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2019年11月28日更新
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地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)とは

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

事業再生を担う機関の一つに、地域経済活性化支援機構(旧企業再生支援機構)があります。地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)は、企業規模に関係なく数々の事業再生を成功させてきました。利用する為の手続きや支援対象の条件は厳しいものの、事業再生を円滑に実施できます。

目次
  1. 地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)
  2. 地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)とは
  3. 地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)の業務内容と資本金
  4. 地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)による私的整理の流れ
  5. 地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)の支援対象
  6. 地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)による事業再生と法的整理の違い
  7. まとめ

地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)

数々の事業再生で実績を残してきた企業再生支援機構は、数年前に地域経済活性化支援機構に生まれ変わりました。

これまで日本航空を初めとして、企業規模に関係なく数多くの事業再生を手がけてきました。

この機構は、どのような事業再生を実施しているのでしょうか?

今回の記事では、地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)の支援内容を取り上げます。

事業再生に興味のある方、必要性を感じている方必見の内容です。

地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)とは

まず初めに、地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)の概要や業務内容等を紹介します。

地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)の概要と変遷

2000年代の後半における地域経済の低迷を受け、企業再生支援機構が2009年に設立されました。

企業再生支援機構として、日本航空やグランビスタ、様々な大企業の事業再生に取り組んだ実績があります。

その後法改正により、企業再生支援機構は地域経済活性化支援機構に商号変更し、地域経済を重視した活動に取り組んでいます。

地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)の業務内容と資本金

⑴業務内容

地域経済活性化支援機構(旧:企業再生支援機構)では、地域経済活性化の為に様々な事業に取り組んでいます。

専門家派遣やファンド出資を通じて、地域経済に貢献する企業の事業再生を支援する業務を遂行しています。

この機構では、私的整理の形で事業再生を支援しています。

資金面のみならず、専門家派遣等を取り入れた多面的な事業再生を実施しています。

⑵資本金

地域経済活性化支援機構は、政府や金融機関からの拠出金等を受けている預金保険機構からの出資を基に、資本金を構成しています。

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地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)による私的整理の流れ

実際に、地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)を利用した私的整理の流れを紹介します。

⑴初期検討

まず初めに、私的整理を支援する金融機関が機構と話し合います。

持ち込まれた事業概要や直近決算書等の基礎資料を基に、機構側が事業再生の支援対象となるかを判断します。

私的整理の相談に際して秘密保持契約を締結する為、相談した事実が外部に漏れる事はありません。

⑵プレデューデリジェンス(プレDD)

機構側が事業再生の支援対象と判断し、金融機関が機構の私的整理手続きを活用する判断を下したら、今度は事業者と機構が面談します。

事業再生手続きの仕組みや私的整理の方法などに関する説明を基に、事業者は機構の事業再生手続きを利用するか判断します。

事業者が私的整理に納得できたら、対象事業者と持込金融機関、機構の三者にて守秘義務契約を締結し、プレDDに入ります。

プレDDでは事業者の詳細資料を基に、事業再生の検証や再生ストラクチャーの検討等を行います。

⑶デューデリジェンスと事業再生計画の策定

次にプレDDの結果を基に、金融支援等を含んだ事業再生計画の見通しが事業者側に伝えられ、本格的なDDに入ります。

DDでは外部アドバイザーが、対象事業者の財務やビジネス、法務等の領域に対して詳細な調査を実施します。

DDの結果を基に、正式な事業再生の計画を策定します。

企業規模に応じて、DDに要する費用の一部を事業者が負担する必要があります。

事業者が負担するDD費用の割合は、下記の通り設定されています。

  • 中小企業→費用の10分の1
  • 中堅企業→費用の1/2または1億円のいずれか低い金額
  • 大企業→全額負担

⑷再生支援の申し込みと決定

事業再生計画を添付した上で、金融機関と事業者の連名で再生支援の申し込みを実施します。

支援申し込みを受けた機構側は、再生支援決定基準に基づき、再生支援を実施するかどうか決定します。

地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)による私的整理は、原則5年以内の完了を目指して実施されます。

⑸関係金融機関との調整

再生支援が決定された際、機構側は関係金融機関との調整手続きを行います。

専門的な部分ですので詳しくは割愛しますが、主に金融支援に関する依頼を実施します。

⑹買取・出資決定

金融機関からの支援同意を得られたら、機構は債権の買取や事業再生計画に基づく出資を行います。

⑺債権等の処分〜支援完了

5年以内の手続き完了を目指して、機構から事業者に対して事業再生支援を実施します。

出資だけでなく、必要に応じて経営人材の派遣等も行われます。

様々な支援により、通常通り事業を継続可能となった時点で地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)による支援は終了します。

