2021年4月24日更新事業承継

事業承継セミナーとは?種類やメリット、参加するときの注意点を解説

最近では、公的機関・民間企業問わず様々な団体が事業承継セミナーを開催しています。事業承継を検討する経営者が参加することで大きなメリットが得られますが、参加するときには注意点もあるため事前に把握しておくことが大切です。

目次
  1. 事業承継セミナーとは
  2. 事業承継における課題とは
  3. 事業承継セミナーの種類
  4. 事業承継セミナーに参加するメリット
  5. 事業承継セミナーに参加するときの注意点
  6. まとめ

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事業承継セミナーとは

事業承継は引退を控えた多くの経営者の中で懸念されていますが、実際に事業承継を実施したところ上手くいかなかったと感じるケースも珍しくありません。最終的には事業承継で想定した結果が得られずに、廃業を選択するケースも多いです。

上記のような事態に陥らないためには、事業承継セミナーへの参加が一つの有効策となります。事業承継セミナーとは、事業承継を検討する経営者向けに開催される講習会のことです。今回は、事業承継セミナーの種類・参加するメリット・注意点などを中心に解説します。

事業承継セミナーの現状

事業承継セミナーは、東京以外にも札幌・名古屋・大阪・福岡など地方都市を中心に全国各地で開催されています。このように事業承継セミナーが盛んに開催されている背景には、経営者が抱える事業承継の課題が深く関係しているのです。

そもそも事業承継を実施するには、後継者の育成や株式の引き継ぎなど複雑かつ膨大な手続きが求められます。ほとんどの経営者にとって事業承継ははじめて経験する行為となるため、スムーズに手続きを済ませることは極めて困難です。

このような事情を踏まえると、事業承継で必要な情報やノウハウを提供する事業承継セミナーは、事業承継に課題を抱える経営者にとって参加する意義のある講習会だといえます。

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事業承継における課題とは

事業承継セミナーに参加するときは、自身が抱える事業承継の課題をあらためて確認しておくと良いです。漠然と事業承継セミナーに参加しても、いたずらに時間や費用を浪費してしまいかねません。事業承継セミナーへの計画的な参加が、事業承継のスムーズな実施につながります。

ここでは事業承継における代表的な課題を紹介します。

  1. 後継者の育成について
  2. 円滑な引き継ぎについて
  3. M&Aによる事業承継について
それぞれの課題を順番に見ていきます。

①後継者の育成について

後継者の育成は、事業承継を進めていくうえで経営者を悩ませる課題です。育成は一見すると単純なイメージを持ちますが、実際は決して簡単な行為ではありません。そもそも後継者は、親族または従業員などのなかから指名されたのち、経営者の引退以降、数十年にわたって会社を背負っていくことになります。

前任の経営者は引退後もある程度は経営に関われますが、いずれは後継者にすべてを託さなければなりません。自社の将来を託すに相応しい人材となるよう、経営者自身がしっかりと後継者を育てる必要があります。

とはいえ名実ともに信頼に足る後継者を育成することは決して簡単ではなく、当然ですが教育者となる経営者の力量が大きく問われます。経営者の手腕が悪ければ、後継者育成が実を結ぶことはありません。

中小企業特有の経営体制が生む課題もある

特に中小企業では創業以来ワンマン経営の体制が敷かれているケースが多く、経営哲学やノウハウが経営者の親族や部下に共有されていないことがあります。さらに気心の知れた幹部や従業員に囲まれていれば、経営者が持つ育成の経験値が低い可能性も十分にあり得ます。

上記のような状況では、経営に必要なノウハウ・知識・ビジョンのすべてを後継者に引き継げません。引退後の業績に深刻な悪影響を及ぼしかねないため、後継者の育成は中長期的な視点から念入りに計画を作成して実施する必要があります。

引退が間近に迫った段階で準備を開始していては後継者育成に十分な時間を確保できないばかりか、経営者の体調不良など不測の事態が生じれば事業承継自体が実施できなくなる可能性もあります。トラブルを未然に防ぐためにも、後継者の育成はなるべく早く計画すると良いです。

以上の点を踏まえると、事業承継セミナーへの参加は後継者の育成計画を作成する第1歩となります。セミナーに参加して計画の作成に必要な見通し・知識を身につけることで、後継者育成の道筋が見えてくる上に事業承継で疎かにできない要素も把握できます。

後継者の育成が必要となる経営者は、まず事業承継セミナーに参加することをおすすめします。

②円滑な引き継ぎについて

事業承継は単純に前任の経営者と後継者が交代するのみに留まらず、企業組織そのものを引き継ぐ行為という意味合いが強いです。ここで求められる実務的な手続きは、円滑に進める必要があります。組織の引き継ぎにおいても、ただ名前を書き換えて業務を引き継げば良いというわけではありません。

具体的には、登記変更・後継者への株式の引き継ぎ・取引先や顧客へのあいさつ回りなど、膨大な手続きが求められます。これらの手続きを済ませるには専門的な知識が求められることも多いですが、特に中小企業の事業承継では株式の引き継ぎに手間がかかりやすいです。

