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2020年11月10日更新資金調達
銀行融資と金利の基礎知識!算出方法、低金利で融資を受ける方法をご紹介
銀行融資の金利は低い傾向ですが、融資の条件が厳しいことが知られています。低金利で融資してもらうには保証協会付き銀行融資の活用などがあげられます。本記事では銀行融資の基礎知識を中心に、金利算出方法や低金利で融資を受ける方法を解説します。
銀行融資の金利
会社が資金調達する方法には様々あります。そのほとんどは、金融機関からの借り入れか、株主からの投資募集です。借り入れ先は、銀行、商工会議所、消費者金融などが一般的です。一方で投資を募る場合、新規の株式を発行して株主を増やす方法があります。
資金調達の際には「信用」が必要です。返済能力、投資をする価値などの点を審査されます。特に銀行からの融資は、通常よりも借り入れ審査が厳しくなります。信用力を前提として、金融機関から融資を受ける際には金利が発生します。今回は、銀行融資の金利を解説します。
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銀行融資とは?
銀行融資における基礎知識と金利についてご紹介します。
銀行融資の基礎知識
銀行は、お金を貸してくれる場所でもあります。預金者のお金を貸し出して金利で利益を得ています。銀行融資は他の金融機関よりも低金利で、金利が1%を下回るケースが大半です。
一般の預金者は、銀行に絶大な信頼を置いてお金を預けています。銀行は預金者のお金を借りる形で融資を実施しているので、返済されない事態があってはいけません。それゆえ、銀行融資の審査は厳しいです。
銀行融資の金利
消費者金融と比較すると、銀行で受けられる融資は金利が圧倒的に低いです。銀行は日本銀行によって定められた金利によって融資を実施し、基本的に金利は統一されています。詳しい推移や金利の具体的な数字は、日本銀行のホームページに掲載されています。
バブル期は、銀行は8%程度の高金利で融資を行なっていました。しかしバブルが崩壊すると、景気と同様に金利も下落しました。さらに、1992年にはゼロ金利政策が導入され、ついに現在はマイナス金利になっています。
また、人口に対して金融機関が多く、業界内で価格競争状態になっているのも、低金利を引き起こしている要因の一つです。
銀行融資の金利算出方法
銀行融資の金利=「調達に要するコスト」+「経費」+「収益利率」+「信用にかかるコスト」です。各要素の内容をそれぞれ見てみましょう。
調達に要するコスト
銀行は無限にお金を持っているわけではないので、お金を調達しなくてはいけません。調達にはコストがかかります。販売店に例えると、仕入れのイメージです。
経費
金利の算出方法に関わる経費とは、上記の調達コストに伴う金額や、店舗運営に要する金額です。経費はその土地の物価などによっても左右されるので、金利に高低差が生まれます。
収益利率
収益利率とは、銀行が目指す売上高を表す数値です。銀行も利益を生み出せなければ潰れてしまいます。売上高を達成するために、一定の利率を加算します。
信用にかかるコスト
信用にかかるコストとは、主に中小企業を中心に掛けられる利率です。経営を継続させる力の有無を、独自のランク付けによって区分して、該当する利率を掛けます。信用コストは、借りる個人や会社によって変わります。融資期間が長いほど倒産リスクを孕んでいるとみなされ、金利も高くなる傾向にあります。
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低金利で融資を受ける方法
銀行融資の金利は、他の金融機関と比較すると非常に低いです。ですが、さらに銀行融資の金利を低くする方法があります。
信用保証協会付き融資を利用する
中小企業が銀行から融資を受けやすくするために「信用保証協会」という公的な組織が存在します。会員に認定されれば、万が一のときには保証協会が返済を保証してくれます。
保証協会付き銀行融資を選択すると低金利になります。保証協会が付いている銀行融資では、銀行融資金利の信用にかかるコストが圧倒的に低く設定されています。金利には固定金利と変動制の金利があり、若干の違いが生じるので注意です。
