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2019年11月29日更新
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販売提携

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

販売提携とは経営戦略の一つです。M&Aにおける販売提携、販売提携の進め方・契約書、また販売締結のメリット・デメリット、販売提携と業務提携の違いについて解説します。

目次
  1. 販売提携
  2. M&Aにおける販売提携とは
  3. 販売提携のメリットとデメリット
  4. 販売提携の契約書
  5. 販売提携と業務提携の違い
  6. まとめ

販売提携

国内市場の縮小や環境変化が激化している現在、企業が生き残りを図る事は困難になってきました。
企業同士協働しながら、経営戦略を遂行する事例が増加しています。
販売提携も企業同士で行う経営戦略の一つであり、様々なメリットが得られます。
今回の記事では、販売提携に関して詳しくご説明します。

M&Aにおける販売提携とは

一般的には買収や合併を指すM&Aですが、販売提携も広義のM&Aに含まれると言われています。
この項では、M&Aにおける販売提携を解説します。

⑴販売提携とは

販売提携とは製品・サービスに関する販売面で、複数の企業が互いの経営資源を活用し合い、利益獲得を目指す経営戦略です。
販売面に関する経営資源として、販売チャネルや販売員、ブランド等を互いに共有し合います。
販売提携は、既存製品・サービスとは顧客層や商圏が異なるケースや、新規事業への進出時に有効です。
技術力がある一方で販売力に乏しい企業が、販売提携を活用する事例もあります。
販売店・代理店契約やフランチャイズ契約等により、販売提携が実施されるケースが一般的です。

⑵販売提携の進め方

①提携目的を明らかにする

販売提携を実行する目的を明確にしなくてはいけません。
目的なしに販売提携を遂行しても、メリットは得られません。
販売提携の目的を明確化する事で、成功確率を高めることができます。

②販売提携の相手探し

次に、目的を達成する上で最適な販売提携の相手を探します。
販売提携のメリットを最大化する為には、目的に応じて適切な相手を探す必要があります。
リスクを抑える観点では、これまで取引関係を持った経験のある相手と販売提携する方がベターです。
過去に接点のあった相手であれば、経営状況や信頼性を把握しやすく、販売提携でトラブルが生じるリスクを抑制できます。

③契約書の締結

提携相手が見つかったら、交渉を経て販売提携契約書を締結します。
販売提携の契約書作成に際しては、いくつか重要なポイントがあります。
契約書に関しては、後ほど詳しく解説します。

④提携の開始

契約書を締結しましたら、実際に販売提携を開始します。
メリットを最大限得る為に、互いに協力する事が大切です。

⑶販売提携のポイント

①相手企業の利益も重視する

販売提携では相手の経営資源を利用し、効率的に利益を獲得できます。
相手企業も自社の経営資源の活用により、利益獲得を目指します。
自社の利益を最優先し相手企業の利益をないがしろにすると、相手企業が協力を得にくくなる可能性があります。
販売提携のメリットを得る為には、互いの相互協力により、シナジー効果を高める事が不可欠です。

②コミュニケーションを徹底する

M&Aとは違い、販売提携は契約に基づいた緩やかな関係です。
契約書を締結しても、互いにその内容を履行しなければ、販売提携のメリットは生まれません。
コミュニケーションが少なければ、双方企業の販売提携に対するコミットメントが減少する恐れがあります。
販売提携を成功させる為には、頻繁にコミュニケーションを取る事が不可欠です。
※関連記事
M&Aとは?M&Aの意味をわかりやすく解説!

販売提携のメリットとデメリット

この項では、販売提携のメリットとデメリットを解説します。

⑴販売提携のメリット

販売提携には、主に下記3つのメリットがあります。

①独立性を維持できる

販売提携は契約に基づく関係であり、経営権や資本に変化がない為、独立性を維持できます。
独立性を維持できる為、相手方の戦略に左右されずに行動できるメリットがあります。
販売提携は独立した関係ですので、何かあれば簡単に契約を解消できるメリットもあります。

②外部の経営資源を有効活用できる

自社のみで目的を達成する場合、不足する経営資源は一から作り出す必要があり、目標達成までに多大な時間とコストがかかります。
活用したい経営資源を保有する企業と販売提携すれば、スピーディーに目標達成を目指せます。
経営戦略を迅速に達成できる点は、リスクを低減する上でも大きなメリットです。

③低コストで提携できる

経営資源を獲得する為にM&Aを利用する場合、デューデリジェンス等で多くの時間やコストがかかります。
M&Aがうまく行かず、費やしたコストや時間が無駄となるリスクがあります。
販売提携は契約のみで成立する為、簡単かつ低コストで遂行でき、その結果会社全体に様々なメリットをもたらします。

⑵販売提携のデメリット

販売提携には、下記2つのデメリットがあります。

①情報漏洩のリスク

情報漏洩のリスクは、販売提携における最大のデメリットです。
あくまで独立性に基づき販売提携する為、相手企業が情報管理を徹底しない可能性があります。

②自社のノウハウやスキルが盗まれるリスク

販売提携の最中は、自社のノウハウやスキルを相手に見せる事となります。
相手企業にとって価値のあるノウハウ・スキルである場合、盗まれて転用されるリスクがあります。
※関連記事
業務提携のメリット