中小企業の株式は、非公開となっていて株価が不明の状態であるケースが多いため、まずは企業価値に基づいて株価を算出する必要があります。また株式を段階的に引き継いでいくには、ある程度の資金が求められる点や、税金の支払いが発生し得る点なども考慮しなければなりません。

これらのことを踏まえると株式をはじめとする企業の構成要素の承継方法についても、後継者の育成と同様に中長期的な視点から計画する必要があります。なお事業承継で引き継ぐ対象には経営の中心となる幹部も含まれるため、後継者育成と並行して経営幹部の育成・引き継ぎも実施すると良いです。

事業承継は複雑で手間がかかる行為であるため、実務的な作業に追われて承継後における経営の道筋まで手が回らないケースも多いです。事業承継セミナーに参加して事業承継の手続きを事前に把握しておくことで、こうした事態を回避できます。

③M&Aによる事業承継について

近年は事業承継を実施するときに、M&Aの手法を採用するケースも少なくありません。事業承継では後継者が見つからずに企業の存続が危ぶまれる課題も深刻化しており、M&Aによる会社売却で自社の存続を図るケースが増えています。

たとえ後継者がいなくてもM&Aを活用して第三者に自社を売却すれば、名前は変わったとしても会社の存続自体は実現可能です。外部から優秀な経営者を招ける可能性もあり、これまで会社で培われてきたノウハウ・設備・従業員の維持が期待できます。

純粋に企業を手放したいと考えている経営者にとっても、M&Aは有効な手段となり得ます。会社を手放すときに廃業を選べば多くの費用がかかる上に、清算の手間を考えると非効率的です。M&Aを活用して会社を手放せば、廃業や清算の手間を省略できます。

費用の支払いが軽減されるだけでなく、場合によっては会社の売却利益でまとまった資金を獲得可能です。かつてネガティブなイメージを持たれていたM&Aですが、近年では経営者のライフスタイルの変化もあって、M&Aによる会社売却が広く活用されるようになっています。

引退後の生活資金を確保するためにM&Aを積極的に実施する経営者もいますが、M&Aは必ず成功するものではありません。

M&Aの実施を検討しても買い手が見つからないケースも少なくないため、M&Aによる事業承継を実施する場合には、念入りに戦略を立案する必要があります。

事業承継を検討したら、M&Aに関する知識も持っておくことをおすすめします。最近はM&Aによる事業承継について取り扱うセミナーも増加しているため積極的に参加すると良いでしょう。

M&Aによる事業承継を検討中なら仲介会社の利用もおすすめ

M&Aによる事業承継を検討しているならば、M&Aの仲介会社を利用するのもおすすめです。

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事業承継セミナーの種類

現在の日本では膨大な数の事業承継セミナーが企画・開催されており、主催する団体も様々です。事業承継セミナーで伝えられる情報は講師ごとに異なりますが、セミナーの形式は主催団体が公的機関なのか民間企業なのかによって大きく異なるケースが多いです。

ここでは公的機関が主催するセミナーと民間企業が主催するセミナーに分けて、それぞれの特徴や違いについて解説していきます。

①公的機関が主催する事業承継セミナー

はじめに紹介するのは、公的機関が主催する事業承継セミナーです。事業承継セミナーを主催する公的機関は、中小機構(独立行政法人 中小企業基盤整備機構)・商工会議所・中小企業庁のほか、これらの公的機関と連携を取る施設や団体であるケースもあります。

公的機関が主催するセミナーは参加費に特徴があり、参加費が格安もしくは無料に設定されている場合が多いです。なるべく費用をかけたくないと考える経営者にとって、嬉しいポイントだといえます。

最近は政府が主導して中小企業の振興に励んでおり、中小企業の廃業を防ぐために事業承継の知識やノウハウを伝えるセミナーを積極的に開催しています。公的機関が選んだ講師がセミナーを実施するため、教えてもらえる事業承継の知識には説得力があります。

また公的機関のセミナーに参加することで、中小企業に役立つ制度や税制などを知るきっかけにもなります。ただしセミナーの種類によっては開催頻度が少ないケースもあるため、一度参加を逃してしまうとしばらく開催されなくなる可能性も十分にあり得ます。

公的機関のWebサイトなどを定期的に閲覧するなどして、セミナーの開催情報をチェックすることが大切です。

②民間企業が主催する事業承継セミナー

次に紹介するのは、民間企業が主催する事業承継セミナーです。事業承継セミナーを主催する民間企業は、コンサルティング会社・弁護士や税理士法人・M&A仲介業者などが代表的です。

民間企業が主催する事業承継セミナーでは開催頻度の多さに特徴があり、依頼すれば講師を現地に派遣してくれることもあります。最近は、Webサイト上でセミナーの動画を公開するサービスを実施する民間企業も多いです。このように経営者の都合に合わせて気軽に参加できる点は、嬉しいポイントだといえます。

