2021年8月7日更新会社・事業を売る

M&Aの手法とは?分類一覧、選ぶ際のポイント、メリット・デメリットも解説

株式譲渡、第三者割当増資、株式交換・株式移転、TOB、MBO、事業譲渡、吸収合併、新設合併、吸収分割、新設分割、これらは全てM&Aの手法です。さらに広義のM&Aの手法も含めた、各種手法を解説します。

目次
  1. M&Aとは
  2. M&A手法の分類(買収)
  3. M&A手法の分類(合併)
  4. M&A手法の分類(分割)
  5. M&A手法の分類(広義に該当)
  6. M&A手法を選ぶ際のポイント
  7. 中小企業から最も多く採用されているM&A手法
  8. M&Aの手法と税金
  9. M&Aの手法まとめ
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M&Aとは

M&Aとは

M&Aとは、「Mergers and Acquisitions」の略称です。Mergersは合併、Acquisitionsは買収という意味を持ちます。ただし、単に合併、買収といってもM&Aには上図のようにさまざまな手法があり、広義のM&Aを加えるとさらに多様です。

かつてM&Aは、大企業が行うものというイメージでしたが、その有効性が広く浸透し、中小企業や個人事業主、ベンチャー企業やスタートアップなど、幅広い規模の企業で用いられるようになってきました。そして、現在では過去最大規模の数のM&Aが実施されています。

M&Aの手法を用いる目的・メリット

経営戦略を遂行するうえでM&Aは多様なメリットを享受できることから、今では欠かせないものとなっています。売り手では、主力事業への集中や創業者利益獲得などのメリットがあり、さらに、M&Aによって大手企業の傘下に入れば、安定を得ながら経営を続行できるのです。

一方で買い手は、新規事業進出や事業規模拡大を短期間で実現できます。また、M&Aは、企業グループ内の会社組織再編における活用も顕著です。近年の法改正により、M&Aを用いたグループ再編は一層、便利さが向上しています。

最適なM&A手法の選定が不可欠

M&Aのメリットを得るためには戦略的に遂行する必要があり、用いる手法が鍵になります。M&Aの手法ごとに、得られるメリットや活用目的は異なるため、目的にそぐわないM&A手法を選択すると、想定していたメリットを得られないかもしれません。

したがって、M&Aの成功には最適なM&A手法の選定が不可欠です。そのためには、各手法の特徴やメリット・デメリットを知る必要があります。そして、M&A仲介会社など専門家のサポートを得ることもポイントです。

実際、M&Aの際には、専門家に相談や業務依頼をして行うのが一般的です。M&Aのプロに手法の選定だけでなく、交渉や手続き面もサポートを受けてM&Aを成功させています。

M&Aの手法を用いる流れ

各手法により細かな点で違いはありますが、M&Aを実施するための基本的な流れは同じです。M&A仲介会社などの専門家に業務依頼をする前提での、具体的なM&Aの流れは以下のように進みます。

  1. M&Aの検討~実施決定
  2. サポート依頼先を選定し契約
  3. 依頼先と相談しM&A手法を決定
  4. 各種準備作業
  5. 相手企業の選定
  6. 秘密保持契約書(NDA)締結
  7. 交渉開始
  8. トップ面談
  9. 基本合意書締結
  10. デューデリジェンス(買い手側による売り手側企業の精密調査)
  11. 最終条件交渉
  12. 最終契約書締結
  13. クロージング(最終契約書内容の履行)

【関連】M&Aの手続きの流れ!検討・相談〜クロージングまで徹底解説【図解あり】

特に中小企業の場合、上述のような流れ・プロセスで進むM&Aについて、これを経営者だけで行うのは難しいと言わざるを得ません。したがって上記でも前提としたように、M&A仲介会社などの専門家をサポートに起用するのが一般的です。

多くのM&A仲介会社では事前相談を受け付けていますから、M&Aの検討段階から専門家に相談するとよいでしょう。ただし、昨今はM&A仲介会社が急増しており、どこに依頼すべきか迷ってしまうかもしれません。

そこで、おすすめしたいのがM&A総合研究所です。全国の中小企業のM&Aに数多く携わっているM&A総合研究所には、知識と経験が豊富なアドバイザーが多数在籍しており、これまで培ったノウハウを生かしてM&Aをフルサポートいたします。

料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。随時、無料相談をお受けしておりますので、M&Aをご検討の際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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M&A手法の分類(買収)

M&A手法の分類(買収)