販売提携の契約書

⑴販売提携の契約書とは

販売提携の契約書は、互いに販売提携の実行に同意した時点で締結する契約書です。
販売提携は独立性を維持できるメリットがある一方で、相手側が行動しない等のデメリットが生じるリスクもあります。
「言っていた事と違う」とならない為に、販売提携で互いにす果たす役割や守るべき事柄を契約書にて明確に定めることが必要です。

⑵販売提携契約書の内容

販売提携契約書には、主に下記6つの内容を明記します。

①販売提携の目的

販売提携の目的は、互いの意向や考え方を合致させる為に盛り込みます。
最も基本的な部分であり、明確に設定しておく事が大切です。

②業務範囲・互いの役割

販売提携では互いの独立性が維持される為、相手企業が期待していた役割を果たさない可能性があります。
後々のトラブルを避ける為に、契約書内にて互いの業務範囲や役割を明確化します。
営業や宣伝活動にてどの企業がどのくらい活動するのか、数字や期間により具体的に設定する事が大切です。
前もって業務や役割を明確化する事で、販売提携における責任の所在が明確になるメリットがあります。

③収益・費用の配分

販売提携に費やした費用や獲得した利益は、当然双方会社で分配します。
どの企業がどの程度の収益・費用を獲得(負担)するかは、あらかじめ契約書によって明らかにしておきましょう。
いざ収益を獲得してから収益分配を考えた場合、トラブルになる可能性があります。
費やした費用や販売提携への貢献度に応じて、獲得する収益が分配される事がベストです。

④契約期間

販売提携が、いつからいつまで継続するか明記しましょう。
しっかりと契約期間を明記しないと、途中での提携解除のリスクがあります。

⑤経営権の変更に関する事項

M&Aにより経営権が変更する事態に備え、経営権の変更が生じた際に販売提携を解除できる旨を定めましょう。
競合企業に経営権が移転すれば、技術やノウハウが転用される恐れがあります。
事前に契約書で定めておけば、思わぬ損失を回避できます。

⑥秘密保持契約

販売提携には、情報漏洩のデメリットが存在します。
会社にとって大きなデメリットである情報漏洩を回避する上で、秘密保持契約を設定することは極めて重要です。
※関連記事
M&Aの契約書とは?契約手順に沿って意向表明、基本合意書、最終契約書を解説します

販売提携と業務提携の違い

最後に、販売提携と業務提携の違いを解説します。

⑴販売提携と業務提携の違いとは

販売提携と業務提携は、異なる概念ではありません。
業務提携とはある目標達成に向けて、複数の企業が互いに資金や人材の経営資源を提供し合う行為です。
互いに経営資源を出し合う事で、大きなシナジー効果を獲得できるメリットがあります。
新規事業への進出や販売力・技術力の強化を目的に、業務提携は実施されます。
つまり販売提携は業務提携の内の一つであり、異なる概念ではありません。

⑵業務提携の種類

販売提携以外にも、様々な形で業務提携が実行されます。
販売提携以外に、業務提携には主に下記2種類があります。

①技術提携

技術提携とは、技術面において互いの企業が提携する契約です。
技術提携には、各企業が共同で新技術を開発するケースや、ある技術を他の会社に提供するライセンス契約があります。
開発コストの分散や技術開発のスピードアップが、技術提携の主なメリットです。

②生産提携

生産提携とは、相手企業に対して生産・製造を委託する行為です。
自社に従業員や生産設備が不足している場合には、効果的な手段です。
生産提携においては、製品の品質確保が最も重要な課題です。
※関連記事
企業提携

まとめ

今回は、販売提携に関して説明しました。
販売提携を遂行する事で、お互いの企業が大きなメリットを期待できます。
後々のトラブルを避ける為に、販売提携の際には重要事項を盛り込んだ契約書を必ず作成しましょう。
要点をまとめると下記になります。

  • M&Aにおける販売提携とは

→ある製品・サービスに関する販売面で、複数の企業が互いの経営資源を活用し合い、利益獲得を目指す経営戦略

  • 販売提携の進め方

  1. 提携目的を明らかにする
  2. 販売提携の相手探し
  3. 契約書の締結
  4. 提携の開始

  • 販売提携のポイント

→相手企業の利益も重視する、コミュニケーションを徹底する

  • 販売提携のメリット

→独立性を維持できる、外部の経営資源を有効活用できる、簡単かつ低コストで提携できる

  • 販売提携のデメリット

→情報漏洩のリスク、自社のノウハウやスキルが盗まれるリスク

  • 販売提携の契約書とは

→販売提携で生じ得るリスクやデメリットを回避する目的で締結する

  • 販売提携契約書の内容

→販売提携の目的、業務範囲・互いの役割、収益・費用の配分、契約期間、経営権の変更に関する事項、秘密保持契約

  • 販売提携と業務提携の違い

→業務提携の内の一つに販売提携がある

  • 業務提携の種類

→販売提携や技術提携、生産提携など

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