M&Aとは?M&Aの意味から手続きまでをわかりやすく解説!【図解あり】
2019年12月6日更新会社・事業を売る
自営業の始め方とは?開業届けや確定申告についても解説します
自営業は株式会社と比較して、とても簡単に始めることが可能です。気軽に始めることができる反面、リスクやデメリットを伴うので覚悟が必要となります。自営業の始め方について、ビジネスモデルの構築、資金の確保、開業書類の提出、確定申告について順を追って説明します。
目次
自営業の始め方
多様な働き方が提唱されるようになり、働き方の1つに自営業という選択肢があります。株式会社を経営する場合に比べ、簡単に始めやすい点が魅力です。
自営業に関心を持っている一方、始め方がわからずに一歩を踏み出せない方も少なくありません。自営業を始めたいと考えてから、自営業を運営するまでには5つのステップが必要です。
- ビジネスモデルの構築
- 資金の確保
- 開業書類の提出
- 事業運営
- 確定申告
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自営業の始め方①ビジネスモデルの構築
自営業を始めたいと考えたら、最初にビジネスモデルを構築する必要があります。そのためには、3つのステップで考えてみましょう。
- 自営業を始める理由は何か
- 自営業を始めるためのアイデアを決める
- 自営業を始めるためのビジネスモデルを構築する
「自営業を始める理由」を明確にした上で、アイデアとビジネスモデルを決めましょう。
⑴自営業を始める理由は何か
まずは、自営業を始めたい理由を考えてみましょう。
- 格好よく見えるから
- お金持ちになりたいから
このような理由だけでは、自営業を始めることはおすすめできません。何となくの憧れだけでは、業績が伸びる前に心が折れてしまいます。
始める前にまずはよく考え、自営業を始める理由を明確にする必要があります。
⑵自営業を始めるためのアイデアを決める
自営業を始めるにあたり、確固たる理由が自分の中に見いだせたら、自営業のアイデアを決めましょう。アイデア自体は、自分の好きなことや得意なことなど、何でも良いのです。このようなポイントから、ビジネスアイデアを検討してみてください。
自営業の運営を失敗しないためには、4つのポイントがあります。
- 始める際の費用が少ない
- 在庫を全く持たない、少なく持つ
- 利益が高い
- 再現性がある
現在はやっているものや、長年うまくいっているビジネスモデルは、アイデアを出す際のヒントになります。
⑶自営業を始めるためのビジネスモデルを構築する
何となく良さそうなアイデアが思い浮かんだら、そのアイデアをビジネスモデルとして具体化します。
- マネタイズの要素
- 年間の利益目標
- ビジネスに欠かせない数値的な目標
ビジネスとして運営する上で必要となる情報を、具体的に決めていきます。
ここまでの3ステップが自営業を始める際に、最初に行うべき一例です。
このプロセスをしっかり行わずに、自営業を開始する方もたくさんいます。うまくいく方もいるものの、行き当たりばったりでは成功する可能性は低く、継続性がないものとなってしまいます。
慎重になりすぎるのも良くありませんが、ある程度の計画性を持つことは大切です。
事業計画書を作成しよう
事業に計画性を持つために、事業計画書を作成してみましょう。事業計画書とは、文字通り事業に関する計画を示したものです。十分な計画が練られているか確認することで、リスクを減らすこともできます。
事業計画書は、融資を受ける場合や、助成金などを利用する際にも必要になります。自分の事業に計画性をプラスするために、頭で考えるだけでなく、実際にまとめてみることをおすすめします。
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自営業の始め方②資金の確保
自営業のアイデアやビジネスモデルが決定したら、資金と資格の準備を開始します。
- 自営業を始めるために必要な資格・スキル
- 自営業を始めるための資金確保
- 生活基盤を確保することも重要
すぐに開始できるジャンルもあれば、ある程度の下準備が必要なジャンルもあります。少しでも成功の可能性を高めるために、十分な準備をした上で自営業を始めることをおすすめします。
⑴自営業を始めるために必要な資格・スキル
自営業のビジネスモデルをもとに、必要な資格やスキルを習得しましょう。
例えば、飲食店を始るためには、料理のスキルだけでなく、食品衛生に関する資格が法律上必要となります。自営業を営む上で不可欠な資格がある場合には、早い段階で取得しておくことが必要です。
必要不可欠でなくても、資格を持っていたほうが信頼性が高まるという効果や、スムーズに運営ができるという効果が期待できます。自営業の開始当初は実績がないので、資格や他社での経験を持っているほうがベターです。