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地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)の支援対象

機構の私的整理手続きを利用する為には、この項でお伝えする支援対象の条件に合致する必要があります。

⑴有用な経営資源を有する

事業再生(私的整理)の為には、収益源となる経営資源が必須です。

事業再生に有用な経営資源の有無は、支援対象になる為には最も重要な要素です。

⑵過大な債務を負っている

事業者自身では対処できない程の債務を負っている事が、支援対象となる為には必要です。

地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)の活用は、最終手段として検討しましょう。

⑶事業再生の見込みがある

事業再生の見込みを示す為に、主要な債権者との連名が必要となります。

⑷再生支援決定から5年以内に諸条件を満たす

5年以内に、機構が定める「生産性向上基準」や「財務健全化基準」を満たす事が、支援対象となる必須条件となります。

生産性向上基準として、下記4要件のうちいずれかをクリアする事が必要です。

  1. 自己資本当期純利益率が2%以上増加
  2. 有形固定資産回転率が5%以上増加
  3. 従業員1人当たり付加価値額が6%以上増加
  4. 上記に相当する生産性向上を示す他の指標の改善

財務健全化基準としては、以下要件の両方を満たす必要があります。

  1. 有利子負債のキャッシュフローに対する比率が10倍以内
  2. 経常収入が経常支出を上回る

⑸債権もしくは株式等の処分可能性

機構が債権の買取りや資金貸付け等を実施する際には、5年以内の債権・株式等の処理可能性が高いことが求められます。

⑹必要不可欠性や出資比率に応じたガバナンスの発揮等の条件を満たす

上記以外にも、スポンサーなどの協調投資等の見込みや回収見込みに関する条件が設定されています。

⑺労働組合等と話し合いを行う

機構の私的整理手続きを利用する際には、労働組合などと話し合いを実施しなくてはいけません。

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地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)による事業再生と法的整理の違い

最後に、機構による事業再生と法的整理の違いを解説します。

⑴対象債権者

法的整理では、一般債権者を含む全ての債権者を対象とします。

一方で機構の事業再生では、原則金融債権者のみを対象とします。

法的整理と比べて対象債権者の範囲が狭い点が、機構による事業再生の特徴です。

⑵金融調整の進め方

法的整理では裁判所が全ての債権者と金融調整を進めるのに対して、機構による事業再生では機構自身が金融債権者と調整を進めます。

⑶計画成立

地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)の事業再生と法的再生における最も大きな違いは、再生計画の成立です。

法的再生では多数決により計画が成立しますが、機構による事業再生では実質的には全員の同意が必要です。

法的再生とは違い強制的ではない為、全員の同意を必要とする訳です。

⑷公表義務

法的再生の場合、再生の実施を必ず公表しなくてはいけません。

一方で機構の事業再生では、大企業の再生を除いて事業者に公表義務はありません。

法的再生と比べると、周囲に知られずに再生を実行出来る点がメリットです。

まとめ

今回は、地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)について解説しました。

地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)は、企業規模に関係なく数々の事業再生を成功させてきました。

利用する為の手続きや支援対象の条件は厳しいものの、事業再生を円滑に実施できます。

万が一事業再生の必要性が生じた場合には、地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)の利用を検討してみては如何でしょうか?

要点をまとめると下記になります。

  • 機構の概要

→2009年に前身となる企業再生支援機構が設立され、その後法改正により地域経済活性化支援機構に商号変更

  • 企業再生支援機構の実績

→日本航空やグランビスタの事業再生に取り組んだ実績がある

  • 地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)の業務内容

→専門家派遣やファンド出資などによる事業再生支援

  • 地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)の資本金

→預金保険機構からの出資

  • 地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)による私的整理の流れ
  1. 初期検討
  2. プレデューデリジェンス
  3. デューデリジェンスと事業再生計画の策定
  4. 再生支援の申し込みと決定
  5. 関係金融機関との調整
  6. 買取・出資決定
  7. 債権等の処分〜支援完了
  • 地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)の支援対象
  1. 有用な経営資源を有する
  2. 過大な債務を負っている
  3. 申込みに際し、事業再生の見込みがあると認められる
  4. 再生支援決定から5年以内に諸条件を満たす
  5. 一定期間内に、申込事業者に関係する債権もしくは株式等の処分が可能となる可能性が高い
  6. 機構が出資を行う場合、必要不可欠性や出資比率に応じたガバナンスの発揮等の条件を満たす
  7. 労働組合等と話し合いを行う
  • 地域経済活性化支援機構(企業再生支援機構)による事業再生と法的整理の違い

→対象債権者、金融調整の進め方、計画成立、公表義務に違いがある

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