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2019年11月26日更新
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事業承継における保険の活用

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

保険を有効活用する事で、事業承継で生じる経済的負荷を軽減できます。事業承継対策としての保険活用、事業承継対策に保険を用いるメリットを解説します。また、逓増定期保険を用いた事業承継対策、長期平準定期保険を用いた事業承継対策、終身保険を用いた事業承継対策についても解説します。

目次
  1. 事業承継における保険の活用
  2. 事業承継と保険の関係
  3. 生命保険活用による事業承継対策
  4. 逓増定期保険を用いた事業承継対策
  5. 長期平準定期保険を用いた事業承継対策
  6. 終身保険を用いた事業承継対策
  7. まとめ

事業承継における保険の活用

現在多くの中小企業・個人事業主が抱えている問題が、事業承継問題です。

後継者不足を理由に、事業承継を諦める中小企業は後を絶ちません。

後継者不足と同程度、それ以上問題なのが、事業承継で生じる税負担です。

中小企業・個人事業主が事業承継する際には、会社に関わる財産を後継者に引き継ぎます。

財産を引き継ぐため、相続税や贈与税が発生します。

その負担は非常に大きく、事業承継を諦める要因の一つとなっています。

また、事業承継後も円滑に事業を運営する為には、ある程度の貯蓄が必要です。

中小企業の事業承継にとって、資金面での対策は非常に重要です。

取り得る対策の一つに、「保険の活用」があります。

保険の活用により、事業承継を円滑に実施できます。

この記事では、事業承継対策としての保険活用に関してお伝えします。

中小企業の経営者や、個人事業主の方必見です。

事業承継と保険の関係

⑴保険を活用した事業承継対策

前述の通り事業承継では、株式や店舗、土地等の資産を引き継ぎます。

それに伴い、相続税や贈与税が発生します。

しかし資産を引き継ぐだけで、手元の現金が増える訳ではありません。

資金力に乏しい中小企業や個人事業主にとって、事業承継の課税は非常に非合理的です。

課税を理由に、資金繰りが悪化する恐れもあります。

よって事業承継の際には、資金確保や節税対策を遂行する必要があります。

対策として有名なのが、事業承継税制の活用です。

しかし中小企業や個人事業主の中には、税制の条件に当てはまらない所もあるでしょう。

そうした方(企業)でも利用可能なのが保険です。

保険の利用は、中小企業や個人事業主でも実施しやすい事業承継対策です。

保険を利用する事で、経済的な負担を軽減できます。

ただ、近年増加しているM&Aによる事業承継を行う場合は別の手法を考える必要があります。

事業承継M&Aを行う場合はM&A総合研究所が力をお貸しします。

M&A総合研究所は全国のM&A案件の取り扱いをしており、中小企業のM&Aも実現させる仲介会社です。

規模の小さい企業がM&Aを実施することが考えられますが、そのような案件にも対応しています。

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⑵事業承継対策に保険を用いるメリット

事業承継対策として保険を用いると、主に下記2つのメリットを期待できます。

①事業承継資金の確保

事業承継には、様々な費用がかかります。

事業承継時の税負担は勿論、事業承継後の運転資金も必要です。

保険を活用すれば、事業承継前後で必要な資金を確保できます。

②節税(利益の圧迫)

