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2020年1月23日更新
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日本政策金融公庫による事業承継支援

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

日本政策金融公庫では、事業承継を資金面から支えています。日本政策金融公庫の概要と「国民生活事業」「中小企業事業」それぞれで実施している事業承継における融資(対象者から金利まで)について解説します。

目次
  1. 日本政策金融公庫による事業承継支援
  2. 日本政策金融公庫とは
  3. 事業承継とは
  4. 事業承継における日本政策金融公庫の融資【国民生活事業】
  5. 事業承継における日本政策金融公庫の融資【中小企業事業】
  6. まとめ

日本政策金融公庫による事業承継支援

民間企業のみならず、国の関係機関も事業承継支援及び融資に乗り出しています。国の事業承継支援機関の一つに、「日本公庫」とも呼ばれる日本政策金融公庫があります。中小企業を経営していても、日本政策金融公庫はよくご存知ないかもしれません。

日本政策金融公庫では、役立つ事業承継支援を実施しています。今回の記事では、日本政策金融公庫が行う事業承継支援を詳しくご紹介します。

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日本政策金融公庫とは

まずはじめに、日本政策金融公庫に関して基本的な知識をお伝えします。日本政策金融公庫についてよく知らなかったという方は、この機会に理解を深めておきましょう。

日本政策金融公庫の概要

日本政策金融公庫は、国が全額出資している金融機関です。国の政策を実行する役割を担い、社会のニーズに応じた様々な資金的なサービスを提供しています。平成20年度に発足して以来、多くの事業者の課題解決に貢献しています。

農林水産支援や教育ローン、日本の経済発展に欠かせない分野への支援を行い、全国の幅広い地域に支店を持っています。国の支援機関であるため、安心して利用できる点が強みです。

日本政策金融公庫3つの役割

出典: https://www.jfc.go.jp/n/finance/first/

「国民生活事業」と「中小企業事業」

日本政策金融公庫は、事業承継も含めた事業者への支援を行なっています。事業者への支援内容は、「国民生活事業」「中小企業事業」の2種類に大別されます。

国民生活事業とは

国民生活事業とは、小規模事業者や創業したての企業に対して、事業資金を融資する事業です。小口の事業融資以外にも、経営に役立つ相談事業や教育ローン等も運営しています。国民生活事業に属する融資制度の多くは、無担保や低利子であるため、資金繰りが厳しい小規模事業者でも利用しやすいです。

中小企業事業とは

中小企業事業とは、中規模以上の企業に対して、事業資金融資や信用保険業務を行う事業です。長期的な融資を受けられる点が特徴で、多種多様な業種に対して融資しています。多額の資金が必要な中小企業にとっては、非常に役立つ融資制度です。

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事業承継とは

次に、事業承継の概要と種類、事業承継で融資が必要になるシーンもあわせて把握しておきましょう。

事業承継の概要

事業承継とは、親族や従業員等に会社を引き継ぐ行為です。株式や土地等の有形資産のみならず、ノウハウやスキル等目に見えない知的資産も、事業承継で引き継ぎます。事業承継ではやるべきことが多いため、入念な計画が必須です。
近年廃業を余儀なくされる企業が増えており、その背景には後継者不足があります。廃業を検討する企業のうち、約半数以上が後継者に関係する理由に挙げています。事業承継できずに廃業する企業が増加する事態は、経済全体にとっても好ましくありません。
官民一体となって、中小企業が抱える事業承継問題に取り組むことが大切です。

事業承継の種類

事業承継は、「誰に」引き継ぐかによって3種類の方法に大別されます。

親族内承継

親族内承継とは、経営者自身の子供や兄弟に会社を引き継がせる方法で、少し前までは最もポピュラーな手法でした。しかし、近年では子供が希望する職に就くことが一般的となり、親族内承継は当たり前ではなくなりつつあります。

親族内承継では、後継者に対する教育が非常に重要となります。比較的早い時期から後継者教育を実行する必要があるものの、現実には上手く行かないケースが多いです。親族内承継を実行する際には、早めの後継者教育を心がけることが重要です。

親族外承継

親族外承継とは、従業員や役員等に事業承継する方法です。親族内承継が減少する代わりに、親族外承継がポピュラーになりつつあります。経営者の質を一定以上担保出来る一方で、株式を買い取る資金力が課題となります。後継者の買取資金を支援したり、無償で株式譲渡する選択肢を持つ必要があります。

M&A

全く自社とは関わりのない相手に対して、M&Aにより事業承継する方法もあります。まだまだメジャーな手法ではないものの、M&Aによる事業承継は徐々に増えつつあります。M&Aを用いれば、全国幅広い地域から事業承継の相手を探すことが可能です。

M&Aに成功すれば、事業承継を実行できるだけでなく、多額の売却資金を手に入れることができます。M&Aアドバイザリーの手数料が高額である点や、相手が必ず見つかるとは限らない点に注意しましょう。

M&Aもあわせてご検討したい場合は、M&A総合研究所が力をお貸します。M&A総合研究所では全国のM&A案件を取り扱い、中小企業のM&Aを数多く実現させてきました。規模の小さい企業がM&Aを実施する案件にも柔軟に対応しています。無料相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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事業継承で融資を必要とする理由

事業承継の際には大きな額の現金が必要となることが多いです。具体的な理由として、以下のようなものが挙げられるます。

  • 後継者が相続等で分散した自社株式・事業用資産を買い取るため
  • 役員や従業員が、株式や事業の一部を買い取って事業の承継を行うため
  • 相続税・贈与税の納税資金を工面するため
  • 経営者交代で信用状態が悪化し、銀行の借入条件や取引先の支払条件が厳し くなったため

