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相続と印鑑証明

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

相続の手続きにおいて、どの場面で印鑑証明が必要となるのか知っておくと便利です。遺産分割協議、不動産の相続登記、相続税申告に必要な印鑑証明と枚数、相続で用いる印鑑証明の期限、印鑑証明がない相続人の対処法、海外在住者の相続と印鑑証明について解説します。

目次

    相続と印鑑証明

    相続では、一定範囲内の親族に対して、所有していた財産が包括的に引き継がれます。

    このプロセスが俗に言う「相続」を指し、今後高齢化社会が進行するに伴い、誰もが相続の場面に立ち会うでしょう。

    財産を引き継ぐ際、様々な相続手続きを実行します。

    正当な人物へ財産を相続させる為に、印鑑証明を必要とする手続きがいくつか存在します。

    相続の手続きにおいて、どの場面で印鑑証明が必要となるのか知っておくと便利です。

    印鑑証明とは、ある実印がその人の所有物である事を証明する書類です。

    この記事では、相続に不可欠な印鑑証明に関して、分かりやすくお伝えします。

    今後相続に立ち会う予定のある方必見です。

    相続手続きで必要な印鑑証明と枚数

    一番初めに、相続手続きで必要となる印鑑証明と枚数をご説明します。

    相続では、主に下記4つの手続きで印鑑証明が必要となります。

    1. 遺産分割協議
    2. 不動産の相続登記
    3. 金融・証券会社に対する払い戻し手続き
    4. 相続税申告

    各手続きについて、詳しく解説します。

    ⑴遺産分割協議

    相続の際には、各々が引き継ぐ財産の金額や種類を決めなくてはいけません。

    遺言書が残されている場合には、遺言書の内容に則って財産を分配します。

    遺言書が無いケースでは、相続人全員で遺産分割協議を開催し、話し合いによって決定します。

    遺産分割協議で結論が出ましたら、書面で話し合いの内容を記録します。

    遺産分割協議の効力を正式に証明する為に、相続人全員が印鑑証明書を提出する必要があります。

    遺産分割協議を開催する前に印鑑証明を渡しても、実務上は問題ありません。

    問題は無いものの、悪意ある相続人が遺産分割協議書を偽装する可能性はあります。

    後々のトラブルを避けたい方は、遺産分割が完了してから印鑑証明を提出する方が無難です。

    遺言書を基に遺産分割するケース、相続人が一人しか存在しないケースでは、印鑑証明の提出は不要です。

    ⑵不動産の相続登記

    家や土地等不動産を相続する時は、名義変更の登記手続きが必要です。

    不動産の相続登記では、相続人全員の印鑑証明が求められます。

    遺産分割協議と同様に、相続人が一人もしくは遺言書に則った相続であれば、印鑑証明は不要となります。

    上記状況に加えて、調停調書・審判書があるケースでも印鑑証明は必要ありません。

    印鑑証明の原本やコピーの提出等一定の手続きを行えば、相続登記で提出した印鑑証明の還付が可能です。

    還付を受けておけば、必要な印鑑証明の枚数が減るのでオススメです。

    ⑶銀行・証券会社に対する払い戻し手続き

    銀行や証券会社に払い戻し手続きを行う際には、印鑑証明が必須です。

    相続の状況により、印鑑証明が必要となる人物が異なります。

    ・遺言書による相続・相続人が一人

    このケースでは、預金を相続する人物のみ印鑑証明が必要です。

    ・遺産分割協議による相続

    遺産分割協議を実行した場合には、全相続人の印鑑証明書が必須です。

    ・家庭裁判所の調停調書や審判書が存在する

    稀なケースですが該当する場合は、預金を相続する人物の印鑑証明のみ求められます。

    上記はあくまで、一般的な取り扱い傾向です。

    実際に相続する時は、対象の各銀行等にお問い合わせください。

    ⑷相続税申告

    ある一定以上の財産を相続すると、相続税の申告が必要です。

    遺産分割協議の開催により複数相続人が財産分与する場合には、印鑑証明が必要となります。

    相続登記とは異なり、印鑑証明の原本還付は利用できません。

    つまり相続税申告の際には、別途印鑑証明を準備しなくてはいけません。

    不動産の相続登記の後に相続税申告を実施すれば、新しく印鑑証明を取得する手間が省けます。

    以上4つが、相続における印鑑証明が必要な場面です。

    つまり相続では、約2〜4枚程度の印鑑証明が必要とされます。

    相続手続きの順番や相続人の状況次第で変わる為、事前に印鑑証明の必要枚数を確認する事が重要です。

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    相続税の節税

    相続で用いる印鑑証明の期限

    相続では、多くの手続きで印鑑証明の提出が求められます。

    相続対象者の中には、印鑑証明の期限を気にする方も少なくありません。

    相続を遂行する方の中には、「3ヶ月以内」でなくてはいけないと認識している方も多いです。

    結論、手続きによって印鑑証明の期限は異なります。

    この項では、相続で用いる印鑑証明の有効期限を、パターンごとにご説明します。

    ⑴印鑑証明の有効期限なし

    殆どの相続手続きでは、印鑑証明に有効期限はありません。

    相続税申告や相続登記、遺産分割協議では、いつの印鑑証明を利用しても原則問題ありません。

    司法書士に相続手続きを依頼する際には、新しい印鑑証明の提出を求められる場合もあります。

    ⑵印鑑証明の有効期限3ヶ月