中小企業の場合、経営者の保険料を会社の損金に算入可能です。

損金に算入すると、その分利益の額が減少します。

ところで中小企業の事業承継時は、類似業種比準方式等を用いて株価を算定します。

算式の仕組み上、利益額が下がると株価も下落する仕組みです。

つまり保険に加入すれば、株価を大幅に減少できます。

相続税や贈与税は、株価を基に算出されます。

したがって、結果的に税負担の軽減に繋がります。

⑶事業承継に用いる保険の種類

事業承継対策として、保険は非常に効果的です。

しかし保険ならば、何でも良い訳ではありません。

事業承継に活用可能な保険は、主に下記4種類です。

  1. 生命保険(経営者の個人加入)
  2. 逓増定期保険
  3. 長期平準定期保険
  4. 終身保険

各保険ごとに、特徴や用いる目的が異なります。

事業承継を成功させる上では、適切なものを選ぶ必要があります。

次項からは、各保険ごとに活用方法をご紹介します。

※関連記事

事業承継とは?方法や事業承継税制・補助金、M&Aでの活用について解説

生命保険活用による事業承継対策

まず初めに、個人事業主の事業承継対策をご紹介します。

⑴生命保険への加入

個人事業主が存命の内に生命保険に入ることをお勧めします。

具体的には、後継者を保険金の受取人にしておきます。

そうすれば、後継者に多額の保険金を残せます。

ただし、後継者は「配偶者」もしくは「二親等以内」である必要があります。

二親等以内とは、子供や孫、親、祖父母までを指します。

従兄弟が後継者の場合、原則受取人には出来ないので注意です。

⑵生命保険の活用目的

個人事業主の場合、株価の下落による節税は施せません。

よって事業承継の際は、資金の確保を目指すのが一般的です。

生命保険に加入すれば、事業承継後の運転資金を確保できます。

この際後継者が受け取れる資金は、相続財産とは見なされません。

ですので、他の相続人の遺留分の計算には含めません。

遺留分とは、一定範囲内の相続人が最低限入手できる相続財産です。

遺留分に含まれない為、後継者が生命保険金の全額を得られます。

事業承継後も、それまでと同様に運転資金が必要です。

多額の生命保険金を獲得すれば、事業の運営に充てられます。

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個人事業の事業承継

逓増定期保険を用いた事業承継対策

ここからは、主に法人の事業承継に活用可能な保険をご紹介します。

まず初めに、逓増定期保険を解説します。

これは、比較的すぐに事業承継を実施するケースで利用します。

⑴逓増定期保険の特徴

事業承継対策として最も活用されているのが、「逓増定期保険」です。

逓増定期保険とは、加入期間が長くなる程、保険料が高額になる保険です。

加入時点と比較して、最高で5倍程度まで保険料が増額します。

ただしその代わり、死亡した際に受け取れる保険金も多額となります。

また解約時には、多額の「解約受戻金」を受け取れます。

以上の性質から、比較的すぐに(5〜10年後)に事業承継を実施するケースで有効です。

⑵逓増定期保険の活用目的

逓増定期保険は、事業承継時の税負担を軽減する目的で活用されます。

前述の通り保険金は、損金算入できます。

定期逓増保険の保険金は高額である為、その分利益を大幅に圧縮できます。

その結果、株価も大幅に引き下げることが可能となります。

事業承継に係る税負担を軽減する上では、定期逓増保険の利用は非常に有効です。

またこの保険は、事業承継時に支払われる退職金の確保目的でも利用されます。

前述の通り、逓増定期保険には解約受戻金が設定されています。

解約受戻金はある一定の期間までは、額が増えていきます。

ピークとなる5〜10年目に解約すれば、支払った保険料の約9割を返還してもらえます。

つまり税負担を軽減可能な上に、事業承継時の退職金を確保できます。

長期平準定期保険を用いた事業承継対策

次に、長期平準定期保険をご紹介します。

先ほどの保険とは違い、長期的なプランで事業承継を行う方向けとなります。

⑴長期平準定期保険の特徴

長期平準定期保険も、事業承継の対策に多用されています。

この保険は、死亡保険金が一定である一方で、保険期間は長く設計されています。

定期逓増保険とは違い、解約受戻金の上昇スピードは非常に遅いです。

ただし、比較的解約受戻金のピーク期間が長く続きます。

以上の性質から、事業承継にじっくり時間をかける場合に有効です。

⑵長期平準定期保険の活用目的

長期平準定期保険も、事業承継時の税負担軽減や退職金の積立手段として有効です。

解約受戻金のピークは、20年〜30年後に設定されています。

その為この保険を活用すれば、長期的に事業承継を進める事が可能です。

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事業承継における節税

終身保険を用いた事業承継対策

最後に、終身保険を用いた事業承継対策をご紹介します。

これまで紹介した保険とは、性質が異なります。

⑴終身保険の特徴

終身保険とは、前述した「逓増定期保険」や「長期平準定期保険」とは性質が異なります。

終身保険では、加入後一生涯にわたって保障が継続されます。

つまり経営者が亡くなった際には、後継者は必ず保険金を受け取れます。

保険料が非常に高額である一方で、保険料の全額が資産計上されます。

よって、事業承継時の税負担軽減には活用できません。

確実に保険を受け取れる一方で、利益圧縮には活用できないのでご注意ください。

⑵終身保険の活用目的

前述の通り、事業承継の税金を減らす効果は期待できません。

その代わりに、事業承継の資金を確実に確保できます。

後継者を受取人に設定しておけば、相続時に多額の保険金を受け取れます。

そこで確保した資金を用いて、相続税の支払いを実行できます。

※関連記事

事業承継税制とは?事業承継税制の要件やメリット・デメリットを解説

まとめ

今回は、事業承継対策としての保険活用を解説しました。

保険を有効活用すれば、事業承継で様々なメリットを享受できます。

ただし保険の種類によって、期待できる効果や特徴が異なります。

事業承継で利用できる保険は多様に存在します。

その中から、自身の目的に合った保険を利用するのがベストです。

特に重要なのが「事業承継のタイミング」です。

すぐに事業承継したい場合には、逓増定期保険が適しています。

一方で長期的に事業承継の準備を進める場合には、長期平準定期保険が適しています。

また、確実に保険金を受け取りたいならば、終身保険を利用しましょう。

以上の通り、事業承継では用いる保険の種類が重要となります。

事業承継の際には、用いる保険を慎重に検討しましょう。

とはいえ、保険を用いた事業承継対策には、税金の専門知識が必要です。

ここで紹介した事は基本事項であり、この知識のみで節税等を図るのは危険です。

実際に事業承継に役立てる際には、一度税理士等の専門家に相談しましょう。

税理士に相談すれば、効果的に事業承継の対策を実施可能です。

また保険の活用のみならず、事業承継には様々な対策があります。

例えば事業承継税制を活用すれば、納税タイミングを猶予してもらえます。

他にも不動産を活用すれば、株価の引き下げを期待できます。

事業承継の対策は、複数実行するのがベストです。

要点をまとめると下記になります。

  • 事業承継対策に保険を用いるメリット

→事業承継資金の確保、節税(利益額の圧縮)

  • 事業承継に用いる保険の種類

→生命保険(経営者の個人加入)、逓増定期保険、長期平準定期保険、終身保険

  • 生命保険(経営者の個人加入)

→事業承継後の運転資金獲得を目的に用いられる

  • 逓増定期保険とは

→加入期間が長くなるほど保険料が高額になる保険

  • 逓増定期保険の利用目的

→事業承継の税負担軽減、退職金の確保

  • 長期平準定期保険とは

→死亡保険金が一定、解約受戻金のピークが長い

  • 長期平準定期保険の利用目的

→事業承継時の税負担軽減、退職金の積立(逓増定期保険と同様)

  • 終身保険とは

→一生涯にわたって保障が継続する保険(亡くなる際に保険金が支払われる)

  • 終身保険の利用目的

→事業承継で生じる納税資金確保

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