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日本政策金融公庫による事業承継支援

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

日本政策金融公庫では、事業承継を資金面から支えています。「国民生活事業」と「中小企業事業」がある日本政策金融公庫の概要、事業承継における日本政策金融公庫の融資について解説します。

目次

    日本政策金融公庫による事業承継支援

    民間企業のみならず、国の関係機関も事業承継支援に乗り出しています。

    事業承継支援機関の一つに、日本政策金融公庫があります。

    中小企業を経営していても、日本政策金融公庫はよくご存じないかもしれません。

    日本政策金融公庫は、役立つ事業承継支援を実施しています。

    今回の記事では、日本政策金融公庫が行う事業承継支援を詳しくご紹介します。

    日本政策金融公庫とは

    まず初めに、日本政策金融公庫に関して基本的な知識をお伝えします。

    そもそも日本政策金融公庫について知らない方も多いと思いますので、この機会に是非とも理解を深めましょう。

    ⑴日本政策金融公庫の概要

    日本政策金融公庫は、国が全額出資している金融機関です。

    国の政策を実行する役割を担い、社会のニーズに応じた様々な資金的なサービスを提供しています。

    平成20年度に発足して以来、多くの事業者の課題解決に貢献しています。

    農林水産支援や教育ローン、日本の経済発展に欠かせない分野への支援を行い、全国の幅広い地域に支店を持っています。

    国の支援機関である為、安心して利用できる点が強みです。

    ⑵「国民生活事業」と「中小企業事業」

    日本政策金融公庫は、事業承継も含めた事業者への支援を行なっています。

    事業者への支援内容は、「国民生活事業」と「中小企業事業」の二種類に大別されます。

    ①国民生活事業とは

    国民生活事業とは、小規模事業者や創業したての企業に対して、事業資金を融資する事業です。

    小口の事業融資以外にも、経営に役立つ相談事業や教育ローン等も運営しています。

    国民生活事業に属する融資制度の多くは、無担保や低利子である為、資金繰りが厳しい小規模事業者でも利用しやすいです。

    ②中小企業事業とは

    中小企業事業とは、中規模以上の企業に対して、事業資金融資や信用保険業務を行う事業です。

    長期的な融資を受けられる点が特徴で、多種多様な業種に対して融資しています。

    多額の資金が必要な中小企業にとっては、非常に役立つ融資制度です。

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    事業承継とは

    次に、事業承継に関して最低限把握すべき知識をお伝えします。

    ⑴事業承継の概要

    事業承継とは、親族や従業員等に会社を引き継ぐ行為です。

    株式や土地等の有形資産のみならず、ノウハウやスキル等目に見えない知的資産も、事業承継で引き継ぎます。

    事業承継ではやるべき事が多い為、入念な計画が必須です。

    近年廃業を余儀なくされる企業が増えており、その背景には後継者不足があります。

    廃業を検討する企業のうち、約半数以上が後継者に関係する理由に挙げています。

    事業承継できずに廃業する企業が増加する事は、経済全体にとっても好ましくありません。

    官民一体となって、中小企業が抱える事業承継問題に取り組むことが大切です。

    ⑵事業承継の種類

    事業承継は、「誰に」引き継ぐかによって3種類の方法に大別されます。

    ①親族内承継

    親族内承継とは、経営者自身の子供や兄弟に会社を引き継がせる方法です。

    少し前までは、3種類ある事業承継方法のうち、親族内承継が最もポピュラーな手法でした。

    近年は子供が希望する職に就く事が一般的となり、親族内承継は当たり前では無くなりつつあります。

    親族内承継では、後継者に対する教育が非常に重要となります。

    比較的早い時期から後継者教育を実行する必要があるものの、現実には上手く行かないケースが多いです。

    親族内承継を実行する際には、早めの後継者教育を心がける事が重要です。

    ②親族外承継

    親族外承継とは、従業員や役員等に事業承継する方法です。

    親族内承継が減少する代わりに、親族外承継がポピュラーになりつつあります。

    経営者の質を一定以上担保出来る一方で、株式を買い取る資金力が課題となります。

    後継者の買取資金を支援したり、無償で株式譲渡する選択肢を持つ必要があります。

    ③M&A

    全く自社とは関わりの無い相手に対して、M&Aにより事業承継する方法もあります。

    まだまだメジャーな手法では無いものの、M&Aによる事業承継は徐々に増えつつあります。

    M&Aを用いれば、全国幅広い地域から事業承継の相手を探すことが可能です。

    M&Aに成功すれば、事業承継を実行できるだけでなく、多額の売却資金を手に入れることが出来ます。

    M&Aアドバイザリーの手数料が高額である点や、相手が必ず見つかるとは限らない点に注意しましょう。

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    事業承継における日本政策金融公庫の融資(国民生活事業)