M&Aの手法を大別すると、以下の4種類に分けられます。

  • 買収
  • 合併
  • 分割
  • 広義のM&A

そして、これらにカテゴライズされる各手法には、さまざまなものがあります。この章では、まず、買収の具体的な手法を見ていきましょう。買収手法の場合は、さらに株式取得と事業譲渡との2種に分かれ、株式取得の具体手法が多数あります。

株式取得

M&Aの買収手法の1つである株式取得には、具体的に以下の手法があります。

それぞれの概要を掲示します。

株式譲渡

株式譲渡とは、売り手が株式を売却し、買い手がその対価で現金を渡し経営権を得る手法です。主な手続きが取締役会の決議のみであることから、比較的簡単なプロセスを踏むだけで買収できるため、M&Aの中で最も活用されています。

ただし、買収した会社が抱えている負債や事業に関して、必要のない資産を引き受ける点がリスクです。また、異なる企業文化の相手を買収したことで、融合がスムーズに進まないケースも生じます。

つまり、手続きが簡便な分、不要なものまで承継することや、M&A後すぐに軌道に乗りづらい点がデメリットです。

株式交換・株式移転

株式交換・株式移転とは、売り手が全株式を買い手に譲渡する手法です。株式譲渡との違いは、株式交換・移転では対価を現金ではなく株式で交付します。その際の株式を交付する相手の違いによって、株式交換と株式移転に分かれるのです。

株式交換では、既存の企業が買い手となって株式を交付します。一方、株式移転では、新設企業が買い手として株式を交付するのです。いずれにしても、売り手は株式を交付した企業の完全子会社となります。

第三者割当増資

第三者割当増資は、売り手側が資金調達を目的に新株を発行し、特定の第三者に新株を買収してもらう手法です。買収後は買い手が経営に関わるケースが多く、一般的には良好な関係にある第三者に割当の相手となってもらいます。

この際、全株式の買収は行われず、最低限の経営権を残しながら資金調達を実行できることがメリットです。しかし、特に中小企業の場合は株式に譲渡制限を設けているため、新株交付のために株主総会の特別決議を行う必要があります。

TOB

TOB(Take Over Bid)とは、株式公開買付けのことです。上場企業の株式取得を目的に、買取価格や買取期間などについて公告を出し、株式取引所外で株式を売却してくれる株主を募ります。

買収対象企業経営陣の賛同を得て行われるTOBを友好的TOBといい、逆に、買収対象企業経営陣の賛同を得ず一方的に実施されるTOBが敵対的TOBです。

MBO

MBO(Management Buyout)とは、会社の経営陣(Management)が、会社の株式または事業部門を買収し独立する手法のことです。会社の規模によっては多額の資金を要するため、しばしば金融機関の支援(融資)や投資ファンドからの出資を受けて実施されます。

類似する手法として、会社の従業員が同様に買収する手法がEBO(Employee Buyout)です。また、会社の経営陣と従業員が一体となって同様の買収を行う場合は、MEBO(Management and Employee Buyout)といいます。

事業譲渡

事業譲渡とは、売り手の企業が持つ事業や資産を選別して買収する手法です。売り手としては事業の選択と集中として不要事業の売却、買い手としては必要な事業や資産だけを買収できるメリットがあります。

しかし、会社を丸ごと買収する株式譲渡とは違って、従業員個々との雇用契約締結や事業の許認可取得は全て一から実施しなければならず、手続き面が煩雑です。また、売り手の資産の買収には消費税が課されるため、その分の資金も用意しなければなりません。

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M&A手法の分類(合併)

M&A手法の分類(合併)

この章では、M&Aに手法のうち合併について見ていきます。合併とは、複数の企業を1つに統合するM&A手法です。統合後、存続する会社以外は消滅することになります。合併では、存続会社の違いで2種類の手法があり、その名称が以下のとおりです。

  • 吸収合併
  • 新設合併

吸収合併

既存の会社複数が集まって行われる合併が吸収合併です。消滅会社は、文字どおり吸収されます。つまり、消滅会社の持っていた事業、資産、権利義務、人材、知的財産など丸ごと全てを存続会社が承継するのです。

株式譲渡のように買収後も売り手側が存続するのと違い、組織を一体化させる吸収合併では、M&Aの効果が早期に実現しやすいとされています。しかし、企業文化が異なる組織の統合は、現場でのPMI(Post Merger Integration=M&A後の統合プロセス)の負担が大です。