⑵自営業を始めるための資金確保
自営業を始める際、ある程度の運転資金を保有していることが望ましいです。開始当初は、生活資金や事業の運転資金すら稼げない可能性が高いです。自己資金0円の状態から始めると、途中で力つきる恐れがあります。
- 貯金の切り崩し
- 金融機関から資金調達
- クラウドファンディング
⑶生活基盤を確保することも重要
自営業を始めるための資金確保も重要ですが、生活基盤を確保し、リスクに備えることも大切です。自営業を始めて、万が一失敗した場合や長期間にわたって利益がでなかった場合も考えておきましょう。
そのためには、ある程度の生活が続けられるよう、生活資金を用意しておく必要があります。また、自営業を始める前に手続きを行ったほうが良いものが2つあります。
- ローン
- クレジットカード
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既存の個人事業をM&Aで買収するケース
最近は、開業するために既存の個人事業をM&Aで買収するケースも増えています。買収することで、さまざまな手続きや販路開拓などの手間を省略できるからです。
もしM&Aを検討している場合には、M&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所は、全国のM&A案件を取り扱っています。
中小企業のM&Aも実現させる仲介会社です。規模の小さい企業がM&Aを実施する際のサポートも可能です。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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自営業の始め方③開業書類の提出
自営業を始めるために必要な準備が整ったら、いよいよ開業手続きに入ります。株式会社とは違い、自営業の場合には2〜3種類の書類提出のみで開業できます。
自営業を始めるためには、主に3つの書類を提出する必要があります。
- 個人事業の開廃業等届出書
- 青色申告承認申請書
- 個人事業開始申告書
⑴個人事業の開廃業等届出書
自営業を始める際に必須となるのが、「個人事業の開廃業等届出書」です。いわゆる「開業届」であり、これを税務署に提出すれば正式に自営業者となります。開業届は、自営業を始めてから1カ月以内に提出しなければいけません。
⑵青色申告承認申請書
自営業者である以上、利益を獲得したら確定申告手続きが必要となります。確定申告には、2種類あります。
- 白色申告
- 青色申告
⑶個人事業開始申告書
自営業を始める際には、都道府県税事務所と市区町村役場に対して、「個人事業開始申告書」を提出しなくてはいけません。
こちらは事業税や住民税の申告に必要な書類であり、開業届を届け出てから1カ月以内に提出する必要があります。自営業者には国税である所得税だけでなく、事業税などの地方税も課される点は覚えておきましょう。
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自営業の始め方④事業運営
開業届を提出し、晴れて自営業者となった後は、本格的に事業を運営していきます。自営業を開始して1年目は、慣れていないこともあり非常に大変である上、軌道に乗るまでは十分な利益を得られません。
早めに事業を軌道に乗せるために必要なポイントは、3つです。
- マーケティング
- 集客活動
- 試行錯誤
数字的な管理に加えて、試行錯誤も必要です。全てが1回でうまくいくとは限らないので、諦めずに試行錯誤し、最善策を見つける必要があります。
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自営業の始め方⑤確定申告
自営業で利益を得られたら、確定申告の手続きを行います。確定申告とは、稼いだ所得に基づいて納税額を計算し、申告・納税する手続きです。
自営業者は、その年に稼いだ利益に関する税金を、基本的には翌年2月16日から3月15日の間に確定申告します。確定申告の方法には3つあります。
- 直接持参する
- 電子申告
- 郵送
自営業を始めて1年目は、確定申告について何もわからないでしょう。金銭的に余裕があれば、税理士に確定申告の業務を丸投げすることもおすすめです。税理士に依頼すれば、ミスなく確実に確定申告を行うことができます。
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自営業を始める前に必要な手続き
自営業を始めるためには、5つのステップで簡単に行うことが可能です。一方で、自営業を始めるためには、他にも2つの手続きが必要となります。