また、保証協会が付いている融資には、金利の他に別途で保証料が必要になる点にも注意です。つまり、保証料と変動制の金利で、通常の銀行融資の金利よりも高くなる場合があります。
業績を良くする
会社の業績が上がると、返済の能力が高まったと銀行に認識されます。つまり、信用にかかるコストのランクも上がり、金利が下がります。融資期間を短くしたり、融資金額を少なくしたりするのも金利を下げる方法ですが、会社の資金繰りを考慮すると業績を良くする手法が適切です。
複数の銀行で見積もりを実施
複数の銀行で見積もりを行い、1番低い金利で融資を受けられる銀行を選ぶのも効果的です。銀行は、融資を実施して利益を獲得するのが目的です。よって、銀行間で価格競争が発生すると通常よりも低金利で融資を実行してくれる可能性があります。
しかし、時間がかかるので急いでいる場合には不向きな方法です。業績が悪い時にこの方法を使用すると、お金が足りないまま経営を続ける必要が生じます。したがって、あくまでも融資を最優先として考えるべきでしょう。
融資銀行を変更する
銀行融資の金利を低くするために、融資先の銀行を変更する方法もあります。銀行には新たな融資先を獲得する目標数値があるため、融資の乗り換えをした人に対して金利を下げるケースもあります。
キャンペーンの利用
銀行は新規顧客獲得のため、個人向けのキャンペーンを実施することが多いです。タイミングによっては法人向けのキャンペーンが行われることもあります。融資を受ける前に複数銀行のキャンペーン情報をチェックしておくと良いでしょう。
スプレッド融資を利用する
スプレッド融資とは、業績が良い会社が受けられる短期融資です。具体的な期間は1年以内です。1年以内に弁済可能と認められた会社のみが利用できます。しかし、通常の銀行融資よりも融資条件が厳しく、低金利ですが借りられない場合もあるので注意が必要です。
変動制の金利を選択する
銀行から融資を受ける際は、変動制金利を選択した方が安くなります。固定金利と比べると変動制金利には動きがあるため、融資期間内に金利が変動します。業績が良くなったり、市場の金利が低下したりした際には金利も当然下がります。しかし、業績悪化や金利価格の上昇となれば、銀行融資の金利も上がるリスクを伴います。
なぜ金利は低い方が良いのか
金利が低いと会社の財務体制を調整しやすいです。低金利で融資を受けるメリットと、銀行以外の低金利で融資が受けられる機関を簡単にご紹介します。
低金利で融資を受けるメリット
融資を検討している時点で、自社のお金だけでは経営が回らない可能性が高いです。そうなると、少しでも低金利で融資を受けたいと考えるのは当然です。
また、銀行から融資を受ければ利益を生み出す機材の導入や店舗の拡大なども実施可能になります。その結果業績が上がれば、銀行の融資を返済する必要があります。このとき、金利が高いと借りた額よりも高い金額を返済しなくてはなりません。
せっかく生み出した利益の多くを返済に充てるのは非常に残念です。 より低い金利で返済額を減らせるのであれば、低金利に越したことはありません。低金利であればあるほど返済額が少なくすみます。
低金利で融資が受けられる銀行以外の機関
なお、融資の相談先は何も銀行だけではありません。低金利で融資を受けたいと考える場合には、国が運営する日本政策金融公庫や地方自治体、商工会議所・商工会などに相談するのもおすすめです。詳しくは下記関連記事をご参考にしてみてください。
まとめ
銀行融資の金利は低い方が良いですが、最優先は融資を受けることです。金利ばかり考えていると、時間が経過して業績が悪化してしまいます。その結果、さらに高い金利での融資を受ける事態に陥ります。
銀行融資を受ける条件はかなり厳しく、低い金利を目指すのは容易ではありません。まずは経営を安定させるのが大切なので、どの融資なら確実に借りられるのかを見極める必要があります。要点をまとめると下記になります。
・銀行融資の金利の特徴
→消費者金融と比較すると、低金利だが条件が厳しい
・銀行融資の金利算出方法
→調達に要するコスト+経費+収益利率+信用にかかるコスト
・低金利で融資を受ける条件
→保証協会付き銀行融資の活用、業績の改善、複数の銀行を比較、融資銀行の変更、キャンペーンの利用、スプレット融資の利用、変動制金利を選択
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