さらに民間企業のセミナーでは、税理士や会計士などの専門家だけでなく、長年コンサルティングに携わっていたベテランスタッフや事業承継を経験した経営者などが講師となるケースが多いです。事業承継の経験者が講師となるセミナーでは、境遇が類似することから悩みを共有しやすいメリットもあります。

上記のようなセミナーでは質問すれば的確な答えがもらえる可能性が高いですが、民間企業が主催するセミナーはあくまでもビジネスの一環で実施されていることが多いです。公的機関が主催するセミナーとは異なり、参加費用が求められるケースが一般的であるため、あらかじめ費用について調べておく必要があります。

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事業承継セミナーに参加するメリット

事業承継セミナーに参加するメリットは、以下のとおりです。

  1. 事業承継に関する知識が得られる
  2. 人脈を広げられる
それぞれのメリットを順番に見ていきます。

①事業承継に関する知識が得られる

事業承継セミナーに参加する最も大きなメリットは、事業承継の知識が得られる点にあります。前述のとおり事業承継では後継者の育成や株式の手続きなど様々な手続きが求められますが、いずれも中長期的な目線に立って実施する必要がある上に、専門的知識が求められる場面もあります。

しかし専門知識を独学ではじめから学ぶのは手間がかかるだけでなく、日常業務に追われる経営者にとって勉強時間の確保は困難です。こうした経営者にとって事業承継セミナーは、事業承継に関する様々な知識をまとめて学習できる機会となります。必要知識を効率的に学習できて、限られた時間を最大限に活かせます。

②人脈を広げられる

事業承継セミナーに参加することで、人脈を広げられる可能性もあります。そもそも事業承継セミナーには類似する悩みを抱えた経営者が集まることが多いため、こうした悩みを踏まえて情報交換できます。参加者との交流の中で、課題の解決策や新たな取引先が見つかる可能性もあるのです。

事業承継セミナーを開催する団体の中には会計士や税理士などの専門家が所属していることも多く、セミナーへの参加が、自社の事業承継をサポートする心強いパートナーと出会うきっかけとなることもあります。

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事業承継セミナーに参加するときの注意点

事業承継セミナーに参加するときの注意点は、以下のとおりです。

  1. 信憑性が低いセミナーを見極める
  2. はっきりとした目的を持って参加する
  3. 質問や不安があれば専門家に相談する
それぞれの注意点を順番に見ていきます。

①信憑性が低いセミナーを見極める

前述のとおり最近では全国各地で事業承継セミナーが盛んに開催されていますが、この中には数こそ少ないものの信憑性が低いセミナーも存在します。信憑性が低いセミナーの特徴としては、参加費が高額であることやセミナーの内容が薄いことなどが挙げられます。

場合によっては専門知識を持たない講師を招いてセミナーを開催していることもあるため、事業承継セミナーに参加するときは、あらかじめ主催する団体や講師の資格などをチェックすると良いです。

②はっきりとした目的を持って参加する

事業承継セミナーは、はっきりとした目的を持って参加すると良いです。漠然とセミナーに参加していては、自社の事業承継において進展は望めないためです。あらかじめ自社が持つ課題や知りたいことを明確にしておかないと、事業承継を進めるときの糧にはなりません。

いうなれば事業承継セミナーは、経営者が自社について十分に理解した上で、はっきりとした目的を持って参加することで有意義な時間とすることができます。

③質問や不安があれば専門家に相談する

当日セミナー中に質問や不安要素が生まれたら、講師や専門家に相談することが大切です。事業承継セミナーは様々な分野の専門家と出会える場でもあるため、有効的に活用すると良いです。質問や不安をそのままにせず即座に解消できる点は、事業承継セミナーの持つ存在意義の1つともいえます。

M&Aによる事業承継実施に関する疑問や不安をお抱えの経営者様は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。

M&A総合研究所には専門的な知識や経験が豊富なアドバイザーが多数在籍しており、M&Aによる事業承継のご相談からクロージングまでをしっかりサポートいたします。

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まとめ

事業承継で求められる手続きは非常に複雑であるため、無事に済ませるには相当の知識やノウハウを身につける必要があります。事業承継セミナーはこうした知識やノウハウを獲得する上で非常に役立ちますが、漠然と参加していても効率的に知識を得ることは不可能です。

あらかじめ課題や知りたいことを整理した上で、適切なセミナーに参加すると良いです。要点をまとめると、以下のとおりです。

・事業承継セミナーとは
→事業承継を検討する経営者向けに開催される講習会

・事業承継における課題とは
→後継者の育成について、円滑な引き継ぎについて、M&Aによる事業承継について

・事業承継セミナーの種類
→公的機関が主催するセミナー、民間企業が主催するセミナー

・事業承継セミナーに参加するメリット
→事業承継に関する知識が得られる、人脈を広げられる

・事業承継セミナーに参加するときの注意点
→信憑性が低いセミナーを見極める、はっきりとした目的を持って参加する、質問や不安があれば専門家に相談する

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