2020年1月26日更新資金調達

第三者割当増資とは?メリット・デメリットを解説

第三者割当増資のメリットには、資金面の基盤強化・信用力の獲得・M&Aのスムーズな実施などがあります。資金調達する企業だけでなく、新規株主にもメリットがある点が特徴的です。しかしデメリットも存在するため、第三者割当増資を検討するときは専門家に相談すると良いです。

目次
  1. 第三者割当増資とは
  2. 第三者割当増資のメリット(その1)
  3. 第三者割当増資のメリット(その2)
  4. 第三者割当増資のデメリット
  5. まとめ
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第三者割当増資とは

資金調達は、会社を経営する上で必要不可欠です。簡単に説明すると、第三者割当増資とは新株を発行して特定の第三者に買い取ってもらう資金調達方法を意味します。基本的に上場企業では、発行する新株を誰でも購入することができるため、不特定多数の投資家に公募する「公募増資」が実施されます。

これに対して上場していない会社では、株式が非公開となっているケースが一般的であり、資金を調達するときは特定の第三者を選んで投資してもらうことになります。このときに採用される方法が、第三者割当増資です。「株式を購入させることで経営権を与える」という点では、株式譲渡とも似ています。

しかし第三者割当増資を活用すれば、企業側と既存株主ともに会社経営を実施できます。さらには、通常よりも安価で株式を購入できるというメリットもあるのです。第三者割当増資と株式譲渡には、こうした点に相違があります。

第三者とは誰のことか

第三者割当増資でいうところの「第三者」は、取引先や友好的関係にある企業・個人である場合が多いです。一般的に第三者割当増資を呼びかける対象は、かねてから付き合いのある相手だとされています。前述のとおり第三者割当増資は、主に上場していない非公開会社が活用する資金調達方法です。

そのため不特定多数の人に対して、株式を買ってくれるよう募集することはできません。第三者割当増資では、特定の第三者、つまり取引先や友好的関係にある企業や個人に呼びかけます。具体的にいうと、得意先・仕入先・ベンチャーキャピタル・役職員などです。

とはいえ知っている企業や個人であれば、誰であっても良いというわけでもありません。第三者割当増資を実施すると、筆頭株主に大きな権利を与える可能性があります。合併や業務提携を実施するときには、大きな権限を持った株主の助力が必要不可欠です。

したがって第三者割当増資の活用を検討するときは、業務提携を実施したい相手や今後も安定した関係を築いていきたい相手を選ぶことをおすすめします。こうした相手に新株を買い取ってもらうことによって、今後の会社経営を円滑に進行させられる可能性が高まります。

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第三者割当増資のメリット(その1)

第三者割当増資には様々なメリットがあるため、この記事では2つの章に分けて詳しく解説していきます。はじめに紹介する第三者割当増資のメリットは、以下のとおりです。
 

  1. 資金面の基盤強化
  2. 信用力の獲得
  3. M&Aをスムーズに実施可能


それぞれのメリットを順番に見ていきます。

①資金面の基盤強化

第三者割当増資で獲得した資金は、返済不要です。これにより返済によって資金が減少する事態を回避できるメリットがあります。また負債ではなく増資(資本が増える)であるため、かえって資金面の基盤強化を図ることが可能です。資金面の基盤を安定させることで、新規事業の積極的な展開も叶えられます。

さらには従業員や役員の報酬を増やすことも可能です。報酬を上げることで、従業員や役員のモチベーションを高めることができ、優秀な人材の囲い込みにもつながります。このように資金面の基盤強化が実現すると様々なメリットの獲得が期待できるのです。

②信用力の獲得

投資家の立場からすると、会社への出資は大きなリスクを孕む行為といえます。賃借ではなく資金を提供するため、本来であればリスクマネーの支払いは控えたいものです。ところが裏を返せば、ここで出資してもらえれば、自社を「リスクを背負ってでも出資するに値する会社」だと証明できます。

外部から見たときの自社の信用力を向上させられるので、円滑な会社経営につなげられます。

③M&Aをスムーズに実施可能

第三者割当増資の実施がきっかけとなり、資本提携や業務提携に発展するケースも多くあります。第三者割当増資に伴ってM&Aを実施すると、他のM&A手法と比べて緩やかな取引を実現できるメリットがあるのです。

たとえば、会社を丸ごと譲渡したり事業の一部を譲渡するといったM&Aの実施では、相手方との意見の相違から軋轢が生じて大きなトラブルに発展するケースが高いです。ところが第三者割当増資は、株式を特定の第三者の購入してもらう方法なので、結果として良好な関係のままM&Aを実施できます。

最近では、M&Aを活用した企業買収が当たり前となりつつあります。とはいえM&Aでは、複雑なプロセスを踏まなければならない上に、成功確率は決して高くありません。そのためM&Aを成功させたいならば、専門家に協力を仰ぐことをおすすめします。

もしもM&Aを見据えた第三者割当増資を検討している場合には、M&A総合研究所にご相談ください。M&A仲介会社であるM&A総合研究所には、公認会計士をはじめM&Aに関する豊富な知識と経験を持つ専門家が多数在籍しており、自社のM&Aをフルサポートいたします。

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第三者割当増資のメリット(その2)

つぎに紹介する第三者割当増資のメリットは、以下のとおりです。
 

  1. 新規株主と企業側の双方が利益を享受できる
  2. 新規株主と安定した関係構築が期待できる

それぞれのメリットを順番に見ていきます。

①新規株主と企業側の双方が利益を享受できる

第三者割当増資ならではのメリットとしては、新規株主と資金調達をする企業側の双方が利益を享受できる点も挙げられます。新規株主が得られるメリットは、その新規株主のタイプごとに異なります。第三者割当増資では、以下の相手が新規株主となるケースが多いです。
 

