
    • 商品やサービスに関する新たな生産や販売・提供方式の導入
    • その他新たな事業活動により、販路拡大や新市場開拓等を実行する

    つまり事業承継後に、従来とは異なる取り組みを実行することが条件です。

    上記条件以外にも、地域経済への貢献や後継者の経営経験、同業種に対する知識等も条件に含まれています。

    事業承継補助金自体採択率は低く簡単には利用できない制度ですが、応募してみる価値は十分あります。

    ⑶支給金額

    事業承継補助金には、Ⅰ型(後継者承継支援型)とⅡ型(事業再編・事業統合支援型)が存在し、それぞれ支給金額が異なります。

    この項では、それぞれの支給金額をお伝えします。

    ①Ⅰ型(後継者承継支援型)

    Ⅰ型の中でも、事業規模によって補助率や補助金額が異なります。

    • 小規模事業者やそれに準ずる個人事業主

    補助率→3分の2以内

    補助金額→200万円

    廃業を伴う場合の上乗せ額→300万円

    • 小規模事業者以外

    補助率→2分の1以内

    補助金額→150万円

    廃業を伴う場合の上乗せ額→225万円

    ②Ⅱ型(事業再編・事業統合支援型)

    Ⅱ型の場合、審査結果の点数に応じて上位と下位に分けられて、それぞれ補助率や補助金額が異なります。

    • 採択上位

    補助率→3分の2以内

    補助金額→600万円

    廃業を伴う場合の上乗せ額→300万円

    • 採択下位

    補助率→2分の1以内

    補助金額→450万円

    廃業を伴う場合の上乗せ額→450万円

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    銀行による廃業支援(廃業支援型バイアウト)

    最後に、銀行による廃業支援をご紹介します。

    銀行では、中小企業や個人事業主に対して廃業支援を提供しています。

    その中でも新生銀行の廃業支援「廃業支援型バイアウト」は、非常に画期的な制度です。

    近年は後継者不足を理由に、負債よりも資産が上回っているのにも関わらず廃業する中小企業が少なくありません。

    廃業を実行する際には、従業員の雇用関係や取引先との関係整理、廃業手続きといった面倒なことが山ほどあります。

    新生銀行では資産超過で廃業予定の中小企業を買収(バイアウト)し、経営者に代わって廃業手続きを進める支援策を実施しています。

    経営者にとってはバイアウトによる利益を獲得でき、面倒な廃業手続きは全て銀行側が進めてくれる為、一石二鳥の廃業支援策です。

    経営者にとっては、大事な会社を銀行に売却したくない気持ちはあるでしょう。

    しかし、手遅れになるより、廃業支援型バイアウトを利用する方がメリットが多いでしょう。

    まだ馴染みの薄い制度ですが、是非一度「廃業支援型バイアウト」の活用を検討しては如何でしょうか?

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    MBOを活用した事業承継

    まとめ

    今回は、中小企業や個人事業主に役立つ廃業支援を紹介しました。

    中小企業庁や銀行では、中小企業や個人事業主の廃業に役立つ支援策を打ち出しています。

    廃業する場合、面倒な手続きや多額の費用が発生します。

    今回ご紹介した廃業支援の制度を利用することで、少しでも円滑な廃業を実現できるでしょう。

    廃業を検討中の経営者・個人事業主の方は、早めの対策と制度の活用をオススメします。

    要点をまとめると下記になります。

    • 廃業支援の課題

    →廃業に関する経営者(個人事業主)の知識不足、廃業の匿名性

    • 中小企業庁の廃業支援(小規模企業共済制度)
    1. 廃業に対する支援内容→経営者の退職金共済制度
    2. 対象者→小規模なビジネスを行う個人事業主や中小企業の経営陣
    3. 掛け金(月額)→掛け金は月額1,000円〜7万円以内
    4. 税法上の特典→納付掛金を全額所得控除にできる
    • 中小企業庁の廃業支援(事業承継補助金)
    1. 廃業に対する支援内容→廃業を伴う事業承継に対して、通常よりも補助金を上乗せして支給
    2. 対象者→経営革新や事業転換を図る事業者等
    3. 支給金額→補助金のタイプ等によって異なる
    • 新生銀行の廃業支援(廃業支援型バイアウト)とは

    →資産超過で廃業予定の会社を銀行が買収し、経営者の代わりに廃業手続きを進める支援策

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