    相続で用いる印鑑証明には、原則有効期限が設定されていませんが、有効期限が設けられている場合もあります。

    その最たる例が「金融機関に対する手続き」です。

    銀行預金の相続では、ほぼ必ず3ヶ月の有効期限が設定されています。

    実際に相続を行う際は、各銀行の取り決めを確認しましょう。

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    相続の準備

    印鑑証明がない相続人の対処法

    次に、印鑑証明がない相続人の対処法をお伝えします。

    相続人としての権利を行使する為には、基本的には印鑑証明が必要となります。

    何らかの理由で実印を登録していない方は、相続で困らない為にも今すぐ実印登録しましょう。

    ⑴印鑑証明がない相続人とは

    一部の例外要件に該当する方は、実印登録出来ない為、印鑑証明も当然提出できません。

    では、どのような人は印鑑証明がないのでしょうか?

    ①未成年

    現行法上未成年は制限行為能力者に該当する為、独力で法律行為を実行できません。

    未成年が相続人となる際には、印鑑証明は必要ありません。

    ②成年被後見人

    未成年と同様に、成年被後見人も制限行為能力者に該当します。

    成年被後見人とは、認知症等自分で物事を判断できない方です。

    成年被後見人が相続人となる場合にも、印鑑証明は必要ありません。

    ⑵印鑑証明がない相続人の対処方法

    印鑑証明が例外的にない相続人に対しては、通常とは異なる対処を施します。

    未成年が相続人の場合には、代理人である親権者が印鑑証明を提出します。

    成年被後見人が相続人であれば、成年後見人と呼ばれる代理人の印鑑証明を用います。

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    海外在住者の相続と印鑑証明

    ⑴相続のグローバル化

    一昔前までは、相続は日本国内の親族間で行うケースが殆どでした。

    近年は、日本企業の海外進出や海外移住、国際結婚等の増加に伴い、相続がグローバル化しています。

    海外に相続人がいるケースが一般化しつつある昨今、相続の際にはその点も意識する必要があります。

    海外在住者を無視して遺産分割を実行しても無効となる為、海外在住者も含めた上で、相続手続きを実施しなくてはいけません。

    海外在住者が相続する際、提出書類が日本の相続人とは異なります。

    この項では、海外在住の相続人が提出する書類を、詳しくご説明します。

    ⑵印鑑証明の代わりに必要な書類

    海外の国の多くでは、日本とは違い印鑑証明の制度が存在しません。

    海外では実印の代わりに、サイン(署名)を用いる場合が一般的です。

    海外在住の相続人は、印鑑証明を提出する代わりにサインとその証明書を提出します。

    サイン証明書は、日本領事館等の在外公館で取得可能です。

    印鑑証明や実印の代わりに、サインとその証明書を提出すれば、正式に相続人としての権利が認められます。

    ⑶サイン証明書以外に必要な書類

    海外移住している相続人は、サイン証明書以外にも準備すべき書類があります。

    ①在留証明書

    不動産の相続登記には、相続人の住民票が必要です。

    相続人が海外在住の場合、海外のどこに住んでいるかまでは、住民票には記載されていません。

    海外に住んでいる相続人は、住民票の代わりに「在留証明書」を提出します。

    現地日本領事館に出向き、パスポート等を提示すれば、在留証明書を取得可能です。

    ②出生・婚姻・死亡証明書

    基本的に相続では、相続人である事を証明する為に、戸籍謄本が必須です。

    多くの国では、住民票のみならず戸籍も存在しません。

    海外に住んでいる相続人は、戸籍の代わりとして「出生証明書等」を提出しなくてはいけません。

    相続人である証拠を提示できれば、婚姻証明書や死亡証明書でも結構です。

    以上が、海外在住者の相続で必要となる書類です。

    まだまだ海外在住者の相続はマイナーである為、専門的に取り扱える機関は少ないです。

    実際に海外在住者が相続人に含まれる際には、事情に精通している司法書士や弁護士に相談しましょう。

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    相続は司法書士に相談しましょう

    まとめ

    今回は、相続における印鑑証明を解説しました。

    相続の手続きでは、様々な場面で印鑑証明の提出が必要です。

    各手続きごとに、提出する印鑑証明の有効期限が異なる点には注意です。

    一部の印鑑証明が不要の対象者や、海外在住者が相続人に含まれる場合には、通常とは異なります。

    各家庭の状況により相続の手続きは異なる為、実際には専門家に業務を委託する方が無難です。

    弁護士や司法書士に相続業務を依頼すれば、円滑に相続を終了できます。

    要点をまとめると下記になります。

    • 相続手続きで必要な印鑑証明の枚数

    →約2〜4枚程度

    • 相続で用いる印鑑証明の期限

    →原則ないが、銀行預金等の相続には3ヶ月の期限が設定される事が多い

    • 印鑑証明がない相続人とは

    →未成年や成年被後見人など

    • 印鑑証明がない相続人の対処法

    →代理人の印鑑証明を利用する

    • 海外在住者の相続

    →近年は件数が増加している。海外在住者を無視して遺産分割しても無効となる

    • 海外在住の相続人が提出する書類

    →サイン証明書、在留証明書、出生・婚姻・死亡証明書

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