  • 得意先
  • 仕入先
  • ベンチャーキャピタル
  • 役職員

それぞれの相手ごとに期待できるメリットを順番に見ていきます。

得意先

得意先が会社の商品やサービスを購入すれば、もちろん利益が発生します。また第三者割当増資で新規株主になれば、株式売却金や配当金を獲得できるため、ここでも利益が発生するのです。したがって得意先には、通常の取引にくわえてさらに利益が得られるメリットがあります。

仕入先

仕入先が優先的に商品やサービスを提供するほど、新規株主となった会社でそれだけ多くの利益が生じます。これにより株式の価格が高騰して、株式売却金や配当金を獲得することが可能です。つまり自社製品を優先的に提供しながら、株主としての利益も得られることになります。

このように得意先と同様、通常の取引にくわえた利益が得られるメリットがあります。

ベンチャーキャピタル

第三者割当増資を受ける会社が上場すると、ベンチャーキャピタルには株式売却金や配当金などを獲得できるメリットがあります。そのため第三者割当増資を実施する会社としても、得意先や仕入先の開拓・経営に関する重要情報の提供など、会社にとって有益なアドバイスをしてもらえるメリットが期待できるのです。

役職員

役職員が出資をすると、会社に利益が出たときに株式売却金や配当金などが獲得できるメリットがあります。また役職員が新規株主になると、会社と利益を共有する仲間だという認識がお互いのなかで強まるのです。

つまり第三者割当増資を実施する会社としても、役職員がさらなる利益を求めてこれまで以上に業績向上に向けて働いてくれるメリットが期待できます。

②新規株主と安定した関係構築が期待できる

第三者割当増資を実施すると、新規株主となってもらう相手に対して親密な関係であることを印象付けることができます。かねてより良好な関係を築いていた企業や個人が株主になってくれるため、基本的には「利益をシェアできる仲間」という捉え方がなされます。

お互いの利益のために助け合っていく仲間という意識付けができるので、これまで以上に良好で安定した関係構築を期待することが可能です。

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第三者割当増資のデメリット

これまで様々なメリットを紹介しましたが、第三者割当増資にはデメリットも存在するため把握しておく必要があります。第三者割当増資のデメリットは、以下のとおりです。
 

  1. 既存株主から反発を受けるおそれがある
  2. 納税額が増える可能性がある
  3. 手続きに手間や資金がかかる

それぞれのデメリットを順番に見ていきます。

①既存株主から反発を受けるおそれがある

第三者割当増資を実施して新株式を発行すると、株式全体の数が増えてしまいます。これにより、以前から支配権を持っていた既存株主の持株比率を低下させてしまう可能性があるのです。この現象は、株式の希薄化と呼ばれています。

株式の希薄化とは、新規株式を発行して発行済株式数が増加することで、1株あたりの価値が低下することです。新規発行する株式数によっては、既存株主の支配権に大きな影響を与えます。最悪の場合、既存株主の意思で会社経営を実施できなくなることもあり得るため、反発を受けるおそれがあります。

第三者割当増資の実施を検討するときは、既存株主の持ち株比率の変化に注意することが大切です。

②納税額が増える可能性がある

第三者割当増資を実施して新株式を発行すると、その会社の納税額が増える可能性があります。第三者割当増資は、資本金の増加を伴う資金調達方法であるためです。会社の資本金1,000万円以上あるいは1億円以上を基準として、納税額は大きく変化します。

このとき問題となる税金は、消費税や法人住民税です。第三者割当増資の実施を検討したら、増資のみに注力するのではなく、課税額の増加についても把握しておくことが大切です。

③手続きに手間や資金がかかる

第三者割当増資を実施するときには、多くの手間や資金がかかる手続きを踏まなければなりません。具体的には、募集事項の決定・内容の公示・割り当ての決定・株式の発行・登記の変更など様々な手続きが求められます。

ちなみに資本金の増加に伴う登記手続きでは、登録免許税を支払う必要があります。そして第三者割当増資を実施することで、会社が定めた発行可能株式総数を超えるケースでは、登記内容の変更が必要となり、こちらでも登録免許税の支払いが求められます。このときの登録免許税の課税額は、ともに3万円です。

くわえて、登記手続きを専門家に依頼する場合には、専門家への報酬の支払いもかさむことになります。第三者割当増資を実施するときには、必要な手間や資金をあらかじめ把握しておくことが大切です。

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第三者割当増資における希薄化

第三者割当増資の株価への影響

まとめ

第三者割当増資は、信頼力があったり良好な関係が築けている相手を対象に実施します。信頼のある相手に自社の株式を購入してもらえて、リスクが低い資金調達方法といえます。しかし資金面が安定しないからといって、簡単に第三者割当増資を活用できるわけではありません。

ポイントは、増資したいと思われる会社になることです。増資するに値しない企業と思われてしまえば、資金の提供は受けられません。本記事では、第三者割当増資のメリットについて解説しましたが、第三者割当増資にはメリットのみならず当然デメリットもあります。要点をまとめると以下のとおりです。

・第三者割当増資とは
資金調達のために新株を発行して特定の第三者に買い取ってもらう方法 

・第三者割当増資の対象
業務提携を実施したい相手・今後も安定した関係を築きたい相手

・第三者割当増資のメリット
資金面の基盤強化・信用力の獲得・M&Aをスムーズに実施可能など

・第三者割当増資のデメリット
既存株主から反発を受けるおそれがある・納税額が増える可能性があるなど

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