- 会社を退職する
- 保険・年金制度に加入する
会社を退職する
会社に勤めていて、自営業を始めようとする場合には、会社を退職する必要があります。周りに迷惑をかけないためにも、事前に相談をして円満に退職するようにしましょう。
目安としては、退職したい時期の3か月ほど前から相談しておくことがおすすめです。事前に相談することで、引継ぎもスムーズに行うことができます。
保険・年金制度に加入する
会社を退職する手続きを忘れることはほとんどありませんが、年金や保険に関する手続きを忘れてしまう方が多いです。日本では、保険制度と年金制度に加入することが義務となっています。
年金には、3つの種類があります。
- 国民年金:20歳~60歳未満の日本に住む全ての人
- 厚生年金:厚生年金保険が適用される会社に勤めている全ての人
- 共済年金:公務員や私立学校の教職員など
自営業者になると、会社で入っていた保険制度を脱退することになります。そのため、自営業者になったら、国民年金と国民健康保険に加入する手続きが必要です。会社を退職してから14日以内に、市町村の役所で手続きを行いましょう。
自営業のメリット
これまで、自営業の始め方の5つのステップと必要な手続きについて、順を追って解説しました。ここからは、自営業を行うメリットとデメリットをそれぞれ解説します。自営業の始め方とは話がずれてしまいますが、自営業を始める前に必ず知っておくべき点になります。
まずは、3つのメリットについてご紹介します。
- 自由に事業運営できる
- 稼ぎが青天井
- スキルや能力を活用できる
⑴自由に事業運営できる
自営業者となる最大のメリットは、自由に事業運営できる点です。自営業者は、仕事の内容を自分自身で決めることができます。仕事の内容だけではなく、休憩時間や休日も自由に決めることが可能です。
何より、自分のビジネスプランを計画して実践できるので、楽しく仕事を続けることができます。
⑵稼ぎが青天井
2つ目のメリットは、稼ぎについてです。会社員は、どれだけ結果を出して長時間働いたとしても、稼げる金額には限界があります。
一方、自営業者であれば、稼ぎに限界はありません。アイデアや工夫次第で、会社員の数倍以上稼ぐことも可能です。自営業を始める上で、魅力的なメリットといえます。
⑶スキルや能力を活用できる
自営業者となるメリットの3つ目は、自身のスキルや能力を活用できるという点です。会社員の場合、自身の得意分野とは異なる部門や部署で働く可能性もあります。
一方、自営業者は自分のスキルや能力に適した仕事を選択すること可能で、最大限自分の強みを発揮できます。苦手なことや不慣れなことを行うより、結果を出しやすいです。
自営業のデメリット
自営業にはメリットがある一方で、大きなデメリットもあります。ここでは、3つのデメリットをご紹介しておきます。
- 福利厚生・ボーナスがない
- 安定の保証がない
- 確定申告に手間がかかる
⑴福利厚生・ボーナスがない
会社員には福利厚生やボーナスが与えられますが、自営業者には福利厚生やボーナスは存在しません。月々の稼ぐ額は自営業者のほうが良いとしても、福利厚生やボーナス面も考慮すると、会社員のほうが豊かな暮らしができるというケースもあります。
特に大手企業では、会社員に対する福利厚生やボーナスが非常に手厚いです。手厚い処遇を捨ててまで、自営業者となることは、非常にリスクが高いといえます。
⑵安定の保証がない
自営業者最大のデメリットは、安定の保証がないという点です。稼ぎは青天井である一方で、結果が出なければ収入は0円になります。
会社員の場合には、全く成果が出なくとも、数十万円もの固定給を受け取れます。しかし、自営業者は全てが結果次第となり、結果を出せなければ生活することができません。この点は、自営業最大のデメリットであり、覚悟できなければ自営業を始めることは厳しいでしょう。
⑶確定申告に手間がかかる
会社員はどれほど稼いでも会社が手続きを行ってくれるので、確定申告は不要です。一方、自営業者は必ず確定申告しなくてはいけません。確定申告は、専門的な知識も必要な上、手続き自体がとても面倒なものです。
自営業を始める際は、確定申告を自分自身で行う点についても留意する必要があります。
まとめ
今回は、自営業の始め方について、5つのステップをもとに解説しました。自営業の始め方は、株式会社の始め方と比べ、とても簡単といえます。ただし、気軽に始めることができる反面、リスクやデメリットを伴うので覚悟が必要となります。
しっかりと考え、十分な準備をした上で始めるようにしましょう。
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株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。