円滑な事業継承を行うためにこれだけの資金が必要となります。日本政策金融公庫では、上記のいずれに対しても低利融資を行っています。

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事業承継における日本政策金融公庫の融資【国民生活事業】

日本政策金融公庫の事業承継向け融資には「国民生活事業」と「中小企業事業」の二つが存在し、「事業承継・集約・活性化支援資金」という名称の融資を行なっています。この項では、国民生活事業における「事業承継・集約・活性化支援資金」をご紹介します。

融資対象者

この事業承継融資制度では、下記5つの条件に該当する方を融資対象としています。

①安定的な経営権確保等により、事業承継や集約を実行する方

小難しく書いていますが、経営権をしっかりと後継者に引き継がせる条件です。

②「中小企業経営承継円滑化法」第12条第1項第1号の規定に基づき認定を受けた中小企業等の経営者

中小企業経営承継円滑化法とは、中小企業の事業承継を包括的にサポートするための法律です。中小企業経営承継円滑化法の認定を受けた事業者は、相続税等の納税猶予や遺留分の特例等を活用することが可能です。日本政策金融公庫の融資を受けるためには、当法律の認定が必須となります。

③個人保証の免除等を取引金融機関に申し入れた事を契機に、取引金融機関からの資金調達が困難となっていて、かつ日本政策金融公庫が融資の際に個人保証を免除する方

事業承継の際、個人保証を理由に後継者に会社を引き継いでもらえないケースがあります。後継者に引き継いでもらうために、事業承継時に個人保証の免除を銀行等に申し入れる場合があります。

個人保証の免除を申し入れると、取引金融機関からの資金調達が困難となる可能性があります。そうした方を対象に、日本政策金融公庫では事業承継融資を実施しています。金融公庫では事業承継融資を実施しています。

④後継者と共に中期的な事業承継計画を策定している方

後継者と共に事業承継計画を策定していれば、日本政策金融公庫の融資対象となります。

⑤事業承継や集約を契機に、経営多角化や事業転換等、新たな取組みを図る方

取り組みを始めてから約5年以内の事業者が融資対象です。

融資資金の使い道

日本政策金融公庫に融資してもらった資金は、事業承継の実行に必要な設備資金と運転資金に利用可能です。

融資限度額

日本政策金融公庫による小規模事業者向けの融資制度では、最大7,200万円まで借り入れることが可能です。7,200万円のうち、運転資金は4,800万円までと設定されています。

返済期間

日本政策金融公庫による事業承継融資の返済期間は、下記の通り設備資金と運転資金で異なります。

  • 設備資金→20年以内
  • 運転資金→7年以内

金利(年間)

小規模事業者向けの融資の場合、利用用途や返済期間、担保の有無等により金利が異なります。詳細に金利は異なるものの、おおよそ1〜2%程度となっています。詳細は「国民生活事業(主要利率一覧表)」を確認するか、直接日本政策金融公庫の担当部門にご相談ください。

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事業承継における日本政策金融公庫の融資【中小企業事業】

最後に、中小企業事業に基づく日本政策金融公庫の事業承継融資を解説します。

融資対象者

事業承継資金の融資対象者は、国民生活事業の融資対象者と同一です。

融資資金の使い道

基本的には、設備資金と長期的な運転資金が融資資金の使い道となります。国民生活事業と異なる点は、こちらは長期的な運転資金を対象としています。

融資限度額

中小企業事業に基づく日本政策金融公庫の融資制度では、最大7億2千万円まで借り入れ可能です。国民生活事業と比べると、融資してもらえる金額が非常に多いです。

返済期間

返済期間に関しては、国民生活事業の事業承継融資と変わりません。つまり設備資金は20年、運転資金は7年が返済期間となります。

金利(年間)

融資対象者の種類や借り入れ金額によって、金利は異なります。国民生活事業と同様に状況によって異なるものの、大体0.5%から1.5%程度の金利となります。

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まとめ

今回は、日本政策金融公庫による事業承継支援をご紹介しました。日本政策金融公庫は、小規模事業者から中小企業に対して、有利な条件で融資しています。金利も非常に低く、事業承継のための資金調達としては非常に使い勝手が良いです。

事業承継を実施予定の方は、日本政策金融公庫の融資活用もご検討してみてはいかがでしょうか?要点をまとめると下記になります。

日本政策金融公庫とは

  • →国が全額出資している金融機関

日本政策金融公庫による事業承継支援の内容

  • →「国民生活事業」や「中小企業事業」による融資

事業承継とは

  • →親族や従業員等に会社を引き継ぐ行為

事業承継の種類

  • →親族内承継、親族外承継、M&A

事業継承で融資を必要とする理由

  • →分散した自社株式の買い取り、納税資金、銀行の借入条件が厳しくなったなど

日本政策金融公庫の融資【国民生活事業】

  • 融資対象者→安定的な経営権確保等により事業承継や集約を実行する方等
  • 融資資金の使い道→設備資金と運転資金
  • 融資限度額→7,200万円(運転資金は4,800万円)
  • 返済期間→設備資金は20年、運転資金は7年
  • 金利(年間)→約1~2%

日本政策金融公庫の融資【国民生活事業】

  • 融資対象者→国民生活事業とほぼ同じ
  • 融資資金の使い道→設備資金と長期運転資金
  • 融資限度額→最大7億2千万円
  • 返済期間→設備資金は20年、運転資金は7年
  • 金利(年間)→約0.5%から1.5%

また、事業継承とあわせてM&Aで会社の売却も検討している場合には、M&A仲介会社を利用しましょう。M&A総合研究所は公認会計士も在籍するM&A仲介会社です。経験・知識豊富な専門家が金額の算出や条件交渉など行い、少しでも会社を高く売れるようM&Aの成功を全力でサポート致します。

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