    日本政策金融公庫では、「事業承継・集約・活性化支援資金」という名称の融資を行なっています。

    この事業承継向けの融資には、「国民生活事業」と「中小企業事業」の二つが存在します。

    この項では、国民生活事業の「事業承継・集約・活性化支援資金」をご紹介します。

    ⑴融資対象者

    この事業承継融資制度では、下記5つの条件に該当する方を融資対象としています。

    ①安定的な経営権確保等により、事業承継や集約を実行する方

    小難しく書いていますが、経営権をしっかりと後継者に引き継がせる条件です。

    ②「中小企業経営承継円滑化法」第12条第1項第1号の規定に基づき認定を受けた中小企業等の経営者

    中小企業経営承継円滑化法とは、中小企業の事業承継を包括的にサポートする為の法律です。

    中小企業経営承継円滑化法の認定を受けた事業者は、相続税等の納税猶予や遺留分の特例等を活用可能です。

    日本政策金融公庫の融資を受ける為には、当法律の認定が必須となります。

    ③個人保証の免除等を取引金融機関に申し入れた事を契機に、取引金融機関からの資金調達が困難となっていて、かつ日本政策金融公庫が融資の際に個人保証を免除する方

    事業承継の際、個人保証を理由に後継者に会社を引き継いで貰えないケースがあります。

    後継者に引き継いでもらう為に、事業承継時に個人保証の免除を銀行等に申し入れる場合があります。

    個人保証の免除を申し入れると、取引金融機関からの資金調達が困難となる可能性があります。

    そうした方を対象に、日本政策金融公庫では事業承継融資を実施しています。

    ④後継者と共に中期的な事業承継計画を策定している方

    後継者と共に事業承継計画を策定していれば、日本政策金融公庫の融資対象となります。

    ⑤事業承継や集約を契機に、経営多角化や事業転換等、新たな取組みを図る方

    取り組みを始めてから約5年以内の事業者が融資対象です。

    ⑵融資資金の使い道

    日本政策金融公庫に融資してもらった資金は、事業承継の実行に必要な設備資金と運転資金に利用可能です。

    ⑶融資限度額

    日本政策金融公庫による小規模事業者向けの融資制度では、最大7,200万円まで借り入れる事が可能です。

    7,200万円のうち、運転資金は4,800万円までと設定されています。

    ⑷返済期間

    日本政策金融公庫による事業承継融資の返済期間は、下記の通り設備資金と運転資金で異なります。

    • 設備資金→20年以内
    • 運転資金→7年以内

    ⑸金利(年間)

    小規模事業者向けの融資の場合、利用用途や返済期間、担保の有無等により金利が異なります。

    詳細に金利は異なるものの、おおよそ1〜2%程度となっています。

    どの程度の金利になるか知りたい方は、日本政策金融公庫の担当機関にご相談ください。

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    事業承継における日本政策金融公庫の融資(中小企業事業)

    最後に、中小企業事業に基づく日本政策金融公庫の事業承継融資を解説します。

    ⑴融資対象者

    事業承継資金の融資対象者は、「国民生活事業」と同一です。

    ⑵融資資金の使い道

    基本的には、設備資金と長期的な運転資金が融資資金の使い道となります。

    国民生活事業と異なる点は、こちらは長期的な運転資金を対象としています。

    ⑶融資限度額

    中小企業事業に基づく日本政策金融公庫の融資制度では、最大7億2千万円まで借り入れ可能です。

    国民生活事業と比べると、融資してもらえる金額が非常に多いです。

    ⑷返済期間

    返済機関に関しては、国民生活事業の事業承継融資と変わりません。

    つまり設備資金は20年、運転資金は7年が返済期間となります。

    ⑸金利(年間)

    融資対象者の種類や借り入れ金額によって、金利は異なります。

    国民生活事業と同様に状況によって異なるものの、大体0.5%から1.5%程度の金利となります。

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    まとめ

    今回は、日本政策金融公庫による事業承継支援をご紹介しました。

    日本政策金融公庫は、小規模事業者から中小企業に対して、有利な条件で融資しています。

    金利も非常に低く、事業承継の為の資金調達としては非常に使い勝手が良いです。

    事業承継を実施予定の方は、日本政策金融公庫の融資活用もご検討してみては如何でしょうか?

    要点をまとめると下記になります。

    • 日本政策金融公庫とは

    →国が全額出資している金融機関

    • 日本政策金融公庫による事業承継支援の内容

    →「国民生活事業」や「中小企業事業」による融資

    • 事業承継とは

    →親族や従業員等に会社を引き継ぐ行為

    • 事業承継の種類

    →親族内承継、親族外承継、M&A

    • 日本政策金融公庫の融資(国民生活事業)
    1. 融資対象者→安定的な経営権確保等により事業承継や集約を実行する方等
    2. 融資資金の使い道→設備資金と運転資金
    3. 融資限度額→7,200万円(運転資金は4,800万円)
    4. 返済期間→設備資金は20年、運転資金は7年
    5. 金利(年間)→約1~2%
    • 日本政策金融公庫の融資(中小企業事業)
    1. 融資対象者→国民生活事業とほぼ同じ
    2. 融資資金の使い道→設備資金と長期運転資金
    3. 融資限度額→最大7億2千万円
    4. 返済期間→設備資金は20年、運転資金は7年
    5. 金利(年間)→約0.5%から1.5%

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