新設合併

新設された会社が存続会社となる合併が新設合併です。吸収合併とメリット・デメリットは変わりませんが、さらに異なる点として以下が挙げられます。

  • 存続会社が新設であるため、吸収合併のように消滅会社の事業の許認可を引継げない
  • 消滅会社が上場企業の場合、上場は取り消されてしまう(新設会社新たに上場申請する必要がある)
  • 登録免許税が吸収合併よりも高い
以上の難点があるため、実際に行われる合併は吸収合併が数多く用いられています。

【関連】吸収合併とは?M&Aにおける吸収合併や子会社の吸収合併を解説
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M&A手法の分類(分割)

M&A手法の分類(分割)

この章では、M&A手法の分割を掲示します。分割とは、会社の事業部門を資産・権利義務・許認可・組織・人材などを含めて丸ごと切り離し、外部の会社(買い手)に承継させるM&A手法です。

事業譲渡とやや類似して見えますが、事業譲渡では買収対象を選別できるのに対し、分割は包括して承継します。また、事業譲渡では人材を承継できません。分割では、買い手側の会社の違いによって、以下2種類の手法があります。

  • 吸収分割
  • 新設分割

吸収分割

吸収分割とは、切り離した会社の事業部門を既存の会社が吸収するM&A手法です。売り手への対価は、現金・株式のどちらでも用いられます。また、包括承継であるため、基本的に従業員の同意も不要です(移籍するかしないかは従業員の任意)。

対価を株式にする場合には、買い手は多額の資金を用意せずにM&Aを実施できます。また、包括承継であるため、手続きも比較的、簡便です。ただし、株式を対価にすると株主構成が変わることになり、その比率には注意しなければなりません。

さらに、PMIの部分で混乱が生じやすいデメリットもあります。

新設分割

新設分割とは、会社を分割する過程で新たな会社を設立し、その会社に分割した事業を承継させる手法です。新設分割の場合、原則的に対価は株式の交付のみとなります。新設分割は、企業グループの組織再編で用いられることがほとんどです。

吸収分割と違って承継会社が新設ですから、PMIの点ではスムーズに進みやすいメリットがあります。しかし、新設会社であるために、事業における許認可は承継できません。また、会社設立自体に約1カ月の期間がかかるので、その点を考慮したスケジューリングが必要です。

【関連】吸収分割とは?メリット・デメリットや手続き、税務について解説
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M&A手法の分類(広義に該当)

M&A手法の分類(広義に該当)

買収・合併・分割を狭義のM&Aとするならば、広義のM&Aといえるのが以下の2つです。

  • 資本提携
  • ジョイントベンチャー

その理由は、買収などのように売り手の経営権や事業を取得することはありませんが、資本の移動を伴う経営手段であるからです。それぞれの概要を掲示します。

資本提携

資本提携とは、企業間において経営権に影響を及ぼさない範囲で相手企業に出資をする・出資を受ける提携関係を結ぶことです。相互に株式を持ち合うケースと、一方のみが出資をするケースがあります。基本的には、何らかの取引関係がある企業間で行われるのが一般的です。

そして、ほとんどのケースでは、経営権に影響を及ぼさない範囲=全株式の10%未満の出資額となっています。ただし、相手企業の株主になることによって、より詳細な内情を知れますから、経営上の意見やアドバイスが交わされるようになるのは常です。

さらに、資本的なつながりを持つだけでなく実際に協業も行う場合は、資本業務提携契約が結ばれます。資本提携関係にある企業間で、共同開発や共同販売などの共同事業を行うのです。

なお、資本提携は結ばす、単に業務提携を行うケースもよく行われています。この場合は資本の移動を伴わないため、M&Aには該当しません。

ジョイントベンチャー

ジョイントベンチャーとは、複数の会社が協同で出資して新しい会社(合弁会社という)を設立することです。資本業務提携のもう1つのスタイルともいえるでしょう。共同事業をより効率的に行うための組織(合弁会社)を用意する発想です。

また、共同事業を別組織(合弁会社)で行うことは、リスク回避という側面もあります。さらに、ジョイントベンチャーは、海外進出の際にも役に立つ手法です。海外では、外国企業が資本100%の会社を設立することを禁じている地域もあります。

そのような場合、現地企業と合弁会社を設立することで、その地域への進出・ビジネス展開が可能になるのです。

【関連】資本業務提携とは?資本業務提携のメリット・デメリットをわかりやすく解説
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M&A手法を選ぶ際のポイント

M&A手法を選ぶ際のポイント

M&Aの手法を選定する際は、M&Aを行う目的やそれぞれの手法のメリット・デメリットを踏まえて検討することが重要です。「包括的な承継と部分的な承継ではどちらのリスクが少ないか」、「どの手法が時間はかからないか」など、検討する際の観点は多数あります。

ここまでに掲示したようにM&Aの手法は多様で、その中から最適な手法を選定しなくてはなりません。そのためにはM&Aを行う目的を明確にし、そして、各手法のメリットだけでなくデメリットにも目を向ける必要があります。

M&A共通のデメリットも考慮

M&Aは新事業開始や新地域進出を円滑化し、また財務基盤を強化できるなど、さまざまなメリットがあります。しかし、その一方で、M&Aを完了させるまでには1年以上必要となる場合があるなど、時間がかかるものという認識を持たなくてはなりません。

また、M&Aは成功率が3割程度といわれるほど失敗するリスクが高いところも注意しなければならず、場合によってはM&A以外の経営戦略の方が適していることもあります(M&Aの成功率とは成約率ではなく、M&A後、思ったような成果が上げられるかということ)。

このように、M&A手法の選定は各手法のデメリットだけでなく、M&Aに共通するデメリットも考慮しましょう。以下では、譲受側(買い手)、譲渡側(売り手)に分け、共通するM&Aのデメリットを掲示します。

譲受側のデメリット

M&Aの各手法に共通する譲受側の代表的なデメリットには、以下のようなものがあります。

  • PMIがうまく進まない場合、組織が混乱し意思決定が遅い・共通認識不足などにより業績の低下を招く可能性がある
  • 融合がうまく果たせないとシナジー効果が創出できず事業計画どおりに進まない
  • M&Aへの反発や不安などから、譲渡側のスタッフが離反・流出してしまうことも多い

譲渡側のデメリット

一方、譲渡側でもM&A各手法共通の主なデメリットとして、以下のようなものがあります。

  • 譲渡側が希望する条件に合致する買い手が必ずしも現れるとは限らず、見つからなければM&A自体が成立しない
  • 従業員の気持ちの問題として、どうしても「買われた」という意識が芽生え、劣位のある精神状態となり業績に悪影響が出る
  • 買い手側の企業文化や価値観に合わせていくことになるため、それに慣れるまで業務に支障が出がちになる

希望する価格での売却は専門家の協力が不可欠

もう1点、特に売り手側のポイントとして挙げておきたいのは、M&A仲介会社など専門家のサポートを早期に受けることです。M&Aの買い手側は大手企業でM&Aに慣れていることも多く、その場合、M&Aの専門部署やスタッフが組織されています。

一方、売り手が中小企業だった場合、ほとんどが初めて経験するM&Aでしょう。M&Aの各プロセスでは専門的な知識や経験は欠かせません。そして、できるだけ希望する価格で売却したいと考えるなら、M&A仲介会社などの専門家の存在は不可欠なものです。

M&A総合研究所では、M&Aについて豊富な知識と経験を持つアドバイザーが案件ごとに専任となり、相談時からクロージングまでM&Aを徹底サポートします。また、通常は10カ月~1年以上かかるとされるM&Aを、最短3カ月でスピード成約する機動力も強みです。

料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」となっています(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。随時、無料相談をお受けしておりますので、M&A・事業承継をご検討の際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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中小企業から最も多く採用されているM&A手法

中小企業から最も多く採用されているM&A手法

日本では、中小企業が売り手となるM&Aの場合に、最も多く用いられる手法は株式譲渡です。まず、買い手側の観点として、M&Aの成果を上げるためには、売り手を買収し子会社化、できれば完全子会社化したいと考えます。

非上場の中小企業の場合、経営者1人あるいは経営者+家族や役員など少人数で全株式を所有していることがほとんどです。したがって、買い手の子会社化・完全子会社化という希望に対応しやすくなっています。

また、売り手としては、会社を売却して現金の対価獲得を望むことが多く、それに最も適しているのは株式譲渡です。さらに、株式譲渡は数あるM&A手法の中で、手続き面が最も簡便で楽という特徴もあります。

このように、売り手・買い手双方の思惑・目的に合致し、手続き面も容易である株式譲渡が、中小企業のM&Aでは数多く行われているのです。

【関連】中小企業の株式譲渡とは?メリット・デメリットや手続きを解説
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M&Aの手法と税金

M&Aの手法と税金

中小企業の行うM&Aでは、株式譲渡以外に事業譲渡もよく用いられます。そこで、ここでは、株式譲渡と事業譲渡の際に発生する税金についてまとめました。

株式譲渡で課される税金

株式譲渡が実行された際に発生する税金は、譲渡側のみに課せられます。買い手である譲受側には税金は発生しません。また、株式譲渡には2つのケースがあり、それは、経営者個人が株主として行う株式譲渡と、親会社が行う子会社の株式譲渡です。

この場合、個人と法人では課される税金は異なるため、それぞれを分けて説明します。

個人による株式譲渡の税金

個人が株式譲渡を行った場合、株式譲渡所得に対して所得税が課されます。これは、自身が経営する会社の株式だけでなく、株式市場の株式売買を行った場合も同様です。株式の譲渡所得は、総合課税に加えず分離課税という扱いで、以下のように固定の税率が定められています。

  • 株式譲渡所得税率=所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%=20.315%
なお、復興特別所得税は2037(令和19)年までの時限税です。また、株式の譲渡所得額は以下の計算式で求めることになっています。
  • 株式譲渡所得額=売却金額-(株式取得費用+株式譲渡時に要した費用)
株式取得費用とは、会社の創業者であれば会社の資本金額が該当します。株式市場で取引する一般の上場株式であれば、株式を購入したときの金額です。株式譲渡時に要した費用とは、M&Aの株式譲渡であれば主にM&A仲介会社などに払った手数料などが該当します。

一般の上場株式では証券会社に払った手数料などのことです。
 

法人による株式譲渡の税金

法人が株式譲渡を行った場合、その譲渡益には法人税が課されます。ただし、株式譲渡益単独に課税されるわけではなく、ほかの損益と通算したうえで最終的な益金の額に課税されるのが個人の場合との大きな違いです。

したがって、仮に株式譲渡を実施した年度に何らかの大きな損金が出ていて、株式譲渡益と通算しても最終的に赤字だった場合、課税はされません。つまり、会社の状況を鑑みながらタイミングがよく株式譲渡を実施すれば、結果的に節税できる可能性があります。

なお、法人税の税率は会社の規模によって異なりますが、2021(令和3)年8月現在の法人税の実効税率は約30~33%です。また、株式譲渡益額の算出方法は、個人の場合と同じ計算方法を用います。

事業譲渡で課される税金

事業譲渡は法人が主体となって実施するM&Aですから、納税の対象者は法人です。事業譲渡の場合、譲渡側と譲受側それぞれに異なる税金がありますので、それぞれ分けて説明します。

譲渡側に課される税金

事業譲渡を実施し譲渡益を得ていれば、課税の対象となります。ただし、事業譲渡益単独に課税されるわけでなく、ほかの損益と通算して法人税が課されるのは株式譲渡時と同様です。事業譲渡損益の算出は、以下のように計算します。

  • 事業譲渡損益額=売却金額-(譲渡資産の簿価-譲渡負債の簿価)

なお、事業譲渡の際の譲渡内容に、消費税課税対象資産が含まれている場合、その消費税相当額を譲受側に請求し、売却金額と合わせて支払いを受けます。譲渡側が消費税を負担するわけではありませんが、税務署への消費税納付責任は譲渡側となる点には注意しましょう。

譲受側に課される税金

前述のとおり、消費税課税対象資産を譲受する場合、譲受側に消費税負担義務があります。つまり、事業譲渡対価だけでなく、消費税相当額も資金の用意が必要になる点は要注意です。消費税の課税・非課税資産は以下のように定められています。

  • 消費税課税対象資産:土地以外の有形固定資産(建物・設備類)、無形固定資産、棚卸資産(在庫)、営業権(のれん)など
  • 消費税非課税資産:土地、有価証券、債権など

事業譲渡の内容に不動産が含まれている場合は、譲受側に不動産取得税と登録免許税が発生します。法人の場合の不動産取得税率は、「非住宅家屋」という規定に該当し固定資産税評価額の4%です。一方、登録免許税は、固定資産税評価額の2%となっています。
(いずれの税率も2021年8月現在のものです)

【関連】株式譲渡にかかる所得税について税率や計算方法を紹介
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M&Aの手法まとめ

M&Aの手法まとめ

M&Aの手法は「買収」「合併」「分割」の3つに大別でき、利用する場面や必要な手続きが異なります。また、具体的な手法はさらに細分化されているので、M&Aを実施する際は目的に合致した手法を活用するのが大切です。

ただし、その判断を当事者である経営者だけで行うのは難しいものがあり、一般的にはM&A仲介会社のような専門家に相談・依頼をして進めていきます。これは、できるだけ希望する条件でM&Aを実現させる意味でも重要なことです。

その際ポイントとなるのは、自社に適した専門家を選ぶことにつきます。無料相談などを活用し、じっくりと専門家選びを行